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◆あらすじ
カプセルから出てくる大人のおもちゃ(の引換券)を使って、磔にされている女性をイカせよう! そんな『大人のホビーショップ』を偶然見つけた女性のお話。興味本位でイカされ役になったら最後、大人の財力に物を言わせてガチャガチャが大量に回されていく光景に、彼女は頬を引きつらせ、結局抵抗できない全身で後悔アクメをキメることしかできないのでした。
『大人のホビーショップ』なるお店があった。
雑多とした繁華街の裏手でそんな看板を見たとき、私の脳裏に浮かんだのは、年代物のプラモデルとか、昔人気だったアニメのフィギュアとか、CMでよく見たあのおもちゃとか。バトル○ームとか、サイクロン○グナムとか、トライ○オとか。
私は別に、そこまでホビーグッズを買い漁るほど興味があるわけではない。だけど、ちょっと中をのぞいていくのも悪くはないと思ったんだ。
……どうしてこうなった?
「あー。このガチャガチャっていう感触、久々だなー!」
「昔は一つ回すのに、全精神を注いだものだよ。子どもにとって300円は大金でねぇ」
「最近はゲームのガチャばかりだけど、たまにはこういうのもいいですね」
素っ裸で磔にされている私をよそに、いい年した大人たちがカプセルトイを回している。
『大人のホビーショップ』なるお店は、まっとうなホビーショップではなかった。かと言って、『大人のおもちゃ屋』というわけでもない。昔を懐かしみながら、実に大人らしい遊戯に興じる、ふざけたお店。
じゃあどうして、私は自分が磔にされることをよしとしたって? だって、ちょっと面白そうだなって思っちゃったんだもん! 無料で気持ちよくしてくれるって思ったら、ね!?
だけど、私は自分の認識が甘かったことをすぐに悟る。
「いやぁ、つい楽しくて10回も回しちゃったなぁ」
「私も。全部のガチャガチャを制覇しちゃいましたよ」
「それじゃあ、早速お試ししてみようか」
目の前にいる大人たちがカプセルトイを回す回数を数えていた私は、すぐに両手の指で数え切れなくなって、胸の鼓動を速くさせる。
そしてたくさんの道具が私に近づいてくるとき、私は思うのだった。
――ああ、こんなお店、入るんじゃなかった。