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◆あらすじ
その女の子は、独り遊びでイッた時、体が勝手に刺激から遠ざかってしまうのが気に入らなかったようです。彼女はタイマー式の南京錠とバイブを使った自縛オナニーによって、後悔の中で知ることになります。体が快楽から逃げるのは、一種の防衛反応だということ。そして快楽から逃げられないというのは、死にたくなるほどつらいということを。
独り遊びをしていると、気付くことがあります。
手やおもちゃでアソコをいじめてイッた時、いつも腰を引いて、刺激からつい遠ざかってしまうのです。
私は、それを『もったいない』と思っていました。だって、より一層敏感になった体が、つい先ほどまでの比ではない気持ちよさを、一瞬だけ感じ取っていたからです。それなのに、私の体は脊髄反射でその気持ちよさから逃げてしまう。もしもイッた直後の敏感な体を無理やりいじめたら、一体どれだけ気持ちいいのでしょう?
だから、私は試すことにしました。気持ちいいことが好き――それは誰しもが抱く欲望なのですから。
用意するのは、タイマーの付いた南京錠。時間を設定すると、自動で鍵が開くものです。
私は愛用しているおもちゃをアソコに仕込んで、途中で落ちないように下着の中にしまい込みます。おもちゃのスイッチを入れると、中と外が甘い振動に包まれます。いつもより、ずっと気持ちいい――これからやろうとしていることが、私を興奮させているのでしょうか。
私は急いで、自分の手首に枷を取り付けます。後ろ手のまま、タイマー式の南京錠を絡ませて、かち、かち、かち、かちと、時間をセットするのです。
がちゃん――大きくて頑丈な南京錠が音を立てると、抑圧から解放された私の体に、一気に気持ちよさがやってきました。
「ぁぐっ、ぁ゛――♡♡♡♡♡ っ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぁ゛ぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
私が自分の行いを後悔するのは、ほんの数秒後のことでした。
――――
――
「ごめっ、なさい゛っ♡♡♡♡♡ ごめっ、なさっ♡♡♡♡♡ ぁ゛ぁぁあっ♡♡♡♡♡ ぁ゛ぁぁぁぁぁあああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ゛ッッ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
独り遊びでイッた時、私はいつも無意識の内に腰を引いて、刺激から遠ざかっていました。私はそれを『もったいない』と思っていました。
私はようやく理解したのです。それは正しい反応だったんだ、と。
「やだっやだっ、やだぁ゛ぁぁぁぁぁああっ♡♡♡♡♡ 体っ、ごわ゛れるっ♡♡♡♡♡ びんかんっ♡♡♡♡♡ しぬ゛っ♡♡♡♡♡ ぅぁ゛ぁぁぁぁあああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
まるで神経を直接媚薬に浸して何十本もの指でもみくちゃにするような気持ちよさが、アソコから始まって全身に広がっていきます。
それはあまりにも甘すぎて、体が明らかな異常反応を起こしています。全身ががたがたと痙攣し、顎ががくがくと揺れ、涙も、涎も、鼻水も止まりません。体の芯が燃えてしまいそうなほど熱く、だけど皮膚表面は鳥肌立つほど冷たい、健常とは言いにくい温度感覚。
――こうならないために、体は無意識の内に快楽から遠ざかっていたのです。
「あ゛っ、あとっ、どれ、ぐら、ぁ゛、ぁ゛ぁぁぁぁああっ♡♡♡♡♡ ぁ゛ぁぁぁぁぁあああなんでもぉ゛ぉぉぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ♡♡♡♡♡」
私は一生懸命、手首を持ち上げ、腰をひねり、首を曲げて、南京錠の残り時間をのぞき見ます。そして絶望しました。後悔しました。自分自身の行いに怒りを覚えました。
自分を縛り付けて、禄に手元を見ず適当にタイマーをセットして、こんな地獄を強いるなんて……。どうして私はこんなことをしてしまったのでしょう?
「ごめっ、なさっ、ぁ゛ぐっ、ぁ゛――♡♡♡♡♡ っぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ たっ、だす、げ――♡♡♡♡♡ ッ゛ッッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
後悔、絶頂、後悔、絶頂――終わることのないループ。
私はずっとずっと、『ごめんなさい』と『助けて』を繰り返すだけなのでした。