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◆あらすじ
ぽちすい虫は女性の乳首やクリトリスに貼り付く、粘液体の小さな魔物です。運悪くその被害に遭ったのは村娘のフィー。ぽちすい虫を無理やり剥がすために、彼女は一晩中乳首とクリトリスを責められることに。吸引と振動、指という三者三様の快感が、彼女を何度も絶頂させます。
人間と魔族が争う世界。
人々の間では、魔物は凶暴で残虐な存在だと言われていた。しかし、全てがそうではなく、中には戦う力を持たないものもいる。
通称『ぽちすい虫』もその一種である。大きさは親指の先ほどしかなく、薄紅色のゼリーのような見た目の、小さな小さな魔物だ。
しかし、ぽちすい虫はその弱々しい名前や見た目に反して、人々から恐れられている存在である。
とくに、若い女性が襲われれば、一生消えない傷が残ることになるだろう。
とある村。
魔王国領から遠く離れており、まだ戦火が及ぶことのない平和な土地である。
陽が傾く時間、村娘フィーは小川に素足をつけて独り遊んでいた。
小さな身体は彼女の大人しい性格を表しているかのよう。本人は自分が大人だと思っているが、実際のところまだ村の男たちから可愛がられるような美少女だった。
亜麻色の長い髪が、夕日に照らされてきらめく。澄んだ小川と相まって、世の芸術家たちが喜ぶような詩的な風景が広がっていた。
「ぁわっ!?」
しかし、そんな光景を長く続けられないのが、少しうっかりものの彼女。足を滑らせて小川の中で尻もちを付いてしまう。
「ぁ、あぁー……」
小川は浅いから溺れることはない。しかし、肩から下が水浸しだ。
(暖かい季節で良かったぁ……)
フィーはため息を付いて、家に帰ろうと歩き始めた。
「どうしたフィー。ずぶ濡れじゃないか」
「まーた川の中でコケたのかい?」
「う、うぅ……」
道すがら、人とすれ違うたびに笑われる。村にいる者にとって、ずぶ濡れのフィーはもはや慣れた姿だった。
しかし、そんないつもの出来事に違和感が混じり込む。
「~~っ!?」
突然、フィーの背筋にゾワリと悪寒が走った。
全身が鳥肌立つ。彼女は最初こそ、水浸しになって身体が冷えたせいだと考えた。しかし、自分の身体に意識を集中させると、すぐに明らかな感覚を自覚してゆく。
クニュ。クニュクニュ。
「んく、ぁ……っ!?」
間違いない、何かがおかしい。
その感触は両胸、そして脚の付け根にあった。ネットリとした何かが、不快感を撒き散らしながら這い回っている。
虫か何かが入り込んだだろうか? 彼女はいつ噛まれでもしないか不安になる。とは言え、こんな外で服をめくり上げて肌を晒すわけにもいかなかった。
しかし、その懸念は不要であることはすぐに分かる。その感覚がどんどん強くなってゆくからだ。
「ひっ……っ、な、なに……!? ひぃぃぅぅ……!」
胸の先、それと脚の付け根のよく分からないところを強く吸いつかれる。こんなこと、虫がするわけない。
その感覚は痛くなかった。だけど、全身の力を奪われるようで、反対にいても立ってもいられないようで。何より、不思議と無性に恥ずかしい。
(なにこれ……。何なのぉ……!?)
フィーにはもう、どうすれば良いのか分からない。ただ、胸と脚の付け根を強く押さえつけながら、フラフラと歩き続けるしかなかった。
歩き慣れた道が、峠を超えるかのように遠く感じられた
「どうしたんだ、フィー?」
「ひっ!?」
家まであと半分というところ、フィーは村の男に声をかけられた。
全員が顔なじみの小さな村だ。声をかけられることは珍しくないし、普段ならそれを嫌とも思わない。
だけど、どうしてだろう? 今はとにかく話しかけて欲しくなかった。
「顔、赤ぇぞ。風邪でも引いちまったんじゃねぇか?」
「ぁ、そ、その……!」
男に顔を覗き込まれる。そのせいで、顔の赤みがさらに強くなった。
「だ、大丈夫……!」
「ぁ、おい!」
胸と脚の付け根の感触のせいで歪む表情を見られるのは、酷く恥ずかしいような気がした。
だから、フィーは顔を背けて走り出そうとした。しかし、すぐ男に手首を掴まれてしまう。
「大丈夫なわけねぇだろ。町の医者は全員戦争行きだ。もし風邪だったら、大事になる前に誰かに診てもらわなきゃなんねぇ」
その行為は、間違いなく村の一員であるフィーを想ってのことだった。しかし、今の彼女にとっては裏目にしかならない。
「ぅ、あ、ぁ……っ!?」
「……フィー?」
強くなる感触、赤らむ顔、歪む表情。それに対して、怪訝そうな表情を浮かべる男。
フィーの頭の中が真っ白になって、身体の中に溜め込んだ何かを吐き出してしまいそうになった、その時だった。
「フィー!!」
夕日にまで届きそうな女性の声が響く。男は声のするほうを振り向いて、気さくに手を挙げた。
「おう、アンナじゃねぇか。お前もフィーに言ってやってくれねぇか」
たまたま通りかかった女性の名はアンナ。一人娘のフィーが実の姉のように慕っていた人物だった。
男勝りな性格で背は高い。毎日の畑仕事のせいで、麻でできた服も茶色の短髪もくすんでいる。だけど心根は優しく、何より美しい女性だった。
「フィー。あんた、まさか……」
「ぅ、ぁ……!」
アンナは、真っ赤な顔でうめき声を上げるフィーを一瞥すると、自分の服が濡れてしまうのを気にも留めず抱きかかえる。
「この子はアタシが預かる」
「ぁ、おい!」
「男衆に言っときな! 今日これから、アタシの家に絶対に近づくんじゃないよ!」
そのまま男の言葉も待たず、フィーの家とは反対の方向に走り出すのだった。
――――
――
2人が辿り着いたのは、アンナの家。
「アンナぁ……。わたしの身体、へん……っ」
「大丈夫さ、しっかりしな」
アンナは家の戸を閉めるとフィーをベッドに腰掛けさせる。そして、おもむろに彼女の服をガバッと掴んだ。
上半身と下半身がひとつなぎになった衣服をめくり上げられて、足元から胸までいっきに露出してしまう。
「きゃぁっ!?」
そのまま下着も脱がされて、フィーは思わず悲鳴を上げた。突然裸にされれば、少女として当然の反応と言えるかもしれない。
「やっぱりか」
「……えっ?」
しかし、アンナの表情は真剣そのもの。彼女はため息を付いて、フィーの身体を指さした。
「ぽちすい虫だ」
フィーが自分の身体を見下ろしてみると、胸の先に薄紅色の何かが付いていた。水のようで水ではない、プルプルとした粘液体の何かだ。
彼女自身は確認していないものの、脚の付け根にも同じものがくっついている。
「ぽちすい虫は小さいが立派な魔物さ。女のぽっちを吸う、いやらしいヤツだよ」
アンナがフィーに説明してくれる。『上流から流れて来たんだろう』、それが彼女の見解らしい。
「ひっ、ぅ、うぅ……!」
そうこうしている間に、フィーは我慢ができなくなってゆく。
ぽちすい虫の動きは変わらない。一定の強さで吸い付き続け、一定のスピードでグニグニと蠢く。
得体の知れない感覚が、砂時計から落ちる砂のように彼女の身体に溜まり続けていた。
焦燥感が募る。フィーは思わずアンナの両肩を掴んだ。
「わたし、どうなっちゃうのぉ……っ!?」
「ぽちすい虫は繁殖するための栄養さえ蓄えたら、自然と剥がれる。それまで安静にするしかないね」
『そしたら、匙ですくって火炙りさね』、アンナはフィーを安心させるように優しく笑った。
それはぽちすい虫の習性だった。
女性の秘部に張り付いて体液を栄養とする。そして、単細胞生物のように増殖していく。それだけがこの魔物の全てだった。
凶暴で残虐だとされる魔物にしては、ため息が出るほど平和な種族。しかし、貼り付かれた本人には溜まったものではなかった。
「ど、どれぐらいかかるのぉ……っ!?」
「……ざっと、3日ぐらいかねぇ」
「そ、そんなぁ……!?」
フィーにとって、それは気が遠くなるような時間だった。
今にも、ゾワゾワとした刺激が全身を蝕んで、頭がおかしくなりそうだというのに。ぽちすい虫に貼りつかれてから、まだ半日すら経っていない。それが3日続くと言うのだ。
しかし、相手は女性の敏感なところに貼り付いた魔物。火や刃物を使うわけにもいかないし、水をかけても流れはしない。
泣きじゃくるフィー。アンナはそれを見かねてため息を付いた。
「一応、無理やり剥がす方法はある」
「ほんとっ!?」
アンナの言葉は水底に漂う空気のように、彼女にとって救いだった。
「……やるかい?」
「やるっ!」
フィーは、アンナの苦い表情を読み取れないまま、首を縦に振った。
――――
――
それから少し後、フィーは裸のままベッドに拘束されていた。
「アンナぁ、これ……!?」
仰向けに寝たまま両手両足を大きく開かされ、その手首と足首にはボロ布が巻き付いている。力を入れてみると、ベッドのきしむ音が響いた。
「暴れないようにだよ。ま、終わるまでの辛抱さ」
暴れる。フィーにはその言葉が何だか不穏に聞こえた。暴れそうなことが起きるということだろう。
だけど、3日もこの苦痛が続くなんて信じられない。すぐにでも終わるなら、何でも良い。
彼女はそう思っていた。
「それじゃ、行くよ」
そしてアンナは、フィーの胸にゆっくりと両手を伸ばす。フィーはその様子を食い入るように見つめる。
細く少し荒れた指先が乳首に触れた瞬間、彼女の身体が跳ね上がった。
「――ひゃぃぃっ!?」
「ほら、我慢しな!」
「そ、そんなっ、ひゃっ!? ひぃっ! な、なに、これぇぇっ!?」
両乳首を引っ掻かれる。それは貼り付いたぽちすい虫を剥がすような手付きだ。柔らかな粘液にたっぷり舐られた後だと、強すぎる刺激だった。
今まで散々悩まされてきた感覚が、さらに鋭く、明確なものになってゆく。
全身が風にくすぐられるかのように鳥肌立ち、口の筋肉が弛緩してろれつが回らなくなってゆく。
「あ、あんにゃぁっ!? む、むねっ、じんじんしへっ!? ぞくぞくしへぇぇっ!!」
しかし、アンナがどれだけ爪を立てても、問題のぽちすい虫は剥がれようとはしない。
粘液の身体を自由自在に動かせる魔物を相手にすれば、まるで水を指でつまむような話だった。
だから、フィーは両手両足に力を込めて暴れだす。アンナの指の動きに従って、ボロ布で繋がれたベッドの脚がギシギシとやかましく鳴った。
「ぅあっ、ひっ!? は、はがれなひぃっ! あんなっ、はがれなひよぉぉっ!!」
「落ち着きな! そんなんじゃ、これから耐えられないよ」
アンナはフィーの乳首を指で引っかき続ける。
妹のように可愛がっている女の子が悶える声を聞いていると、アンナもまた頭がおかしくなってしまいそうな気がした。
細い指が乳首を弾くこと十数回。ぽちすい虫に変化が訪れた。
ヴヴヴヴヴ!
「っひゃひぃいぃぃぃぃぃっ!!?」
フィーの背筋が折れんばかりに仰け反る。ぽちすい虫が、自身の身体を激しく振動し始めたからだ。
「マヌケな魔物でね、こうやって震えさせとけば勝手に死ぬんだよ」
それは知能に欠ける魔物の哀れな防衛本能だった。
自分の身体が剥がされようとすると全身を激しく振動させる。元より、粘液体である身体はそう簡単には剥がれない。その本能が与える影響は限りなく小さかった。
ただ、体力を全て使い切って自滅すること。そして、貼り付かれた女性が狂いそうになるほど悶えることぐらいだ。
「だめぇぇぇぇ!! お、おっぱひっ!? おかひ、おかひくなるぅぅぅぅっ!!?」
しかし、フィーはそんな話を聞いていられない。
ドロドロとした粘液に舐られ、アンナの指にカリカリと引っかかれ、新たにブルブルとした振動に覆われる。
刺激が足し算のように積み重なって、小さくて敏感な乳首を犯し続けているのだ。まだ少女と言える彼女が耐えられないのも無理がなかった。
「たぶん、日が明ける頃には終わる。それまで辛抱するんだよ」
それでも、アンナは顔をしかめてそう言い放つ。
今はまだ日が沈んだばかり。アンナの言葉は死刑宣告のようにも聞こえた。
「むりぃぃぃぃっ!! やめへぇぇ!? しんじゃっ、死んじゃうぅぅぅぅっ!!?」
「駄ぁ目だ。振動が止まったら、こいつらは体力を使った分だけ食事するんだ。そうなったら、剥がれるまで何日かかるか分かったもんじゃない」
1度止めてしまったら、後は真綿で首を絞められるような地獄が続くだけ。
フィーは早くも自分の選択を呪うことになった。
しかし、アンナはすでに憔悴し始めていたフィーにさらに追い打ちをかける。
「ここも何とかしてやらないとな」
「ひ――っ!!?」
彼女が手を添えたのは、もう1匹のぽちすい虫が貼り付いていたところ。脚の付け根のよく分からないところだった。
『そこはまずい』、フィーは直感で察した。
しかし、身体を拘束されていたらロクな抵抗ができない。何か言おうにも、両胸の強すぎる刺激が言語を悲鳴に上書きしてしまう。
そして、アンナの指先がとうとう下半身をカリッと引っ掻いた。
「っっいぃぃぃぃぃぃっ!!?」
その感覚は痛みと誤認するぐらい強かった。
しかし、アンナの指先はカリカリと動き続け、ついにぽちすい虫も動き出す。
ヴヴヴ、ヴヴヴヴヴヴヴ!
「ふぁあぁぁぁぁっ!!? にゃにこれなにこれなにこぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!?」
痛くはない。けれど、たった1ヶ所で生まれ続けるゾワゾワが、頭からつま先、身体の芯にまで染み込んでゆく。
神経が犯される。口が勝手にガクガク震えて、腰がビクビクと痙攣する。フィーは自分の股間から液体が染み出してゆくのを感じた。
「知らないかい? そこはクリトリスってんだ」
「知らないしらないしらなひぃぃぃぃぃっ!!? ゃひゃっ!? ひゃぁぁぁぁぁぁっ!?」
「女の身体で1番気持ち良いトコだよ。ま、分かっちゃいたけど、おぼこい子だね」
アンナはそう言いながら、乳首とクリトリスをまとめて刺激し始める。
片手でクリトリスを、もう片手で1つの乳首を弄り、そして口でもう1つの乳首を愛撫する。
舌でほじくっても歯を立てても、ぽちすい虫は変わらず振動を続けていた。
「ぅひぁっ!? だめ、だめぇっ!! くり、とりしゅっ、溶けちゃ、とけひゃうぅぅぅぅっ!!?」
乳首とクリトリスをずっと責められ続ける。
その刺激は和らぐことはないが、それでも慣れてはくるものだ。
(あ、これ……)
最初はひたすらパニックを起こしていたフィーも、ずっと苛まれてきた感覚と向き合い、理解してゆくことになる。
(ちくび、ジンジンして、おっぱいの奥がきゅんってして)
(ぶるぶるが、ぶるぶるで、おっぱいが、くすぐったぁい……)
(アンナ、指で優しくさわさわしてるだけなのに、どうしてこんなに……っ)
乳首を吸われると、胸がキュンと切なくなる。ぽちすい虫の重い振動は身体の芯を直接響かせる。アンナの指の動きが身体の外側から伝播して、お腹の奥を疼かせる。
三者三様の刺激。しかし、どれも行き着く先は同じ。
(気持ちいい――)
そして、フィーがとうとう快感を自覚した瞬間だった。
「――ぃ゛ひっ!!!?」
突然、フィーの身体が大きく跳ねる。ベッドの上から海の底までいっきに突き落とされるような浮遊感を覚えた。
「ぉ゛っ!!? ~~~~~~!! ひゃっ!! ぁひっ!!? ~~~~~~~~! ~~~~~~~~~~!!!」
そして、その感覚がずっと続く。
手足の筋肉が緊張して、つなげられたボロ布とベッドがけたたましく鳴った。脚の付け根から噴き出した潮がベッドを濡らす。
だけど、そんな醜態なんて気にしていられない。
生まれて初めての絶頂。男性経験はおろか、自分で慰めたこともない彼女にとっては強すぎる快感だった。
(おっぱいとくりとりす、すごひ……♡)
快感が身体だけでなく、心をも蝕む。
乳首とクリトリスに送り込まれ続ける快感が、彼女の絶頂を押し上げ続けていた。
しかし、天にも登るような幸福感は、一転して地獄に叩き落とされる絶望感に変わる。
「~~~~っ!! ぁ……! ひ……!? ぃ、ぎ!!? ひぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!?」
絶頂の喘ぎ声が、悲鳴に上書きされた。
クリトリスを引っかく指が、乳首を舐る舌が、そしてそれら3点を責め尽くす振動が止まらなかった。
「何へっ!!? にゃんでぇぇぇひぃぃぃぃっ!!?」
「フィー。あんた、何のためにこうしてやってるのか忘れたのかい?」
アンナはため息を付く。これはぽちすい虫の体力が尽きるまで続くのだ。
「生娘のくせにそんだけ敏感だと、今晩は大変だねぇ」
「しんじゃうぅぅっ!!? しんじゃぅよぉぉぉぉっ!!?」
「死にゃしないさ。よっと」
アンナが『疲れた』と言って体勢を変える。
フィーの下半身に自分の顔を押し付けて、クリトリスを口に含む。そして、腕を頭上に伸ばして両乳首を指で責め始めた。
「ひゃひぃぃっ!!? ひゃ、ぁあんっ! ぅひ、ひゃぁぁぁぁ!!?」
クリトリスを唇で吸われ、舌で舐められる。
指とは違う快感。初めて性を体験したフィーですら、思考を蕩かせるほどの官能を覚えた。
(ぶるぶるが、ぶるぶるが~~!? じゅるじゅるされて~~~~っ!!?)
そうこうしている間にも、ぽちすい虫は彼女の突起を激しく吸い、振動でこねくりまわし続ける。
ぽちすい虫の動きは変わらない。しかし、絶頂を経験して、快楽を知ってしまったフィーには理解できた。
(ぽちすいむし、きもちよすぎるぅぅぅぅっ♡♡)
乳首もクリトリスも、絶頂して鈍くなるどころか、どんどん敏感になってゆく。
神経が剥き出しになったかのよう。それなのに、ちっとも痛くない。
粘液体による『吸引』と『振動』という摩擦のない刺激は、純粋な快楽だけを生み出す、まさに人の領域を超えた責めだった。
(もっと、もっとすって、ぶるぶるしてぇぇ♡♡♡)
1度は忌避した快感を、また欲してしまうほど。
「ぁ、またっ!!? またへんに――にゃぁあぁっ!!? ~~~~!!? ~~~~~~~~!!! ひッ!!? ぃや!! やめ゛、やぇ゛ぇぇぇぇひぃぃいぃぃぃぃぃぃぃっ!!?」
(しんじゃうぅぅぅぅ!! やめて、もうやめてぇぇぇぇ!!?)
しかし、1度絶頂するたびに彼女は後悔する。絶頂の度に、身体が自分のものでなくなるかのように敏感になるからだ。
(~~~~!!? ……っ♡ ~~、~~~~♡♡ ~~♡♡♡ ――ッ! ~~~~~~~~!!? ~~~~~~~~~~ッ!!!?)
フィーは何度も何度も絶頂を繰り返す。天国と地獄を行き来するかのように、愉悦と後悔を繰り返す。
時折、眠気と疲労で気絶する。しかし、快感が夢を侵食して意識を無理やり覚醒させる。
アンナが宣言したとおり、ぽちすい虫の駆除は太陽が上り始める頃まで続いたのだった。
――――
――
それから数日後。『立ち入り禁止』の看板が立てられた水辺に佇むのは1人の少女。
「はぁ……っ、はぁ……」
(……♡)
フィーはあたりを見渡して誰も見ていないことを確かめると、ゆっくりと小川の水に下半身を浸し始めた。
ぽちすい虫。凶暴で残虐な魔物の中では珍しい、戦う力を一切持たない種族である。
しかし、その生態は恐ろしい。1度覚えてしまった快楽は一生消えない傷として、彼女の心に残り続けたのだった。