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(2025/06/20)新作漫画が出ました

多機能クリボックス

多機能クリボックス

770円(税込)

『クリトリス販売サービス』にて泣き叫ぶほどにイカされまくる、クリボックスによるクリ責め・連続絶頂特化のお話。本編55ページ。

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くすぐりリゾートホテル 全身こちょこちょ強制連続絶頂させられ続ける二泊三日の旅

◆あらすじ
デパートのくじ引きで”なお”が引き当てたのは、くすぐりリゾートホテルの宿泊券でした。そこは宿泊中、女性スタッフたちがずっと全身をこちょこちょくすぐってイカせてくれる、癒やらしと快感の空間。なおは、1番くすぐったい足の裏はもちろん、腋の下、お腹、太もも、お胸やアソコまで、二泊三日でたっぷりくすぐられることになります。お部屋で、温泉で、エステで、ライブラリーラウンジで、ミニシアターで、ミュージアムで、ビーチで、特別こちょこちょ連続強制絶頂処置室で――。

 

地元のデパートにて。

「おめでとうございまーす! 1等賞です! 1等賞の『二泊三日リゾートホテル宿泊券』が出ましたー!」
「わーお……」

これは、ある日突然、私――名尾なおが一生分の運を使い果たしたお話。

 

「――ということが、この前あってさ」
「すっごいじゃないですか、先輩! リゾートホテルなんて、もう一生分の運使い果たしました?」

「私と同じことを。……とは言ってもねー」

私は会社で、仲の良い後輩とそんな会話をしていた。

指でつまんでいたチケットをまじまじと見つめる。正直、自分が手にしたものの価値というものを、私はあまり実感できていなかった。リゾートホテルなんて言われても、庶民にはぴんと来ないもんだ。

「場所は、Q県X市? 何だかぱっとしないっていうか、そんなわざわざ行くような観光地なんてあったっけ?」
「違いますよう! いいですか、先輩。リゾートホテルっていうのは、普通のホテルと違って、観光地に行くための中継地じゃないんです。きれいなビーチにおしゃれなラウンジ、おいしい食事とお酒、スパにエステ、ちょっとしたアクティビティ! リゾートホテルっていうのは、それ自体がなんですよ!?」

「そ、そうなの。詳しいね」
「詳しいわけないじゃないですか、全部雑誌の知識ですよ。あーうらやましい!」

観光地に行くわけでも、グルメを巡るためでもない、ただ宿に泊まるための旅行――どうにも、私みたいな庶民には理解しにくい感覚だなあと思ってしまう。

「それで、どういう所なんですか?」
「なんか、調べても出てこないんだよね。できたばかりなのかな」

「そんなことあります? ヤバいところ?」
「まあ、しょせんタダでもらったやつだし。変な所でも、それはそれでネタになるかな」

「今度の連休ですか? どんな所だったか教えてくださいねー!」

私はそんな軽い態度を演じながら、だけど胸の中が確かにそわそわしているのを感じていた。

ええと、リゾートホテルの名前は何だったかな。エル、イー、シー……『Le Chatouillement』? 英語じゃないよね。読めないけど、まあいいか。行けば分かる。

 

――――
――

 

1日目
9:00 238号室

「こちらがお客様――なお様のお部屋になります」
「わーお……」

我ながら、気がはやっていたと思った。

早朝始発の在来線から、数駅向こうで新幹線に乗って、1時間ちょっと。そこからまた在来線に乗り換えて数十分。小っちゃな駅に、送迎のマイクロバス。運転手さん以外に私しか乗っていないことに気づいて、『何浮き足立ってんだ』と我に返る。赤面する私をバスは下ろしてくれず、そこからさらに何十分か。

だけど、行き先はそんなお恥ずかしさが全て報われるほどの、素晴らしいホテルだった。ネットで画像検索して出てくるような超巨大建造物よりかはこぢんまりとしているけれど、3階層の建物はきれいでオシャレ。こうして案内された2階のお部屋も、なんと碧の海がきらめくオーシャンビュー。ベッドは大きく、海に面する壁は全てガラス張り。

私のような運を使い果たしただけの庶民が、本当にこんな素敵なホテルに泊まってよいものかと不安になってしまう。

「申し遅れました。本日より、なお様の身の回りのお世話をさせていただきます、真白ましろと申します」
「お、お世話って……?」

「文字通りの意味です。なお様のご要望に応じて施設内のご案内と、ご利用のサポートをさせていただきます。滞在中は、何でもお申し付けくださいませ」

そう言って頭を下げる女性――ましろさんに、私は驚愕した。

私よりほんのちょっと年下ぐらいだろうか、20代前半の女性。長い黒髪で、背は私より低く、華奢。爽やかな白色の制服はお上品できれいだけど、ましろさん自体はどちらかというと、かわいらしい感じ。こんなすごいホテルで働いてるんだ。きっとすごい優秀なんだろう。

そんな彼女が、わざわざ私なんぞにつきっきり。それって、あれでしょ!? あれ、いわゆる、あの、その、ええと……バトラー?ってやつ! あまりにも私の常識からかけ離れた世界に、いよいよもって頭の中がふわふわしてしまう。

「あ、ああ、どうもでもっ。私、デパートの福引きで当てただけで、こういうところ初めてで。こういうところでどうすればいいか分からないっていうか……」

セレブリティアレルギーを起こした結果、私はみっともなくあたふたし始める。だけど、ましろさんはそんな私を嗤うことなく、むしろ優しく微笑んでくれるのだ。

「それでしたら、まずは当ホテルの魅力を一早くお楽しみいただく方法をご提案いたします」
「じ、じゃあ、それでいいです」

「……ありがとうございます♡」

私が『もう何でもいっか』と思いながら応えた瞬間、ましろさんをまとう空気が変わったような気がした。

 

「あ、あの、ましろ、さん……? 近い、です」
「ふふ♡」

私にすすりと近付くましろさんに、私は少しぎょっとする。

たじたじするだけの私と、どこか妖しい笑みを浮かべるましろさん。あまりにも距離が近いから、私が1歩下がろうとした瞬間、ましろさんが私に抱きつくのだ。

「えーいっ♡」

ましろさんの素なんだろうか? びっくりするぐらいかわいらしい掛け声の直後にやってくるのは、もっとびっくりする感覚。

「こちょこちょこちょこちょーっ♡」
「ふひゃはっ!? ぁは――! あっははははははははははっ、あははははははははははははひゃぁ!?」

あまりにもあんまりな状況だったから、私の”平常と異常を区別する能力”はさっぱり麻痺していた。私は脇腹からやってくる刺激に、ただ素直に反応し、笑い声を上げる。

だけど、5秒ぐらいくすぐられてから気付く。あれ、いくら何でも、これはおかしくない!?

「なっははははははははぁぁぁぁっ!? なにひっ、えへっ、えぇぇぇぇっへへへへへへへへぇぇぇぇぇぇええ!?」
「なお様、とっても弱いんですね。これから二泊三日、とっても愉しみです……♡」

「えっへへへへへぇぇぇぇ、えええええええっ、へえぇぇぇぇぇぇぇぇええっ!!?」

私は頭にたくさんの『ハテナ』を浮かべているけれど、ましろさんの10本の指が私の脇腹に食らいついて離さない。あれ、これ普通のこと? いや、そんなはずないよね? おかしいよねえ!?

「ちょっと待ってへへへっ、どっ、どぉ!? これどぉいうことですかぁひゃはははははっ!?」

そこで、ましろさんの動きがやっと止まった。ましろさんは『あら』という顔をした後、何か考え込むように黙り込む。5秒、6秒、7秒――少し気まずい。脇腹にはましろさんの指が食い込んだままで、まだちょっとくすぐったかった。

「……そう言えば、なお様は福引きで当ホテルのチケットを入手された、と」
「え、ええ」

「当ホテルをあまりご存じでない?」
「ええ」

すると、ましろさんは『なるほど』とうなずいてから、一度私から離れて姿勢を正す。

脇腹から指が離れて助かったと私が思ったのは、一瞬だけだった。

 

「当ホテル『Le Chatouillementル・シャトウィユマン(=くすぐったがり)』はくすぐりリゾートホテルです」
「……なんて?」

「当ホテル『Le Chatouillement』はくすぐりリゾートホテルです」

びっくりしたー。ましろさんが突然、笑顔でくすぐりリゾートホテルですって言ったのかと思ったー。

私は頭を押さえながら深呼吸で脳に酸素を補給して、言語理解力をMAXにしてから、ましろさんの次の言葉を待つ。

「お客様のお体をたっぷりこちょこちょすることで、癒やらしと快感のお時間をご提供いたします♡」

うん、おかしいな。右耳で聞いても左耳で聞いても、いかがわしい意味にしか聞こえない。それは、リゾートホテルというものを一生懸命ネットで検索してきた私でも、知らない世界だった。いや、もしかしたら、お金持ちの世界では、そういうのが当たり前なのかもしれないけれど。ああもう、何もかも自信がない。

少なくとも分かっているのは、このホテルがということだ。

「あ、あの、やっぱり宿泊キャンセル……」
「ダメです♡」

なんでだよ。福引きで一等賞を当てた結果がな私の気持ちを考えろよ。これなら二等のほうがよっぽど良かった。二等は松阪牛だぞ、松阪牛。

だけど、返答に困っている私に、ましろさんはまたすすりと近付くんだ。

「なお様は、私が相手ではご不満ですか?」
「ぅ……」

「ご不満、ですかぁ♡」
「ぅぅ……」

そういうことじゃないんだけど――ましろさんが私のことを上目遣いで見つめてくるから、言葉が喉で引っかかる。

このましろさんという女性、すっごくかわいいんだ。そんな女性に体を触れられるというのは、否が応でもどきどきしてしまう。それが二泊三日? なにそれやばい。でも、だけど、だって、だから――。

そんな風にうろたえる私なんて、ましろさんにとってはさぞ隙だらけで、ちょろかったろう。ましろさんの10本の指が、再び私の脇腹に食い込んだ。

「えいっ♡」
「んひゃぁあっ!?」

「まずは、お試ししてみましょう? それで本当にキャンセルされるか考えてみては?」
「ひゃはっ、ひゃっははははははははははぁぁぁぁああっ!? そんなっ、あはっ、そんなこと言われてへもぉぉっほっほほほほほぉぉぉぉおおっ!?」

再会されるくすぐり責め。

このホテルがということを認識してしまった今、脳がサイレンを鳴らすこともなくなってしまった。『異常』という名のノイズがなくなった私の体は、より繊細に彼女のくすぐり責めを感じるようになる。

すると、彼女の、そしてこのリゾートホテルのというものを体で理解してしまうのだ。

「えへっ、えっへへへへへへへへぇぇぇぇえっ♡ ちょほっ、りゃめっ、その触り方っ♡ 体おかひくなるかりゃぁぁぁっひゃっははははははははははははぁぁぁあっ♡」
「なお様は、こちょこちょされると力が抜けてしまうタイプなのですね♡ 逆に大暴れしてしまう方もいらっしゃるんですよ」

「そりゃはっ♡ こんにゃのされたらおかひくぅぅぅっひゃっはっははははははぁぁぁぁあっ♡」
「遠慮なさらず、絶頂されてください?」

ましろさんのくすぐり方というのは、優しいのに、どこかねちっこいというか、湿度を感じさせるというか。からからと笑わされるのではなくて、全身を鳥肌立たされて、変な声を上げさせられて……。

つまり、有り体に言えば、その……気持ちいいんだ。性的に。

「えへっ、へっ、へへへへへへぇぇぇ……っ♡ ちょ、もぉ、立ってられなっ、あ――」

私はお腹をくすぐられながら、よろよろと押されて、ついにはベッドに押し倒されてしまう。

だけど、それはおしまいの合図ではない。むしろ始まりだ。

「ちょほっ腋ぃぃぃいっ!? んにゃーーっはっははははははははははははははははぁぁあっ♡ あはっ、あはははははははははははっ♡ あぁぁぁぁああああーーーーっ♡」
「お腹よりも腋の下のほうが弱いのですね♡ 他はどうでしょう?」

「いひゃぁぁぁあんっ♡ 首は、変――♡ あっ、背中♡ んひひひひひひひっ、もぉぉぉあちこちいぃぃぃひっひひひゃははははははははぁぁぁぁあっ♡」
「二泊三日、たっぷり満足していただくために、今のうちになお様の弱点を調べさせていただきますね♡」

お腹をくすぐっていた手が、腋の下に移動していく。と思ったら、首、背中。そのくすぐり方は、彼女の言う通り、全身の弱点を調べ尽くすようなくすぐり方だった。

「太ももは変にぅぁぁあっはっははははははははははははははぁぁぁぁあっ♡ だめっ、だめっ、だめぇぇっへへへへへへへへへへへへぇぇぇぇえっ♡」

「腋の下であんなに悶えてらしたのに、下半身のほうが弱いのですね♡」
「えへへへへへへへっ、でへっ、へぅぇぇぇぇええっ♡」

太もも、膝、膝裏、ふくらはぎ、すね、足首――そして10本の指先が私の体の1まで下りた瞬間、私はエビのように背筋をのけぞらせた。

「っ~~~~~~~~♡♡」
「あら、お足の裏が1番弱いんですかぁ♡」

「ちょ、待――♡ そ、そこ、は――」

ましろさんのねっとりとした声は、私の背筋をこの上なくぞくぞくさせるのだった。

そして、両足首を左の小脇に抱えて、右手で足の裏を――。

「こちょこちょこちょこちょーっ♡」
「――っや゛ーーっはっははははははははははははぁぁぁぁぁぁああっ♡♡ あひっ、あひゃぁぅあぁぁぁぁぁあああっはっははははははははははははははははぁぁぁぁあっ♡♡」

両足首を束ねて抱えられた私にできることなんて、そう多くない。大声で笑いながら、釣り上げられた魚のようにぴちぴち跳ね回るだけだ。神経に変な電流を流されているような気分だった。

……だけどこの電流は、あまりにも強烈なはずなのに、どうしてこうも甘いのだろう。

「ぃひっ、ひっひひひひぃぃぃぃいい――♡♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ ひはっ、ひゃぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

絶頂。それは、あくまで軽い絶頂だったかもしれない。

だけど、足の裏をくすぐられるだけでイッてしまったというのは、普通の性経験しかない私にとってあまりに衝撃的で。そして足の裏から登ってくるくすぐったさが子宮までをもくすぐってくる快感は、すごく癖になるようで。

私の絶頂を見届けて、ましろさんはようやく足の裏をくすぐる手を止めた。

「それでは、本日より二泊三日、よろしくお願いいたしますね。なお様♡」
「ひっ、ひーー……♡ ひーーーー……♡」

ましろさんが満面の笑みを浮かべる。

今からキャンセルしたいか?――私の様子を見れば、その質問はするまでもなかったらしい。

 

「本格的なご宿泊に入る前に、こちらのパウチの液体をお飲みください」
「何、これ、ゼリーみたいな……。うわっ、思ったよりどろっとしてる」

「喉を保護するお薬です。これで1日中大声を上げ続けても大丈夫ですよ」
「ぅぅ……」

お寿司のパックに入っている醤油みたいな小袋を開けて一飲みしながら思った――つまり、私はこれから1日中大声を上げさせられ続けるのだろうか。すごく恐ろしい宣言をさせられているようで、不可解なことに下腹部がくるくるとうずいている。

そんな恐怖と期待の中、二泊三日のリゾートホテル滞在が始まるのだった。

「ホテルに滞在中は、こちらのウェアをご着用ください。履き物は、お部屋の入り口に置いてありますサンダルを」
「わっ、すっごいゆったりしたワンピース。これはリラックス性能高い……」

「薄手の生地ですから、とってもくすぐりやすいんですよぉ……♡」
「……せめて足元はスニーカーを」

「ダメです♡」
「じゃあ靴下ぐらいは……」

「ダメです♡」

 

――――
――

 

9:30 温泉

「旅の疲れを落とすには、やはり温泉が1番かと」
「うおーっ、広い浴場……! っていうか、ましろさん、お風呂にまで付いてくるんですか……」

「それでは、椅子にお座りください。お体をお洗いいたしますね♡」
「んにぁはぁぁっ♡ 腋ににゅるんってへぇぇっへっへへへへへへへへぇぇぇぇぇえっ♡」

「ここのボディソープはぬるぬるしているでしょう? くすぐりやすいように、粘度を調整した特別製なんですよ♡」
「っていうか、っていうかぁぁ♡ お風呂でもくしゅぐるんですかぁあっひゃっははははははははははひゃははははははははっ♡」

「もちろんです♡ 二泊三日、たっぷりたっぷり、くすぐり漬けにして差し上げますね……♡」

どれだけ必死に腋を閉じても、ボディソープでぬるぬるになったましろさんの手は、にゅるにゅるとうごめく。『ああそれと』――ましろさんは思い出したかのように、私の耳元でささやき始めた。

「私に対して敬語を使わなくても大丈夫ですよ♡」
「ふぇぅぇっへへへへへへへへぇぇぇえっ♡ でもっ、でもぉぉっほほほほほほぉぉぉおっ♡」

「まあ、私の好みのようなものです。もしよろしければ」

くすぐられている最中というのは、脳の働きが嫌に鈍くなる。『くすぐったい』にリソースが割かれて、気の利いたことが言えなくなるもんだ。

「それでは、敬語がなくなるまでお足の裏をこちょこちょ洗いして差し上げますね♡」
「にぎゃーーーーッ♡♡ ぬるぬるの指で足の裏はやばいですっでぇぇぇっへへへへへへへへへへへぅぁぁぁぁああああ~~~~~~~~ッ♡♡」

「ほら、なお様。け、い、ご♡」
「それっ、それっ、ぐすぐる体裁が欲じがっだだけでしょぉぉぉおっほほほほほぉぉぉぁ゛ぁぁぁああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

 

――――
――

 

10:30 エステ

「なお様、誠に残念なのですが、エステは私ではなく専門のスタッフが対応いたします」
「だ、誰が担当したところで、どうせくすぐるんでしょ……!?」

「はい、もちろん♡」

エステベッドの上でダンゴムシのように身を縮こまらせている私に、ぬるぬるのオイルが塗りたくられる。

「んひゅぃぅぁあ背中ぁぁぁひゃっはははははははひゃぁぁあんっ♡ ちょっ、手つきいやらしっ♡ これっ、これエステじゃないでしょぉぉぉひょぅぉぉっ♡」

「こちょこちょには、血行促進やデトックス、自律神経の調整、ストレス解消など、さまざまな美容・健康効果があるんですよ?」
「絶対うそだぁっひゃはっはははははははぁあんっ♡ っんぎゃーーッ、ぬるぬるが腋の下に入ってぎだぁぁぁっひゃっははははははははははははははぁ゛ぁぁぁぁあああっ♡ あ゛ーーもーーお風呂のと同じぐすぐっださぁぁぁぁっひゃっはははははははははははぁ゛ぁぁぁぁぁああっ♡」

思考より先に言葉が出る。そして言って気付いた。ぬるぬるのボディソープと、ぬるぬるのオイルは、くすぐったさが似ている。肌に爪を立てても痛くならず、むしろ奥にある神経をそりそりと直接くすぐられているような、理不尽な刺激。

だけど、この人たちはそんな同じ刺激で満足してくれる気はさらさらないらしい。

「なお様、ここは水場ではありませんから、使える道具も増えるんですよ♡」

ましろさんの手に握られているのは、ヴヴヴと音を立て続ける機械。それは、見間違うことなく――。

「いやっ、いやいやいやいやッ!!? 電マそれはもぉくすぐりじゃな――!? ああでもマッサージ器具だから一周回って正しいぃぃぃい!!?」

ましろさんはパニックに陥る私に馬乗りになって押さえつけながら、アソコに電動マッサージ器を押し当てた。そして、それと同時にエステティシャンさんが、私の両足の裏をくすぐり始める。

もしも、くすぐり責めにおける1番の弱点を足の裏とするなら、快楽責めにおける1番の弱点はクリトリスだ。そんなの、同時にされたら――。

「――っあ゛ーーーーっひゃっはっはははははははははははははぁぁぁぁぁぁああッ♡♡♡ やばひッ♡♡♡ やばいやばいやばいやばいぃぃぃぃいひっひゃっははははははははははははははッ♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

「あらあら、あっという間にイッてしまわれましたね♡ でも、まだ施術は終わっておりませんので……♡」
「ふぎゃぁぁっはっははははははははははははひゃはははははははっ♡♡♡ なにこれなにこれ何これ゛ぇぇぇっへへへへへへへへへへっ♡♡♡ イッだ後っ、神経変んんんんッ♡♡♡ くしゅぐっだすぎるぅぅぁっはっははははははははははぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

このホテルに来てからあっという間に、私はくすぐられるだけでイケるようになってしまった。それなのに、ここに来て当たり前に気持ちいい、電マ責めをプラス。1+1が3にも4にもなって、私をイカせてくる。

「っでいうが、まじろざんが普通に責めに加わっでるぅぅぅぁぁぁあっひゃっはははははははははははぁ゛ぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ ッ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」
「だって、私だって、なお様のこと気持ちよくして差し上げたいんですもん♡ だめですかぁ♡」

「今そのぶりっ子が通用するど思うな゛ぁぁぁっはっはははははははははははあひッ♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ ひゃぁ゛ぁぁぁぁああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

ましろさんって、結構ずるいよな――そんなことをぼんやり考えながら、午前中はずっとエステで過ごしたのでしたとさ。

 

――――
――

 

12:30 レストラン

「しょ、食事の時はくすぐらないんだね」
「食べ物を粗末にしてはいけませんので」

「急に冷静じゃん……。で、でも安心した」
「ほら、なお様。地元で養殖されているすっぽんの唐揚げですよ、あーん♡」

「そっ、そそそそそういうお世話は要らないからぁ!? っていうか、すっぽん、牡蠣、レバー、山芋……ちょっと露骨すぎない?」
「全てこの土地の名産です♡」

 

――――
――

 

13:30 ライブラリーラウンジ

「ちょっとした図書館みたいな所? 何だかすごい贅沢……」
「本を読みながらゆったり過ごしたい方はたくさんいらっしゃるんですよ」

「へえ。いかがわしいホテルだから、こういう場所があるのは意外……あの、ましろさん?」
「はい」

「何だか、本のラインナップがおかしくない? 『くすぐり奴隷調教日誌365日間』『私の初恋はあなたのくすぐったい指先』『擽獄 53巻』……」
「ここにある蔵書はすべて、くすぐりエッチものです」

「そんなバカな話があるか――って、うぉっ♡ すご、表紙からもうこれ……♡ はぅぇ、ぇぇぇぇ……!? こ、こんなことしちゃうの……!?」
「それでは、再現して差し上げますね♡」

ましろさんは、本棚の前で棒立ちの私を抱きしめるように背後から手を伸ばして、薄手のワンピースの上からアソコをもにもにとくすぐり始めた。

「んひぅぁあっはっははははははひゅぉおっ♡ ちょっ、いきなりっ、そんなところぉぉぉっふふふふふおぉぉぉぉおおっ♡ たっ、頼んでなひぃぃっひひひひひひひひひぃぅ♡」
「なお様が手に取られたのは、『私と後輩のこちょこちょ秘め事』ですか。女学園に通う主人公が、後輩の女の子に迫られて、人知れずこっそり情事にふける物語ですね。今ご覧になっているのは、学園の机の下で、後輩が主人公のアソコをカリカリくすぐってあげているシーンです」

「なにっ、なんで内容知ってるのぉぉっっほほほほほほぉぉぉおおっ♡ ちょほっ、アソコの盛り上がってるところカリカリしにゃいでぇぇっへへへへへへへへへへぇぇぇぇえっ♡」
「有名作ですよ。主人公は、後輩にされるがまま。後輩の女の子、結構強引なんですよね。……なお様も、強引にされるのがお好きですかぁ♡ それも、年下の、女性にっ♡」

「こっ、これはたまたま手に取っただけだってぇぇっへへへへへへへへへへへひッ♡ あっ、だめっ♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」

どうしてましろさんは、そんなにうれしそうにしているんだろう。

アソコをカリカリされて、あっという間にイカされてしまって。そんな私を、ましろさんは背後から抱えるようにして歩く。

「さぁ、お席に座ってください♡ っ♡」

この人ノリノリだなあ。

ラウンジに並べられた、読書用の椅子の一つに座らされる。そして足下にしゃがみ込んだましろさんが、私の膝を開かせて、ワンピースをめくって、下着の上から無防備なアソコを――。

「――んひゃぁぁぁぁああああああんっ♡♡♡」
「せんぱーい、そんなに声を出してたら、周りにバレちゃいますよぉ?」

「そんなこと言われへもっ♡♡♡ アソコこちょこちょされへ我慢できるわけぇぇっへっひゃっはははははははははははぁひゃぁぁあああんっ♡♡♡」

というか、このホテルではそこかしこで女性客とスタッフがおっ始めてるから、バレるもへったくれもないんだよなあ。

そして、そんなことをされていたら、私の1番敏感な部分はあっという間に興奮してしまうわけで。

「せんぱい、クリトリスがくすぐってほしそうに、びんびんになってますよぉ♡」
「ひぅ――♡ だめ、そんなところくしゅぐられたら――♡」

「こちょこちょこちょこちょーっ♡」
「んひゃぅあひぇぉぁぁぁああっはっははははははははははははははははぁぁぁぁあっ♡♡♡ そこはくしゅぐるところじゃなひぃぃっひひひひひひひひひひひひひひぃぃぃいい♡♡♡」

「いーえ、せんぱい♡ クリトリスは立派な、くすぐったい部位なんですよぉ? ほぉら、人差し指2本でこちょこちょこちょこちょーっ♡」

「ふぉほぉぉぉぉおおおおおおッ♡♡♡ ひはははははあはッ♡♡♡ 何これくしゅぐっだひのと気持ぢいのが同時にやっでぎでぇぇぇぇっへっひゃっはははははははははははははははぁぁぁぁぁあッ♡♡♡」
「そーれーでー、残った指で、アソコをくまなくこちょこちょこちょこちょー♡」

「っに゛ゃーーーーッ♡♡♡ アソコがくしゅぐったひので埋め尽くひゃれ――♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ んひゃははははははははぁ゛ぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

 

――――
――

 

14:00 ミニシアター

「あの、がスースーするんだけど……」
「下着を濡らしてしまいましたからね。履いていては風邪を引いてしまわれるかもしれません」

「誰のせい……」
「このホテルではよくあることですので、お気になさらず。下着は洗濯して、お帰りの際にはお渡しいたしますのでご安心ください。あ、上映始まりますよ」

そんな会話をしている私たちがいるのは、座席が20ちょっとしかない、本当に小さな映画館。

普段の私なら、『たまにはこういうのもいいなー』なんて思うかもしれない。だけど、今の私ははっきり言ってそんな風には思えない。

だって、はもうすっかり読めてしまっていたから。

『――だめぇぇっへっへへへへへへへぇぇぇぇぇえええッ♡ 腋の下ッ、わぎのしだくすぐっだひぃぃぃひっひゃっはははははははははははははぁ゛ぁぁぁぁああああああッ♡』

「って、やっぱりAVかい! 案の定くすぐりモノだし!?」
「再現して差し上げ――」

「天丼いらないから!」

ましろさんが少し不満げに言うには、今回の上映は『くすぐり雌牛さんのこちょこちょ母乳生産記録』とか。何だそれはと思ったら、ましろさんは『有名作ですよ』と返した。そんなばかな。

『腋の下とおっぱいばっかりぃぃっひひひひひひひひひひぃぃぃぃいッ♡ 指っ、指多いぃぃぃッ♡ そんな5人で腋の下とおっぱいくしゅぐられたら上半身壊れひゃぅぅぅぁ゛っはっははははははははははははははぁ゛ぁぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡』

だけど、母乳を生産するというコンセプトだからだろうか。大勢で女性の腋の下から胸にかけてをしつこくしつこくくすぐり続ける映像を見ていると、どうしても体がそわそわしてしまうもので。

横から、ましろさんがぽそっとささやいた。

「……再現、本当に要りませんか?」
「ぅ」

「もう、遠慮されなくてもいいのに♡」

ワンピースがめくられて、ましろさんの手がお腹からするっと入ってくる。

「もう下は履いていませんし、上も取ってしまいましょうか。そのほうが、くすぐったくて気持ちいいですよ♡」
「んひぅうっ♡ ふぉっ♡ わ、腋ぃ、ひゃぅぁっはっはははははははははははぁぁぁぁあっ♡」

「こうもこちょこちょ漬けだと、乳首もくすぐったいでしょう?」
「んひゃははははははッ♡ なっ、どしてっ、乳首こんにゃにくすぐったいところじゃなかったのにぃぃひっひゃっははははははははははははははははぁぁぁぁあッ♡」

「ほぉら♡ 親指で乳首をこちょこちょ♡ 残った指で腋の下とお胸をこちょこちょ♡」
「ふぁひぃっひひひひひゃはははははははははははははッ♡ 上半身がくしゅぐったいので埋め尽くしゃれッ♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ ひひゃはぅは~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

「このまま、母乳が出るまで続けましょうね♡」
「でるわけなひッ♡♡♡ 出るわけないぃぃっひひひひひひひゃははははははッ♡♡♡ こんなの、上半身が壊れ――♡♡♡ ひひひひひぅぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

 

――――
――

 

16:00 ミュージアム

「ここは、さまざまな企業様が開発されている、くすぐりマシンやその資料が展示されています」
「私の知らない世界だあ……」

「そしてこちらがつい先週から展示が始まりました、T社の最新機。その名も『超絶足裏こちょこちょ無限極楽昇天逃走不可必叫悶絶永久連続強制絶頂装置』です」
「……なんて?」

「『超絶足裏こちょこちょ無限極楽昇天逃走不可必叫悶絶永久連続強制絶頂装置』です」
「よくスラスラ言えるね」

椅子と呼ぶにはあまりにゴツい機械。座面があって、両足を前に投げ出す位置にごうごうと危険な音を鳴らし続ける大きな箱があった。いかにも、『この箱の中に足を突っ込んでください』という穴が二つ。

「それでは、早速使ってみましょうか」

「ちょ、押すな――! そんな聞くだけでヤバそうな名前の機械、誰が使――あ゛ーもうこの人思ったより力が強い!?」
「ホテルスタッフは肉体労働です!」

「言ってる場合か……! あ゛ー! ほら、座っちゃった! 座っちゃったじゃんんん!?」

座った瞬間に、椅子から拘束具がガチャン。そしてましろさんの抱える私の両足が、機械の箱穴にズボ。次の瞬間、両足を突っ込んだ機械の箱が、ぎゅいぎゅいとけたたましい音を上げ始めた。

じょりじょりじょりじょり! ぞりぞりぞりぞり!

「ふぎゃーーっははははははははははははぁ゛ぁぁぁぁああッ♡♡♡ なにっ、何、何起こってるのッ♡♡♡ ぬるぬるで、じょりじょりでっ♡♡♡ 何これなにごれな゛にごれ足の裏が死ぬほどくしゅぐっだはぁぁぁぁっはっはははははははははははははははぁ゛ーーーーッ♡♡♡」

金属でできた機械の箱の中で起きていることは、私には視認できない。

ましろさんが、私の足先のほうに回り込んだ。

「実は、こちらの面はガラス張りになっていて、ご利用者様のお足がはっきり見えるんですよ。なお様のお足の裏がどのようにくすぐったくされているか、僭越ながら私のほうから実況させていただきますね♡」
「いらないッ♡♡♡ 実況とかいらないがらこのぐすぐっだひの止めでぇぇぇっへへへへへへへへへへへへッ♡♡♡」

「さて、なお様のお足の裏は今どうなって――う゛わっ」
「『うわっ』っで何ッ♡♡♡ 何ッ、なにっ、中で何が起きでるのぉぉぉぁぁっはっははははははははははははははははひゃぁ゛ぅぁ゛はっはははははははははははははははぁ゛♡♡♡」

「あー、ええと。……気持ちよさそうで何よりです、なお様♡」
「ごまかされるど思うな゛ぁぁぁっはっははははははははははははははははぁぁぁぁあッ♡♡♡」

ぬるぬるぬるぬる! じょりじょりじょりじょり! にゅるにゅるにゅるにゅる! ぞりぞりぞりぞり!

「っっっぎゃーーーーーーーーッ♡♡♡ ふぎゃははははははぁ゛ぁぁぁああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ ッ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ ッ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

 

――――
――

 

21:00

「も、もぉ無理、寝る……」
「あらあら、お食事の後にもうお休みですか? 夜にも愉しめる施設はたくさんありますよ? ナイトプールに、バーに。ビーチに出るだけでも星空がきれいですのに」

「無理ぃ、眠いぃ……」
「……なるほど、分かりました」

朝からずっとくすぐられ、イカされっぱなし。そもそも今日は浮き足だって始発から行動していたわけで。私はもう限界だった。

私の様子を見て、さすがにましろさんも無茶だと思ったのだろう。納得してくれた。

……わけではなかった。

「では、ベッドに失礼いたしますね」
「なんでっ!?」

するすると服を脱いでベッドに入り込んで添い寝してくるましろさんに、私は心臓を吐き出すところだった。お風呂とかでましろさんの裸は見たけれど、寝床に入ってくるのは何だか話のレベルが違う!?

「ふふ♡」

キスができそうな距離で微笑むましろさん。そのかわいらしい表情にどぎまぎしていると、突然下腹部にくすぐったさがやってくるのだ。

「ふひゃぅぁっははははははぁぁぁあっ♡ なんッ♡ 今日はもぉ寝るってぇぇっへへへへへへへへぅぁぁぁあ♡」
「当ホテルでは、お客様をこうやって寝かし付けて差し上げるのが決まりなんですよ♡」

寝かし付ける――その言葉にふさわしく、確かにお腹をくすぐる手つきは優しいかもしれない。だけどそもそも、体をくすぐられて眠れるわけがないでしょうが!

「こんなことしてたら、ましろさんの休む暇なんひぇっへへへへへぇぇっ♡」
「お気遣いありがとうございます。それでは、なお様が早くお眠りになれば私も休憩時間が増えますので、少し寝かしつけて差し上げますね♡」

そういうことじゃない! 言う暇もなかった。

ましろさんはすすりと私の足下に潜り込む。そして、私の脚を無理やりM字に曲げさせて、足の裏に爪を立てながら、すっかりノーパンになって無防備なクリトリスを。

「ぺろっ♡」
「ひゃぅぁぁぁあああんっ♡♡♡」

「ぺろぺろぺろぉっ、ちゅっ、ちゅるるるるっ♡」
「ふぉっほほほほぁっひゃははははははははぁぁぁぁあッ♡♡♡ やばひっ、それやばいやばいやばひぃぃっひっひゃっははははははははぁぁぁぁぁあッ♡♡♡」

足の裏とクリトリスの同時責め。確か、午前中エステに行った時も、同じことをされたっけ。

だけど、ましろさんの手つきや舌遣いは、電マよりもずっとねちっこくて、じっとりとした湿度を感じさせて、何かが胸の奥からこみ上げていくのを感じる。

「んひゃぁぅぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

「ちゅるるるるるっ、ぺろぺろぺろぉっ♡ こちょこちょ、かりかりかりかりっ♡」
「イッだあどは敏感になっひぇるからだめぇぇっへっへへへへへへへへぅぇぇぇえッ♡♡♡ ひひゃはぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

そうやって足の裏とクリトリスで何度もイカされ続けると、こんなにもくすぐったくて気持ちいいのに、だんだんとまぶたが重くなっていくものらしい。

薄れゆく意識の中で思うのだった。

――これ、眠ってるんじゃなくて、気絶じゃね?

 

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――

 

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2日目
8:00 レストラン

「これは、体が持たない」

私がぽつりとそう言うと、隣に座って『あーん』させようとしてくるましろさんが、首をかしげた。この人、昨日一緒のベッドに入ったはずなのに、いつの間にかバッチリ身支度を調えて私の寝起きまでサポートしてくれている。

「お体が優れませんか?」
「いや、そういうわけではなく。……というか、昨日あんなにくすぐりイカされて、どうして私の体はこんな元気なんだ」

精のつく食事のおかげか、ましろさんのお世話があまりに手厚いおかげか、体はすっきり爽快だった。

でも問題は体力じゃない。くすぐったさの余韻が抜けず、全身のぞくぞくが収まらないのだ。神経が何かしらのエラーを起こしている。このままくすぐられたら、体が爆発してしまうかもしれない。

でも、ましろさんって結構強引なんだよなぁ。何が何でも私のことをくすぐろうとしてくる――そう思っていたからこそ、ましろさんの次の言葉はとても意外だった。

「それでは、午前中はゆっくりとお体を休めましょうか」
「いいの?」

「もちろん。何もせずのんびりとしたお時間を過ごすのも、こういった場所の醍醐味です」

私はほっとした。まさかましろさんが、こんなにも話の通じる人だったなんて。そう思うと、何だか気分が軽くなる。私は朝食をあっという間に平らげてしまった。

「ああ、ご移動の前に。こちらのお薬をお飲みください」

食後に手渡されたのは、醤油が入ってそうな小袋。確か喉を保護する薬だったか。

「……休憩なら要らないんじゃ」
「申し訳ありません。当ホテルの規則ですので」

私は渋々と中の液体を飲み込む。この薬、どろっとしてて飲み心地悪いんだよなあ。

ふと思った。……この体の頑丈さ、もしかしてこの薬、何かヤバいの入ってないだろうな?

 

――――
――

 

9:00 ビーチ

私は貸し出されたビキニを着て、浜辺の大きなビーチチェアに身を預けていた。このビーチチェアすごい。めちゃくちゃ大きくて、まるでベッドみたい。

「なお様、こちらはフルーツカクテルです」
「ああー……。ましろさん、ありがとー……」

特に何をするでもなく、ただ寄せては引いていく波の音に耳を傾ける。なるほど、これは贅沢だ。

散々くすぐられてきたから、平穏が恋しくなっているのかもしれない。

「それでは、私も失礼いたします」
「へぅえッ!?」

いつの間にか水着を着ていたましろさんが、するりとビーチチェアに乗り込んでくる。添い寝――しまった、このビーチチェアがやたら大きいのは、このためだったのか!

そして、柔らかな手のひらが私のお腹をさわり。

「けっ、結局くすぐるのぉ!?」

私は反射的に飛び起きた。『体を休めましょう』なんて言いながら、くすぐってくるのはあんまりじゃないか。

だけど、ましろさんは動じない。むしろ、私のことを優しく諭すように、お腹を優しくなで続けるのだ。

「ご安心ください、なお様。今は体を休める時間、私も重々承知しております」
「そっ、そんなこと言われても、こんなことされたら、あふ……っ♡」

すり、すりすり、すりすりすり。

今までのましろさんの手つきは、あんなにも『笑いイカせてやろう』という湿度に満ち満ちていたのに。お腹にやってくるくすぐったさは、まるで羽根になでられるように、さらさらしていて優しい。

「んひぅ……♡ ひゃっ、ぁ……♡ ぁぁ……♡」
「お嫌ですか?」

「ぅぅぅ……。ましろさんって、意地悪だよね……! んくぅぁぁ……♡」

くすぐりって、こんなにも心地よいものになるんだと感心する。神経が鼻歌をさえずっているみたいだ。それならそうと、昨日からしてほしかったところだけど。

 

だけど、心地よいくすぐりリラクゼーションに、次第に異変が起きる。

「ん……♡ ふっ、ぅ、ぅぅ……♡ ぅー……」

きゅうきゅうに硬くなる乳首、ビキニに浮き上がりそうなぐらい勃起したクリトリス。うずく子宮。私は無意識のうちに、自分の脚の付け根に手を伸ばしていた。

そのことに気付いたのは、ましろさんが私の手首をつかんでからのことだった。

「んぇ……? ぁ、ぅ……♡」
「今は、私にお任せください。なお様……♡」

ましろさんはそう言って、私の腕を体の横に戻して、また私の体を優しくくすぐり回し始めてしまう。

「んくっ、ふぁぁ……♡ あ、あの、ましろ、さぁん……♡ その、足の裏、も……♡」
「ええ、もちろん。たっぷり癒やされてください」

「んひゃぁぅぁぁ……♡ くすぐったっ、でもぉ、これっ、これぇ……っ♡」

足りない。ましろさんに足の裏をくすぐられたら、私は1分もたたずにイッてしまうはずなのに。さらさらとした優しいくすぐり方は、私の興奮を絶頂の一歩手前で止めてしまう。

優しくて、心地よくて。体も、神経も、間違いなくリラックスしている。それなのに、どうしてこんなにも満たされないのだろう。

「なお様。今度はお胸をこちょこちょしましょうか? それともアソコがよろしいでしょうか?」
「んぁっ、ぁ……♡ どっちも、一緒にぃ……んふぁっ♡ ぁっ、あっぁっあはっ……♡ ぁぅぅぁ、あっ、やさしっ、優しすぎて、いけ、な……♡ んぅぅぅ……♡」

「ふふふ……♡」

ゆったりとした、それなのに不思議と背筋が焦げ付くような時間が過ぎていく。

 

――――
――

 

12:30 レストラン

「なお様、Q県特産のグレープフルーツのゼリーです。あーん♡」
「ふぁぅ、ぁ……♡ ん、ぅー……♡」

頭がぼうっとする。ましろさんがスプーンを『あーん』してきても、私はツッコミを入れることもできず、されるがまま。

「なお様、午後はどうお過ごしされますか?」

食事が終わると、ましろさんがそう問うた。その質問は、あまりにも白々しかった。

ああだめ、私、言うな、言うな、言うな――私の頭の片隅に残る理性がそう言うけれど、私の体はもう、あまりにも限界だった。

「もぉ、何でも、いい……♡ 思いっきり、こちょこちょされたいぃ……♡」
「……かしこまりました♡」

そのとき、ましろさんがニヤリと笑ったのを、私は見逃さなかった。

あー、私、まんまとハメられちゃったんだ。

だけど、もう抵抗する気力がない。私は手を引かれて、ホテルの1番奥へと向かうのだった。

 

――――
――

 

13:30 ホテルの1番奥にある狭い部屋

ここは、ホテルの他のどの部屋とも、雰囲気が違っていた。

他の部屋と同じくおしゃれできれいな調度品がちりばめられているけれど、窓が一つもない。心地よい波の音ではない、ごうごうとうなる通気口の音が、この部屋の本質であるように感じられた。

「ここは『特別こちょこちょ連続強制絶頂処置室』です」

このホテル、ちょいちょい変なネーミングがあるな――ぼうっとした私は、もうそんな軽口をたたく余裕もなかった。

「ここで行われるのは、くすぐり。温泉で体を洗うわけでもなく、エステでもなく、本や映像の再現プレイでもなく、機械の試用でもなく、寝かし付けられるわけでもない。本当に本当に、くすぐりです――♡」
「ぅぁ、ぁ、ぁぁ……♡」

私は部屋の中央で拘束されていた。ビニールの張られたベッドの上で、両手両足を大きく開いて、手首と足首には革の拘束具。私のことを、ましろさんだけではない、たくさんの女性スタッフさんたちた取り囲んでいる。

ここで行われるのは、体裁すら失った、くすぐり責め。それがどれだけ率直で、そして強烈かは、この空気を感じれば容易に察せられた。呼吸が浅くなる、心臓が高鳴る。

「それではなお様、たーっぷり、こちょこちょをお愉しみください♡」

その瞬間、私を取り囲むスタッフさんたちが、私の全身に指を這わせ始めたのだった。

 

「――ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああッ♡♡♡♡♡ ぁ゛あ――!!!!? ぁ゛ぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああーーーーーーーーッ♡♡♡♡♡」

私はさっきまで散々焦らされ続けたせいで、くすぐられたくてくすぐられたくて仕方なかった。それは、確固たる事実だったはず。

だけど、腋の下、お腹、背中、腰、太もも、膝、ふくらはぎ、そして足の裏、さらには胸やアソコまで――全身にやってくるくすぐったさは、私の望みをあまりに超えたものだった。

「ぁ゛ぁぁぁあっはっはははははははははははははぁ゛ぁぁぁぁああああああッ♡♡♡♡♡ な゛にごれッ♡♡♡♡♡ なにこれなにこれくずぐっだすぎぃぃぃぃぅぁぁ゛ぁぁあああっはっはっはははははははははははははははぁ゛ぁぁぁあああああああああッ♡♡♡♡♡」

宿泊を始める当初、ましろさんが言った。どうやら私は、こちょこちょされると力が抜けてしまうタイプらしい。だけど、今のくすぐったさは私の理想の遙か向こうにあった。完全に許容量を超えた私の体は、私の意思を無視して全力で暴れ出す。しかし、手足をぎちりと捕らえる拘束具が、抵抗を許さない。

「ひぃ゛ぅぁ゛っひゃっははははははははははははッ♡♡♡♡♡ だめ、だめっ、だめぇッ♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぃ゛ひぅぁあ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

私はあっという間にイッてしまう。どうやら、くすぐりイキというものの強さは、くすぐったさに比例するものらしい。くすぐったければくすぐったいほど、激しくイク。この絶頂は、あまりのくすぐったさに、脳の中がバチバチとショートを起こしているかのようだった。

そして、私の半生最大の絶頂を迎えてもなお、くすぐり責めは止まらない。

「ひひゃははははははははぁ゛ぁぁああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ 助げッ、こぇ゛、いぐの止まらな゛――♡♡♡♡♡ ぃ゛ひひひ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

絶頂、絶頂、絶頂。イケばイクほど、体は敏感になる。体が敏感になれば、くすぐったくなり、絶頂がもっと強くなる。私の半生最大の絶頂を気軽に更新されるさなか、私の最大の弱点である足の裏をくすぐっていたましろさんが笑った。

「なお様の弱点はもう、ぜんぶぜーんぶ知っていますよ♡ ほぉら、足の裏は爪でかりかり♡」
「んゃ゛ぁぅぁああっひゃっはははははははははぁ゛ぁぁぁぁぁあッ♡♡♡♡♡ 指の付け根ばっがりだめぇ゛ぇっへっへへへへへぅぇへへへぁ゛ぁぁああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ っぁ゛ぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

「アソコもお好きでしたね♡ クリトリスを人差し指でこちょこちょしながら、残った指でアソコ全体をわしゃわしゃーって♡」
「ぅひゃぉあぇぅぉぁゃっははははははぁぁぁぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ちょぉ゛ぉ゛ぉおッ♡♡♡♡♡ まじろざん、そんな゛の゛みんな゛に教えないでよぉぉぁっひゃはっははははははははぁ゛ぁぁぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

「3番目は、お胸でしょうか? 乳首の先っぽをすりすりしながら、腋の下から胸の付け根までをすりすりすりすりっ♡」
「んひゅぉ゛ぉぉっひひひひひひひひひひひぃぃぃぃいいッ♡♡♡♡♡ りゃめっ、全身くしゅぐっひゃッ♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ひっひゃっははははははははぁ゛ぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

ましろさんが担当している足の裏だけじゃない。他のスタッフさんたちがいるアソコも、胸も、他のあらゆる部位も、くすぐり責めがどんどん最適化されていく。くすぐったさが強くなって、絶頂がどんどん激しく、間隔も短くなっていく。

「や゛めでぇぇぇっへっへへへへへへへへへへぅぇぇぇっへへへへへぇぇぇぇえッ♡♡♡♡♡ えぐ、ひぐ――ッ♡♡♡♡♡  これっだめっ、やだっ、やだぁぁぁぁっひゃっははははははははははははははッ♡♡♡♡♡ ぁ゛っははははははははははははぁ゛ぁぁ゛ぁあああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「ああ、素敵ですよ、なお様。本っ当にくすぐったそうで、気持ちよさそうなお顔……♡」

私はいつの間にか、笑い泣きながら『やめて』『やだ』と懇願していた。

嫌よ嫌よも好きのうちとはよく言ったもので、確かに今までは、何だかんだでくすぐられることに悦びを抱いていた部分があったかもしれない。だけど今の私の言葉は、心の底からの拒絶だった。本当に、もうコンマ1秒たりともくすぐったくされたくなかった。

それでも、ましろさんも、他のスタッフさんも、くすぐり責めをやめてくれないんだ。

「どぉしでッ♡♡♡♡♡ どおじでやめでぐれないのぉ゛ぉぉぉぁ゛ぁぁっはははははははははははははははぁぁぁぁぁぁあッ♡♡♡♡♡ ぁはっ、ぁははははははははははッ♡♡♡♡♡ あぁ゛っはっはははははははははははははぁ゛ぁぁぁああッ♡♡♡♡♡」
「だって、こんなにも気持ちよさそうなんですもの。やめたらもったいないじゃないですかぁ……♡」

「そんなっ、そんな゛ぁぁぁぁぁっひゃっはっははははははははははははははぁ゛ぁぁぁぁあッ♡♡♡♡♡ ぁははははははぁ゛ぁぁぁああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

『くすぐって』なんて言うんじゃなかった、最初に宿泊をキャンセルしていればよかった、そもそもこんなホテルに来るべきじゃなかった! そんな黒い感情が胸を焦がすのは、ほんの一瞬だけ。

後悔はあっという間に全部くすぐったさに溶けて、残るは快感のみ。

「ぁ゛はッ♡♡♡♡♡ ぁ゛っははははははははひゃははははははぁぁぁぁぁあッ♡♡♡♡♡ ぁ゛ーーーーッ♡♡♡♡♡ ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「ふふ、とっても愉しんでいらっしゃいますね。なお様、気持ちいいですか?」

「ぇへっ、でへへへっへへへへへへへぇ゛ぇ゛ぇぇぇぇえっ♡♡♡♡♡ きもぢっ、きもぢぃぃぃっひひひひひひひひひぃぃぃぃいいッ♡♡♡♡♡ くすぐっだぐでぎもぢぃぃぃぃっひっひゃっははははははははははははぁ゛ぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

余計なことを考えなくなった脳というのは、びっくりするぐらい素直だ。快をそのまま快と受け取って、いくらでも貪ろうとする。すっかり力を失った筋肉は一切の抵抗なく、くすぐったさを減衰させることなく全身に伝えていく。

それが続く。何も考えず、ただくすぐられイキ続けること、何十分も、何時間も。ああ、本当に至福の時間。このままいくらでもくすぐられたいと思ってしまうのは、ランナーズハイというやつだろうか。

それでも、私の体力というのは決して無限ではなかった。

「なお様、もうお疲れですか……?」
「ぁはっ、あっはははははははははははははぁ゛ぁぁぁぁ……♡♡♡♡♡ ぁぉ゛、お゛ー……♡♡♡♡♡ あはははははははははははぉ゛ぉぉお~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~……♡♡♡♡♡」

「……残念ながら、なお様を気持ちよくさせていただくのは、ひとまずこれで最後になりそうですね」
「ぉ゛お……♡♡♡♡♡ ぉぁっひゃっはははははははははははぁ゛ぁぁぁ……♡♡♡♡♡ ぁ゛ー……♡♡♡♡♡」

「せめてどうか、最後は思いっきりおイキください……」
「ぃひぃぃぃい――♡♡♡♡♡ ぁ゛ッ、くしゅぐっだひの、強く――♡♡♡♡♡ いひひゃはははははははは――ッ♡♡♡♡♡ ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁあああ――ッ♡♡♡♡♡」

「ほら、イッて――♡」
「――ッ゛ッッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぁ゛はははははははははッ♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ゛ッッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

大きな大きな絶頂。痙攣、明滅、悲鳴、潮吹き。それは体力とか、体液とか、酸素とか、感情とか、体にあるものを全部全部吐き出すかのよう。

それが何十秒か、何百秒か続いて。

そして私は、いつの間にか気絶していたのだった――。

 

――――
――

 

3日目
8:00 フロント

私は荷物をまとめて、送迎のバスを待つ。そこかしこから女性の笑い声が聞こえて、少し落ち着かない。

ましろさんは少し不満げな表情で、私の荷物を持ってくれていた。

「チェックアウトのお時間までまだ何時間かございますが、本当によろしいので?」
「もー十分! もう一生分くすぐられたよ!」

「朝食をあんなにがっついてらしたから、てっきりギリギリまで愉しまれるのかと」
「お腹空いてただけだから! 昨日気絶して、気付いたら朝だよ!?」

このホテルのチェックアウトは10時だか、11時だか。そのギリギリまでの時間まで、たっぷりくすぐられるお客さんは多いらしい。そんなことしてられるか!

だけど、私が手をぱたぱた振ってこれ以上の滞在を断ると、ましろさんは顔をずいと近づけてくるんだ。

「それにしても、『一生分くすぐられた』……ですか」
「な、何ですか……」

「今後の人生で、こちょこちょはもう不要ですか?」
「ぅ――」

それは、質問と呼ぶにはあまりに確信めいていた。ましろさんの微笑みを見るだけで、くすぐったさがつま先から脳天までをぞくぞくと駆け巡っていく。

「……年1回くらいなら、頑張れば、うーん」

私が自分の給料とホテルの宿泊費を計算し始めたところで、ましろさんはくすりと笑った。

「ぜひ、またお越しください。なお様には、当ホテルの施設をまだ半分もご利用いただいておりませんから」
「ここ、まだ何かあるのぉ!?」

「ああ、あとよろしければ、私の名前を覚えておいてください。2回目以降のご利用では、お世話させていただくスタッフを指名できますので」
「そんなこと言われなくても、もう一生、ましろさんのこと忘れるはずないよ」

私が何の気なしにそう言った瞬間、ましろさんがうれしそうな顔をした気がした。

 

ましろさんと別れ、送迎バスに乗り込むと、だんだんと現実感がやってくる。

現実感――確かに、あのリゾートホテルは夢のようだった。うっとりとするような夢ではない、あまりに激しく、甘い夢。だけど、その感覚は現実に戻りゆく私の全身に、今もなお残り続けている。

まさか、福引きでこんなことになるなんてね。一生分の運を使い果たしたかどうかは分からないけれど、私は今回の一件で確かに、人生が変わる出来事に出会ったらしい。

「あー、そう言えば……」

一連の出来事を振り返っていると、ふと思い出す会話があった。

『どんな所だったか教えてくださいねー!』

ここに来る前、リゾートホテルというものに憧れを抱いていた後輩が言ったことだ。私はこのホテルのことを教えてやるべきなのだろうか? 私の数々の痴態を?

「……ないな」

私は首を横に振るのだった。

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