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◆あらすじ
あるカップルのお話。テレビゲームで残機を一つ失うたびに、1回イカされるという罰ゲーム。何回もイカされ、脳も指も正常な動作ができなくなって、ミスが重なり、ゲームオーバーになってしまうと、”本当の罰ゲーム”が始まります。しかし、そんな理不尽なルールが、彼女にとってはまんざらでもないようで。
私は、彼の家に遊びに行く。
私たちは付き合いたての初々しいカップルではなくて、会話もデートも自然体。2人でのんびりテレビゲームで遊ぶことも珍しくない。
だけど、私がゲームのコントローラーを握っても、彼が別のコントローラーを握ることなく、私を後ろから抱き締めるように座る。すると、私は『またぁ……?』なんて言いながら、まるで付き合いたての時のように、胸をどきどきさせるのだ。
――――
――
「ちょ、とっ♡♡♡♡ 待――♡♡♡♡ ぉ゛ぉぉぉおおっ、ぉ゛ぉぉぉぉおおおお~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」
今日、私は何回イカされたっけ?
そんなことも思い出せないぐらいイッてしまった私の体は、バルブが壊れてしまったかのように快楽を受け入れて、またあっという間にイッてしまう。
「ひーーっ♡♡♡ ひーーーーっ♡♡♡」
涙で目がぼやける。腕が震える。頭がちかちかする。彼が『手が止まってるよ』とゲームの再開を促すけれど、こんな常態でまともに操作なんてできるわけない。時折、断続的にスイッチの入る電マ、脚をすりすりとなでる彼の手が、私の思考と筋肉をふやかせる。
「ぁ゛――」
いつの間に、私はこんなにも残機を失っていたんだろう? 私の操作するキャラクターはふらふらしながら崖から落下していって、軽快なBGMと共に『ゲームオーバー』の文字が表示される。
その瞬間、彼の私を抱き締める力が一気に強くなった。
『抱き締める』――違う、これは『押さえ付ける』だ。
ヴヴヴヴヴヴヴヴーーーーッ!!!
「――っぁ゛ーーーーーーーーっ♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ゛ッッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
まるで終わりを迎えたゲームのキャラクターを反映させるかのように、私は強制連続絶頂地獄に堕とされる。私は反射的に彼の腕をつかむけれど、非力で、イカされ続けてすっかりふやけてしまった筋肉では、振りほどくことなんてできない。
「ぁぎっ、ぃ゛――♡♡♡♡♡ っぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぢゃんすッ♡♡♡♡♡ も゛う1回チャンスちょうだ――っぁ゛ぁぁぁああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
私の願いなんて聞き届けられることなく、彼が満足するまで、私はイカされ続ける。だけど私は絶望することなく、頭の中をピンク色に染めていく。だって、最初から彼は、私にゲームをクリアさせる気はなかったのだから。そして私も、それを承知していたのだから。
あらかじめ決まっていた結末。これは余興。ゲームのための罰ゲームではなく、罰ゲームのためのゲームなのだ。