⏱このページは2分ぐらいで読めます
◆あらすじ
無数のマジックハンドが全身をくすぐり姦しながら、ついでに股間部位も振動する機械姦抱き枕がありました。レビューによると停止ボタンが付いていない欠陥商品とのことですが、売れ行きはなかなか好調のようです。その理由の一端を知ることができる、くすぐり後悔アクメのとりこになってしまった女性のお話。
――――
――
あの悪夢から3日が過ぎた。
怒りに任せるままにAm○zonに低評価のレビューを書き込んだ時と比べれば、だいぶ頭は冷えてきた。それでも、感情論を抜きにしてあの抱き枕はうんこだと思う。
……そう思っているはずなのに。
「っ……」
私は、押し入れの奥にねじ込んだ抱き枕を引っ張り出す。寒くないように暖房を強めにかけて、服を全部脱ぐ。
『ああああやばいやばいやばいやばい』――脳がそんな風に警鐘を鳴らしているのを無視して、抱き枕にそっと抱き付いてから、頭のところにある電源ボタンをそっと押すんだ。
「――ぁはッ♡♡♡♡♡ ぁぅぁひゃぁぁぁっはっはははははははははははぁぁぁぁぁああッ♡♡♡♡♡ ひゃはっ、あ゛――♡♡♡♡♡ っぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ひゃぁぅひゃぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
この抱き枕は『恋人たち』という名前らしい。確かに、ハグをしながら気持ちいいことをしてくれる相手がいるなら、それは恋人に他ならない。
だけど、こんな抱き枕には大層な名前だと思った。抱き枕から飛び出した無数のマジックハンドは、全身のくすぐったいところを気が狂うほどくすぐり姦してくるし、手足や背中を押さえて私が逃げるのを防いでくるし、申し訳程度に頭をなでてくるし――この恋人たちは随分とDVがお好きらしい。というか『たち』って、恋人が複数いるってどうなの。
だけど、私はそんなDVな抱き枕から逃げることができない。
「も゛っ、むり――♡♡♡♡♡ むり゛ぃぃひっひゃっはははははははははははぁ゛ぁぁぁあああああああッ♡♡♡♡♡ とめっ、十分ッ♡♡♡♡♡ これいじょっ、死ぬ゛――♡♡♡♡♡ ぅひゃぁ゛ぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ゛ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
最初は3日置き、やがては毎日。
私はこんなふざけた抱き枕を作ったメーカーに恨みを抱きながら、欲求不満と後悔アクメに交互に苦しみ続けるのだった。
コメント