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◆あらすじ
感覚遮断を利用した性感帯開発のお店がありました。入った体の部位の感覚がなくなるという不思議な穴の中で、胸や秘所を快楽責めされるだけでなく、腋の下、太もも、足の裏など、全身をマジックハンドでくすぐり責めされるのです。このお店を使えば、自覚のないうちに全身性感帯を手に入れられる――と思いきや?
全身性感帯――それは、私が最も憧れるものの一つだ。
難しい理由はない。だって、気持ちいいことは良いことだから。もしも、胸や秘所だけでなく、全身で感じることができたら、どれだけ幸せだろう? 全身を敏感に、そして元々敏感だった胸や秘所はもっと敏感に。
だけど、私は臆病だった。私の知る限り、性感帯を開発するとなると、取りうる手段は死ぬほど気持ちよくするとか、何だか危なそうなお薬を使うとか。そういう薄い本とかでも、頭がおかしくなってしまうぐらい女性が気持ちよくなる描写を見るけれど、心をときめかせる一方『もしも自分がそうなったら』と思うと怖い。もっと手軽に、全身性感帯を手に入れる方法はないものか。
だから、私はここに来たのだ。
そうだ、性感帯を開発する過程で行われる激しい陵辱も、脳が快感を感じていなければいいんだ。感覚遮断って、最近SNSで見たことある! ――そんな子供じみたときめきも相まって、私は素っ裸で胴体から下を穴の中にはまらせている。
穴の下では私の体がどえらいことになっているのだろうけれど、本当に何も感じない。何も感じないのだけれど、どうしてかひどく嫌な予感がするのはどうしてだろう……?
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