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◆あらすじ
人間よりも格の高い超常的な存在を、『上位存在』と呼びます。もしも、そんな彼ら(彼女ら?)に人間が飼われることになったらどうなるでしょう? きっと労働なんてなくなり、ご飯やお風呂も全部お世話され、そして毎晩のように歯ブラシでクリトリスを”ブラッシング”されて、嫌々連続絶頂させられてから眠ることになるのでしょう。
09:00 起床、それと同時に朝食
この遅い時間に起きるのもずいぶんと慣れた。仕事があった頃なら、『遅刻だ!』と大声で叫んでいただろう。
差し出された朝食は、見るからに栄養豊富そうなシリアルとミルク。まずくはないけど、少し味気ない。
頭上から主に見られている。
10:00 自由時間
私に仕事なんてない。
ここには本も、テレビも、ゲームも、何でもある。好きな時に好きなことをやる。何もせず惰眠をむさぼっていてもいい。
どんなことをしていても、頭上で見守る主は全てを肯定してくれる。
13:00 昼食
シリアルとミルク。朝食とはちょっとだけ味が違う。
私の食事はこればかりだけど、体に不調がないところを見る限り、やっぱり栄養は豊富らしい。食に頓着しないなら、不満はないだろう。
頭上から主に見られている。
14:00 お昼寝
食べてすぐに眠るなんて、まるで子どもみたいだ。
この時間は1日の中で1番幸せ。
だけど頭上から主に見られていて、ほんの少しだけ寝にくい。
15:00 運動
私は『やるか』と一気合入れて飛び起きる。
腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワット、その場でジョギング。狭い部屋でもできる思い付く限りの運動をやっていく。
頭上から主に見られている。どうやら彼(それとも彼女?)には、この行動の意味が分からないらしい。人間というのは、たまに動かないと太るんだ。
16:00 自由時間
運動が終わったら、また気ままに過ごす。
体の火照りが覚めていくと同時に、段々と心の中に影が差していく。
そろそろ日が暮れる。仕事をしていた時も、休日の夜は憂鬱だった。だけど、あの時とは理由が違う。
頭上から主に見られている。
19:00 夕食
シリアルとミルク。それと何かの肉のようなもの。
夕食はいつも、少し豪勢だ。
私の心の中をむしばむ影は晴れない。
主は変わらず、私のことを見守っている。
20:00 お風呂
私は湯船に浸かる。
頭上から主に見られている。裸を見られるのは恥ずかしい。
だけどそれ以上の影が、私を苛んでいる。
もうすぐ、あの時間が訪れる。
21:00 そして
主が歯ブラシで私の股間を磨き続ける。
しなる線維が秘所をほじくり、クリトリスを弾き続ける。私が悲鳴を上げてしまうほどの鋭い刺激が、だけど徐々に体になじんでいき、私を何度も絶頂させる。こんなにも大きな体で、本当に絶妙な力加減。
私は何度も『やめて!』と叫ぶ。だけど主は私の言うことをちっとも理解してくれない。私の腕ほどの太さがある5本指が私の胴体をがっちりと押さえ付けて放さない。私が叫ぶたびに、体を痙攣させるたびに、秘所から潮を吹き出させるたびに、それを見てうれしそうに微笑むだけ。
私が気絶するまで、主は歯ブラシで私の股間を磨き続ける。こんなにも怠惰でありながら、1日の中で緊張と弛緩の釣り合いが取れるほどに。
私はずっとずっと、そんな毎日を送り続けるのだ。