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(2024/06/07)新しい小説短編集が出ました

連続絶頂オムニバス2406号紹介画像

連続絶頂オムニバス 2406号

770円(税込)

おものべの作品の中から、特に人気の作品をリブートしました。
①同人作家との愛ある強制絶頂セックス ②悪意たっぷりの立ち電マ我慢ゲーム ③アクメ個室で機械責め ④くすぐり責めで性感破壊プログラム ⑤クリボックス販売サービス

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長編小説

【第1話】異能バトルものの性拷問師たち

⏱このページは23分ぐらいで読めます


目次

表紙
 #簡単なご案内など
第1話 読心 -ノンバーバル-
 #クリ責め #電マ #ローションガーゼ
第2話 自声愛撫 -ジメツ-
 #くすぐり #声我慢 #超音波
第3話 非接触絶頂 -ムッツリ-
 #ささやき #見せつけ #脳イキ
第4話 絶頂引延 -トワノマタタキ-
 #シリコンチェーンソー #ブラシ責め #体感時間操作
第5話 はじめての
 #クンニ #寸止め
第6話 感覚遮断 -カイカンノサキオクリ-
 #乳首責め #ニップルドーム #クリ責め #電マ #くすぐり #感覚遮断
最終話 伝心 -ワタシノココロ-
 #キス #胸揉み #電マ #くすぐり #ブラシ責め #感覚共有
おまけ
 #キャラクターのちょっとした紹介

 

第1話 読心 -ノンバーバル-

#クリ責め #電マ #ローションガーゼ

 

自分はこれから、拷問されるのだろう――佐伯アオイは、自分の置かれた状況を聡く理解していた。

会社員。黒髪短髪。齢24の女性的な体は裸にむかれ、まるで分娩台のような脚を開かせる椅子に拘束されている。手首、肘、足首、膝、腰、あばら、首――体のありとあらゆる部位に巻き付くのは、黒い革と太い鎖を組み合わせて作られた拘束具。少なくとも《能力》を使えるものでなければ、抜け出すことはできないだろう。

拘束された全裸に、申し訳程度の薄い毛布が掛けられているのは、何かの温情か。黒縁の眼鏡を掛けたままなのは、何かを見せるためか。アオイの頭の中を、嫌な思考がぐるぐると巡り続ける。それは、も影響していた。

「……悪趣味な」

コンクリートがむき出しになった部屋の広さは、10畳~12畳ほど。牢獄よりはだいぶ広い空間を、無数のが埋め尽くしていたのだ。卵型のローター、先端に無数のいぼが付いた電動マッサージ器、挿れたら膣が裂けてしまいそうなぐらい大きな男性器の張り型。ベッドに、椅子に、ギロチン台のような何かにと、大型の什器も多い。床に直接置かれたもの、大きな棚に陳列されたもの、天上からフックで吊されたもの。その全てが、性的な――それも少々過激な営みで使われるものだった。

ともすれば、アオイの脳裏には嫌でも浮かぶものがある――自分はこれから、拷問されるのだろう。しかしただの拷問ではない。これから行われるのは、恐らく。

 

「――こんにちは、起きているみたいですね」
「っ」

自分の真後ろにあった鉄の扉が重々しく開き、アオイは背筋を震わせた。しかし、こつこつと整った足音とともに彼女の目の前に現れたのは、想像とは随分と違う姿形をしていた。

パンツスーツを着た女性。24歳のアオイと同じか、もしかしたらほんの少しだけ若いだろうか。身長は160cmともう少し、女性としてはそこそこ高めだ。しかし体付き自体は控えめであり、背が高い分だけしなやかさが目立つ。黒の長髪を後頭部で一つに結わえているが、その飾り気のなさはおしゃれというより、『邪魔だから』と言った風。

いかがわしい道具を並べた牢獄に姿を現したのは、こんな場所にはまるで似合わない、どちらかと言えばオフィス街にいるような女性だったのだ。

「あなた、何者……」
「呼ぶ名前が欲しければ、フラン、と」

フランと名乗る女性は、冷たい表情でそれだけ告げる。もちろん、アオイが求める返答ではない。もっと、所属だとか、この場所だとか、自分をこうした目的だとか。『答える義理はないということか』――分別のあるアオイが理解するには、その答えだけで十分だった。

「今の状況をお話します。佐伯アオイさん、あなたの所属している製薬会社『ニコ社』が開発している、H-404型能力者強化プログラム。あれが違法であり、《能力者》に多大なリスクを与えることはご存知ですね? 最悪の場合死に至る……いえ、むしろ最高の場合でようやく生き永らえることができるレベルの代物だ」
「…………」

「それだけではない。ニコ社が行っている違法な研究、非人道的な人体実験、その調査に赴いた者の殺害と隠蔽……まあ、全てを説明する必要はないでしょう」

アオイは『返答する必要もない』と思った。だって、全て事実だったから。

そういう時代だ。《発火パイロキネシス》、《念力テレキネシス》、《とにかく何かすごいやつエターナルフォースブリザード》――かつてフィクションとして描かれ、多くの人々が夢見た超能力。技術のめざましい進歩によって、脳を少し弄くるだけでそれらが簡単に手に入るようになった。もっとも、どんな《能力》を扱えるかは、各人の素質による。

しかし、それで訪れたのは栄光ではなく、混沌の時代だった。《能力》を悪用した犯罪、違法な研究の急増。それらを抑えんとする、《能力者》による傭兵会社の乱立。《能力者》同士が街々でぶつかりあい、あまたの血がアスファルトを赤黒く染める。第三者が見れば、何て滑稽なマッチポンプか。

その癖、アオイのような一般人は、護身用の銃器を持つこともできない。あまりにも長い手続きを経てからでないと所有することができず、法を執行する機関の対応が間に合っていないせいで、傭兵たちに優先的に武器が回される始末だ。何のための武器か、政府は本当に理解しているのだろうか。

「問題はここからです。先日、が警察といっしょに、ニコ社の本社にを伺いに行ったのですが、既にもぬけの殻だったのですよ。研究機材もまとめて、ごっそりとなくなっていましてね。それで」
「……居場所を教えろ、と」

「話が早くて助かります」

おおよそ予想どおりだと、アオイは思った。彼女は仕事の都合で遠方に出張していたところ、帰った直後に捕縛されたのだ。ここまでの話から彼女が推察するに、フランと呼ばれる人物は政府の人間か、あるいは政府から仕事を貰っている傭兵会社の人間か。

しかし、彼女はそんなささいな質問にも答えるわけにはいかなかった。別に、会社に忠誠を誓っているわけではない。彼女はたまたま、大学にいる時に行っていた就職活動でいくつかの会社に採用されて、『最も給料が良い』という理由で、何の変哲もない営業職としてニコ社に入社しただけだ。違和感なんて、『100人そこらの会社の割に、給料がいいな』と思ったぐらいだ。当初は違法なことをしている会社だなんて知らなかった。知ったとしても、今更辞めるわけにもいかなかったし、そんな会社は世の中に腐るほど存在していた。

もしも、そんな会社に不利益を齎そうものなら、自分がどうなるか分かったものではないのだ。

「あなたのことは、必ず保護するとお約束します」
「信用できると思うかしら?」

「思いません。が、言わないとどうなるか、分かるでしょう」

フランがほんの少しだけ、アオイから目線をそらす。部屋を埋め尽くす無数のを一目するそれは、今のアオイにとって十分な威嚇になった。

「……本気?」
「言っておきますが、相当きついですよ。というものは」

アオイも、自分の状況を確認した当初から、想定はしていた。しかしまさか、こんなにも表情がなく色事と無縁そうな女性が、同じ女性である自分のことを性拷問にかける気であるとは信じられなかった。

「最終確認です。返答は」
「『くそ食らえ』よ」

「……分かりました」

そこで、フランはほんの少しだけ表情を変えた。そこに浮かぶのは愉悦でも、羞恥でもない。ほんの少しだけ、嫌そうに顔をしかめたのだった。

――フランの冷たい態度は、アオイの『自分は性拷問を受ける』という現実味を薄くしていた。もしも相手が下卑た笑みを浮かべる中年の男であれば、アオイはもっと危機感を持っていただろう。

よりにもよって相手がフランであったために、アオイはほんのひとときの地獄を味わうことになるのだ。

 

性拷問が始まる。

フランは、アオイの体に掛けられた毛布を取り払う。至って平凡な、しかし美しい裸体が曝け出されると、アオイは憎々しげな表情のまま頬を赤らめた。フランがいかに女性で、いかに女体に興味なさそうに毛布を丁寧に畳んでいたとしても、恥ずかしく感じるのは当然だ。

「あなたのほうでがあるなら、そちらを使います」
「は?」

「痛いのはやめておきましょう。あなたに傷をつけるのは、我々としても本意ではありません。純粋に気持ちよさそうな道具は、視界の中にありますか」
「…………」

アオイは『ふざけた質問をする』と思った。拷問にかける相手に対して『使ってほしい道具はあるか』などと、普通は聞くだろうか。そして拷問にかけられると分かっていて、答える間抜けは果たしているだろうか。

しかし、アオイはその言葉を。『気持ちよさそうな道具はあるか』――無意識のうちに視線が流れ、その視線の動きにコンマ1秒のが発生した瞬間、フランは後ろを振り返るのだ。

「なるほど、ですか」
「っ――!?」

フランが手に取ったのは、何の変哲もない電動マッサージ器だった。

アオイは目を見開く――その周囲には、もっとがたくさんあったはずだ。極太のバイブとか、丸鋸のようなシリコンの回転刃とか。目の前の女はそれらを全て無視して、『最も気持ちよさそうな道具』を的確に手に取ったのだ。何も答えずとも、ほんの少し視線が遅くなっただけで。経験? 洞察力? ――否。アオイは何か、もっとを覚えた。

道具が選択されれば、あとはただ犯されるだけだ。フランは電動マッサージ器のスイッチを入れて、アオイの秘所に当てた。

「っぐっ、ぁ――♡ ぁぁぁぁぁあ……!? な、そんな、優し――!?」

襲い来る衝撃に耐えようと目をぎゅっとつむって備えていたアオイは、その刺激の優しさにかえって不意を突かれ、悲鳴を上げた。

フランは電動マッサージ器を女性器に直接当てるのではなく、自身の人差し指をクッションにしていた。左人差し指の腹をそっとクリトリスの包皮に当て、右手に持つ最弱の出力で振動する電動マッサージ器を指の上から当てる。柔らかな指先が、ささやかな振動をまとってクリトリスを包皮の上から包み込んでくる。

「っ、くっ、ぁ……♡ っふぅっ、ぅ……! ぁっ、ぁぁ、ぁぁぁ……!」

まるでセックスのハウツーにでも書かれていそうな優しい刺激に、アオイは困惑した。前戯されていない状態の体にはちょうどよすぎる刺激のせいで、秘所があっという間に湿り気を帯びていく。むしろ、あまりに優しすぎる刺激が物足りないぐらいだ。

なぜアオイは、何の変哲もない電動マッサージ器を『最も気持ちよさそうな道具』だと思ったのか? ――それは実に簡単な話だった。ただ、毎日のように家で使いて、その気持ちよさを知っていたからだ。

だけど、家で使っている時は、もっと遠慮がなかった。あくまで下着の上からだったけれども、もっとクリトリスを押しつぶすように、ぐりぐりと強く押し当てていた。

アオイがそう思っていたら、フランの動きが変わった。

「ぎ――♡♡ それ、は――!!? ぁぁぁぁぁぁ、ぁぁぁぁぁあっ!!!」

フランは電動マッサージ器の下にクッションとして敷いていた人差し指を引き抜いて、クリトリスに直接振動を当て始めたのだ。それも、ぐりぐりとクリトリスを押しつぶすように。

それは100%合致した、アオイが1番欲しかった刺激だった。

「どう、して……!? こんなに、うま――♡♡ ぁぐっ♡♡ ぁ゛っ、ぁっあっぁっあっぁぁぁぁぁあああああああっ!!?」

アオイはますます困惑した。

『テクニシャン』という言葉で片付けるには、フランという女性はあまりに巧すぎた。人の性的嗜好には、好みがある。彼女のように電マを強く押し当てられるのが効く人は確かにいるかもしれないが、一方でソフトタッチのほうが好きな人だっているのだ。それなのにこの女性は、寸分の互いもなく好みを見抜いて、的確に責めてくる。

一体? ――アオイは一生懸命に頭を働かせるが、思考はどんどん快楽に溶けていく。最も好きな刺激を他者から与えられて、『我慢しろ』と言うほうが無理な話だ。

「ぁ゛ぁぁぁぁあっ、ぁっ、あ゛――っ!!? っ゛~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ っぐぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!?」

アオイは全身を縮こまらせるように筋肉を緊張させ、びく、びくという断続的な震えとともに絶頂した。弱点を的確に、容赦なく突かれたせいで、あっという間だった。

慣れた快感は体になじんで心地よい。しかしそれを齎したのが名前しか知らない女性だという事実が、心の中に汚泥のような不快感をもたらす。

そして性拷問である以上、満足する程度の性感では終わってくれない。

「やめ゛――!!? 私っ、イッで――!!! ぁ゛ぁぁぁぁあっ、ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁあああ~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!!?」

絶頂してなお、電動マッサージ器を押し当てられ続ける。アオイを満たす快感が明確に、100%を超えた瞬間だった。

 

「っぐぁっ♡♡♡ やめっ、っぐぅぅぅ!!? やめでって言ってるでしょぉぉお゛ーーっ!!?」

目の前の女性があまりに性行為と無縁に感じられたから、与えられる刺激があまりに自分に寄り添ったものだったから。アオイはが性拷問であることを忘れていた。

絶頂直後の苛烈な責めによって、アオイが本気の抵抗を始める。しかし、いかに手足を引っ張り、腰をよじろうとも、全身に巻き付いた拘束具はびくともしない。生まれて初めて快感から逃げることができない苦しさを知って、本当の焦りを覚える。

そうこうしている間にも、フランは電動マッサージ器でクリトリスを押しつぶし、的確に性感を与え続けるのだ。

「おねがいっ、やだっ、やだぁ――!!? っ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ んぐっ、ぅあ゛――♡♡♡ ぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!?」

2度目の絶頂。『強制絶頂』と呼ぶにふさわしい無理やりの快感は、アオイに鋭い苦痛を齎した。

(どうしろって言うのよ、こんなふざけた拷問――!!? でも、きつい――!!! でも、話す――!!? でも、そんな――!!?)

アオイは葛藤する。頭の中が無数の『でも』で埋め尽くされる。

まさかこんな女のやることが、こんなにもつらいものだとは思わなかった。しかし、口を割るという選択もはばかられた。何せ、人体実験や殺人も厭わない会社の情報だ。もし口を割れば、彼女自身がどうなるか分かったものではない。

「ッ――」

しかし、アオイの元に一つのひらめきがやって来る。彼女は口を開いた。

「お、O-03区……っ!!!」

アオイは言葉を絞り出す。しかし、電動マッサージ器の刺激は変化しない。

「っぐ――♡♡♡ 工業地帯の、O-03区の、廃倉庫……!! ほら、あるでしょ――!!? 海沿いにさぁ――!!? そこ買い取って、研究所、移して……ッ!!! ぁ゛――!!!」

アオイは必死に言葉を絞り出す。それでも、電動マッサージ器の刺激は一向に変化しない。

「なに、何なのよ――!!? 教えてる、でしょぉ゛――!!? 教えでるからっ、これ、止め――」
「――結構です」

「ぁぎぃぃい――!!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡ っぉ゛――♡♡♡♡ ぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」

電動マッサージ器の振動と圧迫感が突然強くなり、アオイは強制的に絶頂させられる。不意に、あまりに強すぎる快感が来たせいで、アオイは背筋をのけ反らせながら潮を吹き出した。

脳が溶ける。視界がちかちかする。体の震えが止まらない。もう全部が全部おかしくなってしまいそうだ。

「なん、で――!!!? ど、しで――!!?」
「時間の無駄です。をついて逃れられるとは思わないでください」

「なんで――!!? 倉庫も、ちゃんど、ある――!!!!」
「確かにあの辺りは、不法行為の取り締まりやら、会社同士の抗争やらの影響で、廃棄された施設が数十はありましたね。一つ一つ調査するのは骨が折れそうだ。……しかし、あなたがをついているなら、その必要もありませんね」

「なんで、そんなこど、分か――!!!?」
「……今この場で、質問しているのは私ですよ?」

「ぁぐ、ぁ゛ぁぁぁああっ!!!? やだっ、強ぐしな――っ♡♡♡♡ っぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!? ッ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」

アオイはもう、目の前の女のことが不可解でならなかった。

先ほどから、あまりにもおかしい。的確に道具を選び抜いたことも、自分の最も気持ちいい愛撫の仕方にすぐさまたどり着いたことも、こうして簡単にうそを見抜かれたことも。しかも、そこには何の迷いもない。うそ発見器や自白剤の類も存在しない。

『経験』や『洞察力』という言葉では収まらない、もっと――。

「ッ――!!!?」

そしてとうとう、アオイが一つの仮説にたどり着く。

「まさか、あ゛なた――!?」
「答える義理はありません……と言いたいところですが、雑念があると快感の妨げになる。隠すこともできなさそうだ」

フランは、アオイが喘ぎ声を上げている最中でも自身の声がしっかり届くように、彼女の耳元でささやく。しかし、電動マッサージ器による刺激を緩めることは一向にない。

「お察しの通り、私も《能力者》です。他人の心を読むことができます」
「心、ぉ゛――!!!? ぃ゛――♡♡♡♡」

「くれぐれも断っておきたいのは、あなたの頭の中を全て見通せるわけではないということです」

『それが可能なら、拷問なんて要らないでしょう?』――フランはそう言って、アオイの耳にふうと息を吹きかけた。すぼめられた口から吐き出された細い吐息は彼女の鼓膜にまではっきりと届き、全身の感度をまた一段鋭敏にさせた。

《読心》――数ある《能力》の中でも珍しい部類だ。フィクションではありふれた異能だが、不思議と今の世の中では出会う機会に乏しい。

「私が感知し得るのは、あなたの心に宿る色や匂い、音――まあ、非言語ノンバーバルの領域と言いましょうか。だから、ニコ社の所在を直接読み取ることはできませんが、あなたの好みや欺瞞ぐらいなら分かる」

「やめ゛、これ、どんどんっ、強く――♡♡♡♡ ぁぐっ、ぁ゛ぁぁぁぁぁあっ♡♡♡♡」

「地図を見せたり地名を聞かせたりして、心の揺れ幅を見る手もあったのですが。何分、あの会社がどこにいるかは皆目見当もつきません。世界地図から始めていたら時間が掛かりますし、その程度で動じない図太い人間が相手なら無意味です」

そう言いながら、フランは電動マッサージ器の振動をまた一段階強くした。アオイが目を瞑って首をぶんぶんと横に振っても、クリトリスを襲う快感は止められない。

「ぁぎっ、ぃ゛――♡♡♡♡ っぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡ ッ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」
「結局、情報を聞き出すならのが、一番手っ取り早いということです」

もう何度目かも分からない絶頂を迎えて、電動マッサージ器はようやくアオイの秘所から離れた。

拷問が終わったわけではない。アオイは、目の前にいる表情をほとんど変えない冷たい女の、一挙一動に心底怯えるだけだ。

 

「拷問が長引くと、あなたの負担になります。私もできれば定時で帰りたい。ですのでここから先は、私の選んだで進めさせてもらいます」

アオイには、が何なのか分からなかった。

小さなバケツから取り出された、白い布。サイズは横長のフェイスタオルと同じぐらいか。彼女がよく見れば、布は薄く、目は粗く、奥が透けて見える。ガーゼ生地のようだ。それがローションのような液体によって、透明な膜に覆われている。見れば見るほど、ローションに浸されたガーゼにしか見えなくて……。

しかしアオイは、自分の目に自信が持てなかった。視界が涙でぐずぐずに歪んでいたし、暴れすぎたせいで眼鏡も少しずれている。仮に正しくガーゼだったとして、で何をしようというのか。

しかしフランが自分の手にガーゼを被せてアオイの秘所に触れた瞬間、彼女はその意味を理解した。その何てことのない布きれは、『性拷問』と呼ぶに足る快感を生み出すということに。

「――ぃ゛ぁぁぁぁぁあああああっ!!!!? ぁぇ゛――!!!!? え゛――!!!!? っぁ゛ぁぁぁぁぁぁああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!?」

電動マッサージ器とは明らかに違う。しかし強烈な、思わず喉が裂けてしまいそうなぐらいの悲鳴を上げてしまうほどの快感が、アオイを襲った。

まるで、貴金属のアクセサリーを布で磨くようだった。フランが親指と人差し指に貼られたガーゼの布地を、アオイのクリトリスに擦り付けていく。ガーゼとクリトリスの間から、ぞりぞりという音が聞こえてきそうだ。

もしも乾いたガーゼでクリトリスを磨かれようものなら、アオイは摩擦による痛みでのたうち回っていたことだろう。しかし、ローションをたっぷり染み込ませたガーゼは極めて滑りが良く、それでもなお粘液の奥にざらざらとした生地の目の粗さをしっかり感じ取ることができる。痛みはなく、しかし針で刺されるような鋭い快感がやってくる。

「やめっ、やめ゛ぇぇぇぇぇぇぇえええええっ!!!!? 削れ――っ!!!!? ぎづいっ、これっ、きづいぃぃぃぃぃぃぃいいいいっ!!!!? あそごが削れぢゃぅぁぁぁぁあああああああああああああああっ!!!!!」

アオイは全身を拘束されたまま、首を振り乱して暴れ始めた。何度も絶頂した直後のは、あまりに効きすぎた。

電動マッサージ器を使った時と同じように、ローションガーゼを使った拷問も、フランは熟達していた。生地をぴんと伸ばした状態で親指と人差し指に張り、クリトリスをつまむようにずるずると摩擦し続ける。

圧力はゼリーを指でつぶしてしまわないぎりぎりの強さのまま一定に、速度は秒速2往復と少し――それはフランが《読心》によって導き出した、アオイにとって最も気持ちいい責め方だった。

「やめてほしければ、何を言えばいいのか分かっていますよね?」
「――ぁ゛ぁぁぁぁぁあああっ、ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああっ!!!!? ぃぎっ、ぁ゛――!!!!? ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああーーーーーーーーっ!!!!?」

目の前の女性に対する恐怖と、違法な所業を数々行う会社に対する恐怖。二つの恐怖を天秤にかけても、アオイはただ首を振り乱して叫ぶしかなかった。どちらも地獄だ。

彼女は少し頭が良いことを除けば、ごく普通の女性だった。性知識は人並みにあるし、マスターベーションも経験していれば、男性と交わったこともある。もっとも、その時は相手が欲望のままに腰を振るだけで、あまり気持ちよくはなかったが。そんな今までの常識が覆るような苦痛だった――性感というのは、こんなにもつらいものだったのか?

 

ローションで濡れたガーゼでクリトリスを磨く――それは確かに、今までの全ての性経験をあざ笑うような快感を生んだ。しかし、不思議なことがあった。

こんなにも強烈な快感を受けてなお、絶頂できないのだ。

「ぃぎっ、ぃ゛、ぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいっ!!!!? ぃげっ!!!? ぃげ、な――!!!!? なっ、な゛――!!!!? ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああっ!!!!?」

「そのうちイケますよ。そのうちね」
「やだっ、やめ゛っ!!!!? 今っ、いま゛、いっで――!!!!? ぇぎっ、ぃ゛ぃぃぃぃぃいいいいっ!!!!? やだっ、やだやだやだやだぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!?」

アオイは、これだけの快感を受けてなお絶頂できないことに、妙な焦燥感を覚えた――理由は分からない。だけど早くイカないと、になる。

快感が体に

アオイが振り返ってみると、先ほどの電動マッサージ器による快感は、実にイキやすい快感だった。振動と圧迫感、それは日々のマスターベーションで慣れ親しんだ快感だったから、心も体もすぐに受け入れることができた。だからこそ、あっという間に何度も絶頂した。

しかし今は、ただひたすらの摩擦――心か、体か、あるいはその両方が、それを『快感である』と認識できない。故に絶頂できず、とうに許容量を超えてなお、快感を溜め込んでしまう。それは、空気を吐き出すことを忘れた風船のよう。

そしてあまりにも空気かいかんを溜め込みすぎてしまった風船からだは、当然の現象を起こす。

「やだっ、壊れ――ッ!!!!? ぁ゛、ぁぁぁぁぁぁあっ、ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁあああっ!!!!? ッッ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

アオイの中で破裂した快感は、あまりにも大きな絶頂反応を引き起こした。崖から突き落とされたような浮遊感によって体が大きく跳ね、その後がくがくと激しく痙攣する。彼女の体が厳重に拘束されていなかったら、とうに椅子から転げ落ちていたことだろう。

白目を向きかねないほど眼球が裏返り、涙は出っぱなし。年頃の女性としての矜持も忘れて、よだれと鼻水を垂れ流すのみ。もしも彼女を思う男性が見れば、百年の恋も冷めていたかもしれない。

そして激しい絶頂を迎えてなお、ローションガーゼによる責め苦は終わらないのだ。

「ぃぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああッ!!!!? ぁぎっ、ぃ゛――♡♡♡♡♡ もうやだぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああっ!!!!! ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ や゛、ぁ゛ぁぁぁぁぁあああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!?」

ローションをまとったガーゼがほんの1mm動くだけで、自分の体が何mも飛び上がってしまいそうな快感がやってくる。そして摩擦によって一度絶頂してしまったせいで、もう快感を体に溜め込むこともできず連続的に絶頂してしまう。心も、体も、『摩擦』を完全に快感と認識していた。

「喋るぅぅぅううっ!!!!? 全部っ、ぜんぶしゃべるがらぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああっ♡♡♡♡♡ だがらこれやめ――ッ!!!!? ぃぎっ、っぃ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

「あなたが話し終わったら、止めますよ」
「ぁえ゛ッ、ぇ゛ぁぁぁぁぁぁぁあああっ♡♡♡♡♡ わだしっ、指示っ、され――ッ♡♡♡♡♡ 出張しでて、こっぢに戻っだらっ、行げっで――♡♡♡♡♡ ぎッ♡♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぃ゛いぃぃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

アオイは、絶頂を繰り返しながら、必死に叫んだ。もう自分でも、何を言っているのか分からないぐらいだった。その間にも、アオイは2度、3度、4度、5度と絶頂する。

アオイは全てを忘れて、ただ頭の中にあるものを全て絞り出すのだ。

 

――――
――

 

「――うそは付いていないみたいですね」
「ぎ――♡♡♡♡♡ ひッ♡♡♡♡♡ ひ、ひ……ひ……♡♡♡♡♡」

本人にとっては永遠にも感じられる時間、実際にはほんの数十秒しかない時間叫び続けて、鋭い快感はようやく止まるのだった。

 

フランはスーツのポケットから、手のひら程度の大きさの端末を取り出した。

「……終わりました。報告を」
「ぁぐ、ぉ゛――♡♡♡♡♡ ぉ、ぉ゛、ぉ――♡♡♡♡♡」

フランが誰にどんな報告をしているとか、アオイにとっては、もうどうでもよかった。ただ、一刻も早くこの場を離れたかった。家にある電動マッサージ器とか、医療用のガーゼとか、いろいろなものをごみ箱に放り込んで、二度と視界に入らないようにしたかった。今日の出来事は、完全に彼女にとってトラウマになっていた。こころの中はもうまっくろだ。

だから、フランが端末をスーツのポケットにしまって自分のほうを向くだけで、アオイはもう体の芯から震え上がるぐらい恐かった。

「佐伯アオイさん。あなたは、ニコ社に忠誠を誓っているわけではありませんよね」

アオイは、そう問うフランの表情に、ほんの少しだけの違和感を覚えた。先ほどまでの、あまりに冷たい無表情ではない。『心底うんざりした』というようでありながら、どこか優しい表情。

しかしその表情を読み取るには、アオイはもう心底疲れていたし、フランのことが恐かった。その質問に応える気力も湧かない。

「まっとうな会社に転職することをお勧めします。あなたの経歴を見るに、引く手はあまたでしょう」
「ひ、へ――」

「これは、せめてものです」
「ヒ――っ!!!?」

フランは、アオイの開かれたままの脚の付け根に、自分の顔を近づけていく。

その瞬間、アオイは絶望に悲鳴を上げそうになった――あんなに心が折れるまでひどいことをして、所属する組織を裏切ることになって、それでもなお犯そうというの!?

しかしフランがアオイのクリトリスに口を付けた瞬間、その絶望を全て忘れ去るような快感がやってきたのだ。

「――ふぁぉぉぉぉぉおおっ♡♡♡♡♡ ぉほっ、ぉ――!!!!?」

あまりに優しく、柔らかく、甘い口淫。唾液をたっぷり乗せた舌は滑らかで、舌の力を極限まで抜いたその感触は、蜂蜜のように柔らかい。

不意を突くこともなく、翻弄することもなく。飴玉をなめるような、あるいは傷口をなめるような。先ほどのように無理やり絶頂させられる鋭い快感とは、まるで違っていた。

「ふぁ、ぉっ♡♡♡♡♡ ぉ゛、ぉぉぉぉぉぉおっ♡♡♡♡♡ ぁ、あったかひ――♡♡♡♡♡ ひゃっ、ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁああああっ♡♡♡♡♡」

フランの両手が、アオイの背中と椅子の間に潜り込んでくる。

少し控えめの抱擁。スーツの生地は少し硬いが、背中に当たる手のひらは柔らかく温かい。心地いい。どこか、心がほっとする

「ぉほっ、ぉぉぉぉぉぉおおおおおっ♡♡♡♡♡ ぉぉぉお~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ひゃっ♡♡♡♡♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

それは今までとは比較にならないぐらい、優しい絶頂だった。崖底にたたき落とされるのではなく、天に昇るような心地。全身の筋肉ががちがちに硬直するのではなく、むしろ弛緩していく。

同じ性的快感が、こうまで変わるのか。

「ひぇひっ、ひっ、ひぃ……♡♡♡♡♡」

「もう1回、されますか?」
「はひっ、ひ……♡♡♡♡♡ あと、1回、だけぇ……♡♡♡♡♡ ひゃはっ、ぁ゛♡♡♡♡♡ ぉ゛ぉぉぉおおっ、ぉぉぉぉぉおおおおおおお~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

アオイのまっくろだった心の色が上書きされていく。ほんの少しだけ灰の混じった、薄紅色。

『終わり良ければすべて良し』という言葉で済ませるには、今日は本当に散々な1日だった。こんな経験はもう二度とごめんだ。だけどまあ、そんな日もあるだろう。そのうちいつか、ネタにして笑える日が来る。ああ、家に帰ったら、ガーゼを使ってオナニーをしてみようかな。自分でやったら、どんなふうになるんだろう?

「ぉ゛ぉぉぉぉおおおおお~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ほぉぉお~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ すごっ、きもちひぃぃ~~~~……♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~……♡♡♡♡♡」

アオイは絶頂を繰り返しながらそんなことを思い、やがて夢見心地のまま眠りに付くのだった。

 

アオイの意識の隅で、女性2人の話し声が聞こえた気がした。

「あれ? フランせんぱい、まだヤッてたんですか?」
「いや、今回はすぐに終わった。ただのアフターケアだよ」

「はぁー、相変わらず真面目ですね。それで、ニコ社のこと、何か収穫はあったんですかぁ?」
「君が外のことに興味を持つのは珍しいね」
「最近、どこのテレビもニコ社のニュースばっかりでうんざりなんですよー。この前も特番のせいでドラマの予約がずれたし!」

「……そう。収穫は、まあ、ないに等しいね」
「え? そうなんですか? さっき報告があったって」

「彼女は末端の構成員だ、たぶん切り捨てられている。教えてもらった場所に行っても、大したものはないと思うよ」
「それじゃ、拷問するだけ無駄だったんじゃ」

「仕事は仕事だ。依頼があるなら、私たちはどんな相手でも拷問しなければならない。老若男女、経歴、持っている情報、全部、どうであろうとね」
「せんぱい。ほんっと、くそ真面目」

「何にせよ、あとはの人間に任せよう」

 

発火パイロキネシス》、《念力テレキネシス》、《とにかく何かすごいやつエターナルフォースブリザード》――。

さまざまな《能力》に目覚め、敵と戦い、血を流し、成長し。あまたの《能力者》たちが格好良く描かれていく《異能バトルものせかい》。

これは、そんな華々しい表舞台とは無縁な、裏方の物語。

 

目次

表紙
 #簡単なご案内など
第1話 読心 -ノンバーバル-
 #クリ責め #電マ #ローションガーゼ
第2話 自声愛撫 -ジメツ-
 #くすぐり #声我慢 #超音波
第3話 非接触絶頂 -ムッツリ-
 #ささやき #見せつけ #脳イキ
第4話 絶頂引延 -トワノマタタキ-
 #シリコンチェーンソー #ブラシ責め #体感時間操作
第5話 はじめての
 #クンニ #寸止め
第6話 感覚遮断 -カイカンノサキオクリ-
 #乳首責め #ニップルドーム #クリ責め #電マ #くすぐり #感覚遮断
最終話 伝心 -ワタシノココロ-
 #キス #胸揉み #電マ #くすぐり #ブラシ責め #感覚共有
おまけ
 #キャラクターのちょっとした紹介

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