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	<title>心地よさ | おものべ  |  快楽責めと連続絶頂のエロ小説&amp;イラストのサイト</title>
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	<title>心地よさ | おものべ  |  快楽責めと連続絶頂のエロ小説&amp;イラストのサイト</title>
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		<title>クリ責め機械姦の様子をスマホで見せつけられるクリボックス1日お預け連続絶頂サービス</title>
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		<dc:creator><![CDATA[おものべ]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 01 Aug 2025 10:28:30 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エロ小説]]></category>
		<category><![CDATA[【受】女性が責められる]]></category>
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					<description><![CDATA[自分のクリトリスをクリボックスとして預けると、機械で気持ちよくしてもらえる、そしてその様子をスマホから視聴できる、そんなサービスがありました。しかしご注意を。一度クリトリスを預けたら、快楽責めのフルコースが終わるまで返却してもらえません。“彼女”は朝から晩まで、機械で作られた指だけでなく、ローションや歯ブラシ、吸引機、クリオナホ、先細バイブ、電マなど――さまざまな道具でクリ責めされる様を見せつけられながら、ひたすらイキ悶えることしかできないのです。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><strong>◆あらすじ</strong><br />
自分のクリトリスをクリボックスとして預けると、機械で気持ちよくしてもらえる、そしてその様子をスマホから視聴できる、そんなサービスがありました。しかしご注意を。一度クリトリスを預けたら、快楽責めのフルコースが終わるまで返却してもらえません。“彼女”は朝から晩まで、機械で作られた指だけでなく、ローションや歯ブラシ、吸引機、クリオナホ、先細バイブ、電マなど――さまざまな道具でクリ責めされる様を見せつけられながら、ひたすらイキ悶えることしかできないのです。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>人間、時には思いっ切り気持ちよくなりたいことがある。</p>
<p>全てを忘れて、1日中たっぷり快楽にふける――それは最高の休日の過ごし方だと言えるだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「――ただいまぁ」</p>
<p>土曜の朝、私は誰もいない自宅に帰る。あいさつが返ってくることはない。</p>
<p>夜勤明けでもなければ、徹夜で仕事をしていたわけでもない。朝早くからそわそわ気分を胸に抱えながら起きて、ちょっとした<ruby>手<rt>・</rt></ruby><ruby>続<rt>・</rt></ruby><ruby>き<rt>・</rt></ruby>をしていただけだ。</p>
<p>玄関が施錠されているかを二度三度確認して、足早に寝室に。Tシャツに短パン、素足――部屋着に着替えて、ベッドに飛び込む。</p>
<p>そして、指の震えを力んで抑え付けながら、スマートフォンを人差し指でたたくのだ。</p>
<p>「ええと、エイチ、ティー、ティー、ピー。コロン、ななめななめ、く、く、くり……あ、『c』か……」</p>
<p>URLを入力して、<ruby>案<rt>・</rt></ruby><ruby>内<rt>・</rt></ruby>された通りに操作していくと、ようやく、あるページにたどり着く。</p>
<p>ほんのちょっとの読み込み時間が、嫌に長く感じる。私がスマホの側面を人差し指でたたくこと10回か、11回か。ようやく、画面の真ん中にお目当ての<ruby>も<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby>が映り込んだ。</p>
<p>「うお……っ♡」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><img fetchpriority="high" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-16555" src="https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ1.jpg" alt="クリ責め機械姦の様子をスマホで見せつけられるクリボックス1日お預け連続絶頂サービス_1" width="1080" height="1920" srcset="https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ1.jpg 1080w, https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ1-768x1365.jpg 768w, https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ1-864x1536.jpg 864w" sizes="(max-width: 1080px) 100vw, 1080px" /></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>事前説明がなければ、これが何なのか分からなかっただろう。もしも誰かが聞いていたとしたら『一体何を言っているんだ』と白い目で見られることを承知で説明すると、これは私のクリトリスだ。</p>
<p>状況を整理しよう。つまり、こんな<ruby>サ<rt>・</rt></ruby><ruby>ー<rt>・</rt></ruby><ruby>ビ<rt>・</rt></ruby><ruby>ス<rt>・</rt></ruby>がある。私はそこに、自分のクリトリスを預ける。すると、預けられたクリトリスはクリボックスとして保管され、快楽生産マシンに収容。私のクリトリスは、機械にたっぷり気持ちよくしてもらえる。</p>
<p>そして、スマホを使えば所定のURLで、自分のクリトリスが機械に気持ちよくしてもらえる様子を視聴できる……そんな感じだ。</p>
<p>私は今朝、お店で自分のクリトリスを預けたばかり。スマホの画面では、私のクリトリスが『まだか、まだか』と、快感を求めて箱の真ん中にぽつんと立ち尽くしている。</p>
<p>よく見れば、画面の真ん中に鎮座するのは確かに私のクリボックスだけど、その周囲にも、たくさんのクリボックスがあるように見える。みんな、自分のクリトリスを気持ちよくしてもらいたくて、あのお店を訪れたのだろうか――そう考えると、何だか胸が落ち着かなくなってくる。</p>
<p>私はベッドの上で横向きに寝て、左手でスマホを持ったまま、右手で自分の秘所に手を伸ばした。</p>
<p>「うおお……。ほ、本当に<ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>……」</p>
<p>薄手の短パン越しでも分かる、<ruby>存<rt>・</rt></ruby><ruby>在<rt>・</rt></ruby><ruby>感<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>さ<rt>・</rt></ruby>。どういう原理か、本来クリトリスがあった場所はつるつるだ。私のクリトリスは本当に、画面の向こうの箱に捕らえられてしまっている。</p>
<p>体が熱くなっていく。呼吸が苦しくなっていく。胸の鼓動が頭にまで響いてくる。クリトリスは静かに立ち尽くしたまま。まだか、まだか、まだかまだかまだかまだか。</p>
<p>――そして、スマホにアナログ時計が付いているわけでもないのに、その時間が訪れた瞬間、何かがかちりと鳴った気がしたのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「き、来たあ――っ♡」</p>
<p>思わず発せられる言葉。私は今、どんな声音をしていただろう？　それに気付いて、むっと口をつぐむ。</p>
<p>クリボックスの上に張り巡らされたレールをしゃりしゃりと走ってきたのは、人の手を模した機械だった。マジックハンドというやつだろうか。でも、本物の人の手よりはだいぶ小さい？</p>
<p>――そんなことを思っていたら、その細い人差し指が、私のクリトリスをつんとつついた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-16556" src="https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ2.jpg" alt="クリ責め機械姦の様子をスマホで見せつけられるクリボックス1日お預け連続絶頂サービス_2" width="1080" height="1920" srcset="https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ2.jpg 1080w, https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ2-768x1365.jpg 768w, https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ2-864x1536.jpg 864w" sizes="(max-width: 1080px) 100vw, 1080px" /></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ふゃ――っ！？　ぁ――♡」</p>
<p>不思議な感覚だった。</p>
<p>スマホの画面の向こうにあるすべすべのマジックハンドは、あくまでも画面の向こうのクリトリスをつついているだけ。それなのに、こちらにいる私に、その感覚が届いてくる。</p>
<p>クリトリスの先から、小さな電流がぴりりと走って、全身に甘く伝搬していくよう――これは、紛れもなく<ruby>本<rt>・</rt></ruby><ruby>物<rt>・</rt></ruby>だ。</p>
<p>「ぅおっ♡　お、ぉっおっ、おっぉっぉお……っ♡」</p>
<p>つん、つん、つん。私は自分のクリトリスが優しくいじめられている様子を、食い入るように見つめ続ける。画面の向こうの手付きは、さしずめ動作確認か、準備運動か。指先でつんとつつくだけの快感は、私を満たしてくれることはなく、むしろその欲望を増長させていく。</p>
<p>もっと、もっと、もっと、もっともっともっと！　今の私はきっと、はしたなく目を血走らせていることだろう。</p>
<p>そして、つんつんとつつくだけだった人差し指がぐにりとクリトリスを押しつぶした瞬間、ふーふーとした鼻息は歓喜の喘ぎ声に変わった。</p>
<p>「くぅぅうんっ♡♡　んぁっ、や――っ♡♡　ぉお、ぉほほほほっ♡♡　クリトリス、ふにふにされてぇ……♡♡」</p>
<p>思わず間抜けな笑い声が出てしまうほどだ。</p>
<p>私とて、性経験がまったくないというわけではない。自分でクリトリスを慰めることなんて日常茶飯事だし、他人に触らせたことも……まあ、なくはない。だけど、それらの経験を全て越える心地よさだ。マジックハンドのさらさらと引っかかりのない素材故か、生卵の黄身もつぶせなさそうな絶妙な力加減故か、それとも一切の抵抗を許さないクリボックスという形態故か。</p>
<p>私の膣はあっという間に湿り気を帯びていく。愛液が一滴漏れて下着を濡らした時、『ああそうか』と短パンと下着を脱ぐことにする。それから『しまった、ベッドの上にバスタオルか何か敷いておくべきだったか』と少し後悔したけど、シーツはこの後洗濯してしまおうと心に決めて、雑念を排除することにした。</p>
<p>「お、ぉおっ……！　<ruby>も<rt>・</rt></ruby><ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>1<rt>・</rt></ruby><ruby>本<rt>・</rt></ruby>んん……！？」</p>
<p>そうこうしている間に、次々と悦びはやってくる。まるでコース料理だ。</p>
<p>最初、スマホの画面から聞こえてきたのは、レールを何かが走るしゃりりという音。そして画面に現れたのは、もう一つのマジックハンド。今私のクリトリスの先っぽをつついているものと同じかと思えば、よくよく見ると<ruby>左<rt>・</rt></ruby><ruby>右<rt>・</rt></ruby>が違う。今私のクリトリスに触れているのは右手、そして新たにやってきたのは左手。案外芸が細かい。</p>
<p>そして、新たにやってきた左手が私のクリトリスにやってきた瞬間、『違うのは左右だけではなかった』と<ruby>思<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>込<rt>・</rt></ruby><ruby>ん<rt>・</rt></ruby><ruby>だ<rt>・</rt></ruby>。</p>
<p>ぬるり。</p>
<p>「ふゃぅゃぁあっ♡♡♡」</p>
<p>感触が違った。</p>
<p>クリトリスの先っぽをつついていたマジックハンドは、質の良い布生地のような、きめ細やかでさらさらとした感触だったのに。一方でクリトリスの根元をきゅっとつまんだ新たなマジックハンドは、明確な湿り気があって、しかもそれがまとわり付いてくる……これはラブローションだ。</p>
<p>まるでマジックハンドの中に大量のローションが含まれていて、それが少しずつ染み出してきているよう。そして、それは左手だけではなかった。</p>
<p>「ひぁぅぁぇぇえっ♡♡♡　さきっ、先っぽもぬるぬるしてきてぇえっ♡♡♡」</p>
<p>あんなにさらさらだった右手までもが、ぬるぬるしてくる。ローションの機能を有していたのは、新たなマジックハンドだけではなかった。ただ、出し惜しみをしていただけだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-16557" src="https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ3.jpg" alt="クリ責め機械姦の様子をスマホで見せつけられるクリボックス1日お預け連続絶頂サービス_3" width="1080" height="1920" srcset="https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ3.jpg 1080w, https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ3-768x1365.jpg 768w, https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ3-864x1536.jpg 864w" sizes="(max-width: 1080px) 100vw, 1080px" /></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>にゅるり、にゅるり、にゅるり。</p>
<p>右手はクリトリスの先端をいじめ、左手はクリトリスの根元をいじめてくる。指紋のないマジックハンドがローションに濡れた感触は、一切の引っかかりもなくただただ甘い。</p>
<p>むずがゆさがクリトリスから背筋を上って、全身を鳥肌立たせ、口の奥を<ruby>あ<rt>・</rt></ruby><ruby>ぐ<rt>・</rt></ruby><ruby>あ<rt>・</rt></ruby><ruby>ぐ<rt>・</rt></ruby>させるようだ。</p>
<p>「ぁぅぇぉぇぇっ♡♡♡　こんにゃのっ、すぐいくっ♡♡♡　我慢できるわけなひぃぅぁぁぁあああっ♡♡♡　ぁぁぁぁぁああああああっ♡♡♡」</p>
<p>私は仰向けに寝たまま、足の裏をべたりとシーツに付けて、浮かせた腰をへこへこと上下に振り続けた。腰にまとわり付いたむずむずを振り払わなければ、どうにかなってしまいそうな気分だった。</p>
<p>だけど、そんなことで快楽は消えることなく、むしろどんどん折り重なって私を絶頂へと追いやっていく。</p>
<p>「ひぁぇぁっ♡♡♡　ぁぅ、お――♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡　くっ、ぅうう～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>その絶頂は、甘い蜜に全身をドボンと落とされたような心地だった。</p>
<p>ちょっとした息苦しさ以外の全てが、甘くて、心地よくて、気持ちいい。全身がきゅっと緊張しているというのに、クリトリスのなくなった女性器だけが自由気ままにひくひく収縮と弛緩を繰り返しているのが分かる。抵抗できずに気持ちよくさせられるというのは、こんなにも気持ちいいものなのか。</p>
<p>「ふぉ、ぉお、ぉぉおお……♡♡♡」</p>
<p>私はこの時、間違いなく愉しんでいた。心の中で賛美していたぐらいだ、『クリボックス最高！』『リピート確定！』『もう一生推しちゃう！』。</p>
<p>それが一変したのは、絶頂の余韻が醒めていくさなか――マジックハンドが何てことのないように、私のクリトリスをいじめ続けていることを感じ取った瞬間だった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ぅあぇっ！！？　待っ、もう、イッて――！！　ぁっ、ひぃぃぃぃいぃぃぃいいいいいいいいっ♡♡♡」</p>
<p>絶頂直後の快楽責め――ささやかな性経験しかない私にとっては、知らない感覚だった。</p>
<p>私のクリトリスは、ほんのちょっと一なでされるだけで飛び上がってしまいそうなぐらい敏感になっていた。それなのに、二つのマジックハンドがにちゅにちゅという音を立てながら変わらず動き続ける。</p>
<p>『イッた後は体が敏感になる』というのはよく言われることだけど、まさかこんなにも変わるなんて。</p>
<p>「ぃっ、やめ――♡♡♡　ぅぅぅぅぅぅうううっ！！？」</p>
<p>私は思わず、自分の脚の付け根を両手で押さえ付けた。だけど、気持ちよさはただの1ミリグラムも、1ミリセンチも、1ミリ秒も小さくはならない。こんなにも両手でぎゅうぎゅう押さえ付けているのに、気持ちよさが何の抵抗もなく自由気ままにクリトリスを駆け巡る。</p>
<p>自分の体のことのはずなのに、自分の意思が何の影響も及ぼすことができない。その感覚はすごく理不尽で、背中がじりじり焦げていく気分だ。</p>
<p>「おねがっ、一度、止め――！！　いったん、休憩、させて――♡♡♡　ぅぁぁぁぁああ――っ♡♡♡」</p>
<p>私が快楽に対して抵抗を始めたのは、それが今までの快楽とは明らかに違っていたからだった。むき出しの感覚神経をそのまま舐られ、運動神経に恣意的に誤作動させるような感覚。そこには、甘さも心地よさもない。気持ちよさですら、一瞬『痛み』と誤認するぐらい。</p>
<p>しかし、それは紛れもなく『快楽』だった。私の体は、脳が理解するよりも早く、あっけなく上り詰めていく。</p>
<p>「ひぎ――♡♡♡　ぃ――！！？　ぁ――！！？　っ～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡　ぎ、ぃいい～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>ローションまみれのマジックハンドによるにゅるにゅるとした快感がもたらす二度目の絶頂は、嫌になるぐらい鋭かった。私は歯を食い縛って、まるで崖から突き落とされるような浮遊感に抗う。</p>
<p>まだうれしい！　何とかうれしい！　ギリギリうれしい！　――そんな言い聞かせは、続くクリ責めのせいであっという間に無為に帰した。</p>
<p>「待――！！？　これ以上は、も――ぁ゛、ぁ゛ぁぁぁ、ぁぁぁぁ゛ぁぁああああーーーーッ♡♡♡♡」</p>
<p>快楽の許容量を超えた瞬間だった。情緒も、<ruby>引<rt>・</rt></ruby><ruby>き<rt>・</rt></ruby>もない、まさに機械的なクリ責め。</p>
<p>コップに水を注ぐ時、あふれそうになったら、誰だって水の勢いを弱めるだろう。悪意のある者なら、むしろドバドバと水の勢いを強めるかもしれない。この機械はどちらとも違う。コップから水があふれるのが分かっていながら、淡々と、一定の<ruby>水量<rt>かいらくりょう</rt></ruby>を保ち続けるよう。</p>
<p>それだけに、話の通じない恐ろしさを感じさせる。私が涙をこぼし始めても、画面の向こうにあるマジックハンドは止まることはない。</p>
<p>「ぅあ゛っ♡♡♡♡　ぉ゛ぉぉぉぉぉおおおおおっ！！？　むりっ、や゛めっ♡♡♡♡　これっ、むりだっでぇぇぇぇぇぇええええええっ♡♡♡♡」</p>
<p>私の指が、勝手にスマホの画面をスクロールしていた。きっとどこかに、『責めを中止する』みたいなボタンか何かがあるかもしれないと、考えるより先に体が期待していた。</p>
<p>だけど、私がどれだけ血眼になって探しても、そんな慈悲に満ち満ちたナビゲーションはかけらも見つからない。一度クリトリスを預けたら、全てのコースが終了するまで止まることはないんだった。</p>
<p>「ふぐぁ、ぉ゛――♡♡♡♡　っ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡　ぃぎっ、ぃ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡　っっ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>そうこうしている間に、3度目、4度目、5度目と、次々に絶頂がやってくる。</p>
<p>仰向けのまま脚だけブリッジを始めたり、うつ伏せに転がって四つん這いのままお尻を思いっ切り後ろに突き出したり、私の体はベッドの上で勝手に暴れ続ける。いたずら好きな妖精が、私の全身に微弱な電流を流し続けてあざ笑っているみたい。</p>
<p>「ぅぁ、ぉ゛～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡　これ、無理……♡♡♡♡　し、死んじゃ……っ♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡」</p>
<p>段々と、意識が虚ろになっていく。全身はへとへとで、呼吸も苦しい。おかしい、私はマラソンをしていたんだっけ？</p>
<p>こんなにも気持ちよくさせられていたら、ずっと小さな画面なんて見ていられない。ずっと左手に握りしめていたスマホが、シーツの上に落ちて――。</p>
<p>「――え？」</p>
<p>だけど次の瞬間、背筋がぞっと冷え切るのと同時に、私の意識は確かに現実に――画面の向こうにある<ruby>異<rt>・</rt></ruby><ruby>変<rt>・</rt></ruby>に引き寄せられたのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「私のクリトリス、<ruby>増<rt>・</rt></ruby><ruby>え<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby>……？　ぇ、あれ、え……？」</p>
<p>分割された画面。今までは一つのクリボックスしか映し出されていなかったはずなのに。1、2、3、4、5、……6？　画面には、六つのクリボックスが映し出されている。</p>
<p>それらのクリボックスの中央にぽつんと立ち尽くすクリトリスは、全て同じ形、同じ大きさ、同じ色――紛れもなく、私のクリトリス。</p>
<p>そして、分裂か何かした私のクリトリスたちに、それぞれ違う道具が近づけられていく。</p>
<p>どうして、私のクリトリスが六つに増えているんだろう？　そんな当然の疑問が一瞬だけ浮かび上がり、だけどそもそもクリボックスなんていう未知の技術が使われている以上、それを論じるのも意味がないように思えた。</p>
<p>大切なのは、そこじゃない。</p>
<p>「……うそ、でしょ……？　それ、全部、いっぺん、に……？」</p>
<p>大切なのは、今、さまざまな道具が一斉に、私のクリトリスをいじめようとしているということ。</p>
<p>「……お願い、やめて」</p>
<p>考えるよりも前にぽつりとこぼれた言葉は、私の感情の呼び水となった。</p>
<p>「――お願いッ、やめてっ！！！？　やめでください゛ぃぃッ！！？　こんなの、私死んじゃうっ！！！　死んじゃうがらぁ゛ぁぁぁぁあッ！！！？」</p>
<p>私は泣いていた。</p>
<p>子どもみたいにみっともなく泣きじゃくりながら、画面の向こうの機械に対して懇願していた。お願い、もう赦して！　私はもう、十分気持ちよくなったから！　これ以上は死んじゃう！</p>
<p>そんなことをしても、誰も聞いてはくれないというのに。</p>
<p>相手は機械だ。一定に保たれた水量がコップの水をあふれさせるように、淡々とした動きでもって、全ての道具が同時に私のクリトリスに触れるのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-16558" src="https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ4.jpg" alt="クリ責め機械姦の様子をスマホで見せつけられるクリボックス1日お預け連続絶頂サービス_4" width="1080" height="1920" srcset="https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ4.jpg 1080w, https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ4-768x1365.jpg 768w, https://omonove.com/wp-content/uploads/2025/08/クリボックスモニタ4-864x1536.jpg 864w" sizes="(max-width: 1080px) 100vw, 1080px" /></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「――ぁ゛ぁぁぁぁぁあああああああああッ！！！！？　ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡」</p>
<p>視界がバチバチと明滅するようだった。私のクリトリスは指でつつかれ、もまれ、しごかれるだけでも、十二分絶頂に至れるぐらいに敏感だったのだ。わざわざ絶頂に特化した道具を、しかも複数同時に使われたら、危うく白目をむいてしまいそうなぐらい気持ちよくなるに決まっている。</p>
<p>「ひぎっ、ぃ゛ぃぃぃいい～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　いぐっ、いぐッ♡♡♡♡♡　イッで――！！！！？　イっ、ぇ゛え――！！！？　ぇぇ゛ぇぇぁぁぁあああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡」</p>
<p>私はもう、いつイッていて、いつイッていないのかが分からなくなっていた。意識の外でぶし、ぶしと断続的な潮吹きが起きて、シーツが汚されていく。</p>
<p>そして、こんなにも強烈な快感に眼球の奥をたたき付けられてなお、画面の向こうの狂事が、私の脳に無理やりねじ込まれていく。</p>
<p>「やだッ！！！！？　<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>やだぁ゛ぁぁぁぁあああああああッ♡♡♡♡♡　<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>っ、<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>ん<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby>゛ッ♡♡♡♡♡　やだっ、やだぁ゛ぁぁぁぁああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～っ♡♡♡♡♡」</p>
<p>私はスマホにしがみ付きながら悲鳴を上げ続けた。その道具は駄目！　そこに触らないで！！　そんな触り方したら死んじゃう！！！　見るたび、叫ぶたび、どんな道具が、クリトリスのどこを、どんな風に触っているかが分かって、快感が鮮明になる。</p>
<p>それなら、スマホなんてさっさと放り投げてしまったほうがまだマシだったかもしれない。それなのに、目を離すことが怖かったのか、それともこの期に及んでまだ快楽を欲しているのか、私は自分のクリトリスが虐げられている様子を視聴し続けるんだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>最初に見たのは、マジックハンドで責められるクリトリスだった。</p>
<p>「ひぅぁ゛ッ♡♡♡♡♡　にゅるぬる゛ッ♡♡♡♡♡　しぬっ、死ぬっ♡♡♡♡♡　ぉ゛ぉぉぉおおおおおお～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>二つのマジックハンドの動きは相変わらずだった。右手と左手がそれぞれ役割分担をして、クリトリスの先っぽ、幹、根元をにちゅにちゅとなでくり姦していく。</p>
<p>その手付きは甘いはずなのに、感覚神経を通る電流は嫌になるぐらい鋭い。私の腰は不規則な痙攣を強いられ続ける。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>次に歯ブラシ。</p>
<p>「そんなの゛、そんな゛の使わ゛ないでぇぇぇぇぇぇええええええッ♡♡♡♡♡　ぃぎっ、い――っ♡♡♡♡♡　づよすぎッ♡♡♡♡　ぐりどりすなぐなっぢゃぁぁぁぅ゛ぁぁぁぁぁぁああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>こんなものをクリ責めに使うなんて信じられなかった。だって、歯ブラシは歯を磨くものでしょう？　断じて、クリトリスを磨くものではない。</p>
<p>だけど、その気持ちよさは本物だ。痛みを感じる1歩手前の強烈な刺激が、私を強制連続絶頂に追いやると共に、クリトリスに密集した神経をほじくり返していく。感覚が麻痺するどころか、どんどん敏感になっていく。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>次は、一体何の機械だろう？　目で分からなくても、クリトリスの感覚で分かった。……これは、クリトリスを吸う機械だ。</p>
<p>「ぅ゛ぉぉおっ、ぉ゛ぉぉぉぉおおおおおおおおおおッ♡♡♡♡♡　ぢゅっぢゅっぢゅってぇ゛ぇ♡♡♡♡♡　やだッ、何ごれっ♡♡♡♡♡　くりとりすあづいッ♡♡♡♡♡　何だか熱ぐなるぅぁ゛ぁぁぁぁぁああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>吸引機がクリボックスの土台にぴちりと貼り付いて、クリトリスを吸い上げる。まん丸だった私のクリトリスが、縦長に伸ばされていく。</p>
<p>ぢゅっと吸い上げる圧迫感と、ぷすりと空気が抜ける解放感が交互にやってくる。まるでポンプみたいだ。こんなクリボックスに閉じ込められてなお、クリトリスに絶えず新鮮な血液が届けられるようで、神経が飽きることはけっしてない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そして次のは、まさか、クリオナホとかいうやつだろうか。</p>
<p>「ひぁぅぇおぁひぅぁぁ゛ぁぁあああ～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡　ひゃめっ、くりとりひゅ溶けひゃ――♡♡♡♡♡　ふゅょぉお゛ぅぇぁぉぁあああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>私も、男性が使う『オナホール』というものを、存在ぐらいは知っている。柔らかなシリコンでできていて、中には性感を刺激する溝が彫られていて、ローションで濡らしてから男性<ruby>の<rt>・</rt></ruby>を挿れると、それはもう気持ちいいらしい。</p>
<p><ruby>ら<rt>・</rt></ruby><ruby>し<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>――それはたった今、断定形になった。クリトリスが柔らかなシリコンにもみくちゃにされる感覚は、まるで全身をくすぐり責めにされるような甘さだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>それと、先の細い、不思議な形状をしたバイブ。</p>
<p>「ぅ゛ぉぉぉぉおおおおおおおおッ♡♡♡♡♡　くりとりすの<ruby>根<rt>・</rt></ruby><ruby>元<rt>・</rt></ruby>ッ♡♡♡♡♡　ねもとがぁぅぁぇぉぁぁぁあ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぃ゛ぁぁぁあああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>このバイブを開発したやつは、とんでもない快楽嗜好者だと思い知らされる。決して強くはない振動が、しかしクリトリスの1点をピンポイントで震わせてくる。</p>
<p>快楽責めに必要なものは何だろう？　『強さ』、然り。『長さ』、然り。だけど、『丁寧さ』――これもまた、正解であることを体で分からされる、そんな道具だった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>最後に、電動マッサージ器。</p>
<p>「っっぎゃぁ゛ぁ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　しぬっ、死ぬ゛ッ♡♡♡♡♡　しぬ゛ぅぅぅぅぁぁぁぁあああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡　ッ゛ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>『ばかじゃないの！？』と叫びたい気分だった。こぶしのような重くて硬い振動物が、ぐりぐりという回転運動を描きながら、クリトリスを踏みつぶし続ける。</p>
<p><ruby>丁<rt>・</rt></ruby><ruby>寧<rt>・</rt></ruby>は、確かに気持ちいい。だけど、<ruby>強<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>――それもまた、率直に、残酷に気持ちいいんだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ぉ゛っぉぉぉおおおっ♡♡♡♡♡　ぉご、ぉぉおおおおおおッ♡♡♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁぎ、ぃ゛ぁぁぁああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡」</p>
<p>イカされ続ける。イカされ続ける。イカされ続けるイカされ続けるイカされ続ける、イカされ続けるイカされ続けるイカされ続けるイカされ続ける。</p>
<p>私の中で、時間の流れがおかしくなってしまったみたいだった。散々イカされ続けたと思ったら、スマホの時計がまだ5分しかたっていなかったこともあったし、泣き叫んでいたらいつの間にか1時間が過ぎていたこともあった。まるで永遠の絶頂地獄に放り込まれてしまったみたいだ。</p>
<p>だけど、人の体というのは無限の時間に耐えうるようにはできていないらしい。</p>
<p>「ぅぐあ゛――♡♡♡♡♡　ぉ゛ぉぉぉおおお～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　ぉ゛……♡♡♡♡♡　ぉ゛……♡♡♡♡♡　ぉ゛ぉ……♡♡♡♡♡」</p>
<p>浮き上がって、沈んで、また浮き上がって、沈んで――そんな風に繰り返していた意識が、だんだんと重たくなっていく。何てことはない、ただ体力が尽きただけだ。私はそう遠くないうちに、気絶してしまうのだろう。それは、この快楽地獄においては救いのように思えた。</p>
<p>だけど、何かを感じる。</p>
<p>「だめ、これ、いじょ――♡♡♡♡♡　ちぎれ――♡♡♡♡♡　何かっ、なにかちぎれる――♡♡♡♡　ぁ゛、ぁ゛ぁぁぁぁあああああああああ――♡♡♡♡♡」</p>
<p>こんなにも眠いのに、全身の筋肉は緩むどころか、むしろ硬く、硬く絞られていく。呼吸が苦しくなって、クリトリスがないはずのアソコの中で何かが膨らんでいく。</p>
<p>それは前触れ。何回も、何十回も、何百回も、絶頂という手段でもって体の中の快楽を放出させていたというのに、私の体の中には、まだパンパンに快楽がたまっていたらしい。</p>
<p>「だめ、もぉ゛――っ♡♡♡♡♡　ぁ、来る、ぁあ、ぁ゛ぁぁああ――ッ♡♡♡♡♡　……ぁ――」</p>
<p>抵抗なんて、これっぽっちもできなかった。</p>
<p>躰という名のダムが必死にせき止め続けていた<ruby>水の塊<rt>かいらく</rt></ruby>が今、限界圧力を迎える。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「――ッ゛ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁ゛、ぁ゛ぁぁぁぁぁああああああああああああ――ッ♡♡♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ゛ッッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>機械の動きは、ちっとも変わっていない。マジックハンドも、歯ブラシも、吸引機も、クリオナホも、先細のバイブも、電マも、全部が全部、一定のリズムで私のクリトリスをいじめ続けるだけ。</p>
<p>それなのに、その絶頂は今までにないぐらい強烈なものだった。無意識のうちに絶叫し、肺にたまった空気を全て吐き出す。意識の隅っこで、ビチャビチャという音が聞こえる。それはもう、果たして本当に潮なのだろうか。体の中にたまった快楽を、全部全部吐き出すかのようだ。</p>
<p>「ぁぐ、ぉ゛――♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　これ、長――ッ♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッッッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>過去最大の絶頂は、長く続く。全身をぎちぎちに硬直させ、だけど腹筋だけをさびたポンプのようにぎゅうぎゅううごめかせて、潮を吹き続ける。</p>
<p>それが10秒、20秒、30秒……時間感覚を失ってしまった私には、その正確な時間は分からない。何なら、数分、数十分とイキ続けていたような気すらする。</p>
<p>そんな長い時間がたって、体の中の快楽を行ってき残らず吐き出すとやっと、私の全身はふっと緩むのだった。</p>
<p>「ぉ゛、ぉ゛、ぉぉぉぉぉ……ッ♡♡♡♡♡　ぉご、ぉ゛……♡♡♡♡♡　ぉ゛お……ッ♡♡♡♡♡」</p>
<p>もう、何も見えない、何も聞こえない、何も考えられない。ピンク色の光が咲く視界が、ゆっくりとグレーに変色していくのをぼうっと見つめるだけ。</p>
<p>……そんな中でも、クリ責めは終わらない。マジックハンドが、歯ブラシが、吸引機が、クリオナホが、先細のバイブが、電マが、全部が全部、一定のリズムで私のクリトリスをいじめ続ける。私はイキ続ける。</p>
<p>「ッッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　ひへ、へへへへへへへぇぇ゛……♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　ッ゛ッ゛ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡」</p>
<p>私がすっかり意識を手放して気絶してしまった後も、ずっと、ずっと――。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>それから、私は全身のべたべたした不快感に飛び起きる。</p>
<p>「ふぉ――っ！！！？　ぉ、お……っ！？　わ、私、あれ、え……っ？」</p>
<p>これまで何をしていたかを思い出して、あまりの恥ずかしさに絶叫したくなったのをすんでの所で我慢して、深呼吸。カーテンの隙間から窓の外を見れば、もう日はとっぷりと暮れてしまっていた。おかしい、私が事におよび始めたのは朝だったはず。</p>
<p>とうの昔にスリープモードに入っていたスマホをつけると、配信画面には灰色の網が掛けられていて、『クリトリスをご返却いたしますため、お手数をお掛けいたしますが店舗までお越しください』という文字が表示されていた。</p>
<p>ものすごく面倒くさいなあと思いながら、『ついでに何か食べに行くか』と思いながら外に出ることにしたのだった。もちろん、シャワーを浴びてから。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そして。</p>
<p>「いらっしゃいませ。クリトリスのご返却ですね？　少々お待ちくださいませ」<br />
「は、はい」</p>
<p>まるでエステ店のような清潔なカウンターで、私は挙動不審に返事をする。それにしても『クリトリスのご返却』という字面は何ともインパクトがあるな。</p>
<p>若い女性の店員さんが、1枚の紙を差し出す。返却に際する同意書だか、証明書だか、私はその書類にサインを一筆入れるために、書かれている内容を丁寧に確認していく。</p>
<p>すると、店員さんは何てことのないように口を開くのだ。</p>
<p>「延長はよろしかったですか？」<br />
「え、延長……？」</p>
<p>それは聞いたことのない言葉だった。私が間抜けな声を上げると、店員さんは『あら、ご案内が漏れていました？』という表情で首をかしげた。</p>
<p>「本日に引き続き、翌日もご利用いただくと、ご利用料金が割引されます。ええと、この時間帯ですと30%オフですね」</p>
<p>私は『あー』と、声を出さず口だけ開けた。カラオケとかだと、延長というのは割高だったりするものだ。クリトリスを預かってクリボックスに保管する手間だとか、反対にクリボックスからクリトリスを取り出して返却する手間だとか、そういうのが省かれるから割引されるんだろうか？　そんな風に私は1人で納得する。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そんなことはどうでもいい。大切なのはお金じゃなくて、それでどうなるかということだ。</p>
<p>……もう1日、<ruby>あ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>を？</p>
<p>「……ぅお――っ♡」</p>
<p>今日は土曜日。明日は日曜日。</p>
<p>預けているはずのクリトリスが、きゅんとうずいた気がしたのだった。</p>
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		<title>短小ふたなりの変身ヒロインが女怪人たちの集団陵辱搾精地獄で再起不能にされて一生射精管理されるまで</title>
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		<dc:creator><![CDATA[おものべ]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 20 Dec 2024 09:00:46 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エロ小説]]></category>
		<category><![CDATA[【人数】複数に責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【受】女性が責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【攻】人外が責める]]></category>
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					<description><![CDATA[変身するとふたなりになってしまう、お嬢さま口調な正義のヒーロー"アリアテネ"。色仕掛けなんてくだらない攻撃に敗北した彼女は、敵のアジトで搾精地獄を受けることになります。女怪人たちによる手コキで、フェラチオで、パイズリで、オナホールで、そして本番セックスで……実にさまざまな方法による、射精禁止→強制連続射精のコンボ。そして、1度空っぽになるまで精液を搾り取られるだけでは終わってくれない、彼女の悲惨な末路とは。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><strong>◆あらすじ</strong><br />
変身するとふたなりになってしまう、お嬢さま口調な正義のヒーロー&#8221;アリアテネ&#8221;。色仕掛けなんてくだらない攻撃に敗北した彼女は、敵のアジトで搾精地獄を受けることになります。女怪人たちによる手コキで、フェラチオで、パイズリで、オナホールで、そして本番セックスで……実にさまざまな方法による、射精禁止→強制連続射精のコンボ。そして、1度空っぽになるまで精液を搾り取られるだけでは終わってくれない、彼女の悲惨な末路とは。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p style="text-align: center;">※この作品は、<strong>Pixivリクエスト</strong>で頂いた有償リクエストの作品です。</p>
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<p>&nbsp;</p>
<p>U県K市。あまり大きいとはいえないこの町では時折、女性の姿をした『怪人』が現れるようになった。</p>
<p>女怪人の体格は一般女性並みだが、肌は血が通っていないかのように青紫色。大きな胸と尻、衣装はボンデージ。頭には角、背中には羽、尻には尻尾。ある女怪人は腕に刀剣を生やし、またある女怪人は銃器を搭載する。どの女怪人にも共通していたのは、逃げ惑う若い女性を優先的に捕まえるということだった。</p>
<p>そして、そんな女怪人たちを率いる1人の女性がいた。</p>
<p>「安心なさい、ただ、貴女の魔力をちょっと頂くだけ。痛いことはしないし、むしろ気持ちよくて病み付きになっちゃうかも……♡」</p>
<p>名をニク。肌が薄橙色で、手足に異物が生えていないことを除けば、暴れ回る怪人たちと同じ姿形をした彼女は、捕まえた少女に向かって舌なめずりしながら笑う。</p>
<p>その傍ら、女怪人たちは気の赴くままに、町をほどほどに破壊しながら女性たちを襲い続けた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>しかし、悪い怪人には、『正義のヒーロー』が付き物である。</p>
<p>「そこまでですわよ、ニク！」<br />
「……やっぱり、今日も来たわね。アリアテネ」</p>
<p>その名をアリアテネ。『少女』とも『女性』とも呼べるであろう年頃の、人形のように目鼻立ちの整った彼女。波打つ髪は色素が薄く、肌も透き通るよう。白いシャツと白いスカート、白いソックス、白いブーツ。しかしその中に着込んだ、まるでレオタードのようなぴちりとしたインナーは紺色。</p>
<p>アリアテネは、女怪人たちを率いるニクをぴしりと指さして言い放った。</p>
<p>「いつもいつも、町の人々の平穏を脅かして。今日という今日は、わたくしが赦しませんわ！」<br />
「ふん。そう簡単にいくかしら？」</p>
<p>魔力で作られた巨大な剣を構えるアリアテネ。腕に生やした武器をアリアテネに向ける女怪人たち。</p>
<p>正義のヒーローと悪の怪人たちの戦い――その結果は、いつも決まっていたのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>深夜、某所。女怪人たちを率いていたニクは、暗闇の部屋でノートパソコンを凝視していた。</p>
<p>「これで二十と、何戦だったかしら」</p>
<p>ニクは首を横に振った。詳細な数を考えても仕方ない、どうせ何十戦であろうと、全て負けていることは変わらないのだから。</p>
<p>ノートパソコンの画面に映るのは、憎き敵アリアテネとの戦闘を撮影した動画。</p>
<p>相対するは、自身をベースに生み出し、武装した女怪人たち。刀剣を使うものもいた、銃器を使うものもいた。しかし、その全てがアリアテネの巨大な剣に蹴散らかされる。魔力は膨大。戦闘技術も、まあまだ荒く、時折妙に動きが悪くなることがあるが――ほのかな違和感――年の割には悪くない。</p>
<p>「あの強さは、まるで……」</p>
<p>ニクはまた、首を横に振る。こうも負け続きだと、雑念も湧いてしまう。</p>
<p>使命を果たそう。今は何としても、アリアテネを打ち倒す手段を考えなければ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>それは、何てことのない瞬間だった。</p>
<p>「あらいけない」</p>
<p>ノートパソコンに映る、アリアテネとの戦闘記録。</p>
<p>アリアテネが身を翻した瞬間に、スカートの中身がちらりと見えたのだ。下着……というよりは、ぴちりとしたレオタード型のインナー。ニクはうぶな中学生男子ではないのだから、同性のスカートの中身が見えたからといって、特段色めき立つようなこともない。その言葉も、感情の伴わない空虚なもの。</p>
<p>しかし、ニクはその映像を二度見した瞬間、椅子をがたんと鳴らしたのだった。</p>
<p>「……ふーん、なるほどねぇ♡」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>日曜日の朝。もう何十回目ともなった、正義のヒーローと悪の怪人たちの激突。</p>
<p>アリアテネは町の中央にある商店街に赴いていた。</p>
<p>「ニクという女性も、いい加減しつこいですわね」</p>
<p>そう独りごちるアリアテネの口元は、しかし薄らとした笑みが浮かんでいた。</p>
<p>始まりは、突拍子もない出来事からだった。彼女は最初、恵まれた家柄であることを除けば、至って普通の少女だった。『町に怪物が現れるようになった』といううわさを教室で聞いて、『くだらない』と思いながら『怖いな』とも思った。</p>
<p>そんなある日の帰り道、突然頭の上に何かが落ちてきた。かつんと鳴った頭を押さえながら涙目で地面を見てみると、赤い宝石の付いた真っ白なブレスレットが転がっていたのだ。頭上を見上げても、空しかない。鳥が運んだのだろうか。そして何となく、そのブレスレットが素敵なデザインだと思ったから、彼女はつい自分の右手首にはめた。</p>
<p>全身から白い光が放たれて、自身の変貌と共に、何でもできそうな力が湧き上がるのを感じたのだった。</p>
<p>それからアリアテネは、自身の使命を確信した。神話における戦いの女神の名を冠し、正義のヒーローとして町を脅かす怪人たちと戦うこと。それはテレビアニメでも見たことがあるもので、最初は『子どもっぽいな』と少し恥ずかしかったけれど。力を奮う快感と、称賛の声を浴びる優越感は堪らない。</p>
<p>勝利を続けてきた彼女は、今回も自分の勝利を確信していた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「あら、今回は随分と貧相な装備ですこと」</p>
<p>アリアテネは笑う。</p>
<p>今まで、女怪人たちはあの手この手で戦闘力を高めてきた。最初は両手で小さな火球を投げつける程度、次に刀剣や弓矢などの前時代的な武器を装備するようになって、前回はほとんどが銃器搭載。</p>
<p>しかし今回、女怪人たちは数こそ多いものの、何か特別な装備をしているようには見えなかったのだ。</p>
<p>「正直なことを言うとね、銃器っていうのは魔力の消費が激しいのよ」<br />
「あらそうですか。そんな体たらくで、わたくしに勝てるとお思いですか？」</p>
<p>「大丈夫よ。今回は、魔力をほとんど使わない戦法を考えてきたから」</p>
<p>アリアテネは身構える。相手はそもそも現代の常識から外れた存在だ、一体何をしてくるのか見当も付かない。</p>
<p>しかしニクが指を鳴らした瞬間、女怪人たちはアリアテネの予想からまったく外れた行動に出る。アリアテネに襲い掛かるわけでもなく、反対に逃げるわけでもなく。自身の着ているボンデージの上をずらして、大きな胸を露出させたのだ。</p>
<p>「――んなぁっ！！？」</p>
<p>顔をぼんと赤くするアリアテネ。女怪人たちは露出させた胸をゆさゆさと揺らしながら、アリアテネに近づいていく。</p>
<p>「な、何のつも――」</p>
<p>アリアテネは我に返る。</p>
<p>相手は敵。どんな思惑があろうとも、そしてどんなに扇情的な格好であろうとも、巨剣でもってたたき切ればいい。アリアテネは後ろに飛び退いて、距離を取ろうとした。</p>
<p>しかし。</p>
<p>「くあぅっ！」<br />
「……ふふ」</p>
<p>アリアテネは何の攻撃も受けていないというのに、背中を丸めながら悲鳴を上げる。一足で10mぐらい飛び退くつもりだったのに、よたよたと2歩、3歩後ずさるだけ。その様子を見て、ニクの口角が持ち上がった。</p>
<p>大きな胸を露出させた女怪人たちは、もうアリアテネが手を伸ばせば届く距離。巨大な剣を振るうには、間合いが近すぎる。</p>
<p>「っ……離れなさいっ！！」</p>
<p>アリアテネは腕で女怪人たちを押しのけようとした。魔力によって増強された腕力は、大の大人のそれよりも強い。しかし、アリアテネの突き出した右腕は、1体の女怪人の胸をぐにゅりと押しつぶす。</p>
<p>「ぅお――っ♡」</p>
<p>途端に緩む力。さらに曲がる背筋。</p>
<p>そうこうしている間に、女怪人たちの体が、腕に、腰に、脚に絡み付いていく。</p>
<p>「ぅぁ、ぁ……！？　ぁ――♡　ぁぁぁぁぁぁ……！！」</p>
<p>アリアテネはもう、真っ赤な顔でぷるぷる震えるだけ。全身から、むにむに、むにゅむにゅという擬音すら聞こえてきそうな気がした。そして。</p>
<p>バチリ。</p>
<p>「が、ぁ――ッ！！？」</p>
<p>アリアテネに絡み付く女怪人のうち1人が、攻撃した。鉤状に曲げられた親指と人差し指の間から、高圧の電流を発生させて、アリアテネの後ろ首に押し付けたのだ。まるでスタンガンのような攻撃に、アリアテネは女怪人たちに絡み付かれたまま、その場で気絶してしまったのだった。</p>
<p>「……こんなにあっけなく勝てるなんてね。今までの苦労は何だったのかしら」</p>
<p>ニクはため息を付いた。その表情は呆れたようでありながら、強い悦びをにじませている。</p>
<p>煙のようにふっと消える女怪人たちと、アリアテネを抱えてそのまま歩き去ってしまうニク。周囲には戦いを見守る幾ばくかの人々がいたが、アリアテネを下した彼女を追おうとする者は、誰一人いないのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>気絶したままニクに運ばれたアリアテネは、ほんの数十分ほどで目を覚ます。しかし、その時にはもう全ての準備が終わった状態だった。</p>
<p>場所は、ニクが所有する秘密基地。とはいえ、コンクリート打ちっぱなしで窓も何もない、殺風景で暗い部屋のど真ん中に拘束されていては、何の情報も得られそうにない。……拘束。そう、拘束だ。</p>
<p>変身して戦うようになってから、アリアテネは特撮とかアメコミとか、そういうヒーローものをテレビや漫画で見て勉強してみたことがある。すると、主人公が台座に乗せられて、改造手術を強いられる場面があった。今、彼女が置かれていたのはまさにその状況だ。円形の台座にあおむけに寝かせられて、両手足を大の字に開かされて、手首に、二の腕に、足首に、太ももに、金属の分厚い枷がはめられている。</p>
<p>「貴女には外せないわよ。その台座にはうんと予算掛けてるんだから」<br />
「ニク……っ」</p>
<p>「まあ落ち着きなさいな。そう言えば、貴女とゆっくり話す機会なんてなかったわね」</p>
<p>アリアテネが寝かせられた台座の側には、ニクがにまにまとした表情で立っていた。その顔は嘲るようでありながら、どこか純粋なうれしさも感じ取れたし、何か背筋が寒くなるような艶も垣間見える。</p>
<p>「わたくしにこんなことをして、一体どういうつもりですの……っ」</p>
<p>「それは、貴女もよく知ってることじゃないかしら」<br />
「町を襲って何をするかと思えば、女性を辱めるだけ。そんなあなたの行動原理が分かるとでも？」</p>
<p>しかし、アリアテネが吐き捨てると、ニクはきょとんと少し間の抜けた表情に変わるのだ。</p>
<p>「あら。私ったら、そんな風に認識されてたの？」</p>
<p>アリアテネは『そう言えば、彼女たちの目的を知らない』と思った。ただ、町を、そして若い女性たちを襲うから、自分が退治していただけ。あまりにも今更だし、どの道悪いことには変わりないのだから、どうでもいいと言えばどうでもいいのだけど……1度気になるともやもやする。</p>
<p>すると、ニクはひとしきり考え込むような態度の後、『まあいいわ』と笑った。</p>
<p>「うーん、そうね。私って、実は異世界の魔族なの」<br />
「……は？」</p>
<p>「今ね、人間と魔族が戦争をしていて。だけど、ちょっとこちらの旗色が悪いのよね。人間って数だけはやたら多いから、それだけで厄介なのだけど。その上、『勇者』とかいうやつが出てきたみたいでね。単騎で一個師団を押し返すなんて、軍事の常識もへったくれもないわ」</p>
<p>それはまるで、漫画かアニメか、ゲームかで聞くような話。自分で聞いた話とはいえ、アリアテネはどう反応すればいいのか迷った。</p>
<p>「魔王様は私に命じられた。いわく『別の世界に渡って戦力を整えてこい』と。使命は半分成功したわ。この世界は魔力に頼らない分、他が発達している。特に、重火器――あれは私の世界にはない、極めて強力な武器、そして発想。だけど、魔法で再現するとなると、魔力の消費がちょっと激しすぎるのよ」</p>
<p>「悪役が身の上話をつらつらと始めるのは、死亡フラグと言うらしいですわよ？」<br />
「貴女が聞いたんじゃない」</p>
<p>結局、アリアテネはふんと鼻を鳴らすことにした。ニクの言うことが本当であろうがなかろうが、和解の余地はないと感じたのだ。</p>
<p>しかし、それはニクとて同じだった。今更、アリアテネと<ruby>仲<rt>・</rt></ruby><ruby>良<rt>・</rt></ruby><ruby>し<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>よ<rt>・</rt></ruby><ruby>し<rt>・</rt></ruby>してそのまま帰すつもりなどない。</p>
<p>「つまり、ね。武器を得た次は、<ruby>魔<rt>・</rt></ruby><ruby>力<rt>・</rt></ruby>が必要なのよ……っ♡」<br />
「――ぅひぁっ！？」</p>
<p>唇を裂いて笑うニクの顔ばかりに気を取られていて、他への意識がおろそかだった。アリアテネは突然、腰が浮くようなむず痒さを覚える。</p>
<p>ニクが、アリアテネの股間にそっと手を置いたのだ。</p>
<p>「やめっ、そこは――！？」</p>
<p>「あらあら、手を置くだけで<ruby>硬<rt>・</rt></ruby><ruby>く<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>っ<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby>わよ？」<br />
「っ、く……！？　あなた、まさか<ruby>知<rt>・</rt></ruby><ruby>っ<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby>……！」</p>
<p>ぴちりと貼り付いた紺色のインナーから浮き上がるのは、女性器の慎ましやかな土手……だけではなかった。その上に、確かな存在感を覚えさせるのは、かちかちに勃起した男性器。</p>
<p>それは決して作り物などではない。アリアテネは女性でありながら、股間に男性器を生やした<ruby>ふ<rt>・</rt></ruby><ruby>た<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>り<rt>・</rt></ruby>だったのだ。</p>
<p>「まさか、女性である貴女におちんちんが生えてるなんてねぇ♡」<br />
「これは……！？　変身したら、自然と出てきて……っ」</p>
<p>アリアテネは顔を真っ赤にしながら口ごもる。</p>
<p>ふたなりは、彼女にとって何より最大の恥部だった。反射的に反論してしまった通り、生まれつきのものではない。変身すると、自然と生えてしまうのだ。その原理はまったく分からないが、とにかく、こんなものを恥ずかしいと思わないほうがおかしい。何なら、女性器を間近でまじまじと見られたほうがまだマシだ！</p>
<p>「……へえ、肉体の変化？　そんな作用もあるのね」<br />
「……？　っ、あ、やめ、なで……！？」</p>
<p>アリアテネは、ニクのその声音、その文脈に違和感を抱いた。しかし、『気を取り直して』と言わんばかりに男性器を手のひらでなでられ始めると、些末なことを気にしてはいられない。</p>
<p>「それにしても、かわいらしいおちんちん♡　あまりにも小さかったから、つい先日まで気付かなかったぐらい」<br />
「んな……っ！？　こ、これはそもそもっ、勝手に生えてきたもので、わたくしのものでは……っ！」</p>
<p>「受け入れなさいな。どんな経緯で生えてきたにせよ、これが貴女のおちんちんなの♡　うーん、私の指とどっちが大きいかしら？」<br />
「っやめ！？　指を添えないでくださいぃっ！」</p>
<p>女であるからには、生まれて1度ぐらいは胸の大きさを気にしたことはあるけれど。まさか男性の<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>の大きさを気にしなければならない日が来ようなんて……。</p>
<p>実際、アリアテネの男性器は普通と比べればかなり小さい。何せ、戦闘中たまに女怪人たちの少々過激な姿に欲情していたにもかかわらず、スカートの上からではその存在に気付かれなかったのだ。勃起し、包皮も剥けているにもかかわらず、そのサイズは子ども並。</p>
<p>「思えば妙だったのよ。貴女、戦いのさなか、たまに動きが妙に悪くなるのよね。まさか、小っちゃいおちんちんが勃起していただなんて、誰が思うかしら」<br />
「それは、あなたたちの格好が……！　っくぅ……！？」</p>
<p>「あら、<ruby>タ<rt>・</rt></ruby><ruby>マ<rt>・</rt></ruby><ruby>タ<rt>・</rt></ruby><ruby>マ<rt>・</rt></ruby>は付いてないのね。生殖を想定しているわけではなさそうだし、問題ないのかしら」<br />
「いつまで、見てっ、っ～～～！！」</p>
<p>「あら失礼。まあ、この際大きさや形はどうでもいいわ。そんなことよりも、まさかちょっと色仕掛けをしてあげるだけで、あんなにも動けなくなっちゃうなんて。正義のヒーローとして恥ずかしくないの？」<br />
「――ひぅあっ♡　ぁひっ！？　やめ、引っかくのは、やめぇぇ……！！？」</p>
<p>アリアテネは否定したかった。性欲と性感に誑かされて、揚げ句の果てに敗北してしまうなんて、考え得る限り最悪の負け方だ。しかし、それは紛れもない事実なのだから、反論もできない。</p>
<p>おまけに、レオタードのようなボディスーツの上から、裏筋をかりかり、かりかり、かりかりかりと執拗に引っかかれていては、口から出るのは喘ぎ声だけだ。</p>
<p>「布越しでも分かるぐらいに跳ねてる。期待してる反応ね。ねえ貴女、これ、<ruby>使<rt>・</rt></ruby><ruby>っ<rt>・</rt></ruby><ruby>た<rt>・</rt></ruby>ことがあるでしょう？」<br />
「な、なな……っ！？　そ、そん、な……！！」</p>
<p>「図星ね」</p>
<p>アリアテネの真っ赤な顔が、さらに真っ赤に染まった。</p>
<p>恥ずかしくて誰にも言えたことではないが、アリアテネは自分の男性器で<ruby>遊<rt>・</rt></ruby><ruby>ん<rt>・</rt></ruby><ruby>だ<rt>・</rt></ruby>ことがある。そういうことに興味があったから、敵なんていないというのに自室でわざわざ変身して、小さな小さな男性器を感覚の赴くままに弄り倒したのだ。最初は何をどうすればいいのか分からなかったけれど、いつの間にか握り込んで、一生懸命前後にしごいていた。生まれて初めての射精は、シーツをべったりと汚してしまって、後始末に大層苦労した。</p>
<p>「こういうことで、私にうそをつけると思わないことね。サキュバスって知らないかしら？　私たちはね、人間の精を奪うことで魔力を得るの」<br />
「さきゅ、んぅうっ♡　くぁ、ひゃっ、ぁあ……！！」</p>
<p>「サキュバスにも種類があって、私はどうにも女性からしか精を奪えない、ちょっと特殊な個体なのだけど、まあいいわ。とにかく、こういうことに関する知識と経験は誰よりもあるってこと」<br />
「ひうぁあっ！？　やめっ、刺激、変わってっ、ぇぅんんぅっ♡♡」</p>
<p>快感のベクトルが変わる。指先でかりかりと引っかくのではなく、手のひらですりすり、ぐりぐりと陰茎全体を摩擦し、揉み込むような動き。レオタードがずれて、小さな男性器が露出する。</p>
<p>「女の子が、ご丁寧にこーんな<ruby>蛇<rt>・</rt></ruby><ruby>口<rt>・</rt></ruby>を生やしているのだもの。それはもう、搾りがいがあるわよねぇ……♡」<br />
「んぐっ、ふっ、ぅ゛ぅぅううっ！！　こん、なのっ！！　ぜん、ぜんっ♡♡　効きませんんんんっ！！」</p>
<p>アリアテネは歯を食い縛って耐えようとした。羞恥心の中に、正義のヒーローらしい敵意と焦りが混じり込む。ニクは自分を『サキュバス』と言った、『人間の精を奪うことで魔力を得る』とも言った。もしも射精することで相手に力を与えてしまうのだとしたら、正義のヒーローとして、絶対に射精するわけにはいかない。</p>
<p>それでも、ニクの愛撫は執拗。その上アリアテネの男性器は敏感すぎたし、おまけに、あまりにも<ruby>雄<rt>・</rt></ruby>が過ぎた。</p>
<p>「せっかくだから、サービスしてあげる」<br />
「さ……っ？　何を、しようと、あなたなんかに負ける、わけ……っ！！」</p>
<p>「ほぉら、あなたの大好きなおっぱいよ♡」</p>
<p>それは、先ほどの戦闘で、女怪人たちがやったのと同じこと。ニクは自身のボンデージの上を指でつまんでずらして、大きな胸を露出させたのだ。</p>
<p>「ぅお――っ♡」</p>
<p>アリアテネのそのうめき声は、あまりにも雄らしい。</p>
<p>彼女だって年の割にはそれなりに大きな胸を持っているけれど、ニクのそれは比較にならない。ばるんという音でも聞こえてきそうなぐらいだ。大きな乳房は柔らかく、しかし乳首は見るからにこりこり硬そうで。</p>
<p>アリアテネは、自分の男性器の奥があっという間に上っていくのを感じたのだった。</p>
<p>「っあ――♡♡♡　ぁ――！！？　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡　くぁ、ひ――っ！！！　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡」</p>
<p>他人にイカされたことのなかったアリアテネは、今まで味わったことのない快感に悲鳴を上げた。熱い精液が、尿道をごちょごちょとくすぐっていく。一方で外側からは、ぐりぐりというニクのしつこい手淫。外側と内側の両方から快感に挟まれて、男性器がどうにかなってしまいそうだ。紺色のボディスーツの中が、真っ白な精液で汚れていく。</p>
<p>「な、ぁ――♡♡♡　何、これっ、<ruby>長<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>――！！？　ひぁ、ぁあ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～！！？」</p>
<p>ニクがおかしいと思ったのは、射精が長いということだった。独り遊びした時もシーツをべっとり汚してしまうぐらいだったけれど、今の射精はその時よりも明らかに長く、多い。そしてその分だけ、快感が続く。男性器というたかだか1点の快感が、じく、じくと全身に広がっていく。</p>
<p>「ひぁ、ぁっ……♡♡♡　は、ぁぁ……！！　はぁぁ……♡♡♡」</p>
<p>そして、十数秒掛けて長い長い射精が終わる。その時には、アリアテネは全身にぐったりとした倦怠感を感じていた。</p>
<p>そう言えば――アリアテネはネットか何かでひっそりと調べたことがあった。『男性の射精は、100mを全力で走るのと同じぐらい疲れる』だとか。でも、それは間違いじゃないか？　だってこの姿なら、何kmだって息を切らさずに走れるはずなのに。それとも、これが『サキュバスに精を奪われる』ということなのだろうか。</p>
<p>強烈な快感が引いていくのと同時に、羞恥心が胸を満たしていく。まさか、敵の行為で射精してしまうなんて。しかも胸を見せびらかされて興奮するなんて、淑女としてあまりにも卑しい。</p>
<p>「思った通り、貴女の魔力は凄い量。世界が違えば『勇者』なんて呼ばれてたかもしれないぐらいの……」<br />
「は、ぁぁ……。ぁぁ……っ」</p>
<p>「やっぱり、貴女はただで帰すわけにはいかない」</p>
<p>ニクは、手に付いたアリアテネの精液を舌でなめ取りながら笑った。</p>
<p>ただそれだけで、アリアテネの男性器がまた硬くなっていく。それがどうしてなのか、アリアテネにはよく分からなかった。彼女の<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby>は雄でも、彼女自身は女性そのもの。自身の体の一部の価値観があまりに違いすぎて、頭がおかしくなる心地がする。</p>
<p>「お遊びはおしまいよ。貴女の魔力を頂く、私たち魔族の繁栄のために」</p>
<p>その言葉は、何かとんでもないことを始める前触れのように聞こえた。</p>
<p>だから、アリアテネは思った。自分はこれから、何かよく分からないけれど、とんでもなく気持ちよくさせられてしまうんだ――1度は萎んだはずの男性器はもうとっくに、ぎんぎんと硬く勃起していた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ニクの指先が赤紫色に光る。それは何かの魔法のようだが、アリアテネが今まで見たことのないものだった。</p>
<p>アリアテネの小さな男性器の根元に、円形の魔法陣が浮かぶ。男性器に何かされるというのは恐怖だったが、ゴムバンドで締め付けられるかのようなほんの少しの圧迫感を覚えるだけ。</p>
<p>「これは、一体……」<br />
「すぐに分かるわ」</p>
<p>何らかの魔法がかけ終わると、ニクはアリアテネを拘束している台座から離れてしまう。アリアテネが無意識のうちに名残惜しそうな表情を浮かべてしまうのは一瞬、代わりに近づいてくるのは、青紫色の肌をした女性型の怪人たち。その数は十数体。</p>
<p>「今まで紹介したことがなかったわね。それは魔力で作った、私の分身体。私の意思通りに動くし、ある程度自動で動かすこともできれば、武器を取り付けたりとか、パーツを<ruby>カ<rt>・</rt></ruby><ruby>ス<rt>・</rt></ruby><ruby>タ<rt>・</rt></ruby><ruby>ム<rt>・</rt></ruby>することもできる」</p>
<p>もっとも、アリアテネが一見する限り、今自分に近づいてくる女怪人たちが、何かパーツをカスタムしている様子はない。</p>
<p>女怪人たちは、ニクが本来持つ細くしなやかな両手で、アリアテネの全身をなで回し始めるのだ。</p>
<p>「ひぅぁひゃっ♡♡♡　ひっ、ぁっ、何してっ！！？　これっ、くすぐったはっ、ぁ、ぁあぁぁぁぁぁぁっ♡♡♡」</p>
<p>頭、首筋、肩、腕、手のひら、背中、腋、胸、腹、腰、太もも、ふくらはぎ、足の裏――拘束されている全身が、ほんの少しだけひんやりとした手に包まれる。触れられていないのは、男性器ぐらいのものだ。</p>
<p>時には、すりすりと愛でるように。時には、さわさわとくすぐるように。時には、ぐにぐにとマッサージでもするかのように。全身が、気持ちよさと、むず痒さと、心地よさに包まれる。</p>
<p>「ちょっとくすぐったいかもしれないけれど、こういうのも気持ちいいでしょう？」<br />
「こんなのっ、気持ちいいわけが――！！？　ひくっ♡♡♡　ぅ、ぅぅぅぅううっ♡♡♡」</p>
<p>「まったく、これだから下半身でしかものを考えられない<ruby>雄<rt>・</rt></ruby>は駄目ね。本来、性行為というのは、こうやって全身をたっぷり気持ちよくして愉しむものなのよ？　せっかくだから、その悦びも教えてあげる」<br />
「いらな――♡♡♡　いらな、いぃぃっ！！！　っ、ぅあっ、ぁぁぁぁああっ♡♡♡」</p>
<p>アリアテネは歯を食い縛って、快感に抗っている。確かに抗ってはいるが、どこか張りがない。本気で抵抗するなら、手足の拘束具を引きちぎろうと試みたり、頬を優しくなでる手に噛みついてやったりしてもいいだろうに。</p>
<p>実際のところ、アリアテネは少しだけ今の状況をナメていた。</p>
<p>くだらない作戦に敗北し、ここに連れてこられた時はどうなることかと思いきや、結局相手のやることは自分に性的快感を与えることだけ。敵に犯されるというのは気分のいいものではないけれど、少なくとも、自分を屈服させることなど到底できない。</p>
<p>心の片隅に、ほんのわずかな油断がにじむ。</p>
<p>「っ、ふ、ぅぅぅ……♡♡♡　これっ、いつまで、なでてっ♡♡♡　ぅあっ、くっ、ぅぅぅっ！！？」</p>
<p>全身をなで回されるというこの情事のやり方は、アリアテネにとって未知のものだった。だって、射精欲にとらわれた彼女の自慰なんて、ただひたすらに男性器をしごき倒すぐらいしかなかったのだから。</p>
<p>そのせいか、アリアテネはあっという間に、今の行為に対して物足りなさを感じるようになる。</p>
<p>「これ、いい加減、にっ♡♡♡　っ、ぅぅ、ぅぅぅぅっ！！！」</p>
<p>アリアテネは無意識のうちに、女怪人の群れの向こうにいるニクに視線を送った。露出させたままの胸をちらりと見てから、下半身を凝視する。</p>
<p>「嫌よ、貴女の相手なんて。そんな小さなもの、挿れても気持ちよくないもの」</p>
<p>心底ばかにするような嘲り顔に、アリアテネは目の前の女が憎き敵であることを思い出したのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「っ、も、もぉっ♡♡♡　全身が敏感にっ、これ、おかしく――♡♡♡　ぁくっ、ぁぁぁあっ♡♡♡」</p>
<p>女怪人たちによる全身愛撫が続く。</p>
<p>敵の齎す感覚に流されてはいけない――アリアテネはそうは思うけれども、やっぱり射精できないのはつらい。</p>
<p>両手が、勝手に自分の男性器をつかもうとしている。がちがちがちがち、ぎちぎちぎちぎち――拘束具が音を鳴らし続ける。その音は何か、自分の限界をニクに知らしめるバロメータのように感じられてひどく癪だったけれど、体は意思に反して射精を欲し続けてしまう。腰がかくかくと上下に動いていることに、彼女自身は気付いていない。</p>
<p>ああ、射精したい――だからアリアテネは、女怪人たちの柔らかな手に埋もれながら口を開くことにした。</p>
<p>「ど、どうして……♡♡♡　射精させないんですのぉ……！！？」</p>
<p>アリアテネ本人としては、あくまでも『質問』のつもりだったらしい。ただ、魔力を搾り取ろうとしているサキュバスにしては、今の状況は極めて非合理的なものだから。ただ、確認のために聞いただけ。それが事実上の『敗北宣言』だということに、彼女は気付かない。</p>
<p>そしてその敗北宣言は、ニクというサディストの心を嫌にくすぐるのだ。</p>
<p>「――射精させる気なんてないわよ？」<br />
「……は？」</p>
<p>アリアテネは、ニクの言うことが理解できなかった。</p>
<p>だって、彼女は自分から魔力を搾り取るためにこうしているわけで。射精をさせなければ、魔力を搾り取ることなんてできないわけで。</p>
<p>ニクが、アリアテネの男性器の根元に巻き付いた魔法陣をつんと指さした。</p>
<p>「これはね、射精禁止の魔法」</p>
<p>魔法陣は今もなお、赤紫色の光を放っている。</p>
<p>アリアテネは無意識のうちに、腰を左右にぶんぶんと振った。魔法陣を振りほどくような動きは、しかし何の意味もなさない。背筋がじりじりと焦げ付いていくような心地がした。</p>
<p>「その、それは、な、何かの例え話ですの……？」<br />
「あいにくだけど、私、詩人とかじゃないのよ。そのままの意味よ」</p>
<p>「ど、どうして、そんなことを……っ」<br />
「理由、要るかしら」</p>
<p>「これ、一体、いつまで……」<br />
「さあ、どうかしら」</p>
<p>アリアテネが何を聞いても、ニクは曖昧な答えを返すだけ。</p>
<p>理由の分からない責め苦は、アリアテネの心の隙を突く。アリアテネは、自分の心の防波堤にぴしりとひびが入ったような心地がした。</p>
<p>「嫌、です……。射精、させてください……」<br />
「嫌よ」</p>
<p>「お願い、です……っ。お願い、ですから……！」<br />
「さて、私はデータをまとめておこうかしら」</p>
<p>「お願いですっ！！！　お願いですからっ、射精させてくださいぃっ！！？　これっ、つらい、つらいんですのぉぉ！！？」</p>
<p>アリアテネは一生懸命、『射精させてください』と叫んだ。</p>
<p>ニクの曖昧な返事が、アリアテネをそうさせた。だって、この射精禁止に理由なんてないのだから。理由がないんだったら、一生懸命お願いすれば射精させてくれるかもしれないから。</p>
<p>その姿は、悪の怪人たちに相対する正義のヒーローには到底見えないだろう。</p>
<p>「あら、ごめんなさい。手が止まってたわね」<br />
「ひぁ、ぁ゛――♡♡♡　やだ、なでないでくださっ！！？　今は嫌っ、射精したくなっちゃうからぁ゛ぁぁぁぁぁぁああああああっ♡♡♡」</p>
<p>そして、アリアテネがとてもいじめがいがあったから、ニクの嗜虐はさらに加速する。</p>
<p>今まで散々さわってくれなかったのに。女怪人の1体が、アリアテネの小さな男性器を指でつまんだのだ。</p>
<p>「ひぁぅぉぇぅぁああっ♡♡♡　っ――！！？　っ――！！！」</p>
<p>「そんなに気持ちいいのが好きなら、もっと気持ちよくしてあげようと思ってね。もちろん、射精はさせないけれど」<br />
「やめっ、やだっ、射精できないっ♡♡♡　射精できないの嫌だぁぁぁぁぁああああっ♡♡♡」</p>
<p>それは望んだ行為では断じてなかった。</p>
<p>本来であれば、指でつままれただけで噴水のようにどぷどぷ射精していただろうに。射精禁止の魔法を掛けられているせいで、それができない。精液が上ってくる感覚は確かにするのに、魔法陣の巻き付いた男性器の根元でぴたりと止まってしまう。</p>
<p>気持ちいいはずなのに、最後の一押しがやってこない不快感がずっと続くのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>それから、女怪人たちは射精禁止の魔法陣でアリアテネの男性器の根元を縛ったまま、さまざまな方法で彼女の男性器を玩ぶ。</p>
<p>例えば、その器用にうごめく手で上下にしごく者。</p>
<p>「うぉ゛っ、ぉぉぉぉおおおっ♡♡♡　どうしてっ、どうしてこれで射精でぎないんですのぉぉぉおおっ♡♡♡　おかしいっ、おかじいっ、おかしいぃ゛ぃぃぃぃぃいいいいいいいっ♡♡♡」</p>
<p>独り遊びでも愉しんできた感覚はよくなじむ。最も射精しやすいであろう刺激であるはずなのに、やっぱりその半歩前で進まなくなってしまう。アリアテネは腰をぎんぎんと上に突き出しながら、苦しみ声を上げるだけ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>例えば、唾液をたっぷり含ませた口に咥え込む者。</p>
<p>「ひゃぅぁぁぁあああっ♡♡♡　ぉ゛っ、何、これ、舐めっ♡♡♡　こんなの、今までっ♡♡♡　ぁ゛ひっ、ぁぁぁああ、ぁぁぁぁぁぁぁああああああっ♡♡♡」</p>
<p>独り遊びでは味わえなかった、未知の刺激がやって来る。手コキのように、ただ射精を促す感覚だけではない。神経を玩んで、男性器を敏感にさせていくような――。それでもアリアテネの射精は魔法陣によって妨げられる。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>例えば、大きな大きな胸に挟み込む者。</p>
<p>「ぉ゛おっ♡♡♡　お、ぉ、おっ♡♡♡　お、ぉ゛ぉぉおおおおっ♡♡♡」<br />
「この子ったら、すっごい凝視してるわ。そんなにおっぱいが好きなのかしら」</p>
<p>「ち、違――！！？　そ、そんな、わけ――♡♡♡　ぉ゛ぉ、ぉぉぉぉぉおっ♡♡♡」</p>
<p>それは視覚において圧倒的暴力だった。柔らかな乳房に男性器をすっぽりのみ込まれる刺激自体は、もしかしたら手で強く握り込んだほうが強いかもしれない。しかし、自分のよりもずっと大きな胸が、つぶれ、伸び、形を変えながら自分の股間をこねくり回す光景は、到底目を離せるものではない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そして、腕に<ruby>何<rt>・</rt></ruby><ruby>か<rt>・</rt></ruby>を生やした女怪人まで出てくる。</p>
<p>「な、何ですか、それ――♡♡♡　だ、だって、今まで、普通の手でっ♡♡♡」</p>
<p>女怪人、すなわちニクの分身体は、パーツをカスタムすることもできる。戦場では、腕に刀剣を生やす者もいた、銃器を生やす者もいた。しかし、今の彼女たちは明らかに違うものを生やしている。粘液をまとった、ぷにぷにと柔らかそうな筒型のもの――。</p>
<p>「これも、この世界に来て初めて知ったものよ。『オナホール』なんておもちゃに精液を無駄撃ちするなんて、サキュバスとしては業腹ものだと思ったけれど。案外便利なものね」<br />
「――ぁ゛ぁぁぁぁぁぁああああああああああああっ♡♡♡♡　なに、これっ、おかしいっ♡♡♡♡　おかしいおかしいおがじいぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいい♡♡♡♡」</p>
<p>ひだに覆われた筒の中に男性器をねじ込まれた瞬間、アリアテネは雄叫びのような悲鳴を上げた。手とも、口とも、胸とも違う、まさに人を射精させるためだけに作られた道具だけが齎すことのできる快感だった。</p>
<p>「ちゃんと挿ってるかしら？　貴女のは小さすぎて、ふふ♡　大丈夫のようね」<br />
「ぁ゛、ぁぁぁぁぁぁあああああっ♡♡♡♡　きついきづいぎついぃぃぃぃぃぃいいいいっ♡♡♡♡　しゃせっ、射精がっ、ぁ゛、ぁ゛ぁぁぁぁぁぁあああああああっ♡♡♡♡　ごめんなさいっ、ごめんなざいぃぃぃぃぃいいいいいいいいっ♡♡♡♡」</p>
<p>こんなにも犯されなお、アリアテネは射精できない。いつしか、謝罪の言葉まで出始める始末。しかし、いくら赦しを請うても、絶頂禁止状態での快楽責めは止まらない。</p>
<p>そのさなか、アリアテネは彼女本来の女性器で何度も絶頂する。それでも、まったく満たされない。何なら、イッている最中でもまったくイッていないような気すらする。変身した姿では、彼女本来のものよりも、その小さな雄が圧倒的に優位だったのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そうやって、アリアテネは長い時間、射精をお預けされながらの快楽責めを受け続けた。</p>
<p>時間にして5～6時間ほど。この部屋には時計も窓もないから、時間の感覚が狂わされる。アリアテネはもう、何なら数日間、この責め苦を味わわされていたような気すらした。</p>
<p>「ひぐっ、ぅ、ぐす――♡♡♡♡　ごめんな、さいぃ――♡♡♡♡　ごめっ、なさ――♡♡♡♡　ぁぁぁぁぁぁ――♡♡♡♡」</p>
<p>涙をぼろぼろと流しながら、うわ言のように『ごめんなさい』をこぼし続けるアリアテネ。もう完膚なきまでに心をぼろぼろにされて、希望なんてすっかり失ったころ。不意に、ニクの声が耳によく響いた。</p>
<p>「さて、そろそろ頃合いかしら」<br />
「ぁ、ぁぁ、ぁぁぁ――♡♡♡♡」</p>
<p>「あら、聞こえてないのかしら？　せっかくこれから、たくさん射精させてあげようっていうのに？」<br />
「ぅあ、あ――！？　ぁ――♡♡♡♡」</p>
<p>ニクがそう言った時、アリアテネの胸からにじみ出てくるのは、敵に対して絶対に抱いてはいけない感情。しかし、それは一瞬だけだ。</p>
<p>ニクは、アリアテネの小さな男性器に巻き付いた魔法陣を指さして、唇を裂くようにして笑うのだ。</p>
<p>「その魔法なんだけどね。今までの貴女の快感が、全部ストックされてるの」<br />
「……え？」</p>
<p>アリアテネは、彼女の言葉の一つ一つを理解できても、その全体の意味までは理解できなかった。……ただ、何か、ニクは今ひどく不吉なことを言ったような気がする。</p>
<p>「つまり、貴女はこの数時間、1度たりともイクことができなかった。それは、快感がおちんちんの根元でせき止められていたから。決して、快感が消えてなくなったわけではない、それは今もなお、貴女のおちんちんの根元に溜まったまま。それじゃあ、魔法を解いたら、快感はどうなるかしら？」</p>
<p>一つ一つ、順番に言い聞かせるような説明に、アリアテネの脳が勝手に想像してしまう。</p>
<p>この数時間、もしも射精を禁止されていなければ、どれだけの回数射精できただろうか。たった1回の射精で、気がどうにかなってしまうような心地がしたというのに。それが、何回分、何十回分、何百回分、全ての快感が一塊になって、尿道を駆け巡っていく。</p>
<p>すっかり鈍った頭では、そんな光景を想像するのに時間が掛かった。一拍も二拍も遅れて、アリアテネの顔がぞっと真っ青に染まると、ニクは楽しそうに笑う。</p>
<p>「さぁ、お愉しみの時間よ」<br />
「ま、待――ッ」</p>
<p>アリアテネが制止しようとしても、もう遅い。</p>
<p>ニクが指先をほんのりと光らせると、まるで絡まった糸がほどけるように、魔法陣は消え失せる。その瞬間、数時間掛けてたっぷりと溜め込まれた快感が、一塊になってアリアテネを襲う。</p>
<p>それは、不思議な現象。アリアテネは、すぐには射精できなかったのだ。</p>
<p>「――ぉ゛ぐッ♡♡♡♡♡　ぉ゛、ぉぉぉぉぉおおおっ！！！！？　ぉぉぉぉぁ゛ぁぁああああああああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁ゛――！！！！？　でて、な――！！！！？　ぁ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡」</p>
<p>まず<ruby>感<rt>・</rt></ruby><ruby>覚<rt>・</rt></ruby>がやってくる。</p>
<p>どくんという心臓の鼓動と共に、男性器を内側から蕩かされるような感覚。ニクの言ったことに、何の間違いもなかった。何回、何十回、何百回分。本当に、今までの絶頂していたはずの回数分だけ、快感が一気にやってくる。しかし、射精できていない。快感が男性器の根元で詰まっているような。体が感覚に追い付いていない。</p>
<p>ようやく射精できたのは、ニクが戸惑いと苦悶の混じった声を上げてから十数秒もたってからだった。</p>
<p>「ぁ゛、え、あ、でる――♡♡♡♡♡　っ゛っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁが、あ゛っ！！！！？　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>小さな男性器から、壊れた蛇口のように精液が吹き出し始める。今までずっと苛まれ続けてきた禁欲感が解放されるカタルシスがやってくる。男性器だけではない、心までもがどろどろに溶かされるような感覚に、うっすらと恐怖心を抱くほど。</p>
<p>しかし、その激しい射精も、同じく十数秒で止まってしまう。体の中には、まだ気持ちよさが溜まったまま。体が感覚に追い付かない。</p>
<p>「ぅぐっ、ぅ゛ぅぅぅぅううっ♡♡♡♡♡　ぅ゛ぅぅぅぁ゛ぁぁぁあああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　どうして、でな、あ゛――ッ♡♡♡♡♡」</p>
<p>まるで、またお預けをされていた時のような苦痛。しかし、ほんの十数秒たつと、また射精。</p>
<p>「ッ゛ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　これ、変にッ♡♡♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぎ、ぃ゛ぃぃいいい～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>途絶えることなくずっと続く快感と、断続的に襲ってくる射精。実にさまざまな快感と苦痛がごちゃごちゃになってアリアテネを襲う。</p>
<p>もしもこれが普通の射精だったら、体が干からびかねない。しかし、体液というよりはむしろ魔力を搾り取るニクの搾精では、その限りではなかった。そして、アリアテネの膨大な魔力が底を突くには、時間が掛かる。射精が長く続く。</p>
<p>それでも、精神力は別だった。感覚に体が追い付かず、そしてまた、体に精神が追い付かなかった。やすりをかけられるように、アリアテネの精神ががりがりと削られていく。</p>
<p>「おね、がッ♡♡♡♡♡　これ、止めでッ♡♡♡♡♡　止めでぐだざいぃぃぃぃぃいいいいいいッ♡♡♡♡♡　これっ、変ッ♡♡♡♡♡　わたくしの、壊れ゛ッ♡♡♡♡♡　ぁがッ、ぁ゛、ぁぁぁぁああああああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>アリアテネは駄々をこねる子どものように泣きじゃくりながら懇願した。だって、こんなことになるなんて思わなかったから。射精を禁止される感覚が、この世で1番苦しいものだと思っていたから。まさか、禁止された射精を延々と繰り返させられることのほうが苦しいだなんて、夢にも思わなかった。</p>
<p>しかし、どれだけアリアテネの泣き叫ぶ姿を見ても、ニクが彼女を赦すことはない。むしろ、その嗜虐性でもって、追い打ちをかける始末だ。</p>
<p>「遠慮しないで頂戴？　『たくさん射精させてあげる』って言ったのは私なのだから、約束を違えるつもりはないわよ」<br />
「そッ、んなの゛いいがらぁぁぁぁぁぁあああっ♡♡♡♡♡　いいがらっ、やめっ、これ゛、おがしッ♡♡♡♡♡　きもぢいのとぐるじいのが交互に来でッ♡♡♡♡♡　ぇ゛ぇぇぇぁぁぁぁああああああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>「と、いうよりね。ネタばらししようかしら。こうやって焦らして焦らして、うんっと焦らしてから搾ると、魔力の濃い精液がたくさん出るのよ。今までのは全部、必要な工程ってこと」<br />
「ぃ゛、ぃ゛い――ッ♡♡♡♡♡　ごめんなさいっ、ごめんなさいごめんなざいごめんな゛ざいぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいッ♡♡♡♡♡　ぃぎっ、ぃ゛ぃぃいいい～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡」</p>
<p>「そしてここからは、必要のない工程♡　こんな気持ちいい状態でさらに気持ちよくされたら、あなたどうなっちゃうのかしら……っ♡」<br />
「ひぁ゛――♡　何しでッ♡♡♡♡♡　ぁ゛ぁぁぁあああああ、ぁ゛ぁぁぁぁぁあああああああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡」</p>
<p>それは、まるで『やり直し』だった。</p>
<p>射精禁止の魔法を掛けた状態で、全身をなで、さまざまな方法で男性器を犯してきたように。ニクの分身体である女怪人たちは今度、強制連続射精の状態で全身をなでながら、さまざまな方法でアリアテネの男性器を犯し尽くすのだ。</p>
<p>例えば、その器用にうごめく手で上下にしごく。</p>
<p>「や゛めっ、やめ゛ぇぇぇぇぇぇえええええッ♡♡♡♡♡　もぉ゛<ruby>射精<rt>で</rt></ruby>なッ♡♡♡♡♡　そんなに゛搾っでもでないがらぁぁぁぁぁぁあぁぁああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>例えば、唾液をたっぷり含ませた口に咥え込む。</p>
<p>「ひゃぉひぇぃあぉぇぇぇえええ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡　溶かされる゛ッ♡♡♡♡♡　わたくしのっ、とかされへぅぇぇひゃぁぁああああああ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>例えば、大きな大きな胸に挟み込む。</p>
<p>「ぉ゛おッ、ぉ゛ぉぉぉぉおおおおおおおおおッ♡♡♡♡♡　ほッ、ぉ゛ぉぉぉぉぉおおおおおお～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」<br />
「あなた、本当におっぱいが好きなのね。こーんなに『嫌だ嫌だ』言っておきながら、おっぱいからは絶対に目を離さない……♡」</p>
<p>例えば、腕に生やしたオナホールでのみ込む。</p>
<p>「い゛、やだッ♡♡♡♡♡　それだけはッ、それだけはやめでぐだざいいぃぃぃぃいいいいいッ♡♡♡♡♡」<br />
「私が、あなたの言うことを聞き入れると思う？」</p>
<p>「ぉご――♡♡♡♡♡　ぉ゛ぉぉぉおおおおおおお～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　何ごれッ♡♡♡♡♡　ひだのひとつひどづが分がっぁ゛ぁぁあああああひぁぁああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡」</p>
<p>今までストックされてきた快感と、断続的にやってくる射精感、そして新たにたたき込まれ続ける快感に、アリアテネはもう獣のような低い声と子どものような金切り声を交互に上げながらイキ続けるだけだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そして今度は、今までアリアテネのことを犯していた、無個性的な女怪人たちではない。ニク本人がアリアテネに馬乗りになった。</p>
<p>「ごめんなさい。一つだけ、貴女に<ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>そ<rt>・</rt></ruby>を付いたわ」</p>
<p>ニクは股間の中央でぱっくりと割れるボンデージを開いて、股間を露出させる。無毛で、ほんのりと膨んでいて、太ももに滴るぐらいの愛液をまとわせた女性器を見ると、アリアテネはものすごく嫌な予感がした。</p>
<p>「『貴女の相手なんて嫌』はうそ。本当は、貴女のことを犯したくて犯したくて仕方なかったの……ッ♡」</p>
<p>そしてニクは何のためらいもなく腰を下ろして、アリアテネの小さな男性器を己が女性器でのみ込んだのだった。</p>
<p>「――ぉお゛ッ♡♡♡♡♡　ぉ゛ぉぉぉぉおおおおぁ゛ぁぁぁああああああああああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡♡　ッ゛ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」<br />
「うふふ♡　サキュバスも何だかんだ言って人間と同じ、結局は<ruby>好<rt>・</rt></ruby><ruby>き<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>子<rt>・</rt></ruby>とするのが1番気持ちいいものね……っ♡　おちんちんが小っちゃすぎるのが玉に瑕だけど」</p>
<p>今まで散々、いろいろな方法で犯されてきたはずなのに。ニク本人とのセックスが1番強烈だった。</p>
<p>サキュバスであるニクの女性器は、手のように圧力が強くて、口のように粘液をまとっていて、胸のように柔らかく視覚的暴力があって、そしてどうしてだろうか、オナホールのように内側に複雑怪奇極まるヒダやイボまである。</p>
<p>そして、周囲の女怪人たちもただ黙って見ているだけではない。無数の手で、アリアテネの全身を愛撫して彼女の感度を高め続けてくる。</p>
<p>「も゛――ッ♡♡♡♡♡　でな――♡♡♡♡♡　<ruby>射精<rt>で</rt></ruby>て、ない――ッ♡♡♡♡♡　っぁ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡　これっ、無理――ッ♡♡♡♡♡　これ、いじょッ♡♡♡♡♡　でて――ッ♡♡♡♡♡　なッ、ぁ゛ぁぁぁあああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>あまりに射精しすぎて、アリアテネはもはや射精すらできなくなっていた。感覚では間違いなく絶頂しているはずなのに、男性器からは何も出ていないのだ。精液も、魔力も、もう空っぽ――だから、アリアテネは懇願し続けた。『もう<ruby>射精<rt>で</rt></ruby>ないから！』『これ以上は無理だから！？』</p>
<p>それでも、ニクは腰を振って、アリアテネに絶頂を強いてくる。</p>
<p>「私が満足するまで、たっぷり付き合ってもらうわよ……ッ♡」<br />
「ぁ゛ぁぁぁぁあああああああッ♡♡♡♡♡　ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡　ッ゛ッッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>その鋭く裂いたような表情を見れば、分かりきっていた。今のこれは、実利を伴ったものではない。ニクはただ、アリアテネのことをいじめたいだけだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ほとんど空撃ちの状態での強制絶頂地獄が長い間行われて、魔法による快感のストックもすっかり尽き、もうとっくに心がぼろぼろになったころ、アリアテネはようやく解放される。</p>
<p>「ぁ゛、ぉ゛ぉ……っ♡♡♡♡♡　ぉ゛、ぉぉぉぉぉぉ……♡♡♡♡♡　ぉ゛ぉ……♡♡♡♡♡」<br />
「っふぅぅ～～～～～～～～♡　はぁぁ、こんな日が来るなんて感無量ね～♡」</p>
<p>心なしか肌をつやつやさせたニクは、ようやくアリアテネの腰から下りる。女怪人たちが、アリアテネの四肢に巻き付いた拘束具を取り外していく。</p>
<p>「はっ、ぁ゛、ぁぁ……♡♡♡♡♡　はっ、ぁ、ぇ……？　ぁ゛ぐ、ぁ……♡♡♡」</p>
<p>ぼろぼろの心、蕩けきった頭でも、なお動く思考。――どうして、解放する？　自分の体が動くことに対して、ひどく違和感があった。</p>
<p>「この世界では、誰かがずっと行方不明になると、ケーサツとかいうのが動くでしょう？　暴れ回る私たちを止めることもできない脆弱な治安維持組織だけど、ここが見つかるのは嫌だわ。それに、貴女に衣食住を提供するのも、それはそれで大変なのよ」<br />
「っ、ふぅ……♡♡♡　ふぅぅ……っ」</p>
<p>理屈が通っている気はしなくもないけれど、それでも敵を解放なんてするだろうか。</p>
<p>アリアテネはよろよろと立ち上がり、右腕のブレスレットに魔力を込める――『正義のヒーロー』という立場が齎す、ほとんど反射的な行動――イメージするのは巨大な剣、今までの戦いをずっと共にしてきた相棒。</p>
<p>しかし、一瞬の光の後、右手に握られていた物の軽さを感じて絶句した。</p>
<p>「な……、ぇ……？　け、剣は、どこ、に……！？」</p>
<p>彼女の武器である巨大な剣は、もはや見る影もない。</p>
<p>細く、小さい、まるで彼女の股間に付いている<ruby>も<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby>のような貧相な獲物。これでは、幼児に持たせるプラスチック製のナイフのほうがまだ立派だ。</p>
<p>「どうして、こんな、こと……！！？」<br />
「どうしても何も、魔力が足りないのよ。どれだけ<ruby>サキュバス<rt>わたし</rt></ruby>に射精させられたと思ってるのかしら」</p>
<p>ニクは、進むか退くかも迷ってよたよたと歩くだけのアリアテネに近付き、その粗末な刃を持つ右腕をつかんだ。そのまま指先を刃に当ててみるも、血の一滴も流れはしない。</p>
<p>「切れ味もひどいものね。これは魔力の欠如だけではない、そもそも意志の欠如ね」<br />
「い、意思……ッ？　何を言って……！？」</p>
<p>「つまり、貴女は『私を傷つけよう』と思えなくなっている。こんなことをされて絆されたか、あるいは屈服したか。まあどちらでもいいけれど。何にせよ、魔法とは精神力が大きく関わっていくものだから――」<br />
「て、適当なことを言わないでッ！！！」</p>
<p>アリアテネのその声は、ほとんど悲鳴に近いものだった。正義感によるものではない、ただの現実逃避。物知り顔でのたまうニクのことが気に入らなくて仕方ない。</p>
<p>しかし、ニクがそれに気圧されることはなく、むしろ冷たい表情で言い放つのだ。</p>
<p>「貴女、自分が<ruby>何<rt>・</rt></ruby>なのか、疑いを持ったことないのかしら」</p>
<p>アリアテネは、訳が分からなかった。疑い？　何のことだ。だって自分は、正義のヒーローとして――。</p>
<p>「その『正義のヒーロー』ってやつよ。どうして、この世界において本来普通の人間であるはずの貴女が、変身なんかして、魔族である私と渡り合えていたのかしら」</p>
<p>ニクの視線が、つかんだままのアリアテネの右腕に落ちた。</p>
<p>「このブレスレットは<ruby>何<rt>・</rt></ruby>？」<br />
「こ、これは……、お屋敷の倉庫で、見つけて……ッ」</p>
<p>「なるほど、偶然流れ着いちゃったのね」</p>
<p>アリアテネの右腕をさらに持ち上げて、まじまじと見つめるニク――『……へえ、肉体の変化？　そんな作用もあるのね』――当初アリアテネが感じていた違和感がよみがえる。</p>
<p>「これは元々、<ruby>魔族<rt>わたしたち</rt></ruby>の産物よ」<br />
「……え？」</p>
<p>「魔族の力をブーストさせるためのアクセサリ。人間に使ったことはなかったから、そんな風になるとは思わなかった」<br />
「な、何を、言って……？　そんな、うそ……っ」</p>
<p>「貴女がこのブレスレットを見つけたのは、私がこの世界に訪れた直後で間違いないわね？　これは世界を渡るための儀式でも使われる、その過程で巻き込まれてしまった。そう考えれば、つじつまが合う」</p>
<p>ニクは『まあいいわ』と言いながらアリアテネの右手を離すと、キスができそうな距離でささやくのだ。</p>
<p>「<ruby>魔族<rt>わたしたち</rt></ruby>の道具で正義のヒーローごっこができて、楽しかったわね？　アリアテネ」</p>
<p>アリアテネの右手に握られていた小さな刃が滑り落ち、硬い床でからからと鳴る。</p>
<p>片や、自らの力に邪魔され続けたニク。片や、敵の力で敵を討ち続けたアリアテネ。どちらにとっても不毛この上ないが、今、これからにおいて、不幸なのはアリアテネのほうだろう。</p>
<p>「貴女は帰す。どうせ、今後の貴女には何もできない」<br />
「ぁ゛……ぁぁ、ぁ……」</p>
<p>「……ああそうだわ。せっかくだから、首輪も着けておこうかしら♡」</p>
<p>もはや言語を発することもできず、喉を通り抜ける呼吸が声帯を無意味に震わせるだけ。そんなアリアテネに、ニクはまた唇を裂いて笑うのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ある学園に、<ruby>白百合<rt>しらゆり</rt></ruby> <ruby>真冬<rt>まふゆ</rt></ruby>という女学生がいた。</p>
<p>「お疲れ様です、白百合さま。最近、課題が多くて大変ですよね」<br />
「そう言ってはいけませんわ。そろそろ期末試験が近いですから。『良い点を取ってほしい』という先生方の真心ですわよ」</p>
<p>「そんな風に考えられるなんてさすがです……。やはり今回も、1位を狙っているのですか？」<br />
「狙うだなんて、そんな。普段の努力の成果を出すだけですわ」</p>
<p>「本当、さすがは白百合さまです……」</p>
<p>茶色掛かった髪を後頭部でまとめた彼女。容姿端麗、文武両道、そして確かな家柄。世間ではお嬢さまと呼ばれる女子生徒ばかりが集まるこの学園において、彼女は別格だった。周囲から注がれるのは、嫉妬と羨望の入り交じったまなざし。</p>
<p>しかし、それは彼女のことを何も知らない有象無象の評価にすぎない。</p>
<p>「白百合さま。ところで、その<ruby>チ<rt>・</rt></ruby><ruby>ョ<rt>・</rt></ruby><ruby>ー<rt>・</rt></ruby><ruby>カ<rt>・</rt></ruby><ruby>ー<rt>・</rt></ruby>……」<br />
「っ」</p>
<p>「最近お召しになっているようですが、見たことのないデザインですね。その、もしよろしければ、どこのブランドかお教えいただくことなんて……」<br />
「……申し訳ありませんが、これは特注ですの」</p>
<p>「あら、そうでしたか。本当、文武だけでなくおしゃれにも余念がなくて素敵です……」</p>
<p>品行方正な生徒たちが集まるからこそ、規則が寛容だった。右腕にはブレスレット、そして首にはチョーカー。彼女ほどアクセサリを身に付けている生徒は、この学園内にはあまりいない。</p>
<p>そのため多少目立つが、しかし、<ruby>気<rt>・</rt></ruby><ruby>付<rt>・</rt></ruby><ruby>か<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby>ことはなかった。真冬は思った。誰が気付くだろうか――いや、いっそ気付いてくれたらいいのに。今の自分の<ruby>状<rt>・</rt></ruby><ruby>況<rt>・</rt></ruby>を。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>（ぅあ゛っ♡♡♡♡♡　ぉ゛、ぉぉぉぉおおっ♡♡♡♡♡　わたくし<ruby>の<rt>・</rt></ruby>が、擦れてっ♡♡♡♡♡　ぉ゛ぉぉぉぉおおおおおおおおおおっ♡♡♡♡♡）</p>
<p>白百合 真冬――またの名をアリアテネ。正義の味方として日夜悪の怪人たちと戦い、そしてニクに敗北した、その本人。</p>
<p>彼女は学友と会話しながら、スカートの中で、勃起した小さな小さな男性器を現在進行形で犯されていたのだ。</p>
<p>（こんな四六時中、<ruby>オナホール<rt>こんなもの</rt></ruby>をはめられているなんてっ♡♡♡♡♡　どうして、みんな気付かな――♡♡♡♡♡　だめ、動いたらっ、ぁ゛、ぁぁぁぁぁああああああっ♡♡♡♡♡）</p>
<p>ニクは、それを『半変身』と呼んだ。姿は真冬のままでありながら、アリアテネ由来の男性器を生やさせて、ちょっとしたコスチュームを追加するだけ。</p>
<p>……<ruby>コ<rt>・</rt></ruby><ruby>ス<rt>・</rt></ruby><ruby>チ<rt>・</rt></ruby><ruby>ュ<rt>・</rt></ruby><ruby>ー<rt>・</rt></ruby><ruby>ム<rt>・</rt></ruby>と呼ぶには、あまりに悪趣味。それは、まるで貞操帯のようなオナホールだったのだ。がちりとしたベルトは外れることなく、シリコンの筒が男性器をのみ込んでいる。歩くたびに、ほんの少し身じろぎするだけでも、オナホールの内側に生える無数のヒダが、彼女の男性器をぐちゅりと犯す。</p>
<p>ブレスレットによる変身をそこまで変貌させたのが、首に取り付けられたチョーカーだった。本来は魔族の産物であるブレスレットの扱いは、魔族であるニクのほうがよく心得ていたのだ。あんなにも頼もしく思えていたブレスレットが、今では何よりも呪われた不浄な道具のように感じられる。</p>
<p>（も、もぉ゛ぉぉおっ♡♡♡♡♡　こんなにきもぢいのに、<ruby>射精<rt>で</rt></ruby>ない゛ぃッ♡♡♡♡♡　ぅ゛あっ、ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああっ♡♡♡♡♡）</p>
<p>じくじくと蝕むような快感が絶えず、それなのに射精もできない。原因を推測するまでもない、あの時にも施された、射精禁止の魔法陣のせいだ。そしてその癖、こんな異常な状態を周囲の誰もが気付いてくれない。そういう隠蔽の魔法だ。</p>
<p>ふと、真冬は思った――こんな隠蔽魔法を使えるのなら、ニクが町で暴れながら女性を襲う必要なんてなかったのでは？　それなら、なぜニクはそうしなかった？　……ああそうか、町で暴れていたのは、<ruby>魔力の豊富な女性<rt>アリアテネ</rt></ruby>をおびき出して捕まえるためだったのか。</p>
<p>正義のヒーローなんて、最初からいなかった。自分がずっと道化――否、それ以下の<ruby>餌<rt>・</rt></ruby>でしかなかったことに気付いてがくぜんとした。</p>
<p>「白百合さま、もしよろしければ、これからお買い物に行きませんか？　私も、白百合さまみたいに何かアクセサリを身に着けてみたくて……」<br />
「……申し訳ありませんが、今日は、これからちょっと用事がありまして」</p>
<p>真冬は小さく笑うと、学友の誘いも断って、学園を出る。</p>
<p>『きっとお勉強やお稽古が忙しいのね』だとか、『本当に努力を怠らない方なのね』だとか、ため息混じりの称賛なんて、彼女の耳には一言も入らなかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>真冬が不可視の男性器に襲い来る快感に内心身悶えしながら、商店街の途中にある裏路地を入り、狭い道を曲がること3度、4度。</p>
<p>ぼろぼろの雑居ビルに地下への階段があって、その突き当たりにある分厚い扉の向こうには――。</p>
<p>「ふっ、ぅ゛う……っ♡♡♡♡♡　ふーーっ、ふーーーー……っ♡♡♡♡♡」<br />
「あら、もう来たの」</p>
<p>そこには、かの憎き敵ニクがいた。</p>
<p>彼女は女怪人たちを呼び寄せることもなく、身構えることすらなく、椅子に座ったまま応える。</p>
<p>「3日ぶりかしら。<ruby>周<rt>・</rt></ruby><ruby>期<rt>・</rt></ruby>が短くなってきているわね。魔力が今の生活に適応しようとしているのかしら。生まれながらに用途が決まっている魔族の魔力と違って、人間のは柔軟性があっていいわね」</p>
<p>「ぅ゛う、ぅ゛ぅぅぅぅぅう……っ♡♡♡♡♡」<br />
「お願いがあるなら、ちゃんと言ったほうがいいわよ？」</p>
<p>「……お願いします。射精させてください……ッ♡♡♡♡♡」</p>
<p>それは、よくできた<ruby>シ<rt>・</rt></ruby><ruby>ス<rt>・</rt></ruby><ruby>テ<rt>・</rt></ruby><ruby>ム<rt>・</rt></ruby>だった。</p>
<p>アリアテネ――すなわち真冬を射精管理しながら、日常の中で仕込み続ける。そして射精したくて射精したくて、もう我慢できなくなった時、すなわち魔力の濃厚な精液を放出する準備を整えた時、彼女は自発的にニクの元に行く。そしたらニクは、たっぷり溜め込んだ魔力が空っぽになるまで搾り取ってやればいい。衣食住の世話をしてやる必要もなければ、この世界の治安維持組織が動くこともない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ぅ゛あっ、ぁ゛、ぁぁぁぁあああああああああっ♡♡♡♡♡　やめっ、そんな゛、腰振らないでッ♡♡♡♡♡　ぇぁ゛ぁぁああああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」<br />
「『射精させてくれ』って頼んだのはあなたじゃない。今日も、空っぽになるまで、いいえ、空っぽになった後も延々とイッてもらうわよ……っ♡」</p>
<p>「ぁ゛うぁ゛ぁぁぁあああああっ♡♡♡♡♡　もう<ruby>射精<rt>で</rt></ruby>ないッ♡♡♡♡♡　もうでな――♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁ゛ぁぁぁああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」<br />
「ほら、イキなさい。イけ、イけ……イけ……ッ♡」</p>
<p>「っ゛――♡♡♡♡♡　やめ、耳元でささやがないでっ、それ、変んんんんっ♡♡♡♡♡　ぅ゛あああああああっ♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」<br />
「ふふ♡　もう耳を犯されただけでイッちゃうのね」</p>
<p>アリアテネは今日も、ニクに精液を搾られ続ける。最初は1週間ぐらいのスパンだったのに、今では3日おき。戦いのための魔力は全て、精液のための魔力に変質しつつある。やがて、毎日でも搾られないと、男性器がうずいてうずいて気が狂ってしまうようになるだろう。</p>
<p>「そう言えば、貴女に良い知らせがあるわ」</p>
<p>陵辱台の上でアリアテネに馬乗りになったまま腰を振り続けるニクは、不意にそう言った。</p>
<p>「この世界の武器と貴女の提供してくれる魔力のおかげで、あちらの戦争は優勢。さすがは魔王様、銃器を戦略的に取り入れると決めてからは、実に動きが早かったわ。こちらの開発を進めるだけでなく、鉄と硫黄の採掘場を押さえて人間たちの開発を阻害。これで戦力差は絶対的なものになった」<br />
「ぁ゛うっ♡♡♡♡♡　ぁ゛――♡♡♡♡♡　ぁあ、ぁ゛――♡♡♡♡♡」</p>
<p>「これも全部、貴女のおかげよ。貴女が、我々魔族を勝利に導いたの。ありがとう、正義のヒーローさん♡」<br />
「ぅっ、ぐっ♡♡♡♡♡　ぅ゛ぅぅぅぅぅう、ぅぅぅぅぅぅぅぅぅううううっ♡♡♡♡♡　――っぁ゛♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　っ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>アリアテネは一瞬だけ、男性器を襲う快感を無視しようとした。</p>
<p>『自分のせいで見知らぬ世界の人々が犠牲になってしまった』という罪悪感と、『そんな世界の人々のことなんて知ったことではない』という言い訳が、頭の中を行ったり来たりする。</p>
<p>しかし、ほんの数秒で、夥しい射精と共に思考が溶ける。彼女の心など介入の余地がないまま、世界は回っていく。</p>
<p>「もうあなたを向こうに連れていってしまうのもいいけれど、ここの暮らしも悪くないのよね。ライスもパンも嫌においしいし、コンビニってやつもえらく便利だし。だけど、夜に出歩くとケーサツにショクムシツモンとかいうのをされるのは何なのかしら。そういえば、あのケーサツって、夜中に働いてるわけよね。あれ、そしたらコンビニも？　……この世界の人間、頭おかしいんじゃないのかしら」<br />
「ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁぐっ、ぁ゛、ぁ゛ぁぁぁああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡♡　ッ゛ッッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>説明も説得もなく、腰を振りながらもはや世間話を始めるニク。</p>
<p>その日、アリアテネは魔力と精液が空っぽになって、その後も延々と、心が壊れそうになるぐらい射精させられ続けた。しかし、それはあくまでも、長く永く続く搾精生活のほんの一部にすぎない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>それから、ニクと彼女の率いる女怪人たちが、町の人々を襲うことはなくなった。強力な武器、そして十分な魔力を得るめどが立ったからだ。故に、人々は皆、『きっと彼女がやってくれたんだ！』とアリアテネに感謝し、やがてアリアテネの存在そのものを忘れていく。</p>
<p>しかし、アリアテネという存在が消えたわけではない。彼女は今もなお、終わらない搾精地獄の中で苦しみ続けているのだった。</p>
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		<title>ハグされながらアソコへの膝グリグリは乱暴な気持ちよさと幸せな充足感が同時にやってくる</title>
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		<dc:creator><![CDATA[おものべ]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 27 Sep 2024 09:00:48 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[イラスト（ショートストーリー）]]></category>
		<category><![CDATA[【人数】一人に責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【受】女性が責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【攻】男性が責める]]></category>
		<category><![CDATA[アソコ]]></category>
		<category><![CDATA[アソコへの膝グリ]]></category>
		<category><![CDATA[あらすじ]]></category>
		<category><![CDATA[ハグ]]></category>
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		<category><![CDATA[圧迫感]]></category>
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					<description><![CDATA[彼とのSMプレイで必ず行われる、アソコへの"膝グリ"。彼としては体を温めるための準備運動のつもりかもしれませんが、全身をぎゅっと圧迫される気持ちよさと心地よさは、その後のプレイでは味わえない格別のものです。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><strong>◆あらすじ</strong></p>
<p>彼とのSMプレイで必ず行われる、アソコへの&#8221;膝グリ&#8221;。彼としては体を温めるための準備運動のつもりかもしれませんが、全身をぎゅっと圧迫される気持ちよさと心地よさは、その後のプレイでは味わえない格別のものです。<br />
（イラスト内の文章だけでお送りいたします）</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-13433" src="https://omonove.com/wp-content/uploads/2024/07/膝グリ.jpg" alt="ハグされながらアソコへの膝グリグリは乱暴な気持ちよさと幸せな充足感が同時にやってくる" width="1191" height="1684" srcset="https://omonove.com/wp-content/uploads/2024/07/膝グリ.jpg 1191w, https://omonove.com/wp-content/uploads/2024/07/膝グリ-768x1086.jpg 768w, https://omonove.com/wp-content/uploads/2024/07/膝グリ-1086x1536.jpg 1086w" sizes="(max-width: 1191px) 100vw, 1191px" /></p>
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		<title>爪の&#8221;表&#8221;を使った指責めで日焼け跡をなぞられゾクゾクさせられるお風呂場レズプレイ</title>
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		<dc:creator><![CDATA[おものべ]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 16 Aug 2024 09:00:38 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[イラスト（ショートストーリー）]]></category>
		<category><![CDATA[【人数】複数に責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【受】女性が責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【攻】女性が責める]]></category>
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					<description><![CDATA[海で遊んだ日の夜、親友2人に指先で洗い責めされる女の子のお話。爪の"表"による愛撫は、指先の皮膚よりも硬く、しかし爪の裏よりも鋭くなく、実にちょうどいい気持ちよさでした。そんな愛撫を、日焼けしていない胸やアソコにされると、友だち以上の感情を向けてくる2人に全てを委ねたくなってしまうような気持ちよさと心地よさに変わります。]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><strong>◆あらすじ</strong></p>
<p>海で遊んだ日の夜、親友2人に指先で洗い責めされる女の子のお話。爪の&#8221;表&#8221;による愛撫は、指先の皮膚よりも硬く、しかし爪の裏よりも鋭くなく、実にちょうどいい気持ちよさでした。そんな愛撫を、日焼けしていない胸やアソコにされると、友だち以上の感情を向けてくる2人に全てを委ねたくなってしまうような気持ちよさと心地よさに変わります。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>私には、2人の親友がいる。</p>
<p>彼女たちはたぶん、<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">そ</span><span class="boten">う</span><span class="boten">い</span><span class="boten">う</span><span class="boten">気</span></span>があるのだと思う。だって、私のことを見る目が、男性のそれと似ていたから。</p>
<p>だけど、私は彼女たちの親友であり続けた。そのことに気付く前に、私たちは親友だったから。そして、あの2人に<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">そ</span><span class="boten">う</span><span class="boten">い</span><span class="boten">う</span><span class="boten">目</span></span>で見られるのは、不思議と悪い気がしなかったから。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そんな時分、私たちは海に行った。日帰りで、ちょっと泳いで、電車がなくなる前に帰る――そんな気軽な小旅行だった。</p>
<p>夜は、2人のうち片方の家に泊まった。大きな家だった。家族は旅行に行っていて不在だった。</p>
<p>私たち3人はお風呂に入った。私が裸のまま見たことのない『凹』型の椅子に座ると、彼女たちの、私のことを見るそういう目が強くなる。何だか、胸がそわそわする。</p>
<p>『＿＿ちゃん、すっごい日焼けしてるじゃん』<br />
「日焼け止め忘れちゃったから」</p>
<p>何てことのない会話で終わると思っていた。私が片方と会話している最中、もう片方が背後から私の背中を指でなぞったのだ。</p>
<p>「ひゃぁん！？」</p>
<p>お風呂場を反響するほどの、大きな声が出た。だけど、恥ずかしがっている暇も、怒っている暇もなかった。</p>
<p>その瞬間、2人の目の色が変わった気がしたから。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p><img loading="lazy" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-13270" src="https://omonove.com/wp-content/uploads/2024/06/日焼け痕爪の表愛撫.jpg" alt="爪の&quot;表&quot;を使った指責めで日焼け跡をなぞられゾクゾクさせられるお風呂場レズプレイ" width="1191" height="1684" srcset="https://omonove.com/wp-content/uploads/2024/06/日焼け痕爪の表愛撫.jpg 1191w, https://omonove.com/wp-content/uploads/2024/06/日焼け痕爪の表愛撫-768x1086.jpg 768w, https://omonove.com/wp-content/uploads/2024/06/日焼け痕爪の表愛撫-1086x1536.jpg 1086w" sizes="(max-width: 1191px) 100vw, 1191px" /></p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ふぁ、はっ♡♡♡♡　これ、本当にだめだってぇっ♡♡♡♡　変、に、ぃぃいっ♡♡♡♡　ぁあ、ぁぁぁあ～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>2人は、私の日焼け跡をなぞり続ける。背中、腰、胸のふくらみ、そして脚の付け根。乳首とクリトリスを爪の表でくにりとつぶされるたびに、私は喘ぎ声はいっそう大きくなった。</p>
<p>ずっと彼女たちのことを見てきたから分かる。これは、『突然、我を失った』ではなかった。今まで我慢してきた欲求を、ただ爆発させただけだ。</p>
<p>だけど、それは彼女たち<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">だ</span><span class="boten">け</span></span>だろうか？</p>
<p>「もぉ、ほんとに、我慢、でき、な――♡♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　んぐっ――♡♡♡♡♡　っぅぅう～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>彼女たちがどこからか持ち出してきた拘束具が、私の両手首を縛り付けている。だけど、それだけなら、どうして私は腕を下ろさないのだろう？　こんなことまでされて、どうして椅子から立ち上がって、逃げ出さないのだろう？</p>
<p>「はっ、ぁぁ……♡♡♡　はぁぁ……♡♡♡」</p>
<p>『ねえ、＿＿ちゃん。これ、嫌？』<br />
「…………」</p>
<p>心の奥底に根付いていた気持ちが、少しずつ浮き出してくる。</p>
<p>「……好き」</p>
<p>2人は、うれしそうに笑った。</p>
<p>「あっ、ちょっと、待って……っ♡♡♡　少し、休ま、せっ♡♡♡♡　ぁぁあっ、んくっ、ひゃはっ♡♡♡♡♡　ぁっ、ぁぁぁぁぁああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　っっっ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>それは、私たちの関係が親友から1歩進んだ時の話。</p>
<p>それから私は、事あるごとに、2人に囲まれ指先で全身を愛されるのだった。</p>
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		<title>【第4話】異能バトルものの性拷問師たち</title>
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		<dc:creator><![CDATA[おものべ]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 01 Sep 2023 08:56:55 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[長編小説]]></category>
		<category><![CDATA[【人数】一人に責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【受】女性が責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【攻】女性が責める]]></category>
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					<description><![CDATA[#シリコンチェーンソー #ブラシ責め #体感時間操作]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div style="padding: 10px; margin-bottom: 10px; border: 1px solid #333333;">
<h3 style="text-align: center;">目次</h3>
<p><a href="https://omonove.com/12818">表紙</a><br />
　<small>#簡単なご案内など</small><br />
<a href="https://omonove.com/12799">第1話 読心 -ノンバーバル-</a><br />
　<small>#クリ責め #電マ #ローションガーゼ</small><br />
<a href="https://omonove.com/12801">第2話 自声愛撫 -ジメツ-</a><br />
　<small>#くすぐり #声我慢 #超音波</small><br />
<a href="https://omonove.com/12803">第3話 非接触絶頂 -ムッツリ-</a><br />
　<small>#ささやき #見せつけ #脳イキ</small><br />
<a href="https://omonove.com/12805">第4話 絶頂引延 -トワノマタタキ-</a><br />
　<small>#シリコンチェーンソー #ブラシ責め #体感時間操作</small><br />
<a href="https://omonove.com/12807">第5話 はじめての</a><br />
　<small>#クンニ #寸止め</small><br />
<a href="https://omonove.com/12809">第6話 感覚遮断 -カイカンノサキオクリ-</a><br />
　<small>#乳首責め #ニップルドーム #クリ責め #電マ #くすぐり #感覚遮断</small><br />
<a href="https://omonove.com/12811">最終話 伝心 -ワタシノココロ-</a><br />
　<small>#キス #胸揉み #電マ #くすぐり #ブラシ責め #感覚共有</small><br />
<a href="https://omonove.com/12813">おまけ</a><br />
　<small>#キャラクターのちょっとした紹介</small></p>
</div>

<p>&nbsp;</p>
<h3>第4話 絶頂引延 -トワノマタタキ-</h3>
<p style="text-align: right;">#シリコンチェーンソー #ブラシ責め #体感時間操作</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ウルツアが入社してから、3週間がたった。</p>
<p>朝早くに起きて、身支度と洗濯をして、食事をとってから会社に行き、訓練に励む――そんな平和な日常が、いよいよもって変わる時。</p>
<p>「明日が、初めての<ruby>実<rt>・</rt></ruby><ruby>践<rt>・</rt></ruby>だね」<br />
「ああ」</p>
<p>夕方。珍しくウルツアの訓練に長く付き合ったフランがそう言った。</p>
<p>傭兵は戦うために存在する。ウルツアがこの会社に入社したのもそのためだ。いつか必ず来る日であり、わざわざ驚くことはない。むしろ、基礎的な訓練に励む時間が3週間も与えられたと思うと、過保護ですらある。</p>
<p>しかし、不安はあった。</p>
<p>「……オレはまだ、テメェに勝ってねー」<br />
「気にしなくていい。今まで言わなかったけど、私は白兵戦に関してはそれなりに強いほうだから」</p>
<p>「知ってるよ」</p>
<p>フランの言葉は、まるで嫌味に聞こえないぐらい、ただ真実を述べたものだった。それどころか、『それなり』という言葉が、謙遜にすら聞こえる。全くの素人ではないウルツアが、今まで見たことのない強さなのだから。</p>
<p>そんな相手だとしても、ただの一度も白星なしとなれば、自信が揺らいで当然のことだった。握られた手の中が汗ばんでいく。</p>
<p>少しだけ下を向いたウルツアに、フランの声が落とされた。</p>
<p>「ウルツア」<br />
「あ？」</p>
<p>「<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby><ruby>か<rt>・</rt></ruby><ruby>ら<rt>・</rt></ruby><ruby>私<rt>・</rt></ruby><ruby>が<rt>・</rt></ruby><ruby>す<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>と<rt>・</rt></ruby>に、君は驚くかもしれない。だけど、何も言わなくていいし、ただじっとしていてほしい」<br />
「んだよ。今集中してんだから、邪魔すんな――」</p>
<p>ウルツアの言葉はそこで止まる。息を詰まらせるように黙り、そして目を見開く。</p>
<p>フランが、ウルツアのことを真正面から優しく抱き締めたからだ。</p>
<p>「な、ななななななななっ！！？　何して、テメェ――！！？」<br />
「じっとしてな」</p>
<p>「じっとしてられっか！！　こんな、こと！！？」<br />
「女友達同士のスキンシップと同じように考えればいい」</p>
<p>「テメェはダチじゃねーだろ！！」<br />
「いいから。うるさいよ」</p>
<p>最初は困惑したし、恥ずかしくて顔が燃えてしまいそうだった。ウルツアとて、他人に触れられて顔を赤らめるほど純情ではない。相手がよりにもよってフランだということが問題なのだ。</p>
<p>「っ……」</p>
<p>だけど『じっとしていろ』と言われたからそうしていたら、段々と体が落ち着いてくる。頭をなでられると、心地よくて目を細めてしまう。こんな風に、人と触れ合ったのはいつ以来だろうか。</p>
<p>こわばった心が解れ切ったとき、フランはようやくウルツアを解放した。</p>
<p>「もう、大丈夫そうだね」<br />
「ど、どうしていきなり、あんなことしたんだよ……」</p>
<p>ウルツアが、真っ赤な顔を背けながらフランに問うた。</p>
<p>「君が不安そうだったから」<br />
「声掛けるとか、もっと他にやることあんだろ。<ruby>ら<rt>・</rt></ruby><ruby>し<rt>・</rt></ruby><ruby>く<rt>・</rt></ruby>ねぇっつってんだよ」</p>
<p>「それに答えたら、君はきっと怒るよ」<br />
「答えなけりゃ、もっと怒るぜ」</p>
<p>正論だ。これだけのらしくないことをしておいて『何でもない』は、それこそない。フランは『仕方ない』と、ため息を付いた。</p>
<p>「君が寂しそうにしていたからだよ」<br />
「いつだよ」</p>
<p>「いつも。特に、私が誰かと話している時」</p>
<p>ウルツアはそれを肯定しなかったが、しかし否定することもなかった。</p>
<p>彼女の様子が大人しいままだったのが予想外だったのか、フランはほんの少しだけ目を大きく開いて、彼女のことをじっと見つめた。いかに心を読むことができても、その人となりを正確に把握できるわけでもなければ、未来を読むこともできない。</p>
<p>「君には、親がいないんだろう」<br />
「社長から聞いたんか」</p>
<p>「いや。でも、この会社に来た経緯を考えれば、嫌でも想像が付く。今の世の中、孤児院……児童養護施設はほとんど機能していないからね」</p>
<p>それは《能力》という存在の弊害。</p>
<p>《能力》を悪用した犯罪、違法な研究の急増。それを抑えんとする、《能力者》による傭兵会社の乱立。《能力者》同士が街々でぶつかりあい、あまたの血がアスファルトを赤黒く染める、最悪のマッチポンプ。当然のように、親を失ってさまよう子どもも多い。ウルツアもその1人だった。</p>
<p>孤児を保護する施設はあっという間に定員に達し、よほど運が良くなければ入れない。守ってくれる存在のいない子どもが生き残る道は、そう多くない。誰かの奴隷になるか、娼婦になるか。あるいは、それらの末路を許さない絶対的な力を得るか。</p>
<p>「親のことは覚えてねー。物心が付いた時には、もう施設にいた。だけど出ていった。……あそこは、居心地が<ruby>悪<rt>わり</rt></ruby>ぃ」<br />
「本当は、施設に入れない子のために<ruby>枠<rt>・</rt></ruby>を譲った」</p>
<p>「……どうして、それを」<br />
「いや、<ruby>鎌<rt>・</rt></ruby><ruby>を<rt>・</rt></ruby><ruby>か<rt>・</rt></ruby><ruby>け<rt>・</rt></ruby><ruby>た<rt>・</rt></ruby>だけ。君を見ていると、何となくそう思った」</p>
<p>「クソが」</p>
<p>ウルツアは『嫌なことを思い出させやがって』と思った。13歳か、14歳ぐらいの時だったか、自分よりもずっと幼い子どもが、施設の前で泣いていたのだ。</p>
<p><ruby>外<rt>・</rt></ruby>がどうなっているか分からないほど、愚かではなかった。勇気の要る決断だった。みんな心配した。だから、強そうな格好をした。だから、強そうな武器を持った。だから、強そうな言葉を使った。そして、強くなった。みんなが『あいつは大丈夫』と思えるように。</p>
<p>「……君は、まぶしいな」<br />
「何だって？」</p>
<p>「いや、何でも。とにかく、君はそれで心をすり減らした。そしてここは、命のやり取りをする危険な傭兵会社で、君はその新米社員だ。いろいろと精神的に参ることもあって当然だ。私は君の家族じゃないし、ただの一先輩に過ぎない。だけど、いや、『だから』と言うべきかな」</p>
<p>そしてフランはまた、ウルツアの頭に手をぽんと置いて言うのだ。</p>
<p>「まあ、君が半人前の間は、心のケアも多少はするよ」<br />
「……うるせーよ。クソお節介」</p>
<p>「……『<ruby>ク<rt>・</rt></ruby><ruby>ソ<rt>・</rt></ruby>お節介』、ね」<br />
「あ？」</p>
<p>「いや。みんな、どこかで似るんだなって思ってさ」</p>
<p>相手の厚意をむげにしかねない返答だったから、ウルツアは一瞬『怒らせてしまったか？』と思った。だけどウルツアの予想に反して、フランの表情は少しだけ笑っているように見える。</p>
<p>『こいつ、笑うんだな』――ウルツアは心の中でわざと毒づく。毒づかなければ平静を保てないぐらい、彼女の表情に見とれていたから。眉をひそめ、目を細めるように笑うそれは、儚いフランシウムのよう。</p>
<p>フランが他の誰かと話している時、寂しそうにしている――それは先ほど、ウルツアが否定できなかったことだ。だって、少しだけ、本当に少しだけ、彼女は思ったことがあるから――もしも自分に家族がいたら、もしも自分に姉がいたら、それはフランのようかもしれない、と。</p>
<p>「……フラン、テメェは」</p>
<p>「ほら、これから明日のブリーフィングでしょ。そろそろ時間だよ」<br />
「やべっ、早く言えよ！」</p>
<p>「社会人なら、時間管理ぐらいしてほしいな」</p>
<p>そうしてウルツアは、半ば無理やり訓練場を追い出されることになる。彼女はもう、明日の仕事のことで頭がいっぱいだったから、それ以上のことを考える余裕はなかった。</p>
<p>だけど、部屋から出る間際、フランの独り言が聞こえた気がした。</p>
<p>「……<ruby>半<rt>・</rt></ruby><ruby>人<rt>・</rt></ruby><ruby>前<rt>・</rt></ruby>、ね」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>それから少したって、会社も、世間も、大騒ぎになったのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>それはまるで、戦争か何かが起きたような騒ぎだった。</p>
<p>今まで散々小競り合いを続けてきた、政府とニコ社の正面衝突。ニコ社が巧みに隠し続けてきた拠点施設がとうとう見つかり、あまたの警察部隊と傭兵たちがなだれ込んだ。無論、ニコ社も黙ってはいない。彼らは多数抱え込んでいた自社の戦闘要員と、雇い入れた傭兵たちで迎え撃つ。都市のど真ん中で《能力者》同士がぶつかり合い、死者は100人超、数十の施設が巻き込まれる。</p>
<p>しかしそれは、混沌とした時代のちょっとした明滅に過ぎない。周辺に存在する何十社もの傭兵会社を巻き込んだ戦いは、瞬く間に波及し、そしてたった一晩のうちに収束した。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>裏方の仕事というのは、<ruby>鈍<rt>・</rt></ruby><ruby>痛<rt>・</rt></ruby>のようだ。世間を騒がせるような大きな衝撃がやんでなお、鈍く、不快な痛みがまとわり付いてくる。我々は勝利した――そんな事実すら忘れてしまうぐらいだ。</p>
<p>「……どういうこと、Vi」<br />
「何だい。珍しくマジギレじゃないか、フラン」</p>
<p>いつもの<ruby>仕<rt>・</rt></ruby><ruby>事<rt>・</rt></ruby><ruby>場<rt>・</rt></ruby>にて、フランは、頭に包帯を巻いたViに問うた。いつも散々『クソババア』呼ばわりしていたフランが、今日は名前で呼んでいた。</p>
<p>「この仕事、本気？」</p>
<p>フランの視線の先にいるのは、今日の拷問対象である少女。</p>
<p>少女、否、女性か。肩の上で切りそろえた髪。丸顔で、やや垂れ目。身長は150cmあるかどうか。童顔で背は低いが、その割には胸や尻が大きく、女性的な艶は十分。成熟した大人の女性であることがうかがえる。</p>
<p>彼女に対する処置は、今まで拷問してきた誰よりも厳重だった。拘束衣を着せた上で、さらに直立させたまま幾十もの革具で柱状の土台にがんじがらめにされている。拘束衣は胸部や秘部に穴が空いた性拷問専用のものではあるが、それ以外には一切の遊びが許されていない。</p>
<p>「こいつの名前はシアン、ニコ社に雇われていたナット社所属の傭兵。苗字は知らない。そも、シアンという名前が本名なのか偽名なのかも分からない。ただ一つ間違いないのは、実力は文句なしの《特級》。アタシの見立てでは、向こうで一番<ruby>ヤ<rt>・</rt></ruby><ruby>バ<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>やつさ」</p>
<p>Viが説明する傍ら、ルグが渡された資料に目を通している。</p>
<p>政府から提供された、《能力者》のデータベースの中身、目の前の拷問対象について。しかし、年齢、出身、経歴――その項目の大部分が空欄であり、しかも政府の者が代理人として申告している。恐らく間に合わせで登録したのだろう。情報としてはまるで役に立ちそうにない。</p>
<p>数少ない情報は、名前がシアンであるということ。そして、彼女の《能力》は。</p>
<p>「《時間停止》……ですか？　ザ・ワールドって実在したんですね」</p>
<p>時間を止める――それはフィクションの世界でも『最強』と称されることがままある《能力》だ。その説に議論の余地はあろうが、強力であることには変わりない。時間を止めるとは、一体どういったメカニズムなのか？　世界全てに働きかけるほどの膨大なエネルギーを、一体どこから工面しているのか？　現代科学のあらゆる理屈が通じないそれは、まさに異能と呼ぶにふさわしい。こうして相対すること自体、最大限の注意を払う必要がある。</p>
<p>しかしフランにとってはこの際、彼女の情報なんてどうでもよかった。それよりも。</p>
<p>「私たちに<ruby>依<rt>・</rt></ruby><ruby>頼<rt>・</rt></ruby>しておいて『聞き出すことは何もない』って、どういうことだ」<br />
「そのままの意味さ。アンタはただ、こいつに拷問してやればいい。期限はない」</p>
<p>「理由を聞いているッ！！」</p>
<p>それは異様な依頼だった。拷問とは本来、口の固い相手から情報を聞き出すためにある。しかし今回、『聞き出すことは何もない』と言うのだ。それなら一体、何のために拷問するというのだろう？</p>
<p>しかし、それはあくまでもフランの認識にすぎない。いや、フランもうすうす感じ取っていることだった。聞き出す情報がなくとも、拷問を行うことはある。その理由とはすなわち――。</p>
<p>「<ruby>報<rt>・</rt></ruby><ruby>復<rt>・</rt></ruby>さね。アタシらの客は、こいつに随分とカンカンなのさ」</p>
<p>「彼女はただの雇われだ、ニコ社の人間ですらない」<br />
「知るかい。傭兵も、警察も、政府の人間も、こいつに大勢やられた」</p>
<p>「彼女の所属するナット社と言ったら、それなりの大企業だ。傭兵同士、仕事で衝突してもお互いに割り切るのが暗黙のルールだけど、これは逸脱している。敵対する気か」<br />
「逆さ。今、孤立しているのは向こうだ」</p>
<p>「納得できると思うか」<br />
「思わないねぇ」</p>
<p>その会話は、いつもの口論とは随分と違う。</p>
<p>フランの声音には本当に余裕がなく、Viの声音は本当に冷たいもので。</p>
<p>「だけどな、フラン。アタシらの<ruby>客<rt>・</rt></ruby>がどれだけデカい相手か、知っているだろう」<br />
「っ」</p>
<p>「それと、アンタだから頼んでるんだ。……<ruby>他<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>や<rt>・</rt></ruby><ruby>つ<rt>・</rt></ruby><ruby>に<rt>・</rt></ruby><ruby>任<rt>・</rt></ruby><ruby>せ<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby><ruby>か<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>？　コイツを」<br />
「くそっ！」</p>
<p>心を読むフランと、他人の《能力》を封じ思うがままに改造してしまうルグ――彼女たちは《能力者》を拷問するのに、これ以上ない2人。おまけに、フランは強い。故に、危険な案件が彼女たちに集中することも珍しくなかった。</p>
<p>『頼んだよ』――Viはそう言って踵を返す。彼女が部屋から出る間際、フランが口を開いた。</p>
<p>「……Vi、大丈夫なの」<br />
「あ？　何だい」</p>
<p>「その頭のけが」<br />
「はん！　こんなかすり傷で死ぬほどやわじゃないよ」</p>
<p>Viはふんと鼻息を鳴らして、両手に持った二丁の拳銃を指に引っかけて回してみせた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>拷問が始まる。</p>
<p>「――相談は終わりかな？」<br />
「……ええ」</p>
<p>全身をがんじがらめにされたシアンは、くあっとあくびしながら言った。それは、これから性拷問を受ける人間の態度ではない。</p>
<p>「ええと、フラン、って呼ばれてたよね？　君、傭兵を初めて何年目？」<br />
「答えると思いますか？」</p>
<p>「うーん。見た感じだと、きっと<ruby>僕<rt>・</rt></ruby>と同じぐらいだと思うんだよねぇ。年も、経験も」<br />
「だから？」</p>
<p>「その割には、<ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>ぶ<rt>・</rt></ruby>だなぁって」</p>
<p>シアンはけらけらと笑った。秘所を晒したまま全身を動けなくされて、今まさに無限に犯されようとしている女性が、その相手を前にして笑うのだ。</p>
<p>「君は何ていうか本当に、大事に大事にされてきたんだねぇ。気付いてないの？　自分では汚れ役を買って出ているつもりだけど、本当は誰よりも過保護にされている」<br />
「……無駄話をするつもりはありません。始めましょうか」</p>
<p>「できるの？　君みたいな<ruby>箱<rt>・</rt></ruby><ruby>入<rt>・</rt></ruby><ruby>り<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>お<rt>・</rt></ruby><ruby>姫<rt>・</rt></ruby><ruby>さ<rt>・</rt></ruby><ruby>ま<rt>・</rt></ruby>がさ」<br />
「やると決めたらやる。それが私たちだ」</p>
<p>「ふーん、そう♪」</p>
<p>シアンはにやにやとした笑みを浮かべ続けるのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ルグ。君は、彼女の《能力》の制御にだけ集中して。拘束されていても、何をしでかすか分からないやつだ。極力、彼女に近づかないこと」<br />
「はい……」</p>
<p>普段は意気揚々と拷問に臨むルグも、相手が《特級》の傭兵ともなると緊張せざるを得ない。</p>
<p>フランが部屋の隅から重々しく取り出したのは、小型のチェーンソー<ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>よ<rt>・</rt></ruby><ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>も<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby>だった。</p>
<p>本物のチェーンソーではない。拷問室などという場所で日曜大工に興じるわけもなければ、拷問対象を切り刻むような猟奇趣味も、意義もない。回転する刃の部分がシリコンで作られており、無数の柔らかな凹凸が相手を性的に犯すのだ。</p>
<p>側で見守るルグはひっそりと、『らしくない』と思った――いつものせんぱいなら、いきなり<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>道<rt>・</rt></ruby><ruby>具<rt>・</rt></ruby>を選ばない。</p>
<p>シリコンの刃に粘性の高いローションがかけられ、回転を始め、シアンの股間に押し当てられていく。</p>
<p>「んぁんっ♡　ぁっ！　ぁぁぁあ～～～～っ♡」</p>
<p>拘束衣がきちりと鳴る。シアンは、身動きが取れないなりに腰を前に突き出して、甘い声を上げ始めた。</p>
<p>回転するシリコンの動きは、けっして速いものではない。刃の凹凸をしっかりと味わわせるように、ゆっくりと舐るように回転している。もしもこれが自転車のタイヤなら、ふらふらとバランスを崩してしまうだろう速度だ。</p>
<p>「ぁ～♡♡　これっ、ちょっとくすぐったいっ♡　でもっ、んっ♡　ぁっ、結構いいかもぉっ♡♡」</p>
<p>フランが一見した限り、シアンという女性の性感は、人並みと言っていい。特別敏感というわけではないが、不感というわけでもない。つまり、性拷問に支障はないということだ。フランの手に掛かれば『死んだほうがマシだ』と思えるぐらいの快感を与えることができる。</p>
<p>……それなのに、この余裕は何だ？</p>
<p>フランは、自分の背筋がじりじりと熱くなっていくのを感じた。機械のハンドルを握る手に、余計な力が入っていることに気付く。意識的に力を緩めながら、ハンドルにあるダイヤルを回した。</p>
<p>「ぁん゛んっ♡♡♡　動きっ、速くなってぇぇぇえっ♡♡♡　ぁっ、ぁっあっぁっあっ♡♡♡　ぁぁぁぁあ～～～～っ♡♡♡」</p>
<p>確かに効いている、喘いでいる、筋肉も反射による痙攣を続けている。だけどその態度は、まるで性感マッサージでも受けているかのように穏やかだ。フランの《能力》があれば、ただの強がりかどうかが容易に分かる。彼女のそれは、本物だ。</p>
<p>――なぜ？　自分が助かるとでも思っているのだろうか？　救援、あるいは自力で脱出？　いや、あり得ない。仮に何かあったところで、ここにはViがいるし、自分もいる。そもそも、策を弄しているような心の<ruby>色<rt>・</rt></ruby>をしていない。自分が助かるかどうかなんて関係ない。目の前の女はただ、今の状況を愉しんでいるだけだ。</p>
<p>頭のネジが飛んでいると言っても差し支えない。</p>
<p>「せんぱい。私のほう、少し待ってください。《能力》を捕まえるのに、時間が掛かってます」<br />
「構わない」</p>
<p>フランはルグのほうを振り向くこともなく応えた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ねーぇー♡」</p>
<p>シアンが猫なで声でフランにささやく。</p>
<p>「もうちょっと<ruby>上<rt>・</rt></ruby>のほうもしてよぉ。僕、クリちゃんのほうが感じるんだからさぁ♡」</p>
<p>ふざけている――フランはひっそりと顔をしかめた。拷問を受けている最中、わざわざ相手に自分の弱点を教え、あまつさえおねだりするだろうか。</p>
<p>フランは『それならお望み通りにしてやろう』と、回転するシリコンをクリトリスに押し当てる。拷問対象に拷問をコントロールされているような錯覚を受けたが、首を横に振ってそれを否定した。</p>
<p>「んひぅあ゛っ♡♡♡　ぁ゛っ、すごっ♡♡♡　皮がむけてっ、一気にぃぃぅぁぁぁぁぁああっ♡♡♡　ひゃぅぁぁぁぁぁああああああああんっ♡♡♡」</p>
<p>包皮がむけて、無防備なクリトリスが下から上に、連続でなめ上げられていく。シアンを包む拘束衣のぎちぎちという音が大きくなっていく。</p>
<p>申告通り、彼女のクリトリスは敏感だった。このまま回転するシリコンを押し当て続けるだけで、何の苦労もなく絶頂に至らしめるだろう。</p>
<p>しかし、そのときだ。</p>
<p>「……あ、あれ？」<br />
「どうした？　ルグ」</p>
<p>ルグが何か、戸惑ったような声を上げた。</p>
<p>フランは一度拷問を止める。シアンが『いいところだったのにー』なんて文句を言っているが無視する。そのまま、シアンから目を離すことなく背後の気配を感じ取ると、ルグの疑念、焦燥、緊張……さまざまな感情が感じ取れた。</p>
<p>「……せんぱい。その人の《能力》、『時間を止める』なんかじゃありません」<br />
「……何？」</p>
<p>途端、フランの頬を冷や汗が流れた。</p>
<p>相手の《能力》を測り違えることは、この仕事において致命的だ。今この瞬間に、未知の《能力》によって2人まとめて殺されても不思議ではないのだ。</p>
<p>ルグは緊張したまま、自らの《魔改造》を行使し続ける。目の前では、シアンが『へえ』と関心したように笑っていた。</p>
<p>「これ、たぶん……ただの《肉体強化》です。だけど、とんでもないレベルの。もう、いろんなパラメータが振り切っちゃうぐらいの」<br />
「どういうことだ？　虚偽の登録……いや、そもそも政府のデータ自体、間に合わせで登録されたものだったか」</p>
<p>《肉体強化》とは、あまりにありふれた《能力》だ。以前に見た《感覚強化》と同じように、具体的にどのような部分が強化されるかは各人による。筋力が強くなるのか、無尽蔵のスタミナを得るのか、自然治癒力が強化されるのか。しかしいずれにせよ、《時間停止》とはあまりにもかけ離れた異能であることには違いない。</p>
<p>フランが思考を巡らせ、そして最終的に立てた仮説は、ひどく<ruby>ば<rt>・</rt></ruby><ruby>か<rt>・</rt></ruby><ruby>げ<rt>・</rt></ruby><ruby>た<rt>・</rt></ruby>ものだった。</p>
<p>「例えば、彼女が思いっ切り走ったら、<ruby>ど<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby><ruby>ぐ<rt>・</rt></ruby><ruby>ら<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>速<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>？」<br />
「……分からないです。《能力》が強すぎて、全然」</p>
<p>「もういいよ。理解した」</p>
<p>フランは短い問答で大方を察する。つまり、<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>ま<rt>・</rt></ruby><ruby>ま<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>意<rt>・</rt></ruby><ruby>味<rt>・</rt></ruby>だろう。彼女はただ、動いているだけなのだ。時間が停止したと錯覚してしまうほど、<ruby>別<rt>・</rt></ruby><ruby>世<rt>・</rt></ruby><ruby>界<rt>・</rt></ruby>の速さで。</p>
<p>「あはは！　本当にすごいね、この会社。僕の本当の《能力》に気付くのが、2人もいるなんて！」<br />
「……1人目は、あのクソババアか」</p>
<p>『最初に言っておけよ』と、フランは悪態をつきたくなった。</p>
<p>本当の《能力》が判明したということは、決して彼女の底が知れたというわけではない。あまりに突拍子もない仮説が正しいということは、むしろ規格外の戦闘力の裏付けとも取れる。</p>
<p>「まあ残念ながら、僕の《能力》は、そんなに<ruby>馬<rt>・</rt></ruby><ruby>力<rt>・</rt></ruby>が出ないんだ。速く動くのは得意なんだけどさ。だから、この拘束を引きちぎることもできない」</p>
<p>その言葉は、『逃げ出す気はないから安心しな』と言っているかのようだ。わざわざ自分が不利になることを、平気な顔をして言うだろうか。フランは、目の前の女性がひどくおぞましくて仕方なかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ルグ、君は《能力》の解析を続けて」<br />
「は、はい……」</p>
<p>それから、性拷問が再開される。フランは回転するシリコンを、シアンのクリトリスに当てた。……少し過剰なまでに、速く、強く。</p>
<p>「んぎっ♡♡♡　ぁ゛っ、強、ぉ゛ぉぉぉぉおっ♡♡♡　ぁ、あ゛、ぁ゛～～～～～～～～っ♡♡♡」</p>
<p>シアンの喘ぎ声が明確に変わった。今までのように緩んだものではない。喉に、口に、全身に力が入っているのが分かる。シリコンの刃の回転に合わせて、少し大きめのクリトリスがぴこぴこぴこと跳ねている。</p>
<p>大丈夫、全てが順調だ。手落ちは何一つない――フランは心の中で何度もそう唱えながら、シアンのクリトリスにシリコンの刃を当て続けた。</p>
<p>「ぁ、ぁ、あ゛――♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡　んぐっ、あ――♡♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>それでようやく、シアンが一度目の絶頂を迎える。</p>
<p>全身を包み込む拘束具がぎちぎちと鳴り、つま先が伸びる。噴き出た愛液が回転するシリコンに当たって飛び散った。大丈夫だ、この女も人並みに感じる、ならば問題ない――フランは心の中で唱え続ける。</p>
<p>……それなのに、背筋にまとわり付く妙な寒気は、一体何なのだろう？</p>
<p>「はぁっ、は……♡　ははっ、こんなに気持ちいの、初めてぇ……♡」</p>
<p>これだけ激しい絶頂を迎えておきながら、シアンは笑い続ける。けっして強がりではない、その表情は心の底から本物で、まるでこたえる様子がない。</p>
<p>どうするべきか、フランは策を巡らせる。今まで数多くの拷問を行ってきた経験から、ありったけの選択肢を絞り出す。このまま刃のごとき鋭い快感をぶつけ続けるか、甘く蕩けるような快感にシフトするか、羞恥心をあおってみるか、それとも――。</p>
<p>しかし、そんなあまたの選択肢を全て吹き飛ばすような、静かな衝撃が彼女を襲うのだ。</p>
<p>「――ねえ、君。<ruby>何<rt>・</rt></ruby><ruby>し<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby>？」<br />
「……何？」</p>
<p>その質問は、シアンの口から落とされたものだった。</p>
<p>「いやあ、この会社はすごいよね！　小さいのに珍しい《能力》を持った人が多いし、それ以前に強い人が多いこと。中でもあのおばあちゃんは別格だね、もう笑うしかない強さだったよ」<br />
「その褒め言葉は、あのクソババアに直接伝えたらどうだ」</p>
<p>「……でもさ、あのおばあちゃん程ではないにせよ、君も《特級》の傭兵だよね？　<ruby>ど<rt>・</rt></ruby><ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>し<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>ん<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>仕<rt>・</rt></ruby><ruby>事<rt>・</rt></ruby><ruby>し<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby>？」<br />
「私の名前は、国の『要警戒能力者リスト』には入っていない」</p>
<p>「見てれば何となく分かるよ。仮に、政府にまだ目を付けられてなかったとしても、君、強いよね？　もしかしたら、僕と同じぐらいには」</p>
<p>シアンのまなざしは透明で、深い。まるで全てを見透かすような、性拷問を受けている人間の浮かべるべきでない表情に、フランの息が止まった。</p>
<p>「君は本来、<ruby>表<rt>・</rt></ruby><ruby>舞<rt>・</rt></ruby><ruby>台<rt>・</rt></ruby>に出るべき人間のはずだ。それだけの力を持っているのに、どうして女の子を犯すなんてくだらない仕事をしているのかな？」<br />
「仕方なくやっているだけだ。適正に合っているし、稼ぎも良い」</p>
<p>「……そうやって、自分に言い訳するんだ」<br />
「っ……」</p>
<p>笑みを深めるシアン。奥歯をかむフラン。</p>
<p>「ねえ、本当はさ、もっと僕のこと犯したいんじゃないの？　ほら、おっぱいに思いっ切り吸い付いてさ、私のアソコと君のアソコをこすり付け合ってさぁ♡　そうしたらいいじゃない？」<br />
「そんなわけ、ないだろ……！」</p>
<p>「だってさー、それぐらいしか理由なくない？　分かる？　君は何だかすっごくつらそうな顔してるけどさ。全部ぜーんぶ<ruby>君<rt>・</rt></ruby><ruby>が<rt>・</rt></ruby><ruby>選<rt>・</rt></ruby><ruby>ん<rt>・</rt></ruby><ruby>だ<rt>・</rt></ruby><ruby>も<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby>なんだよ？」<br />
「自分の立場を、理解しているのか……ッ！」</p>
<p>「ふふふ。自分で選んだくせに、被害者面しちゃってさ。君みたいな歪な人間は、そうそういないよ」<br />
「――いい加減にしろッッ！！！」</p>
<p>フランは叫び、シアンの頬を力任せにつかんだ。少し裏返った声は、どこか子どもが駄々をこねる時の声にも似ていた。</p>
<p>「その口、二度と利けなくしてやろうか……ッ！」</p>
<p>それに対して、シアンは笑みを深くする。今のフランにとっては、そのふざけた表情を見るだけでひどくいらいらしてくる。まるで、ひとたび触れるだけで心身を冒していく劇薬のようだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ルグ、《能力》の解析は」<br />
「は、はいっ」</p>
<p>ルグは顔を青ざめさせながら、フランの指示に応える。フランが仕事中にここまで激高したところなんて、ルグは見たことがなかった。</p>
<p>「さ、さっきは《肉体強化》って言いましたけど、具体的には、やっぱり<ruby>速<rt>・</rt></ruby><ruby>く<rt>・</rt></ruby><ruby>動<rt>・</rt></ruby><ruby>く<rt>・</rt></ruby>ことに特化しているみたいです。体を《加速》させるのはもちろん、それに伴って思考の《加速》も……」<br />
「体は分かる。思考、とは？」</p>
<p>「せんぱいは、『タキサイキア現象』って分かりますか。もっと簡単に言えば、<ruby>走<rt>・</rt></ruby><ruby>馬<rt>・</rt></ruby><ruby>灯<rt>・</rt></ruby>です」</p>
<p>フランは、沸き立った頭を無理やり冷まして思考する。</p>
<p>先ほどシアンは、『自分の《能力》はそれほど馬力が出ない』と言っていた。あくまでも速度に特化した《能力》であると考えれば、つじつまは合う。今の処置、彼女をがんじがらめに拘束するというのも、対処法としては実に有効だろう。</p>
<p>そして思い付く――思考の《加速》、ね。</p>
<p>「ルグ、君の《能力》を借りたい」<br />
「はい……」</p>
<p>《魔改造》、それはルグの異能だ。しかし、ルグはそう応えながら、今までの仕事を思い返した――いつも自分が勝手にやってきたけれど、もしかして初めてじゃないか？　この人が自分に、<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>指<rt>・</rt></ruby><ruby>示<rt>・</rt></ruby>を出すなんて。</p>
<p>フランの技巧があまりに卓越しているおかげで、ルグは相手を無力化するだけで十分な仕事をしているのだ。《能力》を性拷問に適した形に改ざんすることは、本来、<ruby>や<rt>・</rt></ruby><ruby>り<rt>・</rt></ruby><ruby>す<rt>・</rt></ruby><ruby>ぎ<rt>・</rt></ruby>だ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「なになに？　次はどんな道具で気持ちよくしてくれるのかなぁ♡」<br />
「……すぐに分かる」</p>
<p>フランが新たに取り出したのは、電動のブラシだった。</p>
<p>日曜大工か何かで使う電動ドリルの先端が、ドリルではなくブラシに換えられている。直径10cmほどの円盤の表面がポリエステル樹脂の毛に覆われていて、電源を入れると回転するのだ。それは屋外のインテリアだとかを洗うために使うものであり、本来、人の体に使うものではない。</p>
<p>しかしフランは、この拷問室に置かれた道具の中で最も苛烈な刺激を与えるそれを、何のためらいもなく手に取り、シアンの股間に押し付けたのだ。</p>
<p>「んぎッ♡♡♡♡　ぁ゛、ぁぁぁぁぁぁぁぁあっ！！！？　これっ、強――ッ♡♡♡♡　ぁ゛ぁぁぁぁああああああああーーーーーーーーッ！！！？」</p>
<p>シアンは悲鳴を上げた。</p>
<p>歯ブラシと同じ素材で作られているポリエステル樹脂の毛は、しかし歯ブラシのそれよりも太く、硬い。下手に使えばただ痛みを及ぼすだろうし、熟達したフランが使っても、その快感はあまりに鋭すぎる。肉体に拒絶反応を引き起こさせるほどだ。</p>
<p>そんな快感が、シアンの秘所を余すことなく削っていく。内股も、会陰部も、膣口も、そしてクリトリスも。無遠慮で強烈なそれは、『陵辱』という言葉がふさわしい。</p>
<p>「っぐっ、ぅ゛ぅぅぅうッ♡♡♡♡　これっ、体っ、おがしぐなりそ――ッ！！！？　ぉお゛♡♡♡♡　ぉ゛ぉ、ぉぉぉぉぉぉおおおおおおッ♡♡♡♡」</p>
<p>気持ちいいはずなのに、あまりに心地よさとは無縁な快感のせいでイケない。そもそもこれが、本当に『気持ちいい』なのか疑ってしまうほどだ。シアンの全身を、脂汗が流れていく。</p>
<p>しかしどんなに鋭くとも、それは紛れもなく<ruby>快<rt>・</rt></ruby><ruby>感<rt>・</rt></ruby>だ。快感は確実に、体に降り積もっていく。全身が内側から緊張し、呼吸が浅くなっていく。</p>
<p>そして快感が肉体の許容量いっぱいまでたまりきった瞬間、フランは電動ブラシを、シアンの秘所からほんの少しだけ浮かせるのだ。</p>
<p>「ひゃぅぁぁぁぁあああああっ♡♡♡♡　いきなりっ、優し、ヒ――♡♡♡♡　ぁっ、ぁぁぁぁぁぁぁあああっ♡♡♡♡」</p>
<p>それは相手の心を読み、何十何百もの性拷問を行ってきたフランだからこそできる、絶妙な調整。ブラシの先端が秘所を優しくくすぐることで、体にたまった鋭い快感が全て、絶頂に至らしめる甘い快感に変わるのだ。</p>
<p>「ぁ゛っ、あっぁっあ――ッ♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　んぐっ、ぅあ゛――♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッッッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>シアンを包む拘束衣から、ぎちぎちぎちというけたたましい音が鳴り響く。秘所から噴き出す体液は、もはや愛液なのか、潮なのか、尿なのかも判別できない。</p>
<p>絶頂の瞬間、フランは電動ブラシをシアンの秘所から遠ざけた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>あまりに激しく、しかしたかだか1回の絶頂。それにシアンは、今までとは違う反応を見せた。</p>
<p>「は、へ……♡♡♡♡♡　ぇ、へ、ぇ……♡♡♡♡♡　へ……♡♡♡♡♡」</p>
<p>うつむかれた顔から、一滴の涎が垂れる。まるで寝起きのように、ぼうっとした表情を浮かべている。そして首を曲げ、左右を見渡してから、口を開くのだ。</p>
<p>「ぁ、ぇ……？　<ruby>今<rt>・</rt></ruby>、<ruby>何<rt>・</rt></ruby><ruby>時<rt>・</rt></ruby>……？」</p>
<p>それは、あまりにも意図をつかみかねる質問だった。しかしその<ruby>意<rt>・</rt></ruby><ruby>味<rt>・</rt></ruby>を十全に理解しているフランは、少し歪んだ答えを返す。</p>
<p>「どうした？　ほんの十数秒程度の絶頂だ」<br />
「へ……？　じゅ、す……？」</p>
<p>そしてまた、回転するブラシがシアンの股間に押し当てられた。</p>
<p>「んぐっ、ぉ゛♡♡♡♡♡　ぉ゛ぉぉぉぉぉぉおおおおおおっ♡♡♡♡♡　ぎッ、ぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>性感というものは、<ruby>経<rt>・</rt></ruby><ruby>験<rt>・</rt></ruby>に大きな影響を受ける。痛みと誤認しかねないあまりに強烈な感覚でも、一度絶頂に至ることができたなら、二度目は容易い。</p>
<p>シアンの体が勝手に、鋭い快感を取り込み、染み込ませ、なじませていく。</p>
<p>「っぐっ、ぁ゛――♡♡♡♡♡　っぁ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぃぎっ、ぃ゛――♡♡♡♡♡　ぎぃぃ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>するとシアンは鋭い快感だけで、絶頂に至る。その反応は先ほどに劣らず大きい。先ほど体液を出したばかりだから、秘所から噴きだす体液の量は今度少なく、代わりに体を一層大きく痙攣させる。</p>
<p>フランはまた、ブラシを遠ざけた。</p>
<p>「ぁ゛、ぇ……♡♡♡♡♡　へっ、へっ、へぇぇ……♡♡♡♡♡」</p>
<p>また、シアンがうなだれる。うつろな表情を浮かべ、よだれを自身の大きな胸に垂らす。</p>
<p>絶頂による余韻と消耗で体が弛緩することは、特段珍しいことではない。しかし、先ほどまで絶頂してなお散々余裕ぶっていたシアンが突然一言も話せなくなるのは、少し異常だ。</p>
<p>そしてまた、端から見れば不可解な問答が行われる。</p>
<p>「これ、あれ？　<ruby>何<rt>・</rt></ruby><ruby>日<rt>・</rt></ruby>……」<br />
「拷問が始まってから、まだ30分もたっていない」</p>
<p>「へ、うそ……」</p>
<p>フランはそう答えてから、またシアンの秘所にブラシを押し当てるのだ。</p>
<p>「ぁあ゛――♡♡♡♡♡　ぁ゛ぁぁぁああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁ゛ぁぁぁぁあああああああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>もはや、絶頂までのタイムラグはなかった。脳が快感を認識した瞬間に、そのまま絶頂する。最初はまだ弱い絶頂から始まるのに、過剰な快感がなだれ込むせいでどんどん強い絶頂となっていき、フランがブラシを離すまでそれが続く。栓が壊れてしまった蛇口のようだ。</p>
<p>三度目の絶頂を迎えてから、シアンはまるで酩酊状態のような滑舌で呟いた。</p>
<p>「そう、か――♡♡♡♡♡　これ、<ruby>思<rt>・</rt></ruby><ruby>考<rt>・</rt></ruby><ruby>が<rt>・</rt></ruby>、《<ruby>加<rt>・</rt></ruby><ruby>速<rt>・</rt></ruby>》<ruby>さ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>――♡♡♡♡♡」</p>
<p>使い慣れた能力故か、あまたの戦闘経験故か、彼女自身の洞察力故か。シアンの理解は早かった。思考の《加速》――フランはそこに着目していた。</p>
<p>死の淵に立つと、思考が速くなる気がするという話がある。ルグが言うには、『タキサイキア現象』と呼ぶらしい。もっと簡単に言うなら走馬灯だ。体験したことのある人間はそう多くはないであろうその現象を、彼女は自在に操ることができる。</p>
<p>しかもその強度は、『速くなる気がする』程度のちゃちなものではない。彼女は、時間が止まったのかと錯覚させるほど速く動ける上に、その速度の中で自身を自在に制御できるほど、思考を速くすることができるのだ。まるで彼女一人だけが<ruby>別<rt>・</rt></ruby><ruby>世<rt>・</rt></ruby><ruby>界<rt>・</rt></ruby>に在るかのよう。《能力》を持ち得ない一般人からすれば、どのような感覚なのかぴんと来るものではない。</p>
<p>それでも思い浮かぶ<ruby>悪<rt>・</rt></ruby><ruby>意<rt>・</rt></ruby>はある――もしも絶頂の瞬間、思考を際限なく《加速》させたら？</p>
<p>「ぁがッ、ぁ゛――♡♡♡♡♡　これ、まず――♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁ゛、ぁぁぁぁあ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>ブラシによる激しい絶頂が、またシアンを襲った。</p>
<p>人間の性的絶頂なんて、本来そこまで長いものではない。一般に言えば、短くて10秒程度、長くても1分続くかどうかといったところだ。しかしそんなわずかな時間でも、人間は至上の幸福、あるいは苦痛を味わうことができる。</p>
<p>そんな瞬きほどの時間が、思考の《加速》によって永久にも等しく引き延ばされていく。</p>
<p>《特級》の傭兵であるフラン。本人自身の戦闘力も間違いなく優秀だが、その《能力》も最高峰だった。故に、引き延ばされる時間も長大。ただの絶頂が、今までの何十倍、何百倍も精神を焼いていく。</p>
<p>「ぉ゛ごっ、ぉ゛――♡♡♡♡♡　ぎっ、ぃ゛ぃぃぃい～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡　ぃ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ゛ッッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>いつしかシアンは、軽口をたたくことすらできなくなっていた。歯を食い縛り、悲鳴を上げ、体液をまき散らしながら絶頂を繰り返すだけ。</p>
<p>そんな彼女のことを、フランは冷たい表情で見つめていた。</p>
<p>「その《能力》、あなたを壊すには1番都合がいいよ。シアン」</p>
<p>人間が性的快感だけで壊れるには、それなりに時間がかかる。しかし、体感時間を無限に引き延ばされたシアンは、本来考えられないほどの速度で心を壊されていく。</p>
<p>この性拷問は、シアンの反応がなくなるまで……否、なくなった後も行われた。</p>
<p>フランはただひたすらに、シアンに快楽を与え続けた。ただそれだけに没頭した。本来凄腕の戦士である彼女が、周囲の気配を感じ取ることすら忘れてしまうほどに――。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ウルツアは会社の休憩室にいた。</p>
<p>初仕事を終えてそのままずっと、眠ることもなく、誰もいない休憩室で昨晩の仕事のことを思い返していた。</p>
<p>「……完全に、足手まといだったじゃねーか」</p>
<p>何もできなかった。</p>
<p>彼女はけっして、戦闘の素人というわけではない。ただ、もっと強いやつがたくさんいた。目線を向けられるだけで、全身の血という血が凍り付いて身じろぎ一つできなくなるようなやつがいた。</p>
<p>腕と脚には包帯、頬には絆創膏。数か所の打撲と、すり傷と、切り傷。大きな争いがあった割には軽症だ。しかし、それは彼女の実力によるものではない。庇われたのだ。ただ何もできずに自分が死ぬだけなら、まだよかった。自分の無能が仲間の足を引っ張る苦痛を知った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「<ruby>ア<rt>・</rt></ruby><ruby>イ<rt>・</rt></ruby><ruby>ツ<rt>・</rt></ruby>は、こんなオレでも抱き締めてくれんのかな」</p>
<p>どうしてだろうか、普段はあんなにムカつくやつなのに――ウルツアの脚が勝手に、<ruby>アイツ<rt>フラン</rt></ruby>を探してさまよい歩いていた。</p>
<p>休憩室を出て、階段を下り、地下1階へ。訓練場の扉を開けるが、そこには誰もいない。ウルツアは彼女のいる場所なんて、休憩室か訓練場しか知らなかった。戻るか――何だか泣き出してしまいそうだ。</p>
<p>だけどその時、ふと廊下にある一つの扉が目に入った。</p>
<p>「……何だこの部屋、倉庫か？」</p>
<p>地下1階にあるのは、訓練場が一つ、各員の装備を置いたロッカールームが男女で一つずつ。それなら、この<ruby>四<rt>・</rt></ruby><ruby>つ<rt>・</rt></ruby><ruby>目<rt>・</rt></ruby>の扉は何だ？</p>
<p>「階段？」</p>
<p>扉の向こうにあった、狭く、急勾配な階段を、ウルツアは下りていく。そして何十段か下りた先にあったのはまた、しかし分厚い鉄の扉。</p>
<p>心が弱っている時は、普段は気にしないことが嫌でも気になってしまうものだ。故に、彼女がその扉を開いてしまうのは、必然だったのかもしれない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「……え？」</p>
<p>その光景は、まるで世界が変わったかのようだった。少なくとも、同じ会社の中だとは到底思えない。</p>
<p>扉の向こうにあったのは、コンクリートがむき出しになった、10畳～12畳ほどの部屋だった。壁際に陳列されているのは、いかがわしい道具の数々。ウルツアには用途がさっぱり分からないものも多い。しかしそんな圧倒的物量は、ただの<ruby>背<rt>・</rt></ruby><ruby>景<rt>・</rt></ruby>でしかない。ウルツアの視線は、ずっと部屋の中央にくぎ付けだった。</p>
<p>「ぉご――♡♡♡♡♡　ぉ゛っ、ぉ゛ぉぉ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　ぉ、ぉ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡」</p>
<p>1人の女性が犯されている。</p>
<p>ウルツアは、彼女に見覚えがあった。戦場で出会った、まるで災害のような傭兵だ。その動きはあまりに速く、ウルツアが彼女に刃を向けた時には既に、自分の喉元に刃が添えられていた。そのときの感覚を思い出すと、今でも全身の血を失ったかのように寒気立つ。</p>
<p>「ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　ぁ、ぉ、ぉ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡」</p>
<p>そんな、自分よりも圧倒的な力を持った女性が、ただみっともなく体液を吹き散らかしているのだ。もはや何か口を利くこともなく、うつろな表情で、全身を力なく痙攣させるだけ。ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃという水音が耳にまとわり付いてくる。彼女は一体、<ruby>何<rt>・</rt></ruby><ruby>時<rt>・</rt></ruby><ruby>間<rt>・</rt></ruby>こんな目に……？</p>
<p>うぶなウルツアとて、性知識が全くないわけではない。これは明らかに<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>と<rt>・</rt></ruby>であるはず。しかし、彼女の認識からは、あまりにもかけ離れた行為だった。女を甚振って悦ぶ下衆な男がいることも知っている。だけどそれとも違う。あまりに無機質的で、まるで処刑のような、色無き色事。艶よりも先に、恐怖を覚えた。</p>
<p>そして、その恐怖の<ruby>根<rt>・</rt></ruby><ruby>源<rt>・</rt></ruby>は――。</p>
<p>「……フラン、何、して……？」<br />
「……ウルツア？」</p>
<p>その恐怖の<ruby>根<rt>・</rt></ruby><ruby>源<rt>・</rt></ruby>は、ぎょろりと見開いた目を、こちらに向けているのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「どうして、ここに来た」<br />
「ぇ、ぁ」</p>
<p>「ここは立ち入り禁止のはずだ。扉に張り紙はなかったかい」<br />
「ぅ、ぁ、ご、ごめ」</p>
<p>冷たい声。普段の、冷たくも優しい声とは違う。本当に冷たくて、ただ冷たくて、自分が拒絶されているかのような声だった。</p>
<p>「……部屋から出なさい。話なら、後で聞く」</p>
<p>ウルツアは何も言えず、ただ後ずさりする。側に立っていた別の女性が『ごめんね』と言いながら、扉を閉めた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ウルツアはふらふらと階段を上り、扉を閉め、休憩室へと戻っていく。</p>
<p>途中でViとすれ違っても、ウルツアは眉をひそめる彼女に気付かなかった。</p>
<p>「…………なに、あれ……」</p>
<p>休憩所のベンチに座って、一瞬で網膜に焼き付いた光景を何度も思い返す。ビデオの一部分だけを再生するように、何度も何度も。しかし何度思い返しても、そこで何が行われているのかは、さっぱり分からなかった。そして思い返すたびに、フランの冷たい表情がウルツアの全身を震えさせた。</p>
<p>せっかく慣れてきたはずの缶ジュースが、まったく味がしない。かた、かた、かた――震え続ける手の中で揺れる缶の中の液体は、糖分を多く含むせいで粘着質な水音を発していて。それがどこかあの部屋で聞こえた音と似ていて、ウルツアの鼓膜に残り続けるのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<div style="padding: 10px; margin-bottom: 10px; border: 1px solid #333333;">
<h3 style="text-align: center;">目次</h3>
<p><a href="https://omonove.com/12818">表紙</a><br />
　<small>#簡単なご案内など</small><br />
<a href="https://omonove.com/12799">第1話 読心 -ノンバーバル-</a><br />
　<small>#クリ責め #電マ #ローションガーゼ</small><br />
<a href="https://omonove.com/12801">第2話 自声愛撫 -ジメツ-</a><br />
　<small>#くすぐり #声我慢 #超音波</small><br />
<a href="https://omonove.com/12803">第3話 非接触絶頂 -ムッツリ-</a><br />
　<small>#ささやき #見せつけ #脳イキ</small><br />
<a href="https://omonove.com/12805">第4話 絶頂引延 -トワノマタタキ-</a><br />
　<small>#シリコンチェーンソー #ブラシ責め #体感時間操作</small><br />
<a href="https://omonove.com/12807">第5話 はじめての</a><br />
　<small>#クンニ #寸止め</small><br />
<a href="https://omonove.com/12809">第6話 感覚遮断 -カイカンノサキオクリ-</a><br />
　<small>#乳首責め #ニップルドーム #クリ責め #電マ #くすぐり #感覚遮断</small><br />
<a href="https://omonove.com/12811">最終話 伝心 -ワタシノココロ-</a><br />
　<small>#キス #胸揉み #電マ #くすぐり #ブラシ責め #感覚共有</small><br />
<a href="https://omonove.com/12813">おまけ</a><br />
　<small>#キャラクターのちょっとした紹介</small></p>
</div>

]]></content:encoded>
					
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			</item>
		<item>
		<title>【第6話】異能バトルものの性拷問師たち</title>
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		<dc:creator><![CDATA[おものべ]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 01 Sep 2023 08:54:45 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[長編小説]]></category>
		<category><![CDATA[【人数】一人に責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【受】女性が責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【攻】女性が責める]]></category>
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					<description><![CDATA[#乳首責め #ニップルドーム #クリ責め #電マ #くすぐり #感覚遮断]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<div style="padding: 10px; margin-bottom: 10px; border: 1px solid #333333;">
<h3 style="text-align: center;">目次</h3>
<p><a href="https://omonove.com/12818">表紙</a><br />
　<small>#簡単なご案内など</small><br />
<a href="https://omonove.com/12799">第1話 読心 -ノンバーバル-</a><br />
　<small>#クリ責め #電マ #ローションガーゼ</small><br />
<a href="https://omonove.com/12801">第2話 自声愛撫 -ジメツ-</a><br />
　<small>#くすぐり #声我慢 #超音波</small><br />
<a href="https://omonove.com/12803">第3話 非接触絶頂 -ムッツリ-</a><br />
　<small>#ささやき #見せつけ #脳イキ</small><br />
<a href="https://omonove.com/12805">第4話 絶頂引延 -トワノマタタキ-</a><br />
　<small>#シリコンチェーンソー #ブラシ責め #体感時間操作</small><br />
<a href="https://omonove.com/12807">第5話 はじめての</a><br />
　<small>#クンニ #寸止め</small><br />
<a href="https://omonove.com/12809">第6話 感覚遮断 -カイカンノサキオクリ-</a><br />
　<small>#乳首責め #ニップルドーム #クリ責め #電マ #くすぐり #感覚遮断</small><br />
<a href="https://omonove.com/12811">最終話 伝心 -ワタシノココロ-</a><br />
　<small>#キス #胸揉み #電マ #くすぐり #ブラシ責め #感覚共有</small><br />
<a href="https://omonove.com/12813">おまけ</a><br />
　<small>#キャラクターのちょっとした紹介</small></p>
</div>

<p>&nbsp;</p>
<h3>第6話 感覚遮断 -カイカンノサキオクリ-</h3>
<p style="text-align: right;">#乳首責め #ニップルドーム #クリ責め #電マ #くすぐり #感覚遮断</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>ウルツアは今日も、訓練場で武器を振るう。</p>
<p>集中していた。雑念はない。姿勢、重心、目線、軌道、位置取り、力のバランス――あらゆる要素が、一振りごとに最適化されていく。最近の訓練は、彼女自身もその成果を認められるぐらいには順調だった。</p>
<p>問題があるとすれば、ここ最近フランが訓練場に現れず、全ての日程が自主鍛錬になっていることだ。</p>
<p>「休日だってのに、随分と精が出るじゃないか」<br />
「……社長」</p>
<p>昼前。休日にもかかわらず訓練場にやってきたのは、フランではなくViだった。今はもう包帯を巻いてはいないが、その額には痛々しい傷痕が残っている。</p>
<p>ウルツアはViに頭を下げた。</p>
<p>「……すんません。オレを庇って、けがさせちまって」<br />
「なに、お互い五体満足で生きてんだ。それでよしとしようじゃないか」</p>
<p>自分の無能が原因で、仲間の足を引っ張ってしまった。罪悪感もあるだろう、無力感もあるだろう。</p>
<p>しかし今のウルツアの表情は、悲壮感とはまるで無縁なものだった。真摯な謝罪をしながらも、その目線は真っすぐに前を向いている。ダイヤモンドよりも硬き意志を宿す表情からは、ふんすという擬音すら聞こえてきそうだ。</p>
<p>そんな彼女の様子を見て、Viは小さく笑った。</p>
<p>「……折れてないみたいだね」<br />
「どういう意味すか」</p>
<p>「たまにいるのさ。失敗して、心を折っちまう新人がさ。年寄りのお節介だが、アンタの様子を見ていたらちと気になってね」<br />
「ああ……」</p>
<p>時と場合によっては、『そんな弱いやつじゃない』と怒っていたかもしれない。しかし、ウルツアは怒ることができなかった。相手が、自分を拾ってくれた、頭の上がらない恩人だから……ではない。</p>
<p>事実、折れかけていたからだ。</p>
<p>「いろいろ、まあ、考えてはいたけど。折れんのは、後にします」<br />
「ほう、どういう意味だい？」</p>
<p>「……ムカつくやつがいるんすよ」<br />
「ムカつくやつ？」</p>
<p>Viが眉をひっそりと持ち上げる。</p>
<p>「オレのことを半人前扱いしやがって。そのことに文句はねぇ、ああ確かにオレは半人前だ。だけど、アイツだって半人前じゃねーか。半人前のくせに、偉そうにオレに。だったらオレが先に一人前になりゃ、アイツに、アイツを……」</p>
<p>ウルツアが思い出すのは、初実践の直前のこと。『まあ、君が半人前の間は、心のケアも多少はするよ』――<ruby>ア<rt>・</rt></ruby><ruby>イ<rt>・</rt></ruby><ruby>ツ<rt>・</rt></ruby>のその言葉は、今思い出すと無性に腹が立ってくる。いつも散々にムカつくやつだけど、その言葉が、今は一番腹立たしい。</p>
<p>『だから、つまり』――何を言いたかったのか分からなくなったウルツアは、今までの文脈をまったく無視して締めくくるのだ。</p>
<p>「あの<ruby>ク<rt>・</rt></ruby><ruby>ソ<rt>・</rt></ruby><ruby>お<rt>・</rt></ruby><ruby>節<rt>・</rt></ruby><ruby>介<rt>・</rt></ruby>をあっと言わせるまで、やめらんねぇ」</p>
<p>その言葉を聞いて、Viはくくくと笑った。</p>
<p>「何すか」<br />
「いや、どいつもこいつも、似たことを言うと思っただけさ」</p>
<p>Viは目を細めて笑ってから、訓練場の壁に寄り掛かる。コーティングがぼろぼろに剥がれた壁をなでて『早いところ修理しなきゃね』と呟くのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>Viは壁に寄り掛かったまま、武器を振るい続けるウルツアに問うた。</p>
<p>「1番ハズレの《能力》って、何だか分かるかい？」<br />
「……何すか？　突然」</p>
<p>「いいから。たまには年寄りの世間話にでも付き合っとくれよ」<br />
「ハズレ、ねぇ」</p>
<p>突然そう聞かれても、ウルツアとしてはいまいちピンとくるものではなかった。</p>
<p>どのような《能力》に目覚めるかは、各人の適正によるものであり、自分の意思で選ぶことはできない。当然、その中には相性があるだろうし、もっと単純な優劣もあるだろう。そうは言っても、その中からピンポイントで『これは最悪だ』と呼べるものが、果たしてあるだろうか。</p>
<p>しかし、Viは何の迷いもなく、その答えを断言するのだ。</p>
<p>「正解は《読心》さ」<br />
「意味分かんねぇすよ。あんなに強えじゃねーか」</p>
<p>《読心》――数ある《能力》の中でも珍しい部類だ。フィクションではありふれた異能だが、不思議と今の世の中では出会う機会に乏しい。</p>
<p>だからこそ、ウルツアに心当たりのある人物は<ruby>1<rt>・</rt></ruby><ruby>人<rt>・</rt></ruby>しかいなかったが、少なくとも『ハズレ』と断定されるような《能力》には思えない。今までの訓練でフランに完敗していたことを鑑みれば、その強さが納得できる。自分がどのタイミングで勝負を仕掛けるか読まれてしまったら、1対1で勝つのは極めて難しくなるのだ。</p>
<p>「そうさね。目に見える破壊力はないが、使い方によっちゃ強力。いや、強すぎるのさ」</p>
<p>ウルツアは、Viの言葉の意味が分からなかった――『弱くはない』はまだ分かる、だけど、『強すぎる』？</p>
<p>「もし、商売の場に<ruby>ア<rt>・</rt></ruby><ruby>イ<rt>・</rt></ruby><ruby>ツ<rt>・</rt></ruby>がいたらどうなる？」<br />
「商売ぃ？　そりゃー、心が読めるんなら有利になるに決まって……」</p>
<p>「したら、国会にでも潜り込ませたらどうなる？　いっそのこと、国の首脳が勢揃いのサミットにでも放り込んでみようか」<br />
「そりゃ……」</p>
<p>「別に、フランじゃなくても構わないさ。そこらのハナタレでも、《読心》が使えさえすりゃ……ね」</p>
<p>『まあ、アイツも大概、ハナタレみたいなものか』――Viはそう笑うが、一方でウルツアは息を詰まらせた。彼女は別に、政治やら何やらに明るいわけではない。むしろ新聞もテレビニュースも見ないぐらいだ。それでも、その意味が分からないほど愚かではなかった。</p>
<p>ただ、他人の心を読む《能力》に目覚めただけ。それ以外は何もかも平凡、いや、それ未満の人間だったとしても、ただ《読心》を持つだけでその価値は――。</p>
<p>「そ。《読心》ってのは、どんな組織でも喉から手が出るほど欲しい《能力》。腕っ節だけでは全てが決まらない今の世の中、強すぎるのさ」<br />
「なら、アタリじゃねーすか」</p>
<p>「いや、ハズレさ」</p>
<p>そこで、Viが虚空を見上げて黙る。それは何かを思い出すような仕草に見えた。</p>
<p>ウルツアはViの言葉を待つ。もう、武器を振るうことをやめていた。</p>
<p>「『ヒーローキャンペーン』って知ってるかい？」<br />
「何すかそれ」</p>
<p>「正式名称は何だったか、『夢見る子どもを応援する！　君もヒーローになろうキャンペーン』とかだったか」<br />
「ダッセー名前」</p>
<p>「まったくさ。とにもかくも、アンタがまだ小さな子どもだった時の話さ。どっかのイカれた企業が始めたキャンペーンでね、親しみのある甘い口説き文句で大量の子どもを集めて、廉価の《能力》開発手術を施すのさ。……たまに現れる優れた《能力者》を、自分とこの兵隊にするためにね」</p>
<p>それは、ほんの少しでも<ruby>裏<rt>・</rt></ruby>を読むことができる人間であれば、聞くだけでもおぞましい内容だった。</p>
<p>異能の存在が明るみになった当時、《能力者》と言えばみんなの憧れの的だった。まるでアイドルを目指すかのように、《能力者》を目指すのだ。自分の子を《能力者》にして、箔を付けたがる親も多かった。ほんの少しお金を払うだけで、もしかしたら誰もがうらやむ強力な《能力》を得られるかもしれない。みんなが、まるで宝くじを買うような気持ちでいた。</p>
<p>……悪意を持った人間からすれば、これほど<ruby>ち<rt>・</rt></ruby><ruby>ょ<rt>・</rt></ruby><ruby>ろ<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>相手はいないだろう。</p>
<p>「フランの家庭は、ごく普通の家庭だった。だけど親の目がくらんじまったのさ。それで<ruby>ま<rt>・</rt></ruby><ruby>と<rt>・</rt></ruby><ruby>も<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>ハ<rt>・</rt></ruby><ruby>ズ<rt>・</rt></ruby><ruby>レ<rt>・</rt></ruby>を引けりゃ、穏やかな家庭に戻れただろうに。アイツはよりにもよって、<ruby>1<rt>・</rt></ruby><ruby>番<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>ハ<rt>・</rt></ruby><ruby>ズ<rt>・</rt></ruby><ruby>レ<rt>・</rt></ruby>を引いちまった」</p>
<p>「親は、どうしたんすか。ヘータイになるのを止めなかったんすか」<br />
「止めただろうさ。<ruby>生<rt>・</rt></ruby><ruby>き<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby><ruby>り<rt>・</rt></ruby><ruby>ゃ<rt>・</rt></ruby><ruby>ね<rt>・</rt></ruby>」</p>
<p>「オイ、まさか……」<br />
「こういう手合いは、帰る場所を残しちゃくれない。良くて人質さ」</p>
<p>その事実に、ウルツアはただ圧倒される。</p>
<p>彼女に、自分の不幸と他人の不幸を比べる趣味はない。故に、ウルツアの人生とフランの人生、どちらのほうが過酷だったかを論じる意味はない。</p>
<p>それでも、彼女は思うのだ――最初からいなかったわけではない、確かに側にいたはずの家族が目の前で殺されるというのは、一体どんな感覚なのだろう？</p>
<p>「だけどさっきも言った通り、《読心》ってのは強すぎる。汚いことをやってるやつには特に有効だろう。だから碌なことにならない。嫌われるのは当然、酷使されながら幽閉されるやつもいるし、命を狙われるやつもいる」<br />
「……それが、フランだってのか」</p>
<p>《読心》はフィクションではありふれた異能だが、不思議と今の世の中では出会う機会に乏しい――ウルツアは、その理由を理解した。見つかったらその大部分が、幽閉されるか、殺されるのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「……アレは本当に、胸クソの悪い仕事だった」</p>
<p>Viのそれからの話は、今日に至るまでのことだった。</p>
<p>Viが仕事で、件の会社を襲撃した。たくさんの《能力者》が彼女を襲った。その中には、兵隊にされた子どもたちがたくさんいた。年齢など、仕事には何の関係もなかった。殺意を持って襲ってくるなら、全員<ruby>始<rt>・</rt></ruby><ruby>末<rt>・</rt></ruby>するしかなかった。</p>
<p>たまたま生き残ったのは、施設の奥深くで幽閉されていたフランだけだった。そしてViは、彼女を拾った。</p>
<p>「おかげで、この国の《能力者》の間では、もはや『ヒーロー』って言葉は禁句さ。うさんくさくなっちまった」</p>
<p>ウルツアはそこまでただ黙って聞き、最後に口を開いた。</p>
<p>「どうして、アイツに拷問師なんてさせたんすか」<br />
「ん？」</p>
<p>「アイツが拷問なんて始めなけりゃ、あそこまで<ruby>拗<rt>・</rt></ruby><ruby>ら<rt>・</rt></ruby><ruby>せ<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby>ことなかったでしょうよ」<br />
「……そうさね」</p>
<p>全ての発端は《読心》という異能だった。たまたま最悪の異能を持ってしまったせいで、嫌われ、幽閉され、命を狙われ、暗惨たる人生を送ってきた。しかし今は、異能に加えてさらに拷問――2種類の嫌悪が、今のフランを苛んでいる。もしもその片方がなければ、少なくとも今よりは<ruby>マ<rt>・</rt></ruby><ruby>シ<rt>・</rt></ruby>だっただろう。</p>
<p>しかしViは、ウルツアの質問に対して首を横に振った。</p>
<p>「それに関しちゃ、アタシが答えるわけにはいかないね」<br />
「教えてくれないんすか」</p>
<p>「その答えが知りたきゃ、代わりにアイツに聞きな」</p>
<p>Viの声音は、どこか拒絶するかのように冷たい。しかしウルツアはそれに怒ることもなく、恐れることもなく、悲しむこともなく、素っ気なく返すのだ。</p>
<p>「なら、いいっす」<br />
「おや、いいのかい」</p>
<p>「答え合わせはしたかったんすけど。だいたい、分かってるんで」</p>
<p>背の小さいウルツアは、背の高いViを見上げて、やれやれとため息を付きながら言うのだ。</p>
<p>「アイツは<ruby>親<rt>・</rt></ruby><ruby>不<rt>・</rt></ruby><ruby>孝<rt>・</rt></ruby><ruby>モ<rt>・</rt></ruby><ruby>ン<rt>・</rt></ruby>っすよ、社長。<ruby>ア<rt>・</rt></ruby><ruby>ン<rt>・</rt></ruby><ruby>タ<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>考<rt>・</rt></ruby><ruby>え<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>と<rt>・</rt></ruby>、ちっとも理解しちゃいねー」</p>
<p>Viの目が見開かれる。その顔には無数の皺が刻まれ、皮膚はとうに乾ききっている。幾十年戦い続け、身も心も擦り切れ、『ちょっとやそっとのことではもう動じることなどない』と思っていた。</p>
<p>そんな老婆の瞳が、少女の言葉に揺らぐのだ。</p>
<p>「……励みな」</p>
<p>Viはウルツアの頭をくしゃりとなでると、ただそれだけを言って、訓練場から立ち去ろうとする。</p>
<p>「社長、もう一つ聞きたいんすけど」</p>
<p>ウルツアが背後から声を掛けても、Viはもう振り返ることもない。ウルツアはそのまま問うた。</p>
<p>「アイツに戦いを仕込んだのは、社長すか」<br />
「ただ、1人で最低限生きていけるだけの世話をしてやっただけさ」</p>
<p>『アタシはいい母親にはなれないね』――Viが最後にそう言って去ってから、ウルツアは『2人とも、道理で強ぇわけだ』と呟くのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>フランが休憩室に来た時、ベンチに座って待ち構えていたのはウルツアだった。</p>
<p>「っ」<br />
「あいさつもなしか？　クソお節介」</p>
<p>「入社当初と、立場が逆になったみたいだ」</p>
<p>フランは踵を返す前にそう言われて、仕方なく休憩室に入った。自販機のジュースを買うこともなく、ウルツアの隣に座ることもなく、隅の壁に寄り掛かる。</p>
<p>「今日は休日だよ。どうして会社にいる」<br />
「テメェもだろ」</p>
<p>「やっておきたい事務仕事があるんだ。それに業種柄、休日でも人はいたほうがいい」</p>
<p>うそだった。ただ、自分の部屋でぼうっとしていられなかっただけだ。</p>
<p>「…………」<br />
「…………」</p>
<p>沈黙。フランは『この時間が苦痛に感じられるのは、自分だけなのだろうか』と思った。まるで上司に叱られる直前の、会社員のような気分だ。目の前にいる相手は年下の後輩だというのに。</p>
<p>すぐにこの場から立ち去ってしまいたい。しかし、フランの体重がつま先にかかると、ウルツアのにらみ付けるような視線が突き刺さってくる。</p>
<p>「社長から、テメェのことを聞いた」<br />
「……あのクソババア」</p>
<p>フランが『具体的に何を？』と聞く必要はなかった。何を告げ口されても顔をしかめたくなるぐらい、彼女の生はほの暗いものだったから。</p>
<p>「くだらねーことで悩みやがって」<br />
「随分と言ってくれるね」</p>
<p>「くだらねーだろ。世の中、やべー《能力》を持ってるやつはごまんといるぜ。やべー使い方をしてるやつもな」<br />
「『みんなやってるから』は、悪事を働く上で最悪の言い訳だ。何よりも愚かで、拙く、恐ろしい」</p>
<p>「難しく考えすぎなんだよ、テメェは」<br />
「……この話は終わりだ。そろそろ黙ってほしい」</p>
<p>フランの声に怒気がこもる。</p>
<p>しかしウルツアは黙らない。</p>
<p>「早い話、だ。テメェは結局、人と話すのが恐ぇコミュ障ってこったろ？　そんで人と話すのが嫌だから、<ruby>あ<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>部<rt>・</rt></ruby><ruby>屋<rt>・</rt></ruby>に引きこもってるわけだ。これほど単純でくだらねー話もないぜ」<br />
「……黙れと言ったはずだ」</p>
<p>「人の心が読めるからって、<ruby>あ<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>部<rt>・</rt></ruby><ruby>屋<rt>・</rt></ruby>を<ruby>巣<rt>・</rt></ruby>にしてるからって。テメェは世の中の全部に嫌われてると思ってやがる。だからテメェはあの時、オレから逃げ出したんだろ」<br />
「……黙れ…………ッ！」</p>
<p>「自分で引きこもったくせに、自分で病みやがって。めんどくせーやつ」<br />
「君に何が分かるっていうんだよッッ！！」</p>
<p>フランの金切り声が響く。</p>
<p>もしも今日が平日なら、オフィスにいる社員に聞かれてしまいそうなぐらい大きな、そして社員が聞いてもそれがフランの声だと分からないような。それだけ悲痛な叫び声だった。</p>
<p>ウルツアは彼女の悲鳴を一身に受け、しかし冷たい声で吐き捨てるのだ。</p>
<p>「分かんねーよ」<br />
「っ……」</p>
<p>「テメェがどんな過去を歩んできたか、話を聞いただけのオレじゃあ全部は理解できねぇ。だけどそんなもん、どーでもいいぜ。テメェだって、オレのことなんて分かんねーだろ。お互いさまじゃねーか」</p>
<p>ウルツアが立ち上がり、フランに近づいていく。</p>
<p>フランは思わず後ずさる。しかし、背後は既に壁だ。</p>
<p>「《能力》も、過去も、仕事も、全部関係ねぇ。オレは今、<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>に<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby><ruby>テ<rt>・</rt></ruby><ruby>メ<rt>・</rt></ruby><ruby>ェ<rt>・</rt></ruby>が気に入らねぇ」<br />
「君は、一体何を」</p>
<p>「――<ruby>オ<rt>・</rt></ruby><ruby>レ<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>心<rt>・</rt></ruby><ruby>を<rt>・</rt></ruby><ruby>勝<rt>・</rt></ruby><ruby>手<rt>・</rt></ruby><ruby>に<rt>・</rt></ruby><ruby>決<rt>・</rt></ruby><ruby>め<rt>・</rt></ruby><ruby>付<rt>・</rt></ruby><ruby>け<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby>って言ってんだよッ！！！」</p>
<p>ウルツアがフランの胸ぐらをつかむ。胸への衝撃と、それ以上に怒りのこもった声に、フランは息を詰まらせた。</p>
<p>「どうしてあの時、オレから逃げたッ！！？　人の心を読めるって知られて、拷問師なんてやってるって知られて、テメェはオレに嫌われると思って逃げやがった！！　それが気に入らねぇッ！！！」<br />
「だって、私は……。私のやってること、は……！」</p>
<p>「フラン」<br />
「っ――！？」</p>
<p>「オレが、テメェのことを嫌ってるか？」</p>
<p>ウルツアの目が、まっすぐにフランを射抜く。</p>
<p>静かな、しかし強い輝きを灯す瞳がまぶしい。フランは反射的に目を背けそうになる。しかしウルツアが、フランの顔をつかんで無理やり正面を向かせた。</p>
<p>「ちゃんと<ruby>見<rt>・</rt></ruby><ruby>ろ<rt>・</rt></ruby>」<br />
「っ！？」</p>
<p>「ちゃんとオレの心を読め」<br />
「や、やめ……ッ！！」</p>
<p>「ちゃんと、奥まで読め」<br />
「ひ――ッ！？」</p>
<p>フランの心がざわつく。</p>
<p>彼女の《読心》は、その意志に関わらず常に発動している。それでも、こうも人の心を奥底まで読むことはなかった。だって、こちらが心を読めたところで、向こうが心を曝け出してくることなんて、今までなかったのだから。</p>
<p>普通の人間なら、心を読まれるなんて分かったら、どうあっても嫌悪するものだ――その心の色は、恐い。嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ！　見たくない、見たくない見たくない見たくない見たくない見たくない！？</p>
<p>……それなのに。</p>
<p>「どうして、君は、そんな……」</p>
<p>ウルツアは確かに怒っていた、悲しんでいた。煮えたぎるマグマと絶対零度の氷塊が混在したような、ぐちゃぐちゃの感情を持っていた。だけどその心のどこを見渡しても、フランに対する嫌悪という感情なんて一欠片も見当たらなくて。</p>
<p>むしろ。</p>
<p>「おかしいだろ……！？　だって、君は、私、は……ッ！！？」</p>
<p>フランの瞳が揺れる――どうしてこの子はこんなにも、自分のことを<ruby>想<rt>・</rt></ruby><ruby>え<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby>んだ？</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「――テメェは、その《能力》で<ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>ろ<rt>・</rt></ruby><ruby>ん<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>や<rt>・</rt></ruby><ruby>つ<rt>・</rt></ruby><ruby>ら<rt>・</rt></ruby><ruby>を<rt>・</rt></ruby><ruby>救<rt>・</rt></ruby><ruby>っ<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby><ruby>き<rt>・</rt></ruby><ruby>た<rt>・</rt></ruby>んだろ」<br />
「……何？」</p>
<p>それは、フランにとって甚だ予想外な言葉だった。<ruby>救<rt>・</rt></ruby><ruby>う<rt>・</rt></ruby>――まるで心当たりがない。だって彼女が行ってきたのは拷問なのだから。</p>
<p>「もしも、<ruby>テ<rt>・</rt></ruby><ruby>メ<rt>・</rt></ruby><ruby>ェ<rt>・</rt></ruby><ruby>以<rt>・</rt></ruby><ruby>外<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>や<rt>・</rt></ruby><ruby>つ<rt>・</rt></ruby><ruby>ら<rt>・</rt></ruby>に拷問されたら、そいつは普通どうなるんだよ」<br />
「それは……」</p>
<p>想像もしたくない。本来の拷問というものは、殴られ、蹴られ、絞められ、切られ、焼かれ、犯され、孕まされ――情報を吐いた後でも、結局殺される者も少なくない。</p>
<p>「テメェは、拷問で相手を傷つけない。もしもテメェがあの仕事をやってなかったら、何人ものやつらが他のところで拷問されて、死んでる。テメェは、テメェの立場で、テメェにできることで、そいつらを守ってきたんだろ」<br />
「……そんなの、考えたことも、なかった」</p>
<p>フランは目を見開いたまま、ぽつりと呟いた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>……本当だろうか？</p>
<p>『――あれじゃ、だめだよ。Vi』</p>
<p>フランが初めて拷問という現場を見た時、南雲トキという女性が死に向かっているのを見た時、何の意図があってかの現場を否定しただろうか。</p>
<p>Viに命じられ、南雲トキへの拷問を終えた直後のこと。お節介な彼女は、『君は拷問に向いていない』と言った。『絶対にこの先苦しむことになる』と言った。『どうしてこんな汚れ仕事を引き受けたのか』と言った。</p>
<p>フランは一生懸命に考えて答えた。</p>
<p>『あのクソババアをあっと言わせるまで、やめられません』</p>
<p>いつかViを見返してやりたい――それは確かに本音だ。だけどもっと<ruby>素<rt>・</rt></ruby><ruby>朴<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>理<rt>・</rt></ruby><ruby>由<rt>・</rt></ruby>が、彼女の根底にあったはずだ。</p>
<p>『……それと』<br />
『それと？』</p>
<p>フランの記憶がよみがえる。あの時、あの人と最後に、どんな言葉を交わしただろう――ああそうだ、そうだった。どうして忘れてしまったのだろう。</p>
<p>『――<ruby>あ<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>た<rt>・</rt></ruby><ruby>が<rt>・</rt></ruby><ruby>男<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>人<rt>・</rt></ruby><ruby>た<rt>・</rt></ruby><ruby>ち<rt>・</rt></ruby><ruby>に<rt>・</rt></ruby><ruby>殺<rt>・</rt></ruby><ruby>さ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>は<rt>・</rt></ruby>、<ruby>嫌<rt>・</rt></ruby><ruby>だ<rt>・</rt></ruby><ruby>と<rt>・</rt></ruby><ruby>思<rt>・</rt></ruby><ruby>っ<rt>・</rt></ruby><ruby>た<rt>・</rt></ruby><ruby>か<rt>・</rt></ruby><ruby>ら<rt>・</rt></ruby>』</p>
<p>それこそが、彼女があえて裏舞台に身を投じた理由だったはずだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「社長は、テメェだから拷問を任せたんだ。男に犯されて死ぬ間際の敵を救おうなんて思ってる、バカみてーにお人好しで、クソお節介なテメェだから」<br />
「そんな、だって……っ？　でも、私、は……」</p>
<p>「オレが慰めようと、ホラ吹いてると思うか」<br />
「……思わ、ない」</p>
<p>「なら、誇れよ。テメェはちゃんとその《能力》で、人を救ってきたんだ」</p>
<p>それは無垢な少女の好意的な解釈に過ぎない。物事のほんの一面であり、それだけで行い全てを正当化していいわけがない。</p>
<p>それでも、自分の生をほんの少しでも肯定してもらえたのなら――。</p>
<p>「っ、ぁ……」<br />
「はっ、泣いてやんの」</p>
<p>「ぅ、うるさ……！　っ、ぁ、っ……。ぅ、ぐすっ……！　ぁぁ、ぁぁぁ……！」</p>
<p>ウルツアは悪態をつきながら、フランのことを優しく抱き締める。それはいつの日か、フランがウルツアを抱き締めた時よりも乱暴に、しかし強く、温かく。</p>
<p>フランの目から涙が止めどなく零れる。どれだけ我慢しようと思っても止まらない。それは、これまでの半生で溜め込み続けた涙を、全て流すかのようだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ごめん、君に、こんな」<br />
「あー。いいよ、そのままにしてろ」</p>
<p>「……うん」</p>
<p>長い長い垂泣の後、フランとウルツアは休憩室のベンチに座っていた。立ったまま泣き続けることもない――ウルツアがフランのことを抱きかかえて、無理やり座らせたのだ。</p>
<p>フランは既に泣きやんだが、ウルツアの細い腕に抱き締められたまま、目を細める。大の大人が、あんなにもわんわんと泣くだなんて――恥ずかしくは思うけれど、それ以上に心地いい。人に抱き締められるというのは、こうも心安らぐものだったのか。</p>
<p>思い悩んでいた時間が長かっただけに、気が緩む。フランは無意識のうちに、自分の頭をウルツアの胸元にこすり付けた。</p>
<p>「っ」</p>
<p>ウルツアの肩がびくりと跳ねる。しかしフランはそれに気付かず、ぐりぐりと頭を押し付け続ける。人と触れ合うのが温かくて、思わず猫のように喉を鳴らす。</p>
<p>「っ……、っ……！？」</p>
<p>ウルツアの肩がぴく、ぴくと跳ねる。フランの視界の外で、ウルツアの顔が真っ赤に染まっていく。</p>
<p>堅物だった女性が甘える様子。スーツ越しにでも伝わる、温かく柔らかな体の感触。それらは、彼女がれっきとした<ruby>女<rt>・</rt></ruby><ruby>性<rt>・</rt></ruby>であることを認識させるには十分なもの。おまけに、散々恐怖の対象だった拷問が、しかし元を正せば性行為であるという事実が合わさる。</p>
<p>つまるところ、ウルツアの胸元で甘えている人物は、大人の女性で、しかも普段からだいぶエロいことをしているわけで……。</p>
<p>「……え？」<br />
「っ――！」</p>
<p>フランが声を上げた時には、ウルツアの心の<ruby>モ<rt>・</rt></ruby><ruby>ノ<rt>・</rt></ruby>はすっかり硬くなっていたのだった。</p>
<p>そしてフランは、そんなウルツアの心を自然と読んでしまっていて――。</p>
<p>「ええと、ウルツア、君さ」<br />
「し、し、仕方ねーだろ！？　元はといえば、テメェが……！！」</p>
<p>「こんな状況で、そんなことある？」<br />
「な、慰めてもらってる分際で、文句あんのかよぉ！？」</p>
<p>「文句はないけどさ。でも、締まらないなぁって」<br />
「うううううるせぇッ！！」</p>
<p>ウルツアが顔を真っ赤にしながら怒鳴るが、彼女の<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>は収まることを知らない。それどころか、時間がたてばたつほど意識してしまうのだろうか、フランの読み取れる心の色がどんどん濃くなっていく。</p>
<p>フランにとっても、ウルツアにとっても、あまりに予想外の状況だ。先ほどまで、あんなにシリアスな話をしていたというのに――むしろ、今までが非日常的だったからこそ、心のタガが外れて<ruby>別<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>非<rt>・</rt></ruby><ruby>日<rt>・</rt></ruby><ruby>常<rt>・</rt></ruby>にも容易に飛び移ってしまえるのだろうか。それはウルツア<ruby>だ<rt>・</rt></ruby><ruby>け<rt>・</rt></ruby>の話ではなかった。</p>
<p>「はぁ……」</p>
<p>ウルツアと出会ってから、フランはため息を付いてばかりだ。しかし、このため息は、今までのどのため息よりも温かく、そしてどこか緊張していた。</p>
<p>「その気があるなら、夕飯を済ませてから、<ruby>下<rt>・</rt></ruby>においで」<br />
「え」</p>
<p>「……<ruby>お<rt>・</rt></ruby><ruby>礼<rt>・</rt></ruby>だよ。それ以上の意味はない」</p>
<p>ウルツアがぽかんとした表情のまま動かない。明らかに、脳の処理が追い付いていない。</p>
<p>しかしフランも、わざわざ彼女の理解が追い付くまで待つことはなかった。『あの寮の壁は、あまり厚くないんだ』――そう言って、フランは休憩室から出ていってしまう。</p>
<p>「ま、マジ……？」</p>
<p>休憩室に取り残されたウルツアは、真っ赤な顔で独り呟くのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「……本当に来たんだ」<br />
「どういう意味だよ」</p>
<p>ウルツアが拷問室の扉を少し遠慮がちに、ゆっくり開くと、そこには背中を向けたフランがいた。フランは顔を向けないまま呟いた。</p>
<p>「考える時間はあったでしょ。冷静になって、『やっぱりやめた』ってなると思ってた」<br />
「……んなわけねーだろ」</p>
<p>「『一度約束した手前だし』なんて気にする性格でもないよね？　少しは、一度立ち止まって考える癖を付けたほうがいい。勢い任せに突っ走ると、碌なことにならないよ」</p>
<p>フランは顔を背けたままそんなことを言い続ける。一見すると小煩い普段の彼女らしくも聞こえるし、どこか拒絶するようにも聞こえる。だけどウルツアがフランの前方に回り込んで顔をのぞき込むと、彼女の頬は薄らと赤みがかっていて……。</p>
<p>「そんな『ほっとした』みたいな顔じゃあ、何言っても説得力ねーよ」<br />
「……服は向こうっ」</p>
<p>フランは顔を真っ赤にして、部屋の隅に置かれた小さなバスケットを指差した。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「何してんだよ、テメェも脱げよ」<br />
「え？」</p>
<p>「あ？」<br />
「あ、そ、そうだね」</p>
<p>ウルツアは、どうしてフランがこんなにも挙動不審なのか分からなかった。しかし、それは必然だ。</p>
<p>今までフランは、何十人、何百人もの性拷問を行ってきた。しかし性拷問は、相手に<ruby>快感<rt>くつう</rt></ruby>を与えればそれでよく、わざわざ自分が服を脱ぐ必要なんてなかったのだ。だからフランは今日初めて、しかも想定外に、他人に裸を晒すことになる。歪な性経験が、妙な気恥ずかしさを生んでいた。</p>
<p>「色気ねぇ下着……」<br />
「うるさいよ。本来、他人に見せないんだ。それに、これは透けにくい」</p>
<p>フランが少し控えめな態度で曝け出したのは、ベージュの下着だった。ファストファッションの店で売られているような、ただひたすらに機能性を追求した、一切の飾り気のないデザイン。フランは女性にしてはやや背が高いほうではあるが、胸や尻は決して大きいほうではない。彼女の下着姿は、いまいちあか抜けないものだった。</p>
<p>フランは少し逡巡してから、『こんな下着じゃ、脱いだほうがマシだな』と呟いて裸体を晒した。薄いピンク色の小さな乳首、陰毛が薄く生えそろった秘所が露出する。</p>
<p>「そういう君は、随分と服装に気を遣うよね。ウルツア」<br />
「ダセー服着てるとナメられんだよ」</p>
<p>フランは少し表情をゆがめながら言った。ひん曲がった口からは、『ぐぬぬ』という声が聞こえてきそうだ。</p>
<p>ウルツアが着けていたのは、黒を基調としながら、所々に赤色の装飾が散りばめられた下着だった。彼女は背が低く、胸も尻も小さい。しかし貧相な体なりに似合うよう選び抜かれた大人びたデザインは、なかなか<ruby>様<rt>・</rt></ruby>になっている。</p>
<p>ウルツアはフランの裸体を見て、目を見開き、首をかしげ、彼女と自身の下半身を交互に見比べてから、ようやく下着を脱ぐ。フランよりも濃いめの、鮮やかなピンク色の乳首。彼女の下には、毛が生えていなかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「はっ。まさか性拷問師サマが、こんなうぶな有様晒すなんて思わなかったぜ」<br />
「そういう君は、経験があるのかな」</p>
<p>「……あってたまるかよ」<br />
「なら一緒じゃないか」</p>
<p>2人は言い合うが、いつまでも裸のままそんなことをしてはいられない。</p>
<p>フランが半ば無理やり、ウルツアを抱き締める。ウルツアの顔が、一気に、真っ赤に染まった。</p>
<p>「な、ななななな何しやがんだテメェっ！？」<br />
「一応、年上だし。私がリードしようかと思ったんだけど」</p>
<p>「だ、だだからって、こんな……！？」<br />
「お風呂に入れられる猫じゃないんだから、暴れないでよ。少しくすぐったい」</p>
<p>フランとウルツアは今までに二度、抱き合ったことがあった。一度目は『心のケア』だとかいう名目で、二度目はつい先ほど。しかしどちらにせよ、衣服越しだった。</p>
<p>今の状況はだいぶ違う。はっきりと性的な営みとして、まだ直立したままだがベッドの傍らで、裸で抱き合っている。その温もり、その柔らかさは今までの比ではない。ウルツアの全身から、あっという間に力が抜けていく。</p>
<p>しかし、彼女が弛緩したタイミングを狙って、フランは彼女の耳にそっと触れるのだ。</p>
<p>「ひぅっ！？」</p>
<p>ぞくりとした感触に、ウルツアの腰が大きく跳ねた。ウルツアは間抜けな悲鳴を上げてしまったことに奥歯をかみ、全身にぎゅっと力を込めるが、無駄な努力でしかない。</p>
<p>フランは身をかがめ、ウルツアの耳にふうと息を吐く。</p>
<p>「ひぁっ！？　てめっ、やめ……！？」<br />
「ちゅっ、じゅる……。れろっ、ん……っ」</p>
<p>「ぅぁっ、ひ……！？　ぁ、ひゃっ、ぁぁ……！」</p>
<p>フランがウルツアの耳をなめる。あまり唾液でべっとりと汚してしまわないように、呼吸で舌先をいくらか乾かしてから。それと同時に、回した左手で反対側の肩をなでる。ウルツアが全身に込めたはずの力が、温かなお湯に突き落とされた砂糖菓子のように、あっという間に溶けて霧散してしまう。</p>
<p>性拷問とは少し勝手が違うとはいえ、やはりフランは<ruby>熟<rt>・</rt></ruby><ruby>達<rt>・</rt></ruby>していた。</p>
<p>「ずっと前から思ってたんだけど。君、やっぱり声かわいいね」<br />
「かわ――っ！？」</p>
<p>ウルツアの顔がぼっと赤く染まった。『かわいい』という言葉が嫌に鼓膜に貼り付いて、離れようとしない。</p>
<p>「いつも無理してドスを利かせてさ。普通に話せばいいのに」<br />
「てめっ、ばかにして……！　ひひゃっ、ぁぅっ、ぁぁぁ……！？」</p>
<p>ウルツアがフランに語る機会こそなかったが、彼女が低い声を出すのは健気で稚拙な処世術だった。彼女が住んでいた場所は、力のない小娘だと侮られるのが文字通り命取りだった。</p>
<p>彼女とて、今はもう無理に声を低くする必要がないというのは分かっている。ここは傭兵会社でありながら、存外に平和で、みんな過保護だ。しかし、今更女っぽい声を出すというのは、何だか、ものすごく恥ずかしい。</p>
<p>「っていうか、オレがされる側なんかよぉ……っ」<br />
「そういえば、決めてなかったね。まあ、君が愉しんでるみたいだし、これでいっか」</p>
<p>「誰が、たのしんで……！？　ひぁっ、<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby>は、いきなりさわんな……！？」</p>
<p>ウルツアは無理をしてでも声を低く保とうとするけれども、フランに右手で内股をなでられると、どうしても甲高い悲鳴を上げてしまう。</p>
<p>そして内股のくすぐったさにバランスを崩し、ベッドに押し倒された。</p>
<p>「ウルツア、知ってるかい？」<br />
「な、何をだよ……」</p>
<p>「……世の中にはね、そうやって強がっている子をいじめたくなってしまう人もいるんだよ」<br />
「っ……」</p>
<p>欲望のにじみ出たその言葉、発情した雌の獣じみたその表情は、いつものフランらしくない。ウルツアは思わず、キスができそうな距離で微笑むフランに見とれてしまう。『ティーンズラブとかに出てくる乙女かよ』――ウルツアは心の中で無理やり悪態をつくが、目を離すことができない。</p>
<p>しかし、それが決定的な隙となった。</p>
<p>次の瞬間、ウルツアは両手に圧迫感を覚える。いつの間に、自分は両腕を<ruby>上<rt>・</rt></ruby><ruby>げ<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby>いた？　――しかし下ろせない。フランがあっという間に、ウルツアの両手首を拘束具で固定してしまったのだ。</p>
<p>「な、何だこりゃ――」</p>
<p>ウルツアが驚いている間も、フランの行動は素早い。足首に同じような圧迫感を覚えて、彼女はあっという間に両手足を拘束されてしまったことを理解した。彼女が寝ているベッドには、四本の脚につながるように、革具と鎖で作られた拘束具が取り付けられてあったのだ。</p>
<p>「おいテメェっ！？　ふっざけ――！　外せコラァッ！！」<br />
「こういう動作は、仕事での経験が活きるものだね」</p>
<p>「言ってる場合かッ！！　くそっ、こんなちんけな拘束具なんて……！」</p>
<p>ウルツアは拘束具を引きちぎろうとした。身動きが取れないことによる、正常な防衛反応だ。</p>
<p>この拷問室で使われている拘束は、大人のおもちゃの店で売られているようなちゃちなものではなく、腕っ節の強い傭兵でも解けないほど強固な特注だ。それでも、ウルツアの痛みを無視する《能力》があれば、自身の損傷を厭わず脱出することもできたかもしれない。</p>
<p>しかし、フランが耳元でささやくのだ。</p>
<p>「駄目、暴れないで」<br />
「ひぅ――」</p>
<p>「動いちゃ駄目だよ」</p>
<p>優しく、しかし鋭い声。それだけで、ウルツアは抵抗できなくなる。</p>
<p>精神的な拘束――別にフランが、声を操る《能力》を持っているわけでもない。それなのに、ウルツアはフランに絶対的なイニシアチブを握られているような気がした。そしてそう思うと、不思議と背筋がぞくぞくするのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>幸か不幸か、フランの性に対する認識は歪んでいた。あまりにも多くの性拷問を行ってきた彼女にとって、性行為のスタンダードは<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby>だった。</p>
<p>故に、ただ手や口で愛して心地よくなるだけの行為で満足はしない。フランはベッドから手の届く距離にある棚の上から、手近な<ruby>道<rt>・</rt></ruby><ruby>具<rt>・</rt></ruby>を取った。</p>
<p>「な、なんだよ、<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>ぇ……！？」</p>
<p><ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>は、ウルツアが見たことのない道具だった。</p>
<p>シリコンで作られた、二つの<ruby>お<rt>・</rt></ruby><ruby>わ<rt>・</rt></ruby><ruby>ん<rt>・</rt></ruby>のようなもの。それは実に女性の乳房にフィットしそうな形で、内側にはピンクローターがくっ付いている。初めて見たウルツアでも、その<ruby>使<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>道<rt>・</rt></ruby>は容易に察せた。</p>
<p>「ちょ、ちょっと、待……！」<br />
「してほしいって言ったのは、君のほうだろう？」</p>
<p>「言ってねぇ！？」<br />
「そうだっけ？　まあいっか」</p>
<p>ウルツアが拘束具をぎしぎしと鳴らすが、フランの手から逃れることはできない。おわん型の道具が、ウルツアのほぼ真っ平らに近い乳房に貼り付けられていく。</p>
<p>中に仕込まれた、まだ振動すらしていないピンクローターの硬くひんやりとした感触が、ウルツアの腕を鳥肌立たせた。</p>
<p>「ねえ、分かる？」</p>
<p>フランが、ウルツアの顎を持ち上げた。</p>
<p>「私、今、すごい興奮してる……」<br />
「分かってんだよ、そんなことぉ……」</p>
<p>今までの、冷たく優しい態度とは全然違う。どろどろに蕩けた、熱くて、今にでも喰らい付いてきそうな肉食獣のような表情。必死に押さえ付けてきた欲望が姿を現している。</p>
<p>そして、それはウルツアも同じだ。</p>
<p>「っ……♡」</p>
<p>少し怖くて、だいぶ焦っていて。だけどそれ以上に、うれしくて、悦んでいて。ウルツアは、『コイツはそんな気持ちも全部読んでしまうんだろう』と思った。『だから、コイツはどんどん我慢できなくなってしまうんだろう』と思った。そしてそう思うほどに、ウルツア自身もまた興奮してしまう。</p>
<p>お互いの感情が、お互いの感情を煽り続ける。それは終わりのない螺旋階段を駆け上がり続けるようだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「っあぅ――！？　ぁ、これ……！　ぁ、ぁぁ、ぁぁ……！？」</p>
<p>フランが<ruby>道<rt>・</rt></ruby><ruby>具<rt>・</rt></ruby>のスイッチを入れた瞬間、小さな乳首にむず痒さがやってきた。</p>
<p>おわん型のシリコンの中にあるローターが振動している。その挙動は、ウルツアの予想とは何一つ違わないものであり、そして予想通りに気持ちいいものだった。</p>
<p>「っく……！　ひぅっ！？　これ、止めっ、ぁぁあ……！」</p>
<p>ローターの振動は、携帯端末の通知よりも優しい。今日に至るまでずっと戦いばかりの人生を送ってきて、性とは無縁で、性感帯の開発なんてこれっぽっちも進んでいないウルツアには、ちょうどいい刺激だ。</p>
<p>しかし、彼女が身じろぎをすると時折、シリコン内部のローターが揺れて当たり具合が変わる。それに驚き、少し甲高い悲鳴を上げてしまう。この不意を突くような刺激は、紛れもなく自分のせいなのに――ウルツアに自覚こそあれど、体のびくつきを抑えることはできない。</p>
<p>独りで悶える彼女のことを、フランが見下ろしていた。</p>
<p>「ねえウルツア、どうしてこの道具を使ったのか分かる？」<br />
「し、知らね、よぉ……！？　そんなっ、それどころ、じゃ……！」</p>
<p>「<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>っ<rt>・</rt></ruby><ruby>ち<rt>・</rt></ruby>は、私が自分でシたかったからだよ」<br />
「っ～～～～！！？」</p>
<p>そう言ってフランは、ウルツアの、毛のないつるつるの秘所に触れた。</p>
<p>ウルツアの背筋が大きくえび反りになる。すっかり愛液でぐしょぐしょに濡れているのが、ひどく恥ずかしい。</p>
<p>「君はたぶん、<ruby>中<rt>・</rt></ruby>の経験はないよね」<br />
「っく、ぐ……！？　ひぁ、あ、ぁぁ……！！」</p>
<p>「大丈夫だよ。<ruby>外<rt>・</rt></ruby>だけでも、いくらでも気持ちよくなれる」</p>
<p>フランがウルツアの秘所に触れた瞬間、彼女の内股の筋肉が過剰に緊張した。未経験の敏感な部位に触れられることに対する、少女として至極当然の反射だ。</p>
<p>それを察したのか、フランが彼女の膣内に指を挿れることはなかった。しかしその分、執拗なまでの愛撫が<ruby>外<rt>・</rt></ruby><ruby>側<rt>・</rt></ruby>を襲うことになる。</p>
<p>「なんっ、で……！　そんな、変なとこ、ばかりぃ……！？」<br />
「普通だよ。最初からいきなり<ruby>真<rt>・</rt></ruby><ruby>ん<rt>・</rt></ruby><ruby>中<rt>・</rt></ruby>を触らないで、周囲から始めて、体の準備ができてから触るんだ。こういうふうにね」</p>
<p>「ひゃぁあっ！！？　やっ、て、てめっ！？　っ、ぅぅぅぅうっ！！？」<br />
「ほら、声を我慢しない。地声でいいから。別に、ばかになんてしないよ」</p>
<p>内股を優しく引っかき、愛液の滴が漏れ始めたら膣口をなでる。すると、ウルツアの体が『この人になら触られても大丈夫だ』と認識して、筋肉を弛緩させていく。しかしその刺激は、彼女がうっとりできる程度をわずかに越えたものだ。『乱されている』という感覚が、ウルツアに羞恥心と被支配感を覚えさせる。</p>
<p>そして慎ましやかなクリトリスが勃起した頃合いを見計らって、フランは薄い包皮ごとそれを口に含むのだ。</p>
<p>「ふやぁぁぁぁぁあっ♡♡♡　ちょっ、これ、しゃれにならっ、ぁぁぁぁぁああああっ！！？」　</p>
<p>柔らかく、しかし粘性のある舌遣いが、敏感すぎるクリトリスを蕩かされるような気分にさせる。ウルツアの反応が、目に見えて大きくなる。</p>
<p>「ひゃっ、ぁっ、ぁあっ♡♡♡　だめっ、これっ、耐えられっ！！？　ひっ、ひゃ、ぁぁぁぁぁぁあっ♡♡♡」</p>
<p>わざと低くした声だとか、乱暴な口調だとか、強がりな態度だとかを忘れ去るぐらいだった。ウルツアはもう、甲高い声で喘ぎ、いやいやと首を横に振るだけだ。</p>
<p>「くひっ、ひゃっ、ぁ――♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～！！！　ひぅ――♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡」</p>
<p>小さな体が大きく跳ねる。腰が浮き上がって、自分の秘所をより強くフランの口に押し当ててしまう。</p>
<p>ウルツアが自身の半生を思い返してみたら、もしかしたら性的に絶頂したことなんて、生まれて初めてかもしれない。『股間をいじくられるのがそんなに好きかよ』とばかにしていたこともあったかもしれない――だけど、ああ、かけがえのない相手にイカされるというのは、こんなにも幸せになれることなのか。</p>
<p>絶頂の余韻が引いていくまで、実時間にして数十秒かかった。ウルツアの体感時間では、2～3分はイキっぱなしだったと思った。それだけ大きな絶頂だった。たった1回の絶頂で大いに満足していたウルツアのことを、フランが見下ろしていた。その時にはもう、乳首をいじめる道具の動きは止まっていた。</p>
<p>「お疲れ様、ウルツア」<br />
「……おう」</p>
<p>ウルツアは喉に力を込めて、無理やり低い声で返す。</p>
<p>フランは一見、優しく微笑んでいるように見えた。しかしウルツアは、彼女の瞳の奥にある<ruby>思<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>を容易に感じ取っていた。</p>
<p>しかし、ウルツアが荒立った息を整えて口を開こうとした瞬間、それよりも早く、フランが口を開くのだ。</p>
<p>「ねえ、ウルツア」<br />
「……ぁ？」</p>
<p>「――もっと、思いっ切りしてもいいかな？」</p>
<p>『やっぱりな』と、ウルツアは思った。だってフランが、自分の欲望を必死に押さえ付けているような表情をしていたから。</p>
<p>今までの彼女たちであれば、今日の情事はもうおしまいだったかもしれない。まさか自分から言い出すなんて――その予想外が、ウルツアにとって何だか無性にうれしかった。</p>
<p>「……好きにしろよ」<br />
「でも」</p>
<p>「オレがテメェなんかのやることに、根を上げると思うか？」</p>
<p>ふとウルツアの脳内を過るのは、初めて性拷問の現場を目撃してしまった時のこと。</p>
<p>怖い。だけど、それがフランによって齎されるものなら――もしもこの返事のせいで苦しむことになろうとも、彼女はきっと後悔しないだろうと思った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>フランが取り出したのは、電動マッサージ器だった。</p>
<p>いかにも胸を責め立てるのに都合がよさそうなおわん型の道具と比較すると、先端にこぶし大の球体が付いただけのシンプルな機械は、うぶなウルツアにはかえって用途が分からないかもしれない。</p>
<p>しかし、フランがスイッチをかちりと入れて振動音を鳴らすと、ウルツアはその使い方を理解した。<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>、やべぇかも――電動マッサージ器の音は、両胸に取り付けられたローターの音よりも、圧倒的に大きかったのだ。</p>
<p>「っ」</p>
<p>ウルツアの喉からごくりという音が鳴る。緊張しながら、電動マッサージ器を持つフランの<ruby>右<rt>・</rt></ruby><ruby>手<rt>・</rt></ruby>を見つめる。しかし予想外の刺激がやってくる。マッサージ器を持っていない<ruby>左<rt>・</rt></ruby><ruby>手<rt>・</rt></ruby>が、ウルツアの股間を包み込んだのだ。</p>
<p>「ふゃ♡♡　ぁ――♡♡」</p>
<p>火照った手のひらに股間を包まれるだけで、あまりの心地よさに腰が浮いてしまいそうだ。そして股間を包み込んだ左手の上から、電動マッサージ器が当てられた。</p>
<p>「ぁ、ぉ゛っ♡♡♡　ぉ、ぉぉぉぉおっ♡♡♡　ぉ゛ぉぉぉおおおおおおっ♡♡♡」<br />
「言っておくけれど、こんなものじゃないよ？」</p>
<p>「っ――♡♡♡　こ、この程度、何とっ、も゛ぉぉぉおっ！！？　つ、つよく、な――♡♡♡　ぁ゛、ぁぁぁぁぁぁあああああっ♡♡♡」</p>
<p>電動マッサージ器を当てる時に何か緩衝材を挟むのは、セックスのハウツーにでも書かれているような至極当然の行為だった。最初こそ、ほどよく軽減された振動が、ウルツアの秘所全体を優しく包み込むように刺激していた。</p>
<p>しかし、フランの情事はただうっとりするだけでは終わらない。段々と、少しずつ、電動マッサージ器のクッションになっていた左手が<ruby>ず<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby>いく。</p>
<p>「ちょ、ま゛――♡♡♡♡　これっ、強っ、強すぎるってぇ゛ぇぇぇぇぇぇぇええええっ♡♡♡♡」<br />
「でも、気持ちいいでしょ？」<br />
「そういう問題じゃない゛ぃぃぃぃぃぃいっ♡♡♡♡　きもぢっ、よすぎ、て――♡♡♡♡　ぁ゛ぁぁぁぁぁぁああああああああっ♡♡♡♡」</p>
<p>「そういえば、<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>っ<rt>・</rt></ruby><ruby>ち<rt>・</rt></ruby>を切ったままだったね」<br />
「ひぅぁあっ♡♡♡♡　胸っ、今はだめっ♡♡♡♡　ぁ゛ぅぁぁぁあ、ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ♡♡♡♡」</p>
<p>乳首に取り付けられた道具が、再び動き出した。</p>
<p>ウルツアのうっとりとした喘ぎ声は、あっという間に引きつり、濁り、悲鳴のように変わっていく。いつの間にか電動マッサージ器が、ウルツアの股間を直接震わせている。</p>
<p>ただ、股間に振動するものを押し当てられているだけ。それがこんなにも、涙がぼろぼろ零れるほど気持ちいいものだと知らなかった。</p>
<p>「だめっ、これ、も゛――♡♡♡♡　ぃ、イ、ぃ゛――♡♡♡♡」<br />
「我慢しないで……ほら」</p>
<p>「ぁ゛、ぉ゛ぉぉぉぉぉぉおおっ♡♡♡♡　押し付けっ、ぢゃ――♡♡♡♡　っぁ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡　ぃぎっ♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>絶頂の瞬間、フランは手首をひねって、電動マッサージ器の振動でもってウルツアのクリトリスを押しつぶす。痛みを及ぼさないぎりぎりの快感に、ウルツアは自分の視界がぱちぱちと明滅しているような気さえした。</p>
<p>そしてウルツアが絶頂しているさなかでも、電動マッサージ器の振動は止まらないのだ。</p>
<p>「なんっ、でっ♡♡♡♡　さっぎ、イッ、だ――♡♡♡♡　イッたっでぇぇぇぇぇぇぇぇええっ♡♡♡♡」<br />
「知ってるよ。でも、イッた直後ってすごく気持ちいいから。味わわせないと損だなって」</p>
<p>「別にそんなの゛いいがらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ♡♡♡♡　ぁぎ――♡♡♡♡　ぃ゛ぃぃいい～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>『根比べ』という言葉がある。路地裏でしぶとく生き残ってきたウルツアが、本来得意とするものだ。とにかく今は耐えて、耐えて、耐えて、フランが満足するか、疲れるまで待つしかなかった。</p>
<p>しかし。</p>
<p>「ぁぎっ、ぃ゛――♡♡♡♡　またっ、イ゛――♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」<br />
「数えるだけ無駄だよ。どうせ数え切れない回数イクし、その内、数も数えられなくなる」</p>
<p>電力でもって動く電動マッサージ器は疲労の概念とは程遠く、それをただ持つだけのフランに疲労はほとんどない。そしてこの程度の情事で、フランは満足しない。</p>
<p>一方でウルツアは、ただ電動マッサージ器を当てられるだけで、何度も全身を痙攣させられる。ほんの少し手首をひねってクリトリスをぐりぐりと押しつぶされるだけで、それが何倍にも強くなる。</p>
<p>当然、根を上げるのはウルツアのほうだった。</p>
<p>「これっ、むりだってっ、無理ぃ゛ぃぃぃぃぃぃいっ♡♡♡♡　むりっ、ぃぎ――♡♡♡♡　ぎぃぃぃい～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」<br />
「大丈夫だよ。ちゃんと、<ruby>直<rt>・</rt></ruby><ruby>前<rt>・</rt></ruby>で止めるから」</p>
<p>「ちょく、ぜ――！！！？　ちょくぜんっで――♡♡♡♡　<ruby>直<rt>・</rt></ruby><ruby>前<rt>・</rt></ruby>っで何ぃぃぃぃい――っぁ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>限度があるだろ！　――ウルツアは怒りたかったが、口の中に甘いもやもやがたっぷりと満たされていると、満足に口を利くこともできない。ウルツアはあっという間に、安易な返事をしてしまったことを後悔した。このままでは気持ちよさでおかしくなってしまう。</p>
<p>ウルツアは声を出し、首を振り乱し、手足を引っ張り続ける。『とにかく何とかしなければ』と必死だった。戦闘のさなかでもないのに、まるで殺されるかのような危機感を覚えた。</p>
<p>――故に、その《能力》に行き着くのは必然だったのかもしれない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「――ん？」<br />
「ふーーっ♡♡♡　ふーーーーっ♡♡♡　はっ、はぁ……♡♡♡」</p>
<p>フランが声を上げたのは、ウルツアの反応が変わったからだ。こんなにも電動マッサージ器を当てているというのに、突然喘ぎ声が止まり、荒立った息を整え始めている。</p>
<p>「はは……っ。<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>ん<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>使<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>方<rt>・</rt></ruby>が、あったのか……」<br />
「……それは、君の《能力》だよね？」</p>
<p>ウルツアの異能は《痛覚遮断》――痛みを感じなくできるというものだった。</p>
<p>たとえ幾十幾百の傷を受けようが、痛みなく、恐れなく、狂戦士のように戦い続けることのできるそれは、異能と呼ぶにふさわしい。しかし、結局首をはねられれば死んでしまうことを鑑みれば、さまざまな《能力》の中でも、そこまで強力というわけではない。</p>
<p>その程度の評価に落ち着いていたのは、無視できるのが<ruby>痛<rt>・</rt></ruby><ruby>覚<rt>・</rt></ruby><ruby>だ<rt>・</rt></ruby><ruby>け<rt>・</rt></ruby>だと認識していたからだ。今、彼女が無視していたのは、明らかに痛覚ではない。</p>
<p>「なるほど。痛覚を無視できるなら、<ruby>性<rt>・</rt></ruby><ruby>的<rt>・</rt></ruby><ruby>快<rt>・</rt></ruby><ruby>感<rt>・</rt></ruby>も然り、と」<br />
「そう、みてーだな」</p>
<p>「ふうん。元はといえば、脳、あるいは神経に作用する《能力》ということだ。もしかしたら、応用次第でいくらでも強力になるかもしれないね」<br />
「……こんなことで気付きたくはなかったけどな」</p>
<p>まさか裸で乳繰り合っている時に、戦いの道具について思索を巡らせることになろうとは。しかし《能力》の思わぬ進化は、今のウルツアには僥倖……だと思った。</p>
<p>「だけどよ、何にせよこれでテメェのふざけた、その、あれ、それも効かねーぜ」<br />
「そう」</p>
<p>フランは構わず、ウルツアのことを犯し続ける。ウルツアは息を整えて勝ち誇るのに忙しかったから、<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>惨<rt>・</rt></ruby><ruby>状<rt>・</rt></ruby>に目を向ける暇がなかったのだ。</p>
<p>「ウルツア。<ruby>下<rt>・</rt></ruby>、見てごらん」<br />
「あ？」</p>
<p>ウルツアが、フランに促されるまま自分の体を見下ろしてみると、電動マッサージ器を押し当てられている秘所から、現在進行形でとんでもない量の愛液が噴き出していて……。</p>
<p>「……へ？」<br />
「目覚めたばかりで、《能力》が安定していないのかな。体は確かに感じているみたいだよ」</p>
<p>自分の脳では快感を認識していないはずなのに、体は確かに絶頂を繰り返している。</p>
<p>喘ぎ声は出ていない、呼吸も正常、赤らんだ顔も落ち着きつつある――それは『感覚がない』というよりは、自分の首を境に体の上下が別ものになってしまったかのよう。神経のつながりだとか、脳の働きだとか、いろいろなものが分からなくなってしまう現象だ。そう考えるとやはり、異能と呼ぶにふさわしいのかもしれない。</p>
<p>しかし今は、そんなことを言っていられない。</p>
<p>「ウルツア、一つ言っておかなければいけないことがあるんだけど。快感って、<ruby>慣<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>が重要なんだよ」<br />
「な、何の話をして……」</p>
<p>「性拷問師の言うことじゃあないんだけどね。相手にあまり負担を掛けたくない場合、弱い快感から始めて少しずつ慣らしていくようにするんだ。いきなり強い快感から始めると、結構きつい」<br />
「そ、それは、つまり……」</p>
<p>「……もしかしなくてもさ。その《能力》、続ければ続けるほど、<ruby>後<rt>・</rt></ruby>がきついんじゃない？」</p>
<p>フランの説明するそれは、『ゆでガエル』の話に似ていた。カエルをいきなり熱湯に落とせばその熱さに気付いてすぐさま逃げ出すが、ぬるま湯に落として徐々に温度を上げていけば、その変化に対して気付かずゆで上がってしまう。戒めの方向としては真逆の話だが、もしもウルツアが《能力》を解いたら、その瞬間に熱湯のごとき快感が彼女を襲うことになるのだ。</p>
<p>ウルツアが思い返せば、今日のフランは一応、しっかりと弱い快感から慣らしてくれていた。それでもなお、心身がぐちゃぐちゃになるぐらいの気持ちよさだ。もしも、数え切れないほど絶頂し、体にはそれだけで絶頂に至らしめるほどの余韻がまとわりつき、感度は最高にまで上がっていて――そんな状態からいきなり、全ての快感を認識してしまったら？</p>
<p>新しく目覚めた《能力》が、今後どう進化していくかは分からない。しかし現段階において間違いなく言えるのは、問題の根本的な解決になっていないということ。これは、ただの<ruby>先<rt>・</rt></ruby><ruby>送<rt>・</rt></ruby><ruby>り<rt>・</rt></ruby>だ。</p>
<p>「こんなの、冗談じゃ……！？」</p>
<p>後々のことを想像すると、もう自分がどうなってしまうかも分からない。さっさと《能力》を解いてしまったほうがまだマシだ――ウルツアはそう思うが。</p>
<p>「またイッたね」<br />
「ひ――っ！？」</p>
<p>自分の体が勝手に絶頂を迎えるたびに、体の痙攣が頭部にまで響いてくる。怖くて、《能力》を解くタイミングを失ってしまう。</p>
<p>今のウルツアの体はとうに、自分の限界を超えた快感を受けているのだ。</p>
<p>「お、おねが……っ、やめ……！？」<br />
「……やだ」</p>
<p>「ど、ど、して……！？」<br />
「…………君が、悦んでるからだよ……」</p>
<p>ウルツアはその言葉を否定できない。</p>
<p>恐いはずなのに、真に抗えない。何も感じないはずの背筋が、どうしてこうもぞくぞくしているのだろう。自分がマゾヒストなのか、それとも、フランの欲望を一身に受けることがこの上なくうれしいのか。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「せっかく君が何も感じないんだし、ちょっと<ruby>試<rt>・</rt></ruby><ruby>さ<rt>・</rt></ruby><ruby>せ<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby>もらおうかな」</p>
<p>ウルツアの股間から、電動マッサージ器が離れていく。触覚では何も感じられないウルツアが視覚でそれを確かめて、ほっとしたのはつかの間のことだった。</p>
<p>すぐさまフランの指が、ウルツアの体を襲った。愛撫にしては嫌にわきわきとうごめく指先。胸でも秘所でもなく、腋の下という、性行為にしては少しおかしな接触部位。それは明らかに愛撫ではない、『くすぐり責め』だ。</p>
<p>「なにっ、何、してぇっ！？」<br />
「この前、後輩がこれをやってたのを思い出したんだ。私のほうでも取り入れられないかなって」</p>
<p>感覚を遮断した体へのくすぐり責め。それは一見すると不思議な光景だ。</p>
<p>フランの指がうごめきながら、腋の下から腰までを何度も往復する。普段の彼女なら、無理やり笑わさせられることに怒りを覚えながらも、どうしようもない感覚に耐えられなかっただろう。</p>
<p>しかし今のウルツアは、笑い出すこともなければ、表情すら変わらない。それでも確かに、くすぐられている部位の筋肉が面白いほどに、びくびくと痙攣している。彼女の認識の外で、体は明らかにくすぐったさを感じていた。</p>
<p>「君は、足の裏をくすぐられるのが弱いんだね」<br />
「ぅぁ、ぁぁぁぁ……！！？」</p>
<p>特に小さな足の裏をくすぐられると、指先から太ももまでが隈なく痙攣する。『自分の体をもてあそばれている』という思いが強くなる。甘い屈辱感に、ウルツアは何も言えなくなる――本来ならやめてほしいはずなのに、顔を真っ赤にして怒っていいはずなのに、このままずっともてあそんでほしいと思ってしまうのはどうしてだろう？</p>
<p>しかし、ずっとは続かない。当の本人である2人ですら想定外のことが起きる。フランがウルツアの足の裏をくすぐり続けていたら、彼女の秘所から突然潮が吹き出たのだ。</p>
<p>「わっ」<br />
「へ――！？」</p>
<p>ウルツアの両脚の間に腰掛けていたフランの体に、潮がかかる。その現象の<ruby>意<rt>・</rt></ruby><ruby>味<rt>・</rt></ruby>を理解すると、既に真っ赤だったウルツアの顔が、より一層真っ赤に染まっていった。</p>
<p>「もぉぉ、やだぁぁぁ……」</p>
<p>まさかくすぐられるだけで絶頂に至るなんて――ウルツアはもう、あまりの恥ずかしさに年相応の甲高い声を上げるだけだ。</p>
<p>「……今度から、仕事にも取り入れられそうだ」</p>
<p>フランも、いかにも冷静そうな言葉を、熱のこもった声音で呟くのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「それで？　君はいつまで快感を閉ざしているつもり？」<br />
「だ、だって、これ……！　これぇ……！？」</p>
<p>再び、電動マッサージ器がウルツアの股間に押し当てられる。</p>
<p>体だけが何度も何度もイキ続ける。ウルツアはもう、《能力》を解くタイミングを完全に失っていた。不思議で、恐ろしく、甘い羞恥と屈辱に、目がぐるぐると回りそうだ。</p>
<p>しかしフランも、反応のちぐはぐな彼女との行為に飽きたらしい。</p>
<p>「このまま続けていてもキリがないね」<br />
「ぁ、ぇ」</p>
<p>「私は、君のかわいい表情や声を愉しみたかったのに」</p>
<p>『まあ、今の君も大概かわいいけどさ』――フランのその言葉は、決しておしまいの合図ではなかった。彼女は拘束されたままのウルツアに覆いかぶさり、その全身を抱き締めたのだ。</p>
<p>「君、好きだろう？　抱き締められるの」<br />
「ぅ、ぁ……！」</p>
<p>ウルツアはうめき声を上げる。抱擁が心地よかったからではない、苦しかったからでもない。《能力》のせいで、抱擁を受けてなお何も感じないからだ。その柔らかさも、滑らかさも、温もりも。まるで自分の体の表面に、分厚いフィルムを貼り付けたようだ。</p>
<p>「君からじゃあ見えないだろうから言うけど、電動マッサージ器はまだ動いてるよ。……どうする？」</p>
<p>フランのその言葉は、誠意とでも言うべきだろうか。それとも、ただもてあそんでいるだけか。</p>
<p>今、ウルツアが《能力》を解いてしまったら、電動マッサージ器の刺激を受けることになる。しかも、数え切れないほど絶頂し、体にはそれだけで絶頂に至らしめるほどの余韻がまとわりつき、感度は最高にまで上がっていて――そんな状態での、電動マッサージ器による責めだ。</p>
<p>それでも抱き締めるという行為は、ウルツアにとって、ただ言葉で説得するより何百倍も有効なやり方だった。</p>
<p>「ぁ――」</p>
<p>それはまるで、ドラマの一コマのようだった。あまりに衝撃的な出来事を前に、手に持ったグラスを滑り落としてしまうかのように。</p>
<p>ウルツアは無意識的に、全身の神経の接続を復活させたのだ。</p>
<p>「ぁ゛――！！？　ぁ、ぁ゛ぁぁぁぁぁぁあっ！！！！　ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ！！！！？」</p>
<p>フランの左手はウルツアの背中に回され、電動マッサージ器を持った右手は相も変わらず彼女のクリトリスに。両乳首にだって、ずっとローターがくっ付いている。体に有り余る強烈な快感を認識した瞬間、ウルツアは叫び声を上げた。</p>
<p>快感を遮断していた今までも、確かに絶頂はしていた。しかしそれはあくまで<ruby>体<rt>・</rt></ruby>の絶頂だ。全ての快感を認めた彼女は今、肉体だけでなく脳も、心すらも快楽に溶かされていく。</p>
<p>「ぁぐっ、ぅ゛、ぅぅぅぅううっ！！！！？　ふぐ――♡♡♡♡♡　っぅ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　っ――♡♡♡♡♡　ッ――♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>ウルツアは思わず、自分のことを抱き締めてくれているフランの肩をかんだ。</p>
<p>自分の体は、こんなにも<ruby>出<rt>・</rt></ruby><ruby>来<rt>・</rt></ruby><ruby>上<rt>・</rt></ruby><ruby>が<rt>・</rt></ruby><ruby>っ<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby>いたのか。全身の筋肉が、こんなにもおかしくなるぐらい痙攣していたのか。それを押さえ付けられるように抱き締められるのが、こんなにも心地いいものだったのか。</p>
<p>さまざまな驚きが沸き上がり、さらに強い<ruby>衝撃<rt>かいかん</rt></ruby>に押し流されていく。そして、驚けるだけ驚いたら、もう何も考えられなくなる。</p>
<p>「ぁぐ、ふっ――♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　っぁ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　ぁ、ぁ、ぁ゛――……♡♡♡♡♡」</p>
<p>ウルツアの体は、もうとっくに限界を迎えていた。最高の感度を保っていられたのは、ほんの数十秒だけ。その後はどんどん感覚が閉じていく。《能力》によるものではなく、ただの疲労だ。もう、いつ気絶してもおかしくない。</p>
<p>その時、フランは彼女の頬に軽くキスをしながら、電動マッサージ器をひときわ強く、ウルツアのクリトリスに押し付けたのだった。</p>
<p>「っっっあ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁ゛――♡♡♡♡♡　ぉ゛――♡♡♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>最後の絶頂が訪れる。</p>
<p>体液を全て搾り出されるのではないかと疑ってしまうぐらい、強烈な快感がやってくる。体はもう、どれだけひどい痙攣をしているのか認識もできない。抱き締めてもらっていて良かった。そうでなければ、体がどこかに飛んでいってしまっていた、みっともない表情を見られてしまっていた。</p>
<p>あまりにも苛烈な行為、それなのに、心は驚くほどに薄紅色に染まっていく。ウルツアは、自分の体にたまった快楽を一滴残らず吐き出すまで絶頂し続けるのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ぁ゛――……♡♡♡♡♡　ひ、ぁ、ぁ゛――……♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡」</p>
<p>ウルツアの体が大きく痙攣し、段々と波が引くように落ち着いていく。それでも最後にひときわ大きく、びく、びく、びくと跳ねたのち、とうとう行為が終わる。</p>
<p>フランはウルツアにくっ付いた全ての道具の電源を切って遠ざけ、拘束具も外すと、しかし自身の体は遠ざけることなく、むしろ彼女を強く抱き締めた。</p>
<p>「……ありがとう」<br />
「へへ……♡」</p>
<p>フランに頭をなでられて、ウルツアは緩んだ笑い声を上げた。ほとんど無意識の反応だった。意識がぼんやりとする中、フランが『やっぱりかわいいな』と呟いた気がする。</p>
<p>ほんの数週間前のウルツアなら、こんなことになるなんて想像も付かなかった。こんな会社に入るなんて、こんなやつと出会うなんて、こんなやつに抱かれるなんて、……それが、こんなにも幸せだなんて。</p>
<p>心の底から腹立たしい相手との、甘く、穏やかな時間が過ぎていく。</p>
<p>ウルツアがフランに抱き締められながら、あまりの恥ずかしさに叫び声を上げるのは、今から十数分先のことだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「……君は何というか、ムードもへったくれもないね」<br />
「う、うるっ、ううううううう！」</p>
<p>「いきなり耳元で叫び出すなんて。鼓膜が破れるかと思ったよ」<br />
「っ～～～～！！」</p>
<p>絶頂から十数分後のこと、2人はベッドの上で背中を向け合っていた。フランは耳元で大声を上げられたことに少し腹を立てていた。</p>
<p>ウルツアは何だかもう、いろいろな気持ちがごちゃごちゃでそれどころではなかった。フランに抱かれてうれしい、フランにもてあそばれて悔しい、フランにみっともない姿を晒して恥ずかしい、フランを不機嫌にさせて悲しい、いややっぱりオレは悪くねぇ全部フランが悪い！　――全てがごちゃごちゃのせいで、『うるせえ！』という言葉すら出てこない。</p>
<p>「……ねえ、ウルツア」<br />
「んだよ」</p>
<p>フランが静かに呟く。ウルツアは真っ赤な顔を背けたまま応えた。</p>
<p>「私は、この《能力》が嫌いだよ。どうあっても、他人の心なんて読めるべきじゃない」<br />
「…………」</p>
<p>「拷問も。君はああ言ってくれたけど、どんなに正当化しようとも、悪でないはずがない。私は確かに、人を傷つけている」</p>
<p>全ての発端は《読心》という異能だった。たまたま最悪の異能を持ってしまったせいで、嫌われ、幽閉され、命を狙われ、暗惨たる人生を送ってきた。そして、異能に加えてさらに拷問――2種類の嫌悪が、今のフランを苛んでいる。</p>
<p>どれだけウルツアが肯定しようとも、それは無垢な少女の好意的な解釈に過ぎない。物事のほんの一面であり、それだけで行い全てを正当化していいわけがない。</p>
<p>それでも、フランはふっと笑いながら続けるのだ。</p>
<p>「……それでも、君に恥までかかせたんだ。もう少し、向き合ってみるよ」</p>
<p>ウルツアは振り返る。フランの少し不安そうで、それでもどこかつき物が落ちたような顔を見て、ウルツアは確かに、彼女の中で何かが変わったのだろうと思った。</p>
<p>そう簡単に、苦しみは終わらない。生真面目が過ぎるフランのことだ、もしかしたら一生続くかもしれない。それでも、前に進んでくれるなら。</p>
<p>「だめ、かな」<br />
「…………よ……」</p>
<p>「え……？」</p>
<p>もしもまた、コイツがくじけそうになったとしても、自分が抱き締めてやればいい。それで今度は自分がくじけそうになったら、コイツに抱き締めてもらえばいい。半人前同士、一緒に前に進んでいけば、いつかはもう少し<ruby>マ<rt>・</rt></ruby><ruby>シ<rt>・</rt></ruby>になれるだろう――だから、ウルツアは返すのだ。</p>
<p>「――いいよ、それで」</p>
<p>しかし、ウルツアが返事をした瞬間、フランが目を見開く。フランの驚くような反応に、ウルツアもつられて驚いた。</p>
<p>「……君って、笑うんだね」<br />
「はぁ？　何言ってんだテメェ」</p>
<p>「君がそういうふうに笑うところ、初めて見たよ」<br />
「そりゃ、こっちの台詞だろが。いっつも仏頂面してやがるくせに。テメェが笑うのを見るのに、オレは3週間かかったぜ」</p>
<p>「それなら、私は4週間だよ」</p>
<p>そう言い合ってから、2人は笑い合うのだった。</p>
<p>「私たちはやっぱり、案外似た者同士なのかもね」<br />
「かもな」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>《<ruby>発火<rt>パイロキネシス</rt></ruby>》、《<ruby>念力<rt>テレキネシス</rt></ruby>》、《<ruby>とにかく何かすごいやつ<rt>エターナルフォースブリザード</rt></ruby>》――。</p>
<p>さまざまな《能力》に目覚め、敵と戦い、血を流し、成長し。あまたの《能力者》たちが格好良く描かれていく《<ruby>異能バトルもの<rt>せかい</rt></ruby>》。</p>
<p>――裏方の物語は、少しずつ形を変えながら、続いていくのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<div style="padding: 10px; margin-bottom: 10px; border: 1px solid #333333;">
<h3 style="text-align: center;">目次</h3>
<p><a href="https://omonove.com/12818">表紙</a><br />
　<small>#簡単なご案内など</small><br />
<a href="https://omonove.com/12799">第1話 読心 -ノンバーバル-</a><br />
　<small>#クリ責め #電マ #ローションガーゼ</small><br />
<a href="https://omonove.com/12801">第2話 自声愛撫 -ジメツ-</a><br />
　<small>#くすぐり #声我慢 #超音波</small><br />
<a href="https://omonove.com/12803">第3話 非接触絶頂 -ムッツリ-</a><br />
　<small>#ささやき #見せつけ #脳イキ</small><br />
<a href="https://omonove.com/12805">第4話 絶頂引延 -トワノマタタキ-</a><br />
　<small>#シリコンチェーンソー #ブラシ責め #体感時間操作</small><br />
<a href="https://omonove.com/12807">第5話 はじめての</a><br />
　<small>#クンニ #寸止め</small><br />
<a href="https://omonove.com/12809">第6話 感覚遮断 -カイカンノサキオクリ-</a><br />
　<small>#乳首責め #ニップルドーム #クリ責め #電マ #くすぐり #感覚遮断</small><br />
<a href="https://omonove.com/12811">最終話 伝心 -ワタシノココロ-</a><br />
　<small>#キス #胸揉み #電マ #くすぐり #ブラシ責め #感覚共有</small><br />
<a href="https://omonove.com/12813">おまけ</a><br />
　<small>#キャラクターのちょっとした紹介</small></p>
</div>

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			</item>
		<item>
		<title>【第3節】擽園開発日記序章 ～悪い神さまの創る世界～</title>
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		<dc:creator><![CDATA[おものべ]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 02 Jun 2023 10:57:07 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[長編小説]]></category>
		<category><![CDATA[【人数】一人に責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【受】女性が責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【攻】人外が責める]]></category>
		<category><![CDATA[【攻】女性が責める]]></category>
		<category><![CDATA[いじめ]]></category>
		<category><![CDATA[お店]]></category>
		<category><![CDATA[くすぐり]]></category>
		<category><![CDATA[くすぐり責め]]></category>
		<category><![CDATA[くすぐる]]></category>
		<category><![CDATA[ベッド]]></category>
		<category><![CDATA[乳首]]></category>
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		<category><![CDATA[夢]]></category>
		<category><![CDATA[女の子]]></category>
		<category><![CDATA[妄想]]></category>
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		<category><![CDATA[拘束]]></category>
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		<category><![CDATA[責め]]></category>
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					<description><![CDATA[第3節 神さまとポンコツ盗賊娘]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>目次</h3>
<p><a href="https://omonove.com/12434/">表紙（簡単なご案内など）</a><br />
<a href="https://omonove.com/12438/">第1節 わるい神さまの創る世界</a><br />
<a href="https://omonove.com/12456/">第2節 神さまに犯される神殺し</a><br />
<a href="https://omonove.com/12459/">第3節 神さまとポンコツ盗賊娘</a><br />
<a href="https://omonove.com/12461/">第4節 神さまが楽しく犯す基準</a><br />
<a href="https://omonove.com/12463/">第5節 神さまと滅びる定めの種</a><br />
<a href="https://omonove.com/12465/">第6節 教会と神殺しと神さまの怒り</a><br />
<a href="https://omonove.com/12467/">第7節 貴女は悪い神さまですか？</a><br />
<a href="https://omonove.com/12470/">最終節 悪い神さまの創る世界</a><br />
<a href="https://omonove.com/12472/">付録1 渡り鳥の気ままな旅模様</a><br />
<a href="https://omonove.com/12474/">付録2 幼き神殺しと小瓶の部屋</a><br />
<a href="https://omonove.com/12476/">おまけイラスト 《擽園》</a></p>

<p>&nbsp;</p>
<h3>第3節 神さまとポンコツ盗賊娘</h3>
<p>2730-12-04：</p>
<p>昨日、非常に厄介な女性と知り合った。</p>
<p>「《神》よ。貴女はこれから、どこで、何をするつもりなのですか」</p>
<p>裏路地にて、アレリナ・エルバーエンスは感情を押し殺したような声音で、僕にそう問うた。背は高く、しかし細い。白銀色の髪と刃のように鋭い眼を持ち、ぼろぼろの修道服を身にまとった、神秘的な雰囲気を漂わせる美しい女性だ。</p>
<p>彼女は僕のことを憎んでいて、殺したいらしい。その何気ない質問の最中でも、居心地の悪くなる殺気を放ち続けている。</p>
<p>「ノープラン」<br />
「のー、ぷら……？」</p>
<p>「特に決めてない。歩きながら決める」<br />
「そうですか」</p>
<p>僕は思わずため息を付いた。</p>
<p>「それよりさ」<br />
「はい」</p>
<p>「《神》って呼ぶの、やめてくれないかな。仰々しいし、僕はそんな風に名乗ったことなんて、1度もないんだ」<br />
「では、それ以外に何と」</p>
<p>「適当にどうぞ。《神》以外ならね」<br />
「自分で要求しておいて、それは<ruby>あ<rt>・</rt></ruby><ruby>ん<rt>・</rt></ruby><ruby>ま<rt>・</rt></ruby><ruby>り<rt>・</rt></ruby>なのではないですか？」</p>
<p>アレリナの、僕に対する殺気が強くなる。彼女の言うことは確かに正論なのだけど、だからといって殺気でもって応えてくるのはどうかと思った。</p>
<p>「一つ聞きたいのですが、貴女のその<ruby>姿<rt>・</rt></ruby>は一体何なのですか」<br />
「姿って、どういう意味？」</p>
<p>「その少女の姿は、教会で知られているものと違います。本来の姿ではないでしょう」<br />
「はっ」</p>
<p>僕は鼻で笑った。</p>
<p>「そんなの、教会のやつらが勝手に妄想してるだけでしょ。僕の<ruby>ア<rt>・</rt></ruby><ruby>バ<rt>・</rt></ruby><ruby>タ<rt>・</rt></ruby><ruby>ー<rt>・</rt></ruby>は元々これだ」<br />
「……そう？　……ですか」</p>
<p>僕が当たり前のように返した言葉に、アレリナは首をかしげながら返すのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そんな会話をしてすぐ後のことだ。</p>
<p>「ところで<ruby>ア<rt>・</rt></ruby><ruby>バ<rt>・</rt></ruby><ruby>タ<rt>・</rt></ruby><ruby>ー<rt>・</rt></ruby>。もう一つ聞きたいのですが」<br />
「……それ、僕の名前？」</p>
<p>「え、違うのですか？」<br />
「いや、それでいいよ」</p>
<p>そんな経緯があって、僕の名前はアバターになったようだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>2730-12-05：</p>
<p>アレリナはこの国――空の教国が賞金を出しているお尋ね者だった。</p>
<p>もっとも、その情報は一部を除いて秘匿されているらしい。メンツか何かの問題なのだろうか、政治を知らない僕には、その理由はさっぱり。彼女のことを知っているのは、一部のお偉いさんか、裏側にいる情報通か、あるいは『彼女を捕らえられるかも』と誰かに教えられた腕利きか。</p>
<p>とにもかくも、この国において彼女を狙う者は存外に多い。それなのに、僕を追ってわざわざそんな場所の中枢にまで来るのだから、まったく恐れ入る話だ。</p>
<p>「あのさ。所構わず短剣の柄に手を掛けるの、やめてくれないかな」<br />
「失礼。いつ追手が来るか分からない生活でしたので、警戒を」</p>
<p>人目のない街道に出るや否や、アレリナのあまりに露骨な行動に、僕は顔をしかめた。その言葉を信じてほしいのなら、殺気を僕に向けるのをやめてくれって話だ。</p>
<p>だけどこの《世界》を回るために実装している<ruby>ア<rt>・</rt></ruby><ruby>バ<rt>・</rt></ruby><ruby>タ<rt>・</rt></ruby><ruby>ー<rt>・</rt></ruby>は、そもそも死ぬように作られていない。たとえチェーンソーでもね。『死ぬ』というのは、意外と面倒な<ruby>手続き<rt>プロシージャ</rt></ruby>が必要なんだ。仮に何らかの方法で死ぬことができたとしても、代わりはいくらでも作り直せる。</p>
<p>彼女のしていることは不毛だ。そう考えると、僕は無性に苛ついた。</p>
<p>「そんな<ruby>ち<rt>・</rt></ruby><ruby>ゃ<rt>・</rt></ruby><ruby>ち<rt>・</rt></ruby>なナイフで、どうやって僕を殺すつもり？」<br />
「<ruby>ち<rt>・</rt></ruby><ruby>ゃ<rt>・</rt></ruby><ruby>ち<rt>・</rt></ruby>？　これは大聖堂の宝物庫に封印されていた『神殺し』……」</p>
<p>「『神殺し』？　それが？　そんな恐ろしいものが存在していたなんて初耳だね、驚いたよ」</p>
<p>それ以上は説明しない。この前の<ruby>結<rt>・</rt></ruby><ruby>果<rt>・</rt></ruby>を見れば、その短剣が本物か否かは明らかじゃないか。</p>
<p>「……そんな、ばかな」</p>
<p>アレリナは少し逡巡した後、『信じられない』と言わんばかりの表情を浮かべていた。</p>
<p>どうやら、この《世界》の神話には、いろいろと尾ひれが付いているらしい。ありがちといえば、確かにありがちなのかもしれない。それをうのみにしてしまうのは、魔術という超常的な現象が存在する環境だからか、それとも幼い頃からの教育故か。もしくは、アレリナになまじ力があるからか。</p>
<p>対峙した時に分かったことだけど、彼女は魔力を使って、身体能力と短剣の切れ味を爆発的に増強させていた。なんせ僕がまばたきする間に、彼女は幾十幾百もの斬撃を浴びせてきたんだ。魔術の質、内包する魔力、そして純粋な戦闘技術――その強さは《規格外》と呼ぶにふさわしい。本人がナマクラナイフに気付かないところを鑑みるに、それらはきっと無意識的なものなんだろう。</p>
<p>この《世界》において、魔術は重要な能力であるにも関わらず、修得する機会に乏しい。国や大学など相応の組織で体系的に学ぶか、死地で偶発的に身に付けるしか方法はないのだとか。彼女は後者だ。</p>
<p>だけど仮に才能があったとしても、戦闘の訓練を受けたこともなく、おまけに当時<ruby>幼<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>とすら呼べる年齢の女性がここまで強くなるなんて、<ruby>よ<rt>・</rt></ruby><ruby>ほ<rt>・</rt></ruby><ruby>ど<rt>・</rt></ruby>だったということだ。</p>
<p>「教会、ね……」<br />
「アバター？」</p>
<p>「何でもないよ」</p>
<p>きっと、僕のこの気持ちは理不尽なものなんだろう。</p>
<p>だけどこの国に対する嫌悪感は拭えない。早く離れることにしよう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>2730-12-17：</p>
<p>アレリナは、僕が今まで出会った女性の中でも特に美しい。</p>
<p>目鼻立ちが整っていてスタイルがいい女性は、確かに他にもたくさんいたかもしれない。だけどアレリナは別格だ。彼女から醸し出される神秘的な雰囲気のせいか、あるいは単なる僕の好みの問題か。とにかく彼女は僕を特別な気持ちにさせた。</p>
<p>そんな美貌に反して、彼女はどこか世間知らずというか、少しずれたところがあるようだ。</p>
<p>数日掛けて、彼女と出会った国の二つ向こうにある土の王国に辿り着く。肥沃な土地のためかご飯がとてもおいしくて、人々も大らかで、僕もお気に入りの国だ。</p>
<p>「はい、あげる」<br />
「……アバター。何ですか、これは」</p>
<p>「串焼き、羊肉だってさ。そこの露店で買った」<br />
「……どうも」</p>
<p>アレリナがお金の出どころを僕に問うことなく受け取ったから、少しだけほっとした。大丈夫、<ruby>あ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>はちゃんと、お店の人もお金として使っていけるはずだ。</p>
<p>だけど、次の瞬間のことだ。</p>
<p>「……すん」<br />
「ん？」</p>
<p>「すん、すんすんすんすん、すん」<br />
「……こらっ」</p>
<p>「ふぇっ！？」</p>
<p>僕はアレリナの後ろ頭を軽く小突いた。</p>
<p>「そんなに鼻を近付けて嗅がない。犬じゃあるまいし、はしたないよ」</p>
<p>今までの旅程では、アレリナにとって少しばかり危険な国にいたから、ゆっくり食事をとる暇がなかった。彼女が口にしていたのは、自前の干し肉と黒パン、水ぐらいか。</p>
<p>だから今日、僕は初めて、彼女とまともに食事を共にしている。そこで彼女の雰囲気からは到底かけ離れた野性味あふれる様子を見て、僕は思わずそう言ってしまったのだけど。</p>
<p>「ぇ、ぁ。す、すみません……」</p>
<p>アレリナは目を丸くして僕を見つめていた。何か信じられないものを見たときの表情だ。</p>
<p>そこで僕は反省する。幼い頃から教会に閉じ込められっぱなし、やっと出られたと思ったら、次は逃走の日々。きっとまともな食事にありつけることは少なかったのだろう。腐っているものを口にしなければならないこともあっただろうし、もしかしたら教会でも<ruby>薬<rt>・</rt></ruby>を盛られていたかもしれない。そう考えると、今の行動もごく自然なことだ。</p>
<p>「……言いすぎた、ごめん。心の片隅にでも置いておいて」<br />
「は、はい……」</p>
<p>アレリナの視線が僕から外れることはなかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>さて、土の王国に来たことには理由がある。早い話、僕にも<ruby>欲<rt>・</rt></ruby>が出てきたということだ。</p>
<p>「アバター。貴女はこの国で何をするつもりですか」<br />
「よくここが<ruby>目<rt>・</rt></ruby><ruby>的<rt>・</rt></ruby><ruby>地<rt>・</rt></ruby>だって分かったね」</p>
<p>「分かるも何も、貴女は途中から一直線にここに来たではないですか」<br />
「それもそうか。まぁ、あらかじめ<ruby>デ<rt>・</rt></ruby><ruby>ー<rt>・</rt></ruby><ruby>タ<rt>・</rt></ruby><ruby>ベ<rt>・</rt></ruby><ruby>ー<rt>・</rt></ruby><ruby>ス<rt>・</rt></ruby>で調べていてね」</p>
<p>夜。僕はアレリナにそう聞かれて、宿のベッドに寝転がりながら<ruby>メ<rt>・</rt></ruby><ruby>モ<rt>・</rt></ruby>の情報を引き出した。<br />
（それにしてもアレリナは、わざわざ部屋までいっしょにしなくてもいいのに……）</p>
<p>「ここから西の森に、盗賊団がいるらしい」<br />
「西、ですか？　西には交易路どころか集落の一つもないはずですが」</p>
<p>「そうだね。森の向こうは、越えるのが難しい大山脈。他の街道に行くにも少し遠すぎる。あの辺りに行くのなんて、せいぜい木こりか狩人ぐらいだ」</p>
<p>盗賊というのはどこにでもぽんぽん出るイメージがあるけれど、それでも最低限の条件ぐらいはある。人がいる場所でなければならないということだ。誰もいない、誰も通らない場所で、どうやって金品を盗むことができるだろう？</p>
<p>人が通る街道から遠く離れた、誰もいない森の中でたむろしている盗賊なんて、いるとしたらそれは――。</p>
<p>「要するに、ポンコツ盗賊団さ。腕っぷしは知らないけど、少なくともオツムは弱い。そんなだから、こんなにも治安がいい国にも関わらず、誰にも相手されていない」<br />
「そのような盗賊団に、貴女は何を」</p>
<p>僕は、自分の頬が緩むのを感じた。</p>
<p>「《世界》から見ても、毒にも薬にもならない奴らだ。それなら僕が少しぐらい<ruby>遊<rt>・</rt></ruby><ruby>ん<rt>・</rt></ruby><ruby>で<rt>・</rt></ruby>もいいだろう、ってね」</p>
<p>「っ！　……まさか、その盗賊団には」<br />
「うん。1人だけだけど、かわいかったよ」</p>
<p>僕は事もなげに応えた。</p>
<p>どうしてむさ苦しい男しかいない盗賊団なんかに、わざわざ国を跨いでまで会おうと思うだろう。つまりは<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>と<rt>・</rt></ruby>だ。</p>
<p>「ッ……！」</p>
<p>アレリナの鉄のように冷たく鋭い殺気が、僕に突き刺さる。僕でも分かるさ、彼女が今、『ああ、やっぱりこういう奴なんだ』とか思ってることぐらい。</p>
<p>だけど彼女に僕を止める筋合いはないし、その力もない。</p>
<p>「邪魔しないでよね」</p>
<p>彼女が、僕の言葉に応えることはなかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>2730-12-18：</p>
<p>その咆哮は、森の中をかき分けながら歩いていた時に響き渡った。もっとも、『咆哮』と呼ぶには少し、高くかわいらしすぎる声だったけど。</p>
<p>「あーーんたたちぃぃーーっ！！」</p>
<p>僕は戦場慣れした戦士とかではないから、声の出どころがよく分からない。だけど何となく、声は頭上から落ちてきているような気がした。</p>
<p>……いや、まさかね。ここがうっそうと生い茂る森の中だからって、そんなばかな。</p>
<p>だけど隣を見ると、アレリナの目線も上を向いている。そして次の瞬間、どこからともなく1人の少女が<ruby>降<rt>・</rt></ruby><ruby>っ<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby>きたのだ。</p>
<p>「あんたたち！　命が惜しかったら、有り金全部置いていきなさい！！」<br />
「うわぁ」</p>
<p>まさか本当に木の上にでもいたのだろうか？　くるくる回転しながら地面に着地して、こちらを指差し。その登場は『ばーん！』という音がよく似合う。まさかこんな腐った《世界》で、こんな<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby>な状況に出くわすとは思わなかった。</p>
<p>ひとまず僕は、少女の姿を確認する。ピンク色の短い髪。この《世界》ではいろいろな色の髪を見るけど、彼女の髪は特に鮮やかに感じる。身体は細くてぺったんこ。背は僕よりはほんの少し高いだろうか？<br />
(僕の<ruby>ア<rt>・</rt></ruby><ruby>バ<rt>・</rt></ruby><ruby>タ<rt>・</rt></ruby><ruby>ー<rt>・</rt></ruby>は相当に小さいほうだ)</p>
<p>しかしこんな少女でも、その素性は盗賊だ。鮮やかな色の髪はぼさぼさだし、彼女が身にまとうのは、拾ったのか奪ったのか分からないぼろぼろの服。しかも彼女のサイズに合った服は見つからなかったのだろう。袖と裾が短く破かれていて、それでも丈がぶかぶかだ。</p>
<p>「者ども！　来なさい！」</p>
<p>そして彼女の檄にお尻を叩かれたかのように、分かりやすい風貌のごろつきどもががさがさと出てきて僕たちを取り囲んだ。</p>
<p>どいつもこいつもぼろぼろの装備。その風貌を鑑みても、やっぱり儲かっていないみたいだった。</p>
<p>「うん、間違いないね。彼女だ」<br />
「アバター、何かの間違いでは？　まさか、あんな娘が盗賊を……？」<br />
「もっと言えば、あの子が盗賊の頭領だよ、アレリナ。名前は確か、ミント、だったかな」</p>
<p>「ほう！　名前を知られているなんて、私も有名になったものね！！」</p>
<p>ミントは仁王立ちしながら、ふんすと背筋を反らせて応えた。</p>
<p>アレリナもそうだけど、強くて若い女性というのはなかなか珍しい。ミントという少女に盗賊団の頭領が務まっている以上、少なくともそこらのごろつきに寝首をかかれる心配はない実力ということだろう。こんな幼い少女に付き従う彼らの心境はいかに。嫌嫌なのか、それともそういう趣味なのか。</p>
<p>まあ、男たちのことはどうでもいいか――僕は1歩前に出る。これは予防線というか、はっきり言ってしまうなら<ruby>言<rt>・</rt></ruby><ruby>質<rt>・</rt></ruby>だ。</p>
<p>「ねえ、君たち」<br />
「あん？　あによ」</p>
<p>「盗賊行為を辞める気はないかな。やっぱりさ、良くないことだし。いつか<ruby>報<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>を受けるかもしれないよ？」<br />
「ふん！　命乞いかしら！？　かわい子ちゃんだからって見逃さないわよ！！」</p>
<p>ミントは仁王立ちしながら、僕をびしっと指差す。その姿は間違いなく『かわい子ちゃん』なのだけど、やっていることは立派な悪党。それも思わず癒やされるぐらいに、こてこての、理想的な子悪党。</p>
<p>つまり良心の呵責は要らないということだ。</p>
<p>「それじゃ遠慮なく、<ruby>報<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>を受けてもらおうかな」</p>
<p>僕はわざとにっこり笑ってから、手下の男たちを一人残らず気絶させて、ミントの四肢を<ruby>動<rt>・</rt></ruby><ruby>け<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>く<rt>・</rt></ruby>した。<br />
（この辺りの説明は、わざわざいらないだろう？）</p>
<p>「ふぇ、え、ぇ……！？　て、手下……？　う、動けな……！？」</p>
<p>ミントにとっては、何が何だか分からなかったのだろう。それもそうか、彼女からしてみれば、手下たちが全員同時にばたりと倒れて、いつの間にか自分も、腰に手を当てたポーズのまま動けなくなっているのだから。</p>
<p>彼女は涙を浮かべて、見た目相応の声を上げだす。</p>
<p>「あ、あ、あんた、な、な、何者……」<br />
「《神》ですよ、彼女は」</p>
<p>「か、かかかかかか神さままままままままま！！？」</p>
<p>アレリナが補足する。《神》を自称するなんてなんだか痛い人みたいだから、あまり言わないでほしい。</p>
<p>だけど仮に事実だとしても、真に受けられる言葉だろうか。それだけミントという子は、盗賊こそしていれど、根は純粋なんだろう。</p>
<p>まあ、『それはそれ、これはこれ』だ。悪いことをした子にはお仕置きをする――それは実に自然な流れじゃないか。うん、まったく当たり前のことだ。</p>
<p>そういうことで僕は、腰に手を当てたままのミントに近付いて、がら空きだった首筋をそっとなでた。</p>
<p>「ふいんっ！？」</p>
<p>動けないミントは、精いっぱい全身の筋肉を収縮させながら奇声を上げた。</p>
<p>「敏感だね」<br />
「……へ、へへへ、変態変態へんたぁぁーーい！！　へんたぁぁいいいいいいい！！？」</p>
<p>ミントは顔を真っ赤にして、僕を罵倒する。悲壮な覚悟を決めていたアレリナとはまた違う、初々しくて、ある意味では模範解答のような反応だ。</p>
<p>だから、僕も定番の返しをする。</p>
<p>「そんなこと言っていいの？」<br />
「な、何よぉ……！？」</p>
<p>「これは『お仕置き』なんだよ？　君が反省するまで、くすぐるのやめないよ？　いいのかな？」<br />
「ふ、ふん！　そんなの……！　私、くすぐられるの平気だもん！！」</p>
<p>僕の返しに、ミントはまた定番の返しをしてくれた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>『さて、どう責めてやろうか』なんて考え始めると、何だか楽しくなってくる。</p>
<p>とりあえず、まずは引き続き首を優しくなでてみる。細くて、汗ばんだ首筋だ。</p>
<p>「んくぅっ！？　っふ……！　ぅ、んぎぃぃ～～……！！」</p>
<p>分かっていたけれど、笑い出すには至らない。だけどそれでいい。こういうのは少しずつ追い込んでいくのがセオリーだと、僕は思っている。</p>
<p>「くひっ、ひひひ……！？　ぃやっ、手、お、下りてぇぇっひひひひぃぃぃ……！？」</p>
<p>次に、首筋から肩、背中と、くすぐる手を少しずつ動かしていく。ミントはまだ笑い出さない。だけど、少しずつ反応が大きくなっていく。</p>
<p>時間はたっぷりある。ゆっくり、ゆっくり、彼女の反応を楽しむことにしよう――そんな風に思っていたら、自分がなんとかくすぐり責めに耐えられているとでも思い込んだのか。堪え性のないミントが、早々に調子に乗り始めた。</p>
<p>「っ、くふっ、う、ぅぅ～～！　こんなの、ぜんじぇん、平気なんだかぁぁっくぅぅ……っ！？」<br />
「そりゃあ、本気出してないからね」</p>
<p>「ふ、ふん……！　だったら、さっさと本気出してみなさいよ！！」</p>
<p>その言葉は、本当に天然のものなのだろうか？　そう思ってしまうぐらい、彼女の言葉は僕を誘っていた。</p>
<p>それじゃあ、お望みどおりにしてやろうか。僕は指の速さをあくまで変えないまま、くすぐる手をお腹へと移した。</p>
<p>「ふぎゃぁぁっはっはっははははははははははははぁぁぁぁ！！　んなっひっ！？　なにこれっ、なにこれっ！！　はびぃぃっひひひひひひひひひぃぃぃぃぃぃぃぃ！？」</p>
<p>ミントの表情が一気に変わった。</p>
<p>彼女は『こんなの知らない』と言わんばかりに目を見開きながら笑い悶え始めるけど、僕としてはおおむね予想通りだ。くすぐりに対する抵抗力なんて、本気でくすぐられてからでないと分からない。彼女は今まで、体を本気でくすぐられたことなんてなかったのだろう。この《世界》においては本当に珍しいことだ。</p>
<p>まるで初めての子を<ruby>犯<rt>・</rt></ruby><ruby>す<rt>・</rt></ruby>ような背徳感が、僕の胸中を黒く冒す。だけどまあ、<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>ち<rt>・</rt></ruby><ruby>ら<rt>・</rt></ruby>は血が出ないから、随分マシだと思うことにしよう。</p>
<p>僕は自分に言い訳をしてから、続いて腋の下をくすぐることにする。</p>
<p>「ふひゃぁあぁぁぁぁっはははははははははははぁぁっ！！？　なにこれっ、なにこれくしゅぐったひぃぃぃぃぃひっひゃっははははははははははははははぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」</p>
<p>ミントの反応がもっと良くなる。僕は今まで、彼女ぐらいの年頃の女性がくすぐり犯されている現場を何度も見てきた。その中でも、彼女は同年代よりもいくらか敏感かもしれない。</p>
<p>くすぐったさというものを禄に知らない敏感な女の子が目の前にいて、<ruby>口<rt>・</rt></ruby><ruby>実<rt>・</rt></ruby>もある――そう思うとどんどん興が乗ってきて、いろいろと試したくなってくる。だから僕は、彼女の脚を<ruby>上<rt>・</rt></ruby><ruby>げ<rt>・</rt></ruby>させた。</p>
<p>「な、あ、あああ足が勝手にっ！？　み、右も、左もぉっ！？　あっ、浮いて、私、宙に浮いてるぅぅ！！？」</p>
<p>そのまま脚を<ruby>広<rt>・</rt></ruby><ruby>げ<rt>・</rt></ruby><ruby>さ<rt>・</rt></ruby><ruby>せ<rt>・</rt></ruby>て、M字開脚の姿勢にさせてから、ぼろぼろのブーツを脱がせる。両脚の間から、ミントがおびえた表情を僕に向けている。</p>
<p>視界の隅で、アレリナが殺気を強めながら脚をもじもじさせているような気がするけれど、そちらには目線を向けないことにした。今彼女を見たら、斬撃の雨を浴びせられそうだ。</p>
<p>だから僕は、自分の首をぎぎぎと固定したまま、ミントに『そうだよね、嫌だよね』と言わんばかりの笑みを浮かべてから、足の裏に指を突き立てた。</p>
<p>「ふぎゃぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああっ！！？　ぃや゛ぁぁぁぁあっはっははっははははははははははははははははははははは！！！　はぎゃぁあぁっはっはっははははははははははははははぁーーーーーーーーっ！！？」</p>
<p>ミントは、腋の下をくすぐられた時よりも、さらにいい反応をしてくれた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>これは僕の勝手な思想、あるいは嗜好によるものだけど、女性をくすぐる時、最初から1か所に固執しないようにしている。人によって、くすぐったい場所は違うから。そして最も愉しいのは、1番くすぐったい場所をくすぐってあげることだから。</p>
<p>だから僕は今、ミントの全身の感度を調べている最中だといえる。今までの反応を見るに、1番くすぐったいのは足の裏で、2番目は腋の下だろうか――そんなことを考えながら何となく、くすぐる手を足の甲、ふくらはぎ、膝と、するする上げていった。</p>
<p>「ひぃっふぃっひっひひひひひひひひひひぃぃぃぃぃぃっ！！？　ぅ゛、ぁ゛、や゛め、あひぃぃぃぃぃぃぃぃっ！！？」</p>
<p>僕は考え事をしていたから気付かなかったけれど、ミントの声がどんどん引きつっていく。そして指が<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby>に到達した瞬間、彼女は森中に響きわたりそうな悲鳴を上げて、僕を驚かせたんだ。</p>
<p>「――ひきゃぁぁぁあ～～～～っ！！？　いや゛ぁあぁーーーーっはっはっはははははははははははははははぁぁぁぁ！！　<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby>はやめでやめ゛でぇぇぇーーーーっへっへっへへへへへへへへへへひゃぁっはっははははははははははぁぁぁぁぁぁあああああっ！！？」<br />
「おっと」</p>
<p>僕の動きが止まる。</p>
<p>気付けば、僕の指先はいつの間にか、彼女の太ももに食い込んでいた。年齢相応に細くて、だけど確かな肉付きもある。少女としてのかわいらしさと、女性としての艶を共存させた、美しい太ももだ。</p>
<p>なるほど、危うく早とちりするところだった――僕はそう反省してから、ミントの顔をのぞき込んだ。</p>
<p>「ねえ」<br />
「はーーっ！　はーーっ！？」</p>
<p>「くすぐったいの、平気なんじゃなかったっけ？」<br />
「はぐ……っ！？　へ、平気だも――ぉぎょっほっほほほほぁっはははははははははははははははははぁ゛～～～～～～～～っ！！？」</p>
<p>僕はミントにわざとらしく聞いて、彼女が何か答えようと喉の力を緩めたところで、また指を這わせ始めた。彼女は本当に面白い反応をしてくれる。</p>
<p>だからこそ、<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>反<rt>・</rt></ruby><ruby>応<rt>・</rt></ruby>も期待してしまうもので。僕は恐る恐る、内股の際どいところを爪でなぞってみるのだけど。</p>
<p>「ひゃびゃーーっはっはははははははははははははははぁぁぁぁぁっ！！　あぎゃふっ！？　あぶふふふふふふふふぅ゛っ！！？　ふひゃぁあぁぁあっはっははははははははははぁぁぁぁびゃだぁぁぁっはははははははははははぁぁぁぁぁぁぁ！！？」<br />
「うーん」</p>
<p>ミントはただ笑い続けるだけ。それも<ruby>性<rt>・</rt></ruby><ruby>感<rt>・</rt></ruby>や<ruby>色<rt>・</rt></ruby><ruby>気<rt>・</rt></ruby>というものを、何一つ感じさせない笑い声だ。まるで開発されていない。もしかしたら、<ruby>1<rt>・</rt></ruby><ruby>人<rt>・</rt></ruby><ruby>遊<rt>・</rt></ruby><ruby>び<rt>・</rt></ruby>したことすらないのかもしれない。本当に<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby>では希有な存在だけど、これはこれで扱いに困る。</p>
<p>彼女にとってくすぐりというのは、ただただくすぐったいだけのものだった。不快、苦痛、恐怖――嗜虐心を持つ人の中には、<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby>に性的な何かを感じ取ることも多いみたいだけど……。</p>
<p>「……よし」</p>
<p>僕はここでようやく、行き当たりばったりで始めたこの行為の<ruby>方<rt>・</rt></ruby><ruby>針<rt>・</rt></ruby>を決めた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ミント。力抜いてごらん」<br />
「ぁひ……っ！？　な、なにひて……！　くひっ、んぐひっ、っひひひひひひひひひひははひっ！？」</p>
<p>「もうちょっと優しくくすぐるから、力抜いて」<br />
「んぐひっ、そんなこと、言われてっ、もぉっほほほほほほぉぉぉっひっはははははははははっ！！」</p>
<p>僕は相変わらず太ももをくすぐりながら、だけどくすぐり方を優しいものに変えた。</p>
<p>適当に指先でくすぐっていたのを、指の腹に変える。肌を<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>す<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby>のではなく、指の位置をほんの少しだけ<ruby>ず<rt>・</rt></ruby><ruby>ら<rt>・</rt></ruby><ruby>す<rt>・</rt></ruby>。すり、すり、すりすり、すり、と。</p>
<p>爪が皮膚に当たらないように、指が肌の上で跳ねないように、動きが突然速くならないように――ミントがくすぐったさを苦痛に感じないように、<ruby>ノ<rt>・</rt></ruby><ruby>イ<rt>・</rt></ruby><ruby>ズ<rt>・</rt></ruby>を一切排除して、ただ優しいくすぐったさを与えていく。</p>
<p>「力は抜いて。息も止めない。だけど、声は我慢しないで」<br />
「な、何なのよぉっほひぃぃ……っ！？　んぐぅっひひひひひひ、ひぎぅぅぅ……っ！！」</p>
<p>「それとも、力が入らなくなるほどくたくたになるまで、思いっ切りくすぐられたい？」<br />
「ひぃ――！？　……んぐっ、ふぅぅーーっ！　はひゃっ、ふひゃはは……！」</p>
<p>「そうそう、上手。そのままね」<br />
「ひゃっ、ははっ！　ひゃ、ぁあぁぁ～～……！？　んふふっ、ふゃぁぁ……！」</p>
<p>力が入らなくなるほどくたくたになるまで――それもまた<ruby>お<rt>・</rt></ruby><ruby>つ<rt>・</rt></ruby>なものだけど。僕は急いてしまいそうな気持ちを抑えて、時間をかけて、ミントの太ももを優しくくすぐっていく。</p>
<p>ミントは最初こそ、『訳が分からない』という顔をしながら太ももの筋肉を強ばらせていた。だけど、だんだんと反応が変わっていく。</p>
<p>「んひゃっはっ♡　ぁぇ――！？　今の、な、ひゃは、はぁぁ～……！？」<br />
「ん？」</p>
<p>「な、なんでもっ、ないぃ……！？」<br />
「そう」</p>
<p>「ふぁっ、ぁはっ、ぁ……♡　ぁはっ、ぁぁぁ、ぁぁぁぁぁぁぁぁ……！」</p>
<p>僕はあえて、ミントの言葉にあまり反応しないことにする。するとミントは僕に気にすることなく素直な反応をするようになる。全身から力が抜けていくのが分かる。緩んだ声帯から発せられる間の抜けた笑い声から、その心地よさを感じ取れる。</p>
<p>そしていつしか、ミントはもっと強いくすぐったさを求めるようになっていた。</p>
<p>「んひゃぁぁ……っ！　ぁ、あぁ……♡　ぁふっ！　も、も……♡　っ、ぅぅーー……！？」<br />
「ん？」</p>
<p>「ぅぐっ、な、なんでもない、わよぉ……！？」<br />
「……ねえミント。もっと強くくすぐってもいいかな？」</p>
<p>「っ～～～～♡　し、知らない、わよ……！！　そんなの、好きにしなさ……っ♡」</p>
<p>僕が問うと、ミントの太ももが先ほどよりも脱力しようとするのが分かった。だけど精いっぱい頑張って力を抜いて受け入れようとしているのに、緊張と期待で筋肉がぴく、ぴくと動いてしまっている。その動きはどこか面白く、健気で、そして扇情的だ。</p>
<p>僕はそんな内股の震える筋肉に、両手の指10本を立ててぞぞぞとなぞった。</p>
<p>「はひゃぁぁぁぁぁぁぁあああああああああっ♡♡♡　はひっ、はひぃぃぃぃっ！？　ぁはっ、ひゃっははははははははははははひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ♡♡♡」</p>
<p>体の中で一番くすぐったいはずの太ももに、こうやって指を突き立ててなぞられたら、それはもうくすぐったくて堪らないだろう。</p>
<p>それなのに、今のミントには抵抗が見られない。むしろ、太ももの筋肉がくすぐったさに悦ぶように収縮するぐらいだ。</p>
<p>1番くすぐったくて苦しい場所だからこそ、<ruby>覚<rt>・</rt></ruby><ruby>え<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby>しまえば最高の性感帯になる。かわいらしい少女に対する調教の手応えを感じて、僕は自分の口角が持ち上がるのを我慢できなかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>行為はどんどんエスカレートしていく。僕はミントの服を<ruby>消<rt>・</rt></ruby><ruby>し<rt>・</rt></ruby><ruby>た<rt>・</rt></ruby>。</p>
<p>「ぁっ、……ぅ……♡」</p>
<p>すっかり素直になったミントは、突然裸になって一瞬だけ恥ずかしそうにするけれど、すぐに期待の表情を浮かべる。僕のことを涙目で見つめるその姿は愛らしい。</p>
<p>彼女の期待に応えなければね――僕の心にはもう、罪悪感だとか背徳感だとかはなかった。僕は自律して動く羽根を4枚虚空に<ruby>創<rt>・</rt></ruby><ruby>り<rt>・</rt></ruby>出して、そして遠慮なく、彼女の性感帯を撫でさせ始めた。</p>
<p>「ぁはぁっ！！？　ぁ、あっ、ひゃっ！　ひゃぁぁぁふひゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああっ♡♡♡」</p>
<p>2枚の羽根は小さな胸に。ぽつんと可愛らしい乳首を刺激する。1枚の羽根は小ぶりなお尻に。中には挿れない、あくまで割れ目と入り口を丹念になぞる。最後の羽根は秘所に。これも中には挿れない、陰核と膣口をいじめ続ける。</p>
<p>そして僕は、手で彼女の内股をくすぐり続ける。</p>
<p>「ぁはっ、ははははははははひゅぅぅぅぅぅう♡♡♡　こえ、すごひぃぃっひひひひひひひひひぃぃぃぃぃい♡♡♡　きひっ、ひっ、ひっひひひひいゃぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ♡♡♡」</p>
<p>ふさふさと柔らかな羽根による快楽責めは、あまりに優しい。だけど、未開発の少女には、こんな風に少し優しすぎるぐらいがちょうどよかった。</p>
<p>そして僕は彼女の悦ぶ声を聞きながら、くすぐり責めの強さを調整していく。</p>
<p>「ひゅぁぁぁぁぁっ♡♡♡　……んくぅぅぅっ！？　くっひゃっはははははははははっははははぁぁぁぁぁあっ！！？　くしゅぐっひゃぁぁぁっ！！？　ぁっ、あはっ♡♡♡　ぁっ、あふぁぁぁぁぁぁあ～～っ♡♡♡」</p>
<p>くすぐったすぎて苦痛に感じないように、反対に快楽に飲み込まれてもしまわないように。くすぐったさと快感が同量になるように。くすぐったさを快楽が彼女の中でごちゃ混ぜになるように、刷り込んでいく。</p>
<p>すると彼女はだんだんと全身に力を込めていく。『力を抜くように言ったのに』なんて、いさめることはない。その時が来るまで、僕は淡々と彼女の太ももをくすぐり続けるんだ。</p>
<p>「だめっ、だめ、だめ♡♡♡　へん、変、にぃぃぃぃい――♡♡♡　んぐっ、んんぅっ！！？　～～～～～～～～～～～～～～～～！！！？　ふぁ――♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>そして彼女が軽くオーガズムに達したところで、性感帯への責めと太ももへのくすぐり責めを止めた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「はひゃひ……♡♡♡　ひ……！！　なひっ、今、の……♡♡♡」</p>
<p>軽いオーガズムだからか、快感に呑まれるのは一瞬だけで、ミントはすぐに困惑の表情を浮かべる。その反応を見るに、彼女はきっと人生で初めて絶頂に達したのだろう。</p>
<p>僕はミントのぴくぴく震え続ける頭をなでる。すると彼女は言葉を発するのをやめて、ただ呼吸を落ち着けることに集中し始めた。</p>
<p>「落ち着いた？」<br />
「……ふぁ」</p>
<p>絶頂の余韻が収まってなお、ミントはとろんとした表情を浮かべていた。その庇護欲をそそる姿は本当に愛らしい。</p>
<p>だけど僕は思い出す。彼女は盗賊だ。今の時点で僕は結構満足していたけれど、これは本来『お仕置き』だったはずと思うと、段々と邪な感情が湧いてくる。</p>
<p>「それじゃあ、『お仕置き』の続きをしよっか」<br />
「っ……♡」</p>
<p>行為の前後では、『お仕置き』という言葉のニュアンスも随分と変わるものだ。ミントは宙に浮いて太ももをさらけ出した恥ずかしい格好のまま、僕を見つめて『次はどんなことをしてくれるのだろう』なんて期待した表情を浮かべている。本当に素直な子だ。</p>
<p>だけど僕が発した『お仕置き』という言葉のニュアンスは、彼女が抱く<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>とは随分と違っていただろう。ただ彼女を気持ちよくしてあげる気なんて、僕にはさらさらないのだから。</p>
<p>今日の行為は、『彼女に会おう』というところまでは計画していたけれど、『具体的にこんなことをしよう』というところまでは考えていなかった。全部全部、行き当たりばったりの、でたらめな行為だ。そして僕は行き当たりばったりのまま、ふと思い付いたことを実践してみることにした。</p>
<p>「そうだな、<ruby>状<rt>・</rt></ruby><ruby>態<rt>・</rt></ruby><ruby>異<rt>・</rt></ruby><ruby>常<rt>・</rt></ruby>……『痒み』、とか？」<br />
「――――！！？　ぁ、ぁ――？　ぁ゛――！！？」</p>
<p>僕が呟いた瞬間、ミントの身体が跳ね上がる。</p>
<p>たくさんの『はてな』を浮かべた表情を僕に向けること、数呼吸。そして。</p>
<p>「――ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああっ！！！？　ぃあ゛！！！？　ぁ゛、ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ～～～～～～～～！！！？」</p>
<p>その絶叫は、先ほどの情事からは想像も付かないぐらい、悲痛なものだった。視界の隅で、アレリナも『何事か』と目を見開いている。</p>
<p>だけど心配はない。僕はただ、呟いたことを実践してみただけだ。</p>
<p>「んいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ！！？　ぁ、いぎっ！！？　痒いかゆいかゆいかゆい゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ！！！？　体が全部痒い゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいっ！！！？」</p>
<p>状態異常『痒み』――今のミントは、頭のてっぺんからつま先までが隙間なく痒い、ただそれだけのことだ。</p>
<p>言葉で表すのは簡単だけど、人は虫刺され一つで心をかき乱されるもの。それが全身を覆っているのだから、その苦痛は筆舌に尽くしがたい。そして身体を動かせないから、自分でかくこともできない。もっとも、今拘束を解くと皮膚が傷つくのもお構いなしにかきむしってしまいかねない。</p>
<p>僕はそんな彼女の体をかいてあげることなく、さらなる追い打ちを掛けることにする。</p>
<p>「欲しがってたみたいだから、あげるね」</p>
<p>僕は再び、自律して動く羽根を<ruby>創<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby>。先ほどまで胸や秘部を撫でていたものと同じ、だけどたくさんの羽根を、彼女の全身にまとわりつかせる。</p>
<p>すると彼女は、悦びとは程遠い声を上げた。</p>
<p>「ぅびゃぁあぁぁぁぁぁっははははひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ！！？　いま゛だめっ、だめぇぇぇぇぇぇぇぇへへへへへへへへへへへへへぇぇぇぇぇぇぇえっ！！？　かゆいっ、がゆいっ、痒い゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぁぁぁぁぁぁぁぁあっははははははははぁ゛ぁぁぁああああああっ！！！」</p>
<p>優しくも悪意に満ちたくすぐり責め。痒いところを羽根でなでられたらどんな感じか――それは彼女の反応を見れば分かることだ。くすぐったさが痒みを、痒みがくすぐったさを引き立てる。今の彼女は気持ちよさを感じている暇なんてないだろう。</p>
<p>僕は思い付いた<ruby>悪<rt>・</rt></ruby><ruby>意<rt>・</rt></ruby>をどんどん重ねていくことにする。</p>
<p>「『尿意』。だけど『失禁禁止』」<br />
「ぅう゛ぅぅぅぅぅっ！！　ぁ、ぁは……っ！！　なに、こぇっ！！？　出そ――ぉぁぃぇぁぁぁぁああああっ！！？　出ないぃぃぃぃぃひひっ！！？　でなぃぃぃっひっひひひひひひひひひひひぃぃぃぃぃぃぃっ！！？」</p>
<p>尿意が下腹部に強烈なうずきをもたらす。</p>
<p>ミントの太ももが、くすぐったさとは別の理由で強ばってゆく。『出したい、出したい』と言わんばかりに、腹筋がポンプのように収縮する。だけど失禁を禁じられたせいで、尿意が解消されることはない。いっそ、みっともなくお漏らしできたほうが、ずっと気分が良かっただろうに。</p>
<p>「『感度上昇』。くすぐったさと性感、どっちも」<br />
「――ぁ゛ぁぁぁぁぁぁああああああっ！！！？　ひゃぁぁぁっひゃっはははははははははははははぁぁぁぁぁぁぁあああっ♡♡♡♡　なひぃぃぃっひっひひひひひひっ、くしゅぐっひゃぁぁぁっはっはっははははははははははははは♡♡♡♡　かゆいかゆい痒いひぃぃぃぃぃぃぃぃ！！！？」</p>
<p>ミントの声が明らかに大きくなる。息が詰まって、全身がこわばり始める。全身が陰核になったかのように感度を引き上げられれば、当然の<ruby>結<rt>・</rt></ruby><ruby>末<rt>・</rt></ruby>が見えてくる。</p>
<p>だから僕は、さらに<ruby>悪<rt>・</rt></ruby><ruby>意<rt>・</rt></ruby>を重ねていく。</p>
<p>「『絶頂禁止』」<br />
「ぁ、あ、ぁ゛――ッ♡♡♡♡　……ぁ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁあああっ！！？　ぁれっ、なんでっ、なんでぇぇぇぇぇぇぇぇぇええっ！！！？　来なひっ！！！？　こない、来ないよぉぉぉぉぁぁぁあっっははははははははははははははぁぁあああああああ゛ーーーーーーーーっ！！！！」</p>
<p>ミントがあともう少しでイこうとした瞬間に、僕がそれを<ruby>禁<rt>・</rt></ruby><ruby>止<rt>・</rt></ruby>する。</p>
<p>本当はもうとっくに<ruby>来<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby>いておかしくないはずなのに、来ない。それは体の内臓の位置がばらばらに入れ替わってしまったかのように居心地が悪く、不快で、苦痛だ。そしてその一方で、気持ちよさはどんどん体の中にたまっていく。</p>
<p>いっそのこと、快感というものを知らなかったら、彼女もここまで苦しくはなかっただろう。図らずも、前半の優しい優しい開発が、今の彼女を殊更に苦しめることになったらしい。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――つまり、今のミントの状態をまとめると、こんなところだ。</p>
<p>痒み、尿意、失禁禁止、感度上昇、絶頂禁止。その上でのくすぐり責め。</p>
<p>「やら、やら゛ぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡♡♡　痒い゛ぃぃっひひひひひひひひひひっ、くしゅぐったひぃぃぃぃぃぃぃぃッ！！！？　出しゃせてぇぇぇぇっへひぃぃぃっ♡♡♡♡　来てっ、きてよぉ゛ぉぁぁぁぁああっはははははぁぁぁぁぁぁぁあ゛ーーーーーーーーっ♡♡♡♡」</p>
<p>神経がむき出しになったような感度のまま、痒みとくすぐったさが全身を包み込む。お互いの刺激が引き立て合って、下腹部を襲う尿意がその感覚を加速させる。だけど、絶対に失禁はできない。ものすごく気持ちいいはずなのに、絶頂に至ることも絶対にない。</p>
<p>我ながら、すごいことになったものだと思う。思い付く限りの食材と調味料を鍋に突っ込んだら、めちゃくちゃな料理ができあがってしまったみたいだ。</p>
<p>汗と涙、鼻水、よだれ。ありとあらゆる体液で、ミントの全身はぐしゃぐしゃに濡れていた。</p>
<p>「ごめんなざいぃぃぃぃぃっ！！！？　ぃあひゃぁぁっははははははははぁ゛ぁぁぁぁあ♡♡♡♡　ゆるじでっ、ごめんなさいいぃぃぃぃぃぃぃっひひひひひひひゃひゃひゃぁっははははははははははははぁ゛ぁぁぁぁぁあ！！！？　ぁ゛っははははははぁ゛ぁぁぁぁぁあああああああああッ♡♡♡♡」</p>
<p>ミントは何度も『ごめんなさい』と謝り続ける。</p>
<p>彼女が『ごめんなさい』と言っているからといって、本当に反省しているとは限らない。ただただ、この抑圧から解放されたい一心で、訳も分からず謝り続けているだけかもしれない。彼女の罪を考えるなら、もう少しこのままお灸を据えてもいいのかもしれない。</p>
<p>だけど僕にはそもそも、彼女の罪を裁くだとか、赦すだとか、そんな<ruby>筋<rt>・</rt></ruby><ruby>合<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>はなかった。だから僕は、『お仕置き』という体をかなぐり捨てて、ただ僕のしたいことを行うことにした。</p>
<p>「ねえ、想像してみて」</p>
<p>僕はミントの脳内にしっかり届くように、耳元でささやく。</p>
<p>「これから、痒いところを全部、爪で優しくかりかりしてあげる」<br />
「ぁはぁ――っ！！！？　ぅ、あ゛、ぁっはひひひひひっ！！！？」</p>
<p>「おしっこも出るようにするし、気持ちいいのも<ruby>来<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby>ようにしてあげる」<br />
「ぅあ゛ぁぁっ！！！？　ぁはっひひひひひひっ！！？　ぁ゛あぁぁぁぁぁぁ――っ♡♡♡」</p>
<p>笑いながらでも、その反応は明らかだった。飲まず食わずで丸一日歩き続けた後、冷たい水とおいしい食べ物を目にした時のような表情だ。</p>
<p>「ねえ、もう悪いことはしない？」<br />
「しない――ぃぃぃぃぃぃっ！！？　しません゛んんんんんんんぶぅっひゃっはっははははははははははははははははははぁぁぁぁぁあっ！！！　ぁ゛ぁぁぁぁぁぁあああーーーーッ♡♡♡♡」</p>
<p>「それと、僕たちのことは誰にも言わない？」<br />
「言いません゛んんんんんんっ！！！？　言わなひから゛ぁぁぁぁぁぁっひゃっははははははははははははは、ぁ゛ぁあぁぁぁぁぁッ♡♡♡♡」</p>
<p>「ん。いいこ」</p>
<p>僕はミントの頭をなでた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>僕が実行する<ruby>コ<rt>・</rt></ruby><ruby>マ<rt>・</rt></ruby><ruby>ン<rt>・</rt></ruby><ruby>ド<rt>・</rt></ruby>は、端から見れば何の予備動作も余韻もない。せいぜい小さく呟く程度だ。だから僕も、『少し情緒に欠けるな』なんて思うことがある。</p>
<p>だけど、ミントに付与された全ての状態異常を解除した瞬間、彼女は僕の代わりに面白いまでの反応を見せてくれた。</p>
<p>「ヒ――――っ！！？　ぁ゛――♡♡♡♡」</p>
<p>体ががくんと大きく跳ね、秘所から液体がちょろっと垂れる。</p>
<p>それと同時に、羽が瞬時に変形して、真っ白な人の手のような形になる。丸みを帯びた爪が、全身にこびり付く痒みの余韻を隈なく、優しく、かきつくしていく。</p>
<p>その瞬間、ミントは危険なまでの絶頂を迎えた。</p>
<p>「っっっぁ゛ぁぁぁあああああああああぁはぁぁ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～っっ♡♡♡♡♡　ッ゛――！！！！？　ぎひ――♡♡♡♡♡　ぁははははははっはぁ゛ぁぁぁぁぁぁああああ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡」</p>
<p>獣のようなあえぎ声。不自然なまでの全身の痙攣。秘所からは尿か潮かも判断できない液体が吹き出し続ける。</p>
<p>状態異常という思い付きは、ミントの体に想像以上の快感を齎した。痒みという状態異常はとうに解除しているけれど、それでもむずむずとした余韻は全身にまだ残っているようで。そこを爪でかいてあげれば、痒みを解消するカタルシスと、性感と、くすぐったさが、全部同時にやってくる。</p>
<p>失禁の解放感も、彼女にとっては危ない媚薬だ。尿意を解消すればすっきりした気分になるのはみんな同じだけど、今の彼女はそれを性的快感として受け取っている。もしかしたら彼女はこれから、ただ尿を出すだけでも気持ちよくなってしまうかもしれない。</p>
<p>そんないろいろとごちゃ混ぜになった気持ちよさが、絶頂を禁止されたせいで性感をたぽたぽに蓄えさせられた全身にぶちまけられているんだ。気持ちよくないはずがない。</p>
<p>「これ、すご――ッ♡♡♡♡♡　とま、ら、な――ッ♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　たすけ、助、け――ッ♡♡♡♡♡　おか、し――ッ♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>新しい気持ちよさがどんどん雪崩れ込んできて、ミントの絶頂は止まることがない。決壊した堤防は、もはやただの道だ。圧縮された快楽がミントの全身を通り過ぎて、神経を隅々まで強烈に摩擦して、秘所から止めどなく溢れ出していく。</p>
<p>あまりにも絶え間なく絶頂するから、僕も行為の止めどころが分からなくなってしまうぐらいだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>だけど、ろうそくの火は燃え尽きる間際にその光を強くするという。ミントの<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>は、僕の目でもはっきりと分かった。</p>
<p>「ッ゛――♡♡♡♡♡　ぁは、ぁはははは――ッ♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぎひ――ッ♡♡♡♡♡　は――ッ♡♡♡♡♡　は――♡♡♡♡♡」</p>
<p>今まで散々泣き叫ぶようにイッていたのに、途端に声がやむ。秘所から潮がぶしぶしと噴き出しながら、何かに耐えるように、全身に力を込めている。何か大きなものが来る――きっとミントは体で、そして僕は彼女の様子で、それを予兆した。</p>
<p>だから僕は、ミントに近寄る。そして両手をそっと、彼女の内股に添えた。来るべき瞬間に、最大限の快楽を与えてみたかった。</p>
<p>「ぁ゛――ッ♡♡♡♡♡　ぃ゛やッ♡♡♡♡♡　ぁ゛、ぁ゛ぁぁ――♡♡♡♡♡」</p>
<p>その時のミントの表情は、一生忘れられそうにない。</p>
<p>僕の指先を見た瞬間、ものすごく怯えて。だけど僕が彼女の表情を見て手を引っ込めると、彼女はものすごく絶望したような表情をして。だから僕がまた手を近づけると、また怯えて、だけどどこか、すごく期待しているような表情をして――。</p>
<p>だから僕は思いっ切り、ミントの内股を爪で優しくこそぐようにくすぐり姦した。</p>
<p>「ッ゛ッッッッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁは――ッ♡♡♡♡♡　ぎゃッ♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッッッッッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>他人の絶頂の強弱なんて、本当は僕もあまり分かっていない。もう今の今まで散々イッていて、どれもものすごい反応だから、どの絶頂が何番目に強かったかなんて分かるわけがない。</p>
<p>だけどミントの<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>は間違いなく、今日で一番の絶頂だ。</p>
<p>「ぁぎゃ――♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁはひぎ――♡♡♡♡♡　ひッ、ぁ――♡♡♡♡♡　ッ゛ッッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>ミントの潮が、彼女を内股をくすぐっている僕の体に掛かる。だけど僕は構うことなく、彼女の内股をくすぐり続ける。こそぐという指の動きが、ミントの体から潮を搾り取るポンプの役割を果たしている。その動きと役割のミスマッチさが、少しおかしくて、愛おしくて、興奮した。</p>
<p>「ぃ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　ぃひっ、ひ――♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　ッ゛ッッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>僕が一心不乱にミントの内股をくすぐっていると、段々と噴き出す潮の勢いが弱くなっていくのが分かる。それとミントの声も、体の動きも。</p>
<p>ちょろちょろちょろ、ちょろちょろ、ちょろ。……ぷしっ。潮の勢いがどんどん弱くなって、最後にほんの少しの飛沫を上げた時、僕は全ての行為を止めた。</p>
<p>それでようやく、やめ時の分からなかった行為に終わりが訪れるのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ミント、大丈夫？」<br />
「ぇひ――ッ♡♡♡♡♡　ひッ♡♡♡♡♡　ひぃぃぃ――♡♡♡♡♡」</p>
<p>「大丈夫、だよね」</p>
<p>ミントはそれっきり、反応らしい反応をしなくなった。ただ口元から引きつったような笑い声を漏らすだけ。秘所はもう緩みに緩んでしまったようで、透明な滴がちろ、ちろと断続的に流れている。僕は、彼女の体を虚空から下ろして、草が生い茂る地面に寝かせた。</p>
<p>ややあって、絶頂の余韻が収まり、ミントの体が落ち着いてきた。</p>
<p>「ぇへ、へへ……♡　へへへ、へへ……♡」<br />
「……一体、どんな夢を見ているのやら」</p>
<p>ミントは地面に寝転がったまま、緩んだ笑い声を上げていた。</p>
<p>僕は苦笑した。あんなことをされた直後に、そんな幸せそうな笑い声を上げるなんて、相当タフじゃないとできることじゃない。だけどその無垢な表情を見ていると何だかほっこりとした気分になる。</p>
<p>僕はその場に座り込み、ミントの眺め続ける。時折、庇護欲に負けて頭をなでると、ミントは一瞬だけ全身をびくんと跳ねさせた後、緩んだ笑い声を強めるのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「むにゃ……、ぁ……？　あれ、ここ……？」</p>
<p>「おはよう、ミント」<br />
「……？　……、……はわぁっ！！？」</p>
<p>しばらくたって、ミントが目を覚ましたから、僕はあいさつをする。気絶した彼女を無理やり起こすのも悪い気がしたから、僕は彼女の頭に草の枕を敷いて、目が覚めるまで待っていた。</p>
<p>ミントは目が覚めて、目をくしくしとこすり、僕の姿を確認するなり、また絶頂したのかと思わんばかりに身体を跳ねさせて後ずさんだ。</p>
<p>「…………」</p>
<p>ミントが素早い動きで木の後ろに回り込んで、顔だけ出して僕をにらみ続けている。まあ、当然と言えば当然の反応だろう。嫌われても仕方ない。</p>
<p>それでも、言っておきたいことがあった。</p>
<p>「ねえ、ミント」<br />
「……あによ」</p>
<p>「まがりなりにも盗賊団の頭領を務められた君なら、真っ当に働ける場所があると思う。市場の野菜売りを手伝ってもいいし、冒険者になってもいい」<br />
「…………」</p>
<p>「頑張れるね？」<br />
「……うん」</p>
<p>ミントが木の裏からのっそりと出てくる。そして小さく、それでもしっかり頷いてくれたから、僕は彼女の頭をなでた。</p>
<p>「何か餞別でもあればよかったんだけどね。あー、どうするかな」<br />
「……要らない」</p>
<p>「え？」<br />
「要らない！　盗賊団はやめる、手下にも説明する！　私、あんたの助けなんかなくても、ちゃんとやってけるもん！」</p>
<p>「そ、そう」<br />
「だから、そ、その」<br />
「ん？」</p>
<p>「……頑張るから、もっと、なでなさいよ」</p>
<p>僕はしばらく、ミントの頭をなで続ける。</p>
<p>そういえば、どうして彼女は盗賊になったんだろう？　<ruby>デ<rt>・</rt></ruby><ruby>ー<rt>・</rt></ruby><ruby>タ<rt>・</rt></ruby><ruby>ベ<rt>・</rt></ruby><ruby>ー<rt>・</rt></ruby><ruby>ス<rt>・</rt></ruby>を見ればすぐに分かることだけど、何となく、今彼女の過去をのぞき見るのは、はばかられる気がした。</p>
<p>こんな《世界》だ。もしかしたら、<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby><ruby>ぐ<rt>・</rt></ruby><ruby>ら<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>のことすらしてあげられる人が、身近にいなかったのかもしれない。</p>
<p>「ぁ、あり、が……」</p>
<p>頭をなでられながらぽそりと呟くミントの言葉は、最後まで聞こえなかった。聞こえなくても十分だった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>さて、いつまでも彼女の頭をなで続けているわけにもいかない。もう心残りはない、そろそろお別れの時間だ。</p>
<p>「……もう、行くの？」<br />
「残念だけどね。だけど、頑張ってくれるんでしょ？」</p>
<p>「あ、当たり前でしょ！！　あんたなんていなくても平気だもん！！」</p>
<p>ミントは顔を赤くしてそっぽを向いた。</p>
<p>少しだけ名残惜しくなったから、僕はまた彼女の頭を一なでだけすることにした。</p>
<p>「いい子でいたら、今度は優しく、気持ちよくしてあげる」<br />
「ひぃぅ……」</p>
<p>本当に愉快な子だな。</p>
<p>僕が笑うと、ミントは怒るべきか喜ぶべきか恥ずかしがるべきか分からない、何とも言えない表情をしながら、喉の奥から悲鳴を漏らすのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>目次</h3>
<p><a href="https://omonove.com/12434/">表紙（簡単なご案内など）</a><br />
<a href="https://omonove.com/12438/">第1節 わるい神さまの創る世界</a><br />
<a href="https://omonove.com/12456/">第2節 神さまに犯される神殺し</a><br />
<a href="https://omonove.com/12459/">第3節 神さまとポンコツ盗賊娘</a><br />
<a href="https://omonove.com/12461/">第4節 神さまが楽しく犯す基準</a><br />
<a href="https://omonove.com/12463/">第5節 神さまと滅びる定めの種</a><br />
<a href="https://omonove.com/12465/">第6節 教会と神殺しと神さまの怒り</a><br />
<a href="https://omonove.com/12467/">第7節 貴女は悪い神さまですか？</a><br />
<a href="https://omonove.com/12470/">最終節 悪い神さまの創る世界</a><br />
<a href="https://omonove.com/12472/">付録1 渡り鳥の気ままな旅模様</a><br />
<a href="https://omonove.com/12474/">付録2 幼き神殺しと小瓶の部屋</a><br />
<a href="https://omonove.com/12476/">おまけイラスト 《擽園》</a></p>

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			</item>
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		<title>【最終節】擽園開発日記序章 ～悪い神さまの創る世界～</title>
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		<dc:creator><![CDATA[おものべ]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 02 Jun 2023 10:52:17 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[長編小説]]></category>
		<category><![CDATA[【人数】一人に責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【受】女性が責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【攻】人外が責める]]></category>
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					<description><![CDATA[最終節 悪い神さまの創る世界]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<h3>目次</h3>
<p><a href="https://omonove.com/12434/">表紙（簡単なご案内など）</a><br />
<a href="https://omonove.com/12438/">第1節 わるい神さまの創る世界</a><br />
<a href="https://omonove.com/12456/">第2節 神さまに犯される神殺し</a><br />
<a href="https://omonove.com/12459/">第3節 神さまとポンコツ盗賊娘</a><br />
<a href="https://omonove.com/12461/">第4節 神さまが楽しく犯す基準</a><br />
<a href="https://omonove.com/12463/">第5節 神さまと滅びる定めの種</a><br />
<a href="https://omonove.com/12465/">第6節 教会と神殺しと神さまの怒り</a><br />
<a href="https://omonove.com/12467/">第7節 貴女は悪い神さまですか？</a><br />
<a href="https://omonove.com/12470/">最終節 悪い神さまの創る世界</a><br />
<a href="https://omonove.com/12472/">付録1 渡り鳥の気ままな旅模様</a><br />
<a href="https://omonove.com/12474/">付録2 幼き神殺しと小瓶の部屋</a><br />
<a href="https://omonove.com/12476/">おまけイラスト 《擽園》</a></p>

<p>&nbsp;</p>
<h3>最終節 悪い神さまの創る世界</h3>
<p>
苦悶の笑い声に包まれた石の広間の中央で、中年の男ども2人による茶番が行われている。</p>
<p>「デグロ・エルバーエンス。此度の働き、誠に大義でした」<br />
「はっ！　ありがたき御言葉。しかし元はと言えば、エルバーエンス家が起こした不始末」</p>
<p>「よい、よい。エルバーエンスの名は、永遠に主の元に」<br />
「ははっ！」</p>
<p>これから、当代最悪の背教者アレリナ・エルバーエンスの処刑が行われる。</p>
<p>当の本人であるアレリナは、一糸まとわぬ姿で、儀礼服を着た男たちに囲まれていた。</p>
<p>大聖堂の者だけではない。町々の教会を管理する者、兵を率いる立場の者、友好を築いている国の王族貴族まで。かの背教者の処刑を見届けんと、突然のことにも関わらず遠くから駆け付けた者も少なくなかった。</p>
<p>アレリナは両手を後ろ手に縛られ、足も鎖で繋がれており、思うように動くことができない。それ以前に、彼女にはもう抵抗する気力が残っていなかった。ただ、血という血を抜いたような青白い顔で、全ての成り行きを見守るだけ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>アレリナ捕獲の功労者にして養父のデグロ・エルバーエンスは、彼女の髪をつかんで上を向かせた。</p>
<p>「我らが主に祈ってみたらどうだ？　もっとも、貴様のような背教者がご慈悲を賜るとは思えないがな」</p>
<p>デグロの視線の先にあるのは、巨大な広間の中央にそびえる神の巨像だった。威厳を感じさせる老年の男の姿、左手には神が唯一食すとされたナシの果実。</p>
<p>アレリナは思わず笑ってしまう――これは一体誰だろう？　本当の《神》はもっと小さく、人間臭くて、何より臆病者だというのに。それに、彼の者が好きなのはナシではなく、羊肉の串焼きだ。</p>
<p>アレリナは、自分が行儀悪く食べて叱られたのを思い出す。親子か姉妹か、家族のように叱られるのなんて生まれて初めてだった。思い出すだけで、涙が溢れる。</p>
<p>「……ああ、《神》よ。貴女はやはり、<ruby>あ<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>時<rt>・</rt></ruby>に殺しておくべきでした」</p>
<p>アレリナが震える声で吐き出したのは、怨嗟の言葉だった。</p>
<p>最初に彼の者と出会った時。さもあれば、彼の者を<ruby>理解する<rt>しる</rt></ruby>ことはなかったであろうに。</p>
<p>「こッ、の背教者が！！」</p>
<p>デグロは額に青筋を浮かべながら、アレリナの顔を石床に叩きつける。彼女の口端から血が漏れた。</p>
<p>「枢機卿よ。この女はやはり、すぐに<ruby>処<rt>・</rt></ruby><ruby>刑<rt>・</rt></ruby>しなければなりません……！」<br />
「うむ。すぐにでも始めましょう」</p>
<p>そうして、枢機卿の口から訳の分からないご高説が紡がれる。それが終わると、幾十もの男がアレリナへと近付いていく。真面目な風を装っておきながら、デグロも、枢機卿も、どの男も、上質な衣服の下で汚れた一物を勃起させていた。『もう待ちきれない、早く犯したい』――そう言っているかのようだ。</p>
<p>名誉も尊厳もない、ただ男どもの玩具にされるだけの儀式。女として、人として、考え得る最悪の結末。それでも、彼女の体はぴくりとも動かなかった。</p>
<p>枢機卿が合図を出す。</p>
<p>「罪人に神の裁きを」</p>
<p>男たちの手が近付いてくる。アレリナは欲望に塗れた男たちの指を、まるで傍観者のように静かに見つめていた。</p>
<p>アレリナは思った――こんな絶望の中でも、人は触れられるだけで狂うほどに笑ってしまう。不思議なものだ。自分は無様に笑い、そしていつか死んでいくのだろう。</p>
<p>数十の指が、彼女の柔肌に触れようとする。全てを諦めたその瞬間、彼女は空から堕ちてくる<ruby>音<rt>・</rt></ruby>を聞いた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――M%#eO▲$?t――</p>
<p>それは《神託》だった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「――な、何だ貴様はッ！！？　ど、どうやって、いつから<ruby>そ<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby>にいたッ！！？」</p>
<p>大広間にいた誰か1人が咆哮する。アレリナを犯そうとしていた全員の動きが止まった。</p>
<p>デグロも、枢機卿も、男たちも、女たちも、そしてアレリナも。全員の視線は、大広間の中央にそびえ立つ神像の、さらに上。</p>
<p>そこに浮かぶのは、1人の黒髪の少女だった。</p>
<p>「…………」</p>
<p>少女はまるで全力で走った直後のように息を切らせたまま、辺りを見渡し始める。</p>
<p>そして<ruby>最<rt>・</rt></ruby><ruby>も<rt>・</rt></ruby><ruby>人<rt>・</rt></ruby><ruby>だ<rt>・</rt></ruby><ruby>か<rt>・</rt></ruby><ruby>り<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>大<rt>・</rt></ruby><ruby>き<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>場<rt>・</rt></ruby><ruby>所<rt>・</rt></ruby>を向くと、無表情のままゆっくり、ゆっくりと地面に降り立つ。 その頃にはもう、荒立った呼吸は落ち着いていた。</p>
<p>1人の僧兵が、剣を構えたまま少女に近付く。</p>
<p>「き、貴様、何者だ……！？」<br />
「僕？　僕はね――」</p>
<p>次の瞬間、問うた男の身体が真っ二つに千切れ、少女は嗤うのだった。</p>
<p>「――《悪い神さま》だよ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>それから先は、今までとは別の地獄絵図だった。</p>
<p>僧兵たちは一瞬置いた後、半狂乱になって少女に刃を突き立て、破壊の魔術を浴びせ始める。死なない。傷つかない。表情一つ変わらない。少女が嗤いながら僧兵一人一人を見つめささやく。砕ける。ひしゃげる。捻じ切れる。</p>
<p>甘い汁を啜っていた男たちが、絶叫しながら逃げ惑う。外に通じる扉が開かない、斧を突き立てても扉にはひび一つ入らない。代わりに、太った醜い身体が真っ二つに割れる。その中には英雄もいた、《規格外》の強さを持つ者もいた。等しく己が無力を悟って、後悔と絶望の中で息絶える。</p>
<p>嬌声と笑い声が、悲鳴と怒号に転化する。白かったはずの部屋が、赤く塗りつぶされていく。部屋の中央にあった神の虚像が、もろく崩れ去る。</p>
<p>もはや彼の者が<ruby>超<rt>・</rt></ruby><ruby>常<rt>・</rt></ruby><ruby>的<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>存<rt>・</rt></ruby><ruby>在<rt>・</rt></ruby>であることを疑う者は、誰一人いなかった。《神》……否、それ以上の《最悪の何か》――。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>アレリナの養父デグロは、広間の中央で尻もちを付くように座り込んでいた。</p>
<p>「ぁ……、ぁ゛、あ゛ぁ……ッ！！？」</p>
<p>峻烈たる外面など、もはやかけらほども残ってはいない。腰が抜けて逃げることすらできない。惨めに漏らした糞尿が悪臭をまき散らす。</p>
<p>少女はそんなデグロにゆっくりと近付いて、キスができそうな距離でささやいた。</p>
<p>「D#!■ge※b$■c%(*, &#8220;苦しみながら死ね&#8221;) /* 僕はお前のことが1番気に入らない */」<br />
「――ぁあ゛ぁぁぁぁッ！！？　ぁぎぁあ゛ぁぁあぁぁぁぁぁッ！！！？」</p>
<p>デグロの身体が痙攣する。倒れる。転げ回る。全身の神経を一本一本すり潰されるような痛みが襲い続ける。絶対的な痛みは思考を焼き尽くし、自分の行いを省みることすら許さない。デグロは喉が裂けるまで叫び、床との摩擦によって全身が血で染まるまで転げ回った後、誰にも看取られることなく絶命した。</p>
<p>虐げられていた女性たちは逃げることすらできなかった。拘束されていたから、腰が抜けていたから、諦めていたから。</p>
<p>「ごめんね。少しの間、眠っていて」</p>
<p>そんな彼女たちは、少女によって一人一人丁寧に<ruby>保<rt>・</rt></ruby><ruby>存<rt>・</rt></ruby>される。女性たちは訳が分からないまま穏やかな眠りに付き、ひとときの間だけその存在を《世界》から消し去った。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>千はいたはずの人々が、瞬く間に消えていく。巨大な広間に残るのは、少女とアレリナ、枢機卿のみ。</p>
<p>そして少女は枢機卿に正対する。</p>
<p>「ここにいた子たちは、全員僕がもらう。お前は何も心配しなくていい」<br />
「しゅ、《主》よ……ッ！！？　どうして、こんな……！？」</p>
<p>「『どうして』？　それを聞かなければ納得できないかな。これだけ好き勝手しておいて、自分は何の報いを受けることもないと？」<br />
「そ、それは……」</p>
<p>「だけどまあ、その点は気にしなくていい。僕だって好き勝手やっている。だから、お前たちがしてきたことに対して、僕から審判を下す筋合いはない」<br />
「な、ならば、何故……ッ！！？」</p>
<p>「言っただろう？　僕も好き勝手やっているって」</p>
<p>枢機卿の問いに対して、少女は歪んだ笑みを浮かべた。</p>
<p>次の瞬間、枢機卿の身体が弾け飛ぶ。肉片と骨、血液が大地に落ちる音に混じって、少女は答えるのだった。</p>
<p>「僕は、ここが気に入らない。それだけだよ」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>静寂――永きに渡り響き続けていた笑い声は全て消え失せて、空気の漂う音だけが鳴る。</p>
<p>少女は真っ赤に染まった静かな広間を見渡して、狂ったように嗤い始めた。</p>
<p>「この国はもう駄目だね」</p>
<p>少女の簡潔な言葉に、否定の余地はない。国の中枢たる者どもが、あまりにも多く死んだ。周囲の国々の人間をも巻き込んだ。これから空の教国は、瓦解の一途を辿ることになる。</p>
<p>それだけではない。</p>
<p>「《天秤》は傾く。それも大きく。《世界》が壊れるかもしれない。もうどんな屁理屈を並べても否定のしようがない。僕が<ruby>悪<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>のさ」</p>
<p>大国――それも宗教という、《世界》全体に大きな影響を与え続けてきた組織の急速な凋落。どうあっても、混沌の時代が訪れることは避けられない。</p>
<p>それでも、少女は嗤い続けた。</p>
<p>「アバ、ター……」</p>
<p>アレリナは広間の中央で座り込んだまま、そんな少女のことをじっと見つめていた。彼の者の、全てを見下す貌を見ても、耳障りな嗤い声を聞いても、怒りも、恐れも、抱くことはなかった。</p>
<p>少女はひとしきり笑うと、最後にアレリナに視線を向けた。</p>
<p>「君は、《神さま》を殺したいんだろう？」<br />
「っ」</p>
<p>「……<ruby>絶<rt>・</rt></ruby><ruby>対<rt>・</rt></ruby><ruby>に<rt>・</rt></ruby><ruby>逃<rt>・</rt></ruby><ruby>が<rt>・</rt></ruby><ruby>さ<rt>・</rt></ruby><ruby>な<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>んじゃなかったのかな」</p>
<p>アレリナが少女の瞳にある感情を見た瞬間、自身の感情をも溢れて止まらなくなる心地がした。</p>
<p>――ああ、本当に滑稽な表情だ。嗤っているはずなのに、どうしてそんなに罪悪感に苦しんだ表情を浮かべているのだろう？　どうしてそんなに恥ずかしそうで、どこかほっとした表情を浮かべているのだろう？</p>
<p>小さく、人間臭くて、何より臆病者。そして彼の者は本当に、本当に、嘘が下手だった。</p>
<p>「そう、ですね。私から離れていたら、世話ないですよね」</p>
<p>アレリナは目から涙を零し、嗚咽を漏らしながら応える。</p>
<p>「ほんとだよ、まったく」<br />
「……アバター。私は、《神》が憎いんです、殺したいんです」</p>
<p>少女はゆっくりとアレリナに近付く。</p>
<p>そしてアレリナが、彼の者の細い身体に抱き締められた瞬間、抗いがたい眠気がやってきた。まるで自分そのものが《世界》から消えてしまいそうなぐらい、強烈で強制的な感覚。</p>
<p>「だから、《貴女》は、傍にいてください」<br />
「大丈夫。《僕》はずっと、ここにいるよ」</p>
<p>会話はそこで終わる。だけど不安はない、彼の者が傍にいてくれるのなら――アレリナはぬくもりの中、静かに眠るのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ここ、は……」</p>
<p>アレリナが目を覚ますと、そこは見覚えのない場所だった。</p>
<p>天井があまり質の良くない木材で作られていて、そして低い。彼女はややあって、どこかの宿のベッドの上にいることを悟った。</p>
<p>あんなに精気を失っていた体が、今では不思議と活力に満ちている。裸にむかれていたはずなのに、いつの間にかぼろぼろの修道服に元通りだ。</p>
<p>「おはよう」</p>
<p>小さな声が、アレリナに落とされる。</p>
<p>アレリナが横になったまま声のするほうを振り向くと、アバターがベッドの側の椅子に腰掛けていた。静かで、冷たく、素っ気ないあいさつで、アレリナは自分のこわばった心が和らいでいくのを感じた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>アバターが宿の女将から貰ってきたシチューを、アレリナが飲む。</p>
<p>そのさなか、アバターがせきを切ったように『ごめんね』を何度も言う。今度は、アレリナが『済みませんでした』と『ありがとうございます』を1回ずつ言う。</p>
<p>そうして、2人はベッドの縁に腰掛ける。</p>
<p>「ねえ、アレリナ」<br />
「はい」</p>
<p>「僕は《悪い神さま》だ」<br />
「はい」</p>
<p>「だから、もう躊躇しないよ」<br />
「……はい」</p>
<p>アバターはそれでも結局少しだけ躊躇してから、アレリナのことを優しく抱きしめた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>アバターがアレリナの服を脱がす。<ruby>切<rt>・</rt></ruby><ruby>り<rt>・</rt></ruby><ruby>取<rt>・</rt></ruby><ruby>る<rt>・</rt></ruby>こともなく、<ruby>消<rt>・</rt></ruby><ruby>す<rt>・</rt></ruby>こともなく、脱がし慣れない修道服を丁寧に脱がしていく。</p>
<p>少し時間が掛かってはいるが、アレリナは彼の者を急かせることもなければ、自身が焦れることもなかった。ある種の儀式のように、静かに待ち続けるだけ。</p>
<p>長い時間を掛けて、芸術家が生み出す彫像よりもはるかに美しい裸体が曝け出された。</p>
<p>「失礼なことを言うようだけど」<br />
「はい？」</p>
<p>「少し、肉が付いたかな。安心したよ」</p>
<p>アレリナは自分の身体を見下ろす。</p>
<p>彼女自身、身体はまだ細いものの、確かに女性的な丸みが増しているように思えた。心なしか乳房も少し膨らんでいる。彼の者との旅で、自然と食事の量が増えたためだった。</p>
<p>「だけど、前よりまた少し細くなったかな」<br />
「貴女と別れてからは、あまり物を食べていませんでしたから。醜い、でしょうか」</p>
<p>「そんなことないよ。僕は好きだ」<br />
「そう、ですか」</p>
<p>好き――その言葉を聞いて、アレリナは思わずはにかんだ。</p>
<p>「アバターは、脱がないのですか」<br />
「む？」</p>
<p>アレリナのその問いは、彼の者にとって予想外だったらしい。</p>
<p>彼の者はしばらくその言葉の意味を考えるように黙り込み、『ああそうか』とつぶやいてから、真っ黒な衣服を脱ぎ始めた。</p>
<p>彼の者の裸体は、本当にただの少女のようだ。細い四肢、膨らみかけの胸、毛のない秘所。</p>
<p>「その。アバターの身体もきれい、ですよ？」<br />
「ありがとう」<br />
「むぅ」</p>
<p>お世辞なのか何なのかよく分からないアレリナの言葉に、アバターは噴き出しそうになりながら応える。</p>
<p>アバターが裸になっても平然としているのが、アレリナには何だか少し悔しかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「それじゃあ、触るね」<br />
「っ……！　す、少し待ってください。まだ心の準備が」</p>
<p>「駄目、待てない」</p>
<p>ベッドの上で、お互いに向き合うように座ったまま。アレリナの心の準備が済む前に、アバターは彼女のお腹に両手を伸ばした。</p>
<p>「ふぅっ！？　あはっ、ひふふふふふふふふぅっ！？」</p>
<p>アバターの小さく温かな手が、アレリナの脇腹をなぞる。その手つきはすべすべの肌の感触を楽しむようでいながら、どこか慈しむようでもある。</p>
<p>「ぁはっ、ふ……！？　ふぁっははははははははっ、これ――！！？　これぇ――！！？」<br />
「…………」</p>
<p>アバターは女性をくすぐる時、必ずしも相手を言葉で辱めるようなことをしない。しかし、手を触れている腹部と、表情の崩れた顔を交互に見るその視線には<ruby>熱<rt>・</rt></ruby>があり、アレリナに羞恥心を覚えさせるには十分なものだった。そして何より――。</p>
<p>「くぅっふふふふふふふふぅっ！？　まって、待ってぇ！」</p>
<p>アレリナは自分を襲う感覚に耐えられなくなって、思わずアバターを制止した。</p>
<p>アバターは彼女の呼び掛けに応じて、すぐにくすぐる手を止めた。</p>
<p>「苦しかった？」<br />
「はぁ……、はっ……。い、いえ。くすぐられているのですから苦しいには苦しいのですが、それは問題ではなく」</p>
<p>アレリナの言葉は、どこか歯切れが悪い。</p>
<p>アバターがアレリナの顔をのぞき込むと、彼女はかえって顔を背けた。アバターは、何か彼女に拒絶されることをしてしまっただろうかと、少し不安になる。</p>
<p>「貴女のくすぐり方は、その、優しい」<br />
「……それで？」</p>
<p>「そのくすぐり方は、頭がふやけて、どうにかなりそうな気がします」</p>
<p>その返答の後、2人が沈黙することほんの数呼吸。アバターはまた、アレリナのお腹をくすぐり始めた。</p>
<p>「きゃぁっはっははははははははははぁっ！？　ぁはっ、あ、アバターぁっ！？　あはっ、ぁっはははははははははははぁ！」<br />
「いいよ。どうにかなっても」</p>
<p>アバターは今度こそ、くすぐる手を止めはしなかった。むしろ、その手付きは先ほどよりも明らかに熱を帯びているぐらいだ。</p>
<p>「腋の下、くすぐるね」<br />
「そ、そんなっ！　あぅぅんっ！？　そ、そこはっ！　くすぐったひっひゃっはっはははははははははははははははっ！！？」</p>
<p>手がお腹から腋の下に移っていくと、さらにくすぐったくなる。だけどアレリナは、それが嫌ではないことに、自分で驚いた。</p>
<p>アバターには、出会った時にもくすぐられた。だけどあの時は、どこをどうくすぐられても、指先が肌をすべるたびに憎しみの感情が際限なく湧き出してくるような心地だった。</p>
<p>それが今はどうだろう。アレリナが自分で口にしたように、くすぐったいのに、優しくて、頭がふやけてどうにかなりそうだ。</p>
<p>「ふぅっ、ん……っ！？　んんっ、ぁはっ、はぁ……！」<br />
「これはそうでもないんだね。じゃあ、こっちは？」</p>
<p>「んふぅぅっ！？　ぁはっ、あぁっはっはははははははははははははっ！！　それはっ、くすぐたひぃぃっひひひひひひひひひひぐっ！！？　げほっ！？　んぐぅ、けほっ、げほ……っ！？」<br />
「大丈夫？　少し休もうか」</p>
<p>「は、ぁぁ……！　は、はい――んぅっ！？　うふふふふ……！？　く、くすぐるのは、止めないんですね……っ！　ぁはぅ、あはは、はぅぅ……」<br />
「そりゃもちろん」</p>
<p>アバターは、感度が悪いところを無理にくすぐろうとはしなかった。本当にくすぐったいところを、丁寧に探してくすぐっていく。そして、アレリナが咳込んでしまったら、優しいくすぐりがさらに優しくなる。</p>
<p>無理に手を速めたり、指を食い込ませたりしないからこそ、痛みや不快感なくただ優しいくすぐったさだけがやってくる。今まで何百、何千、何万とくすぐり犯されてきたアレリナでも、蕩けるような心地だった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「はぁっ、はぁ……」</p>
<p>しばらく腋の下をくすぐっていたアバターは、手を止めて、アレリナの姿勢をうつ伏せに変えさせた。</p>
<p>「<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>こ<rt>・</rt></ruby>、弱かったよね」<br />
「ぁ……」</p>
<p>アバターが手を添えたのは、アレリナの足の裏だった。</p>
<p>彼女の1番の弱点。くすぐったいところとか、くすぐったくないところとか。効くくすぐり方とか、効かないくすぐり方とか。足の裏にそんなややこしい話はない。どこをどうくすぐられても、とんでもなくくすぐったくなる場所――彼女にとって足の裏とは、そういう場所なのだ。</p>
<p>「抵抗しないの？」</p>
<p>アバターはそう笑いながら、うつ伏せになったアレリナのふくらはぎに伸し掛かる。</p>
<p>言う機会こそなかったが、アバターはアレリナの足を美しいと思っていた。あれだけ戦いの人生を歩んでいながら、傷はおろかしみ一つない。その細さは女性的で、薄らと浮かんだ骨や血管は装飾のよう。体の細い彼女ではあるが、足の裏にはしっかりと肉の丸みがあって、指先の立て甲斐を感じさせる。</p>
<p>「ぅ――」</p>
<p>アバターに伸し掛かられたアレリナは、ぶるっと身体を震わせる。しかしそれ以上の抵抗はなく、背中越しに彼の者をじっと見つめるだけ。</p>
<p>ささやかな嗜虐心を持つアバターは、正直なところ『少し張り合いがないな』と思った――もう少し、『そこは駄目！』なんて言ってくれたら、いじめるのも張り切るのだけど。</p>
<p>しかしアレリナの反応は、彼の者の予想とは大きく違っていた。</p>
<p>「そこをくすぐられるのは、確かに怖いです。ですが……」<br />
「ですが？」</p>
<p>「それ以上に、貴女にくすぐられると思うと、その、すごく……どきどきします」</p>
<p>アレリナ自身、自分の感情が不思議で堪らなかった。</p>
<p>――今まで散々忌避してきた部位への、散々忌避してきた行為。確かに今でもまだ怖い。きっと、自分はこれから耐え難い感覚に襲われて、みっともない顔をしながら笑ってしまうのだろう。それなのに、それがこんなに楽しみに思えるなんて。彼の者の指で乱れたい、悶えたい。</p>
<p>それは、過去の彼女からは、まるで想像できない感情だった。</p>
<p>「…………」<br />
「…………」</p>
<p>「…………」<br />
「……あ、あの、アバター？」</p>
<p>また数呼吸分の沈黙が訪れて、アレリナは困惑した。</p>
<p>もっとこう、自分の恥ずかしい言葉に気の利いた返しをするとかないのだろうか――彼女がそう思っていたら、アバターはアレリナの言葉に応えることなく、彼女の足の裏を激しくくすぐり始めるのだ。</p>
<p>「っっひゃぁあぁぁぁぁっはっはっはははははははははははははははははははぁぁっ！！？　あ、あばたはぁっ！！？　つよひっ！！？　つよふぎぃぃぃっひゃっはっはっははははははははははははははははははははぁぁぁぁぁぁあっ！！！」</p>
<p>アバターの指先が、アレリナの足の裏を無秩序に滑る。今までの、慈しむようなくすぐり方とはまるで違う。強く、激しく、有り余るほどの<ruby>熱<rt>・</rt></ruby>をただ我武者羅にぶちまけるようなくすぐり方だ。</p>
<p>「ひぃっひひひひひひひゃぁっっははははははははははははははははは！！　くすぐったひっ！！　くすぐったひぃぃぃぃっひゃっはっはははははははははははははははぁぁぁあ！！！」<br />
「君は、何というか、本当にかわいいね」</p>
<p>アバターは顔を背けながら、アレリナの笑い声に埋もれるように、そっとつぶやいた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「そう言えば、ずっと前からやってみたいことがあったんだ」</p>
<p>アバターがそう言うと、ただただ激しかった照れ隠しの責めが、次第に変化していく。</p>
<p>「んぁ……！　ぁっひひひひひひ……っ！？　ぁはっ、ひゃっはははははははははははははぁ！」</p>
<p>彼の者がくすぐり始めたのは、右足の親指だった。両手の人差し指と中指で、右足の親指の先から根元までを、かりかりとくすぐっていく。</p>
<p>それはアレリナにとって、少し慣れない刺激だった。もしかしたら、今までも散々くすぐられてきたことのある部位なのかもしれない。だけど親指だけをこんなにも丁寧にくすぐられたことなんて、彼女の記憶の限り、一度もない。教会の聖水に冒された影響か、親指ですら笑い声を我慢できないぐらいくすぐったかった。</p>
<p>彼女はそれでも、『ああ、悪くない』と思った。アバターが自分の足の裏をくすぐるということ自体、今の彼女にとってはこの上ない悦びだった。それこそ、親指をくすぐられるのが、好きになってしまうぐらい。</p>
<p>「んひゃはっ！？　ひゃはっ、はははははははははははぁぁっ♡♡　ぁはっ、はっ、はぁぁ……♡♡」<br />
「少し、慣れてきたかな」</p>
<p>「んくっふぅっ♡　そ、そうです、ね……♡　んひゃはっ！　ずっと同じところだと、いくら私でも多少は、んはっ！？　はっ、ひゃははは、ひゃはぁぁ……♡♡」</p>
<p>親指などという極めて狭い部位だけをくすぐられていたら、いかに敏感なアレリナといえど、さすがに刺激に慣れてくる。しかし右親指に残るのは、倦厭や嫌悪ではなく、幸福な余韻だ。</p>
<p>そしたらアバターは右足の親指をくすぐるのを止めて、今度は隣にある人差し指をくすぐり始めるのだ。</p>
<p>「んぅぅっ、ぁ！　んっ、ぁふふ♡　ぁ、そこは、何だか……！　ひゃっ、ひゃぁぁぁ……♡♡」</p>
<p>刺激が隣の指に移るだけで、まったく別の部位をくすぐられ始めるような敏感具合だ。アレリナはまた笑う。指の膨らんだ部分に爪を立てられるとくすぐったいけれど、指の側面、股辺りはなんだかぞくぞくする。『人差し指をくすぐられるのも、何だか好きかもしれない』と思う。</p>
<p>やがて右足の人差し指が夢見心地な余韻に包まれると、アバターは右中指に手を添えた。そこでアレリナは、背筋をぎくりとさせた。アバターが<ruby>何<rt>・</rt></ruby>をしようとしているのか気付いたのだ。</p>
<p>「そ、その、アバター……？　何をして、ま、まさか……っ」<br />
「前は、ゆっくり触っている時間がなかったからね」</p>
<p>「だからって、そんな……！　んっ、くふふっ♡♡　ひゃっ、んぅぅ……っ！？」</p>
<p>アレリナの想像は間違っていなかった。アバターは、中指、薬指、小指と、右足の指を順番にくすぐっていく。それは、足の裏を文字通り<ruby>全<rt>・</rt></ruby><ruby>て<rt>・</rt></ruby>くすぐる行為だったのだ。</p>
<p>「あ、アバター！？　そ、それはやめてくだ――！？　ひゃぁぁぁっ♡♡♡　くひゃっ、ひゃぅぁぁぁあっ！！？」<br />
「優しくくすぐってるだけだよ？　そんなにきつくないと思うけど」</p>
<p>「ち、違うんですぅっ！？　つ、つらいとか、つらくないとかではなくて、それは、何だか恥ずかし――！！？　ひぅんっ♡♡♡　ぅひゃっ、ひゃはははははぁぁっ♡♡♡」</p>
<p>自分の1番弱いところをじっくりと見られ、触られる。それも、ただの一点も逃さず、ひたすら丁寧に。</p>
<p>そんなアバターの行為は、アレリナにとって<ruby>も<rt>・</rt></ruby><ruby>の<rt>・</rt></ruby><ruby>す<rt>・</rt></ruby><ruby>ご<rt>・</rt></ruby><ruby>く<rt>・</rt></ruby>恥ずかしかった。彼女は今までいろいろな辱めを散々受けてきたはずなのに。このやり方は無性に全身が熱くなって、真っ赤な顔を手で覆い隠したくて仕方なかった。</p>
<p>そしてアバターは、右足の指5本を全てくすぐり終えると、今度は足の裏の<ruby>側<rt>・</rt></ruby><ruby>面<rt>・</rt></ruby>をなぞり始める。アレリナのくすぐったさが一気に強くなった。</p>
<p>「ぁはぁっ♡♡♡　んぁっ、ぁっははははははははははははぁぁぁぁ！！　くすぐったっ、ひゃぁぁぁっ！！？」<br />
「そんなに足首ひねって暴れると、ちゃんと触れないよ」</p>
<p>「だってへぇぇっ♡♡♡　足っ、勝手に動いて――！！？　んひゃはっ、ひゃぅぁっ、ひゃっはははははははぁぁあっ♡♡♡」</p>
<p>親指の根元から始まって、土踏まずの外側、かかと、土踏まずの内側、そして小指の根元へ。人差し指と中指の2本だけで、かりかり、かりかりと、ゆっくり移動していく。</p>
<p>足の裏の側面は、ぞくぞくとした感覚が強かった。神経を直接触られているように、指が勝手にぴくぴくと震えてしまう。笑い声の中に、間抜けな喘ぎ声が混ざる。</p>
<p>指が足の裏の側面を一周したら、今度はかかとをくすぐられる。</p>
<p>「んぁ゛はぁっ♡♡♡　強゛、くないぃぃっ♡♡♡　ぁ、ぁぁぁぁあ～～～～っ！！？　ぁっははははははははぁぁぁぁぁあああっ♡♡♡」<br />
「爪立ててるから、痛かったら言ってね」</p>
<p>「痛く――！！　ない、ですぅぅ！！？　すごく、気持ちい――♡♡♡　って、恥ずかしいこと言わせないでくださひゃぁっははははははははははははははははぁぁぁぁぁあっ♡♡♡」<br />
「僕、そこまでは聞いてなかったんだけど」</p>
<p>かかとをくすぐる時は、少し強く指を立てられる。他の部位であったら、痛みを及ぼしていたかもしれない強さだ。</p>
<p>その強さはアレリナにとって絶妙だった。強すぎる圧力がかかとの厚い皮膚で和らいで、神経に届くときにはぞくぞくと甘い感覚になっている。</p>
<p>「っくぅぅぅぅぅっ♡♡♡♡　はっ、っはっ♡♡♡　はひゃっ、ひゃっははははははははははっ♡♡♡♡　っ～～～～～～～～！！！？」</p>
<p>アレリナは、自分の秘所が急速にうずくのを感じた。</p>
<p>アバターの目の前で自分の股間を押さえ付けるわけにはいかないと思ったから、彼女はこっそりと秘所に意識を集中させる。しかしその時にはもう、太ももに愛液の滴が垂れるぐらいに濡れていて、余計に恥ずかしい気分になった。</p>
<p>アバターのくすぐる手が少しずつ上っていって、土踏まずに。</p>
<p>「ひゃぁ～～～～っはっはっははははははははははははははははははははっ♡♡♡♡　くすぐったいですっ、そこはくしゅぐったひですぅぅぅぁっはっははははははははははははぁぁぁぁあっ！！！？　ぁはっ、ぁはっ、ぁぁぁあっはっはははははははははははぁぁぁぁあああああっ！！！！」</p>
<p>足の裏の中でも、さらに敏感な部位だ。そして皮膚が薄い。</p>
<p>アバターの手付きは、優しくも素早かった。爪でがりがりと削って傷つけてしまわないように、指先がそりそりとこすれるような力加減。しかしその限りで、とにかく素早く、10本の指を総動員して。それはアレリナにとって、自分の性器を優しくくすぐられているかのような、甘く蕩ける衝撃だった。</p>
<p>あまりに足の裏が敏感なアレリナとて、人並みの性感も持ち合わせていた。陰核をしごかれれば愛液が止めどなく溢れるし、膣を満たされれば性感と共に息が詰まるような充足感もやってくる。</p>
<p>そんな性感と足の裏が、今ひとつなぎにされる心地だった。土踏まずを指先で優しくくすぐられると、陰核と膣を同時に優しくくすぐられているような気がしてしまうのだ。</p>
<p>「あばたーぁぁっははははははははははははははははっ！！！？　もうっ、もぉっ♡♡♡♡　これ以上はっ、やめ――♡♡♡♡　へっひひひひひひひひひゃはっははははははははははははぁぁぁあっ♡♡♡♡」<br />
「駄目、やめない」</p>
<p>「どうしてっ、どうしてへぇぇぇっへへへへへへへへへへぇぇぇぇぇぇええっ♡♡♡♡　どうしてでふかぁぁぁあっひゃっははははははははははははははははははぁぁぁぁあっ♡♡♡♡」<br />
「分かってるでしょ？　君のイクところが見たいからだよ」</p>
<p>「っ～～～～！！！？　ど、どうして分か――！！！？　ひゃぁぁぁっははははははははははははははははぁぁぁぁあああっ♡♡♡♡　ひゃはぁぁぁぁああっ♡♡♡♡」</p>
<p>性感は昂ぶり、もういつ絶頂してもおかしくない。彼女にとっては最悪で、どこか最高にも思えるタイミングで、アバターの指先はとうとう、足の指の付け根にたどり着くのだ。</p>
<p>「あ゛ぁぁーーっはっはっはははははははははははははははははははっ！！！！？　ぁはっ、ぁ゛ーーーーっはっははははははははははははははははははははははぁぁぁぁぁぁぁあああああああっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>指の付け根のふっくらと盛り上がっている部分は、アレリナの体のあらゆる部位の中でも、最もくすぐったい部分だった。アバターは爪を立ててこそぐように、そこをくすぐり始める。</p>
<p>それはアレリナにとって、1番くすぐったい部位に対する、1番くすぐったいくすぐり方だ。</p>
<p>「どうしてっ、いきなり――♡♡♡♡♡　ぁ゛はっ、ぁ゛ぁぁぁあっはっはははははははははははははははははははははははぁぁぁぁぁああっ！！！！？　ぁはっ、ぁはっ、ぁっはっはははははははははははははははははははははははぁあぁぁぁぁぁあああっ♡♡♡♡♡」<br />
（どうしていきなりっ、1番くすぐったいくすぐり方を――！！！？　くすぐったいっ、くすぐったいっ、気持ちいいぃぃぃぃぃぃい！！！？）</p>
<p>『どうやってくすぐると一番効くのか』なんて、今更確かめるまでもなかった。過去の<ruby>行<rt>・</rt></ruby><ruby>為<rt>・</rt></ruby>で既に知っていたのだから。</p>
<p>アレリナは『まさか、あんなに昔のことを覚えているなんて』と思った。2人が出会ったのは数か月前。『昔』と呼ぶにはまだまだ短い仲だが、そう思わせるぐらいには凝縮された時間だ。</p>
<p>そんな過去の痴態を覚えているということが、アレリナを無性に恥ずかしく、そしてどこかうれしくさせた。</p>
<p>「ぁはっ、あっ、ひ――ッ♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～！！！？　ぁは――♡♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～！！！！　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>昂ぶりに昂ぶった状態での、最も気持ちいいくすぐり責め。どこか感極まったこともあって、アレリナは深く絶頂してしまう。</p>
<p>くすぐられている右足がぴんと伸び、体とシーツの間で潮がぷしりと噴き出す。とっさに枕を抱き締めて口を押さえ付けていなかったら、背筋を大きくのけ反らせながら甘い悲鳴を上げていたぐらいだ。</p>
<p>アレリナが絶頂したことを確かめると、アバターは少し名残惜しそうに、右足の指の付け根をくすぐるのを止めた。</p>
<p>「はっ、ぁぅ……！　ふ……っ♡　ひ、ぁぁぁぁ……♡」</p>
<p>アレリナはゆっくりと息を整える。ぞくぞくとしたくすぐったさの余韻と、彼の者に触られたという幸福感が、右足の裏を余すことなく包み込んでいる。</p>
<p>彼女にとってこんなに満たされる絶頂なんて、生まれて初めてだった。過去には一晩で何十回もイかされたこともあったが、今の1回はそれをはるかに上回る充足感があった。</p>
<p>だからだろうか。彼女はもう<ruby>終<rt>・</rt></ruby><ruby>わ<rt>・</rt></ruby><ruby>っ<rt>・</rt></ruby><ruby>た<rt>・</rt></ruby>気でいたのだ。</p>
<p>「休憩はもう大丈夫かな？」<br />
「はぇ」</p>
<p>「まだ<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>っ<rt>・</rt></ruby><ruby>ち<rt>・</rt></ruby>が残ってるよ？」<br />
「っ～～～～！！？」</p>
<p>先ほどの行為は、<ruby>右<rt>・</rt></ruby><ruby>足<rt>・</rt></ruby>だけ。アバターがアレリナの<ruby>左<rt>・</rt></ruby><ruby>足<rt>・</rt></ruby>をつかみながら、少し意地悪な笑顔を浮かべている。</p>
<p>アレリナは彼の者の表情を見て、これから起こることを想像して、自分の下腹部がものすごくうずいた気がした。</p>
<p>「大丈夫だよ。さっきと同じだから。もう1回耐えるだけさ」<br />
「まって、待ってへぇぇっへへへへへへへへへへっ！！！？　さっきと同じじゃな――！！！？　イッたから、さっきより敏感に――♡♡♡♡　ひひゃっ、ひゃはぁぁっははははははははははははははははひゃぅぁぁぁぁぁあああっ♡♡♡♡」</p>
<p>それからアレリナは、先ほどとまったく同じ流れで、今度は左足の裏を隈なくくすぐられていく。親指から始まって、小指まで順番に。そして足の裏の側面、かかと、土踏まず、指の付け根。</p>
<p>それは彼女にとって、気が遠くなるぐらい時間の掛かる行為だった。まるで大きな大きな真っ黒なキャンバスを、先の細い筆だけで隈なく彩色に染めるかのようだ。</p>
<p>「ふぐっ、ぅ――♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡　ひひゃは――♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」<br />
「……すごいな。小指をくすぐられてイッちゃうんだ」</p>
<p>「きひっ、ひひひひゃはははははははははははははぁぁあ゛っ♡♡♡♡　イッてるときに、くすぐらな゛――！！！？　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」<br />
（これ、何も考えられなくなる――ッ♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡）</p>
<p>あんなに<ruby>く<rt>・</rt></ruby><ruby>す<rt>・</rt></ruby><ruby>ぐ<rt>・</rt></ruby><ruby>っ<rt>・</rt></ruby><ruby>た<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>か<rt>・</rt></ruby><ruby>ら<rt>・</rt></ruby><ruby>嫌<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby>だったはずなのに。<ruby>く<rt>・</rt></ruby><ruby>す<rt>・</rt></ruby><ruby>ぐ<rt>・</rt></ruby><ruby>っ<rt>・</rt></ruby><ruby>た<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>か<rt>・</rt></ruby><ruby>ら<rt>・</rt></ruby><ruby>好<rt>・</rt></ruby><ruby>き<rt>・</rt></ruby>に変わっていく。こころのなかのまっくろが一つ残らず、彩色に塗り替えられていく。</p>
<p>長い長い時間をかけて左足の裏を全てくすぐられ終えた時には、アレリナの表情はもはやとろとろと言うよりも、どろどろに蕩け切っていた。</p>
<p>「はぁー……っ！　はぁ……っ！！　はぁ……！」<br />
（っ――♡♡♡　っ――♡♡♡）</p>
<p>ただ左足の裏をくすぐられるだけで、何度絶頂したか分からない。口の端からよだれを垂らしていながら、拭うこともできない。</p>
<p>それでも、行為はまだ終わらなかった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「……もう少しだけ、付き合って。<ruby>こ<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby>だけは、しておきたいんだ」</p>
<p>アレリナの体が、自分の意思に反してひとりでに動き始める。否、まるで手首と足首に見えない枷を取り付けられて、優しく引っ張られているようだ。首は動く、腰も少しだけなら動く。自由を奪われてなお、アレリナに焦りはなかった。</p>
<p>ベッドの上で仰向けになって、軽く脚を広げさせられる。アバターが両脚の間に座って、覆いかぶさってくる。アレリナの腕がひとりでに、アバターの背中に回された。</p>
<p>もしも彼の者に<ruby>一<rt>・</rt></ruby><ruby>物<rt>・</rt></ruby>が生えていたら、性行為における正常位になり得る体勢だ。いつの日か、彼の者は『いざとなったら生やせる』と言っていた。結局その機会は今日を含めついぞ現れなかったが。それでもアレリナは確信した――これから行われるのは、『犯す』とはまた違う、本当の『交わり』だ。</p>
<p>しかしアバターは、何の変哲もない行為を行うつもりは更々ないらしい。目の前の光景に、アレリナは喉の奥でひっそりと悲鳴を上げた。</p>
<p>「っ――」</p>
<p>虚空から無数の<ruby>手<rt>・</rt></ruby>が現れる。</p>
<p>彼女には見覚えがあった。初めて彼の者に出会った時、自分を犯すために使った手だ。あの時は惨めに絶頂を繰り返し、見知らぬ男性の顔に潮をまき散らした。苦い思い出だ。</p>
<p>アレリナはその手の数を数えようとして、10を超えてから数えるのを諦めた。『もしもこの手が自分だけをくすぐるのなら、体が隙間なく包まれてしまう』――それだけ分かれば十分な気がする。</p>
<p>そしてその手を見ていると、一つ気付いたことがある。この手の大きさ、形は、全てアバターの手と同じだった。</p>
<p>「……また、それですか」</p>
<p>アレリナは呆れたようにため息を付く。</p>
<p>アバターはそんなアレリナに覆いかぶさったまま、素知らぬ顔で彼女に体重を掛けて、至近距離で顔をのぞき込むのだ。</p>
<p>「僕だって、それなりに君のことを見ているつもりだ」<br />
「何を」</p>
<p>「期待しているでしょ？」</p>
<p>アレリナは自分の心の中を見透かされて、赤く染まっていた顔がさらに赤くなった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>幾十ある手のうちどれか一つが、アレリナの脇腹を軽くなでる。</p>
<p>「ひぁぅ――！！？」</p>
<p>甲高い悲鳴。息つく暇もなく、他の手のどれかが、今度は腋の下に触れる。</p>
<p>「くひぁっ、あ――！！！！　あは――！！！？」</p>
<p>脇腹、腋の下、太もも、首筋、そして足の裏。まるで『心の準備を』と言わんばかりの、何の役にも立たないほんの僅かな時間差の後、無数の白い手がアレリナの体を余すことなくくすぐり始めた。</p>
<p>「っ゛～～～～～～～～！！！！？　ぁ゛ーーーーっはっはっははははははははははははははははははははぁぁぁあっ！！！！？　ぁ、ぁば、た――！！！！　これは、あまりにも――！！！？　ぁはっ、ぁっははははははははははははははははぁ゛ぁぁぁぁああああああっ！！！！？」</p>
<p>今日で一番強いくすぐったさに、アレリナは目を見開いて笑った。</p>
<p>大勢の手にくすぐられることなんて、この《世界》における歴史で見たらそう珍しいことではない。彼女もそれを経験したことは幾度もある。</p>
<p>しかしその快感は紛れもなく人の許容量をはるかに超えたものであり、そして今彼女が味わっている幸福感は、その半生の中でも類を見ないものだった。</p>
<p>「ひゃぁぅぁっはっはははははははははははははははははぁぁぁぁあっ♡♡♡♡♡　ぁはっ、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>「止めないでいいよね？」<br />
「っくっぁ――♡♡♡♡♡　聞かないで、くださ――！！！？　ぁっはははははははははははははぁぁぁぁぁぁあああああっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>こんなにもくすぐったいというのに、抵抗しようと思ったのは最初の一瞬だけ。すぐにくすぐったさが体になじんで、頭の中で無数の花が開くような気分になった。全身の筋肉が痙攣するが、アレリナが自分の意思でくすぐったさから逃れようとしていたわけではなかった。ただくすぐったくて、そして気持ちよくて、体が勝手に動いてしまうだけだ。</p>
<p>抱きしめることを強要されながらくすぐられる――実はアレリナには、このような<ruby>責<rt>・</rt></ruby><ruby>め<rt>・</rt></ruby><ruby>苦<rt>・</rt></ruby>を以前にも故郷で味わわされた経験があった。脂ぎった男の身体は気持ち悪い。顔を至近距離で見られるのは屈辱だ。それなのにくすぐったさが、抱きしめる力を強めてしまう。そんな屈辱的な責め苦だった。</p>
<p>それなのに、今はどうしてだろう。</p>
<p>「……アレリナ。その、腕、いや、全身の力、もしかして僕のほうに向けてる？」<br />
「ぁはっ、ぁははははぁぁぁぁあっ♡♡♡♡♡　だからっ、聞かないでくださいってぇぇぇぇぇぁあっははははははははははははぁぁぁぁあっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>細く温かな身体が心地よい。顔を見られると、恥ずかしさと一緒にうれしさまで込み上げてくる。くすぐられていなかったとしても、抱きしめる力を強めてしまっていただろう。</p>
<p>「ぁはっ、ぁぁぁぁぁぁああああ――♡♡♡♡♡　は、ぁ゛――！！！！？　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁは、ぁ――♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>足の裏をくすぐられるだけで何度も絶頂を迎えてしまうアレリナにかかれば、全身をくすぐられて絶頂に至ることなど訳なかった。</p>
<p>しかも足の裏のくすぐったさは先ほどよりも強烈だ。一番くすぐったい指の付け根を引っかかれるだけでなく、土踏まずも、踵も、足の裏の側面も、足の甲もくすぐられている。一体どれだけの手が、体のほんの一部に過ぎない足首から先に集中しているのだろう。</p>
<p>「あばたぁぁっはっはははははははははははぁぁぁぁぁぁああっ♡♡♡♡♡　くすぐったいっ、全部くすぐったいですぅぅぅっふふふふふふぁっはっははははははははははははははぁぁぁぁああっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>もちろん、くすぐったいのは足の裏だけではない。</p>
<p>腋のくぼみをほじくられ、脇腹を優しくもまれ、太ももを引っかかれ、首筋も、背中も、腰も、膝も、ふくらはぎも――全身のあらゆる部位に、優しくて、だけど熱を感じさせる、実にアバターらしいくすぐり責めが行われている。</p>
<p>その作り物の<ruby>手<rt>・</rt></ruby>は、彼の者の手と同じ形をしていた。それを思い出すたびに、アレリナは自分の全身にまとわりついて犯してくる手の全てが、愛おしく感じられるのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そして当の本人――アバターの行為が、さらにアレリナを昂ぶらせることになる。</p>
<p>「……嫌なら、言ってね」<br />
「な――♡♡♡♡　です、か――♡♡♡♡　ぁ゛――♡♡♡♡」</p>
<p>アバターはアレリナの体を強く抱き締めたまま、その小さな体を揺すり始めたのだ。お互いの乳首が、陰核が、膣口がこすれ合っていく。</p>
<p>「っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　っ――！！！？　っ！！！？」</p>
<p>今まで秘所を激しく犯されたことなど、幾度となくあったろう。乳首を捥げそうなほどに引っ張られ、陰核を削れるほどにこすられ、血管が浮き出るほどに怒張した不潔な一物に膣内をこねくり姦される――それに比べれば、アバターの行為など本当に慎ましやかものだ。</p>
<p>それなのにどうしてだろうか。アレリナは今まで経験がないほどの、言い知れぬ興奮を覚えたのだ。</p>
<p>「っ……！　ん……、っ……」<br />
「あば――♡♡♡♡♡　たはっ♡♡♡♡♡　っはっははははははははははぁぁっ♡♡♡♡♡　あばたは――っ♡♡♡♡♡　ぁぁぁっはははははははははははぁぁぁぁぁああっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>アレリナは笑い声を精いっぱい我慢して、アバターに呼び掛けた。肺に空気が溜まり、圧縮されて、胸が破裂してしまいそうだ。</p>
<p>「……やっぱり、少し抵抗があったかな？　ごめん、君を不快にさせるつもりは――」</p>
<p>アバターが少し遠慮がちに、不安そうにアレリナの顔をのぞき込む。アレリナはその時を見計らって、ただ自分の衝動の赴くままに、アバターに口付けをした。</p>
<p>「っ！？」<br />
「んぐ――♡♡♡♡　くふっ、ふぅ゛――♡♡♡♡♡　っ、っ～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぷはっ、ぁっははははははははははぁぁぁぁあっ♡♡♡♡♡　はっ、ぁぁぁぁっははははははぁぁぁぁぁあっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>笑い声を我慢するのはもう限界だった。アバターから顔を背けながら肺の中の酸素を全て吐き出すように笑い、生存本能に従って肺が勝手に膨らんでいくと、またアバターに顔ごと押し付けるように必死に口付けをする。</p>
<p>「んぐっ♡♡♡♡　ちゅ――♡♡♡♡　んむ――♡♡♡♡♡　ぷはひゃっはははははははははぁぁぁぁぁああっ♡♡♡♡♡　ぁぐっ、ぅ゛♡♡♡♡♡　ちゅっ、ちゅ――♡♡♡♡　んむっ、ぅぅぅぅぅぅうっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>この行為はアレリナにとって、はっきり言って苦しい。全身を襲うくすぐったさのせいで呼吸が制限されているのに、さらに自分から呼吸を止めるようなことをするのだから当然だ。しかし、それでも、アレリナはこの行為をしないわけにはいかなかった。</p>
<p>その時のアバターの、すごく恥ずかしそうで、すごくうれしそうな表情を、アレリナは一生忘れないだろう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「はぁっ、はぁぁぁぁっ♡♡♡♡♡　ぁはっ、ぁははははははははははっ♡♡♡♡♡　ぁっははははははははははははははははぁぁぁぁぁぁあっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>段々と、アレリナが消耗してくる。</p>
<p>くすぐられるというのは、それだけで体力を大きく消耗する行為だ。それに加えて続けざまに口付けをしているのだから、なおさら。呼吸はもう止められず、ただ力なく、大きな笑い声を上げるのみ。</p>
<p>アバターは少し心配そうに、彼女をのぞき込んだ。</p>
<p>「今日は、これぐらいにしておこうか」<br />
「ぁっははははははぁぁぁぁぁぁっ♡♡♡♡♡　や――っ♡♡♡♡♡　ぁはっ♡♡♡♡♡　いや、です――っ♡♡♡♡♡　もっと――♡♡♡♡♡　ぁははははっ、ぁあっははははははははははぁぁぁぁあっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>「でも」<br />
「私は、だいじょうぶ、ですから――♡♡♡♡♡　あなたは、《貴女》は――♡♡♡♡♡　ぁはっ、ぁっははははははははははははぁぁあっ♡♡♡♡♡　ぁはぁぁぁぁぁぁあっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>「……分かった。そうだね、そうだったね」</p>
<p>情事の最後。</p>
<p>アバターはアレリナを強く抱き締めて、互いの陰核がつぶれるぐらい強く押し付ける。そして彼女を見上げるように、首を伸ばす。これ以上アレリナの呼吸が苦しくならないよう、ほんの一瞬だけ、唇に口付けをした。</p>
<p>「ふぁ――♡♡♡♡♡　ぁぁぁぁぁぁあああああ――っ♡♡♡♡♡　ぁぁぁぁぁぁああああああああああっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>口付けをする拍子に、陰核の圧迫が強くなったのか。それとも口付けそのものが、今のアレリナに効いたのか。</p>
<p>性感は加速して、大きな、大きな絶頂がやってくる。</p>
<p>「――ッ゛ッッッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁは――♡♡♡♡♡　ぁ゛――♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　っぁ゛ぁぁあ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッッッ♡♡♡♡♡」</p>
<p>人の体には限度というものがある。それは絶頂反応とて然りだ。体の痙攣も、潮吹きも、喘ぎ声も、幾度となく絶頂を繰り返してきた今となっては、端から見れば何の変哲もない1回に見えるかもしれない。</p>
<p>しかしアレリナは、この1回こそが、今までで、この《世界》に生まれて幾百幾千幾万と犯されてきた人生の中で、一番好きな絶頂だと思った。心の中にある悲哀、憎悪、絶望が全て洗い流されていくほどに。</p>
<p>「ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁ゛――♡♡♡♡♡　ぁぁ――♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>絶頂のさなか、アレリナは心の隅で『すごく恥ずかしい』と思った。</p>
<p>――こんなにも体を触れられて、身も心も悦んで、あまつさえ自分からキスをしたりおねだりをしてしまうだなんて。だけどああ、悪くない。こんなにも<ruby>う<rt>・</rt></ruby><ruby>れ<rt>・</rt></ruby><ruby>し<rt>・</rt></ruby><ruby>い<rt>・</rt></ruby><ruby>恥<rt>・</rt></ruby><ruby>ず<rt>・</rt></ruby><ruby>か<rt>・</rt></ruby><ruby>し<rt>・</rt></ruby><ruby>さ<rt>・</rt></ruby>は、生まれて初めてだ。</p>
<p>「ぁは――♡♡♡♡♡　ぁ゛――♡♡♡♡♡　ぁ゛～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　ぁ゛～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡」</p>
<p>アレリナの意識が遠のく。</p>
<p>――あまりにも絶頂しすぎて、少し疲れた。眠るほどではない、少しぼうっとしたいだけだ。</p>
<p>「あば、たー」<br />
「な、何っ？」</p>
<p>「へへ、えへへへへ……♡」<br />
「……もしかして、意識ない？」</p>
<p>「えへへへ、へへへへへへへへ……♡」<br />
「はぁ……」</p>
<p>アバターが、アレリナの頭を優しくなでる。アレリナは心地よさに目を細めながら、先ほどの大笑いとは違う、緩みきった静かな笑みを深くした。</p>
<p>「……人前でイクのって、思ってた以上に恥ずかしいな」</p>
<p>アレリナの細めた目から、涙がまた一滴あふれる。アレリナは涙で滲む視界の向こうで、アバターが顔を真っ赤にしながら小さな体を震えさせている気がした。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>今までの苦悩に比べたらほんの一瞬にも等しい情事の後。アバターとアレリナは裸のまま、ベッドの上で抱き合っていた。</p>
<p>「今日は、たのしかった」</p>
<p>アバターがたどたどしく口を開いた。</p>
<p>アレリナは、最初に犯されて『つまらなかった』と言われたことを思い出した。そして気付いた――ああ、そうか。愉しまない女を抱いても愉しくはない。それだけのことだったのか、と。</p>
<p>小さく、人間臭くて、臆病者で、何より優しい、彼の者らしい理由だった。</p>
<p>「今度、また、していいかな」<br />
「……それは、私が決めることではないでしょう」</p>
<p>恥ずかしそうに顔を背けているアバターに、アレリナはこっそりとはにかむのだった。</p>
<p>「《悪い神さま》、全ては貴女の望むがままに」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>それから幾数日。</p>
<p>「<ruby>村<rt>・</rt></ruby>を創ろう」<br />
「<ruby>村<rt>・</rt></ruby>、ですか？　アバター」</p>
<p>「うん。この《世界》に、僕の住む<ruby>家<rt>・</rt></ruby>が欲しくてね。それに、大聖堂にいた子たちを<ruby>保<rt>・</rt></ruby><ruby>存<rt>・</rt></ruby>したままだから。どこかで面倒を見なくちゃ」<br />
「なるほど」</p>
<p>「あと、かわいい子を集めてハーレムでも作ろうかなって。ミントやノマも誘おうかな」<br />
「…………」</p>
<p>「そんな冷たい目をしても、これは譲れないなぁ」<br />
「……はぁ。こんな《世界》の、どこに創るというのです？」</p>
<p>「どこかの島。たくさんあるから、一つぐらい空いてるでしょ？　貰っちゃおうよ」<br />
「まあ、貴女ならそれが可能ですか。それで？　具体的にこれから、どこで、何をするつもりなのですか」</p>
<p>「ノープラン」<br />
「……つまり特に決めていない、と」</p>
<p>「まあいいじゃない。時間はいくらでもあるんだ。のんびり決めていくよ」<br />
「貴女はあまりにも無計画的すぎます。せめて村の名前ぐらいは決めてもいいのでは？」</p>
<p>「それこそ後でいいじゃない。だけど<ruby>名<rt>・</rt></ruby><ruby>前<rt>・</rt></ruby>ね、そうだなぁ……」</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>剣と魔法、そして色欲に満たされた《世界》は廻る。</p>
<p>たくさん生まれ、たくさん死に、それでも滅びることなく、進むこともなく。ただ同じところをぐるぐると廻り続ける。</p>
<p>風車のようなその《世界》には、《悪い神さま》の住まう地があった。おいしい食べ物、美しい衣服、暖かな家、全てがそろう楽園だった。</p>
<p>しかし、そこに入ることを許されたのは美しい女性だけ。女性だけが、彼の者の摂理によって負わされた傷を、彼の者の御許で笑いながら癒やすことを許される。</p>
<p>その歪な楽園を、人々は《擽園》と呼んだらしい。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>擽園開発日記序章 終</p>
<p>&nbsp;</p>
<h3>目次</h3>
<p><a href="https://omonove.com/12434/">表紙（簡単なご案内など）</a><br />
<a href="https://omonove.com/12438/">第1節 わるい神さまの創る世界</a><br />
<a href="https://omonove.com/12456/">第2節 神さまに犯される神殺し</a><br />
<a href="https://omonove.com/12459/">第3節 神さまとポンコツ盗賊娘</a><br />
<a href="https://omonove.com/12461/">第4節 神さまが楽しく犯す基準</a><br />
<a href="https://omonove.com/12463/">第5節 神さまと滅びる定めの種</a><br />
<a href="https://omonove.com/12465/">第6節 教会と神殺しと神さまの怒り</a><br />
<a href="https://omonove.com/12467/">第7節 貴女は悪い神さまですか？</a><br />
<a href="https://omonove.com/12470/">最終節 悪い神さまの創る世界</a><br />
<a href="https://omonove.com/12472/">付録1 渡り鳥の気ままな旅模様</a><br />
<a href="https://omonove.com/12474/">付録2 幼き神殺しと小瓶の部屋</a><br />
<a href="https://omonove.com/12476/">おまけイラスト 《擽園》</a></p>

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		<title>2対1の3P性感オイルマッサージでおっぱいもクリトリスもぬるぬる</title>
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		<dc:creator><![CDATA[おものべ]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 11 Feb 2022 09:00:23 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エロ小説]]></category>
		<category><![CDATA[【人数】複数に責められる]]></category>
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					<description><![CDATA[◆あらすじ こんな福利厚生のある会社があったらの話。臨時ボーナスの副賞として上司から手渡されたのは、性感マッサージの無料サービス券。そこでは2人のエステティシャンに全身をオイルでぬるぬるにされて、上半身と下半身を同時に責 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><strong>◆あらすじ</strong></p>
<p>こんな福利厚生のある会社があったらの話。臨時ボーナスの副賞として上司から手渡されたのは、性感マッサージの無料サービス券。そこでは2人のエステティシャンに全身をオイルでぬるぬるにされて、上半身と下半身を同時に責められて何度でもイクことができるのです。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>中途採用で入社した私だからこそ、気付いたことがある。この会社の社員はみんな、仕事に対するモチベーションが異様に高い。</p>
<p>女性が働きやすい職場環境を目指してさまざまな女性専用オフィス用品を開発・販売している、今急成長中のベンチャー企業だから？　それともそこそこの大きさの会社にもかかわらず、若い女性しかいない特異な環境だから？　いや、そんな具体性のない理由では、こんな風にどこか<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">が</span><span class="boten">っ</span><span class="boten">つ</span><span class="boten">く</span></span>ような仕事の仕方はしないと思う。</p>
<p>その理由を知るのは、そう遠くない話――。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「月間営業成績一位、おめでとう。入社したてなのにすごいわね」<br />
「ありがとうございます。これからも励んで参ります」</p>
<p>営業部オフィスにて、<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">私</span></span>は上司に向かって社交辞令を言ってから頭を下げる。</p>
<p>言ってはなんだけど、私はそれなりに優秀な人材だ。今回は運の良さもあれど、こうしてマイペースに仕事してなお実績を残すことができるし、それ自体、もろ手を挙げて喜ぶほど珍しいことではない。</p>
<p>見た目もそこまで悪くない。自立性の見える、多少キリッとした顔付き。長い髪をポニーテールにしているのは、いろいろ試した結果それが一番似合っているという結論に至ったから。パンツスーツの似合う体付き。モデル体型と言えるほどではないけど、腰にはちゃんとくびれがあって、胸も尻もそこそこ。</p>
<p>未婚で恋人もいないけど、焦る必要もない年齢と<ruby data-rt="スペック">性能<rp>（</rp><rt>スペック</rt><rp>）</rp></ruby>。</p>
<p>もっとも、そういうことを思っていても、口に出すつもりはない。場の空気を悪くさせることは子どもでも分かることだし、それを代償として誰かにマウントを取りたいわけでもなく、そもそも他人を見下す感情は持ち合わせていない。</p>
<p>結局は単に、私は自分のことを多少客観的に見られるというだけの話だ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「特別ボーナスの明細は、給与と同じくウェブで確認して頂戴。それと今まで貴女の力量を見るために様子見していた部分があったけれど、これからはその実績に見合った案件も投げるつもりだから覚悟しておいて。大変ではあるけれど、裁量権も大きくなるから貴女にはやりやすいと思うわ」</p>
<p>上司が淡々と事務的な話題を続ける。</p>
<p>私よりは年上だが、それでも若く、どこかおとぎ話に出てくる魔女のような雰囲気が漂う女性。要は大層なやり手だけど、いまいち腹積もりが読めず、取っ付きにくくてやりにくい。こうして呼び出されるだけで少し胃が痛くなる気分になる。</p>
<p>そんな心情を知ってか知らずか、上司はにやりと笑うのだ。</p>
<p>「それとこれ、ボーナスの<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">副</span><span class="boten">賞</span></span>」<br />
「はい？」</p>
<p>細い人差し指と中指に挟み込んで差し出されたのは、小さな紙切れ。</p>
<p>私は当然のごとく小首をかしげた。</p>
<p>「うちの福利厚生で提携している<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">マ</span><span class="boten">ッ</span><span class="boten">サ</span><span class="boten">ー</span><span class="boten">ジ</span><span class="boten">店</span></span>……の無料サービス券。知らない？」<br />
「あ、えーと。まぁ」</p>
<p>「本当に仕事人間ね、貴女」</p>
<p>上司が苦笑する。</p>
<p>どうやらそんな風に認識されていたらしい。そこまで仕事に邁進しているつもりはないのだけど。自分の客観性について少し不安になる。</p>
<p>「いい機会だから行ってご覧なさいな。うちの福利厚生の中ではダントツで人気なのだから」<br />
「はぁ」</p>
<p>そうして営業成績一位祝いの会話は終わった。</p>
<p>マッサージ店と提携――確かに最近の企業だと、そういうユニークな福利厚生がないでもない。だけど私にはいまいちピンとこない話だ。</p>
<p>というのも、今までマッサージ店に行くという発想自体を持ち合わせていなかった。当然、私だって疲れることはあるけど、そういうときは軽いストレッチやジョギングなどのアクティブレストで血液の循環をよくすることで疲れを取る。それができないぐらい体が痛んでいたら、ゆっくり休息を取る。それでだいたい何とかなるもので、わざわざ高いお金を払って他人にどうにかしてもらう必要なんてなかったのだ。</p>
<p>……だけどまぁ、せっかくもらったチケットだ。これを機会に一度マッサージ店を体験してみるのもいいのかもしれない。</p>
<p>そんな軽い気持ちで、私は日曜日の予定を決めたのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>日曜日。私はチケットの裏に書かれた地図を元に、マッサージ店に行く。</p>
<p>だいたいの流れは、元々持ち合わせていたエステについての知識とそう変わらない。まずは事前に電話して日時を予約する。当日に受付で予約した旨を伝えて、ついでにチケットを提示する。するとロッカールームに通されて、シャワーを浴びてから紙ショーツとガウンに着替える。そして個室に通されて、今、ベッドの上でうつ伏せに寝かせられているというわけだ。</p>
<p>……何か、知識と少しだけ違うような？</p>
<p>「それでは、これから施術を始めさせていただきますぅ」<br />
「よろしくお願いいたします……」</p>
<p>「あ、はい。よろしくお願いします」</p>
<p>2人の女性が頭を下げる。年は私とそう変わらない。一人は猫なで声、一人はささやき声。だけどそれ以外は……垂れ目、丸顔、黒のショートヘア。やや高めの身長、巨乳、白のエステ服。……<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">2</span><span class="boten">人</span><span class="boten">と</span><span class="boten">も</span></span>だ。双子だろうか？</p>
<p>2人――何となく、『変わっているな』と思った。こういうのは、普通1対1で行うものではないのだろうか。だけどエステに対する知識をあまり持っていない私は、多少の違和感も『そういうものか』と簡単に流してしまう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>施術が始まる。私がガウンを脱いでうつ伏せに寝ると、背中にバスタオルを掛けられて、続いて肌を優しくなでられる。</p>
<p>1人は背中を中心に、もう1人はふくらはぎを中心に。</p>
<p>「っ……。っふぅー……」</p>
<p>背中に伝わる圧迫感に合わせて、息を吐く。心地いい。</p>
<p>思えば、他人に素肌をこういう風に優しく触られることなんてなかった。確か肌を触られると体内でオキシトシンが分泌されるんだったか。別名『幸せホルモン』、多幸感やストレスの軽減などの作用。</p>
<p>だけどそんなご託がなくとも、ただ純粋に気持ちいい。</p>
<p>（これは、上司に感謝だな……）</p>
<p>確かにこの心地よさを楽しむためにマッサージに通うというのも悪くないのかもしれない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>だけど段々と異変が現れる。</p>
<p>「んっ……？」</p>
<p>私の口から、乱れた呼吸が漏れ始める。</p>
<p>妙にくすぐったい。最初は『自分がくすぐったがりなのかも？』と思ったけれど、皮膚感覚に意識を集中させてみるとそうではない。</p>
<p>2人の手付きが変わっている。最初は手のひらで優しくなでるようだったのに、少し指先が立っている。指先で肌をなでられたら、それはくすぐったいに決まっている。</p>
<p>「っ……！　んく、っ……！？」</p>
<p>マッサージというのは、そういうものなのだろうか？　私は何も言えず、ただ全身を鳥肌立たせる。</p>
<p>だけど次が決定的だった。下半身を担当していたほうが、指を食い込ませるようにして、私の内股を揉み込んだのだ。</p>
<p>「ひぅぇっ！！？」</p>
<p>お尻と脚の境界線をむにっと指で押し込まれ、股間の肉が引っ張られて、アソコがぐちっと広がる。そこで私は限界を感じて、がばっと上半身だけを起き上がらせた。</p>
<p>「ぁぐ、ぁ、あ……！」</p>
<p>だけど言葉が出てこない。私は何を言えばいい？　『そこは恥ずかしいのでやめてください』『どうしてそんな所を触るんですか』『警察を呼びますよ』――どれもピンとこない。あまりに突然のことで、思考がぐるぐると迷走している。</p>
<p>だけど私が上半身を起き上がらせた姿勢で固まっていると、女性たちから全部を解決する問い掛けが投げられるのだ。</p>
<p>「もしかして性感マッサージは初めてですか？」<br />
「ふぇっ！？」</p>
<p>『性感マッサージ』――確かに彼女はそう言った。</p>
<p>私は全身を強ばらせる。裸のまま走って逃げ出したくなる衝動に駆られるけど、一歩のところで踏みとどまった。今まで滞っていた分、思考が一気に加速する。</p>
<p>――性感マッサージ。全身、特に性感帯を刺激することで、性的快感を高めるマッサージのこと。基本的には風俗店だけど、不感症改善のために行われることもあるのだっけ。</p>
<p>あぁそうだ、どうして気付かなかったんだ。<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">普</span><span class="boten">通</span><span class="boten">の</span></span>エステでは事前にシャワーを浴びることはあまりない、それをやるのは粘膜接触のある風俗店だ。それにエステで必ず書かされる問診票を書いていないし、カウンセリングも受けていない。……私は今、紛れもなく性感マッサージの店にいる。</p>
<p>だけど日本において性感マッサージ店自体は違法ではない、風営法に基づいて届出を出していれば、問題なく営業できる……はず。加えて、あんなそこそこの会社と提携している以上、法的にまずいってことはないだろう。</p>
<p>向こうはまともにサービスを提供してくれていると言うのに、こちらの勘違いで迷惑を掛けるのもはばかられる。それに相手は女性だ、男がいきなり欲望任せにイチモツを突っ込んでくるようなこともない。だいたい、裸で逃げ出しでもしたら私のほうが犯罪者だ。</p>
<p>だけどあの上司、大した説明もせずにいきなりこんな店のサービス券を差し出してくるなんて、同性でも立派なセクハラじゃないかなぁ！？</p>
<p>――いろいろな思考が一瞬のうちに駆け巡って、ようやく絞り出せた言葉は一つだけ。</p>
<p>「ぁ、はい、初めてで」</p>
<p>「そうでしたかぁ♪　それでは、最初はもう少しソフトなマッサージから始めていきますねぇ」<br />
「もしも苦手な触り方などありましたら、遠慮なくお申し付けください……」</p>
<p>「は、はひ……」</p>
<p>私は少し気まずそうに、またうつ伏せに寝る。するとマッサージが再開される。太ももに、背中に、胸の横――性感帯の<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">周</span><span class="boten">囲</span></span>を指先で優しくなでるような動き。</p>
<p>思考を整理する。まとめると、マッサージを受け続けることを決めたのにはいくつかの理由があった。自分の身勝手で店に迷惑を掛けるわけにはいかないから。レイプなどの危険性はないと判断できたから。上司が『うちの福利厚生の中ではダントツで人気』と言っていたのが気になるから。</p>
<p>何より。</p>
<p>「っく……ぁ……♡　ぁぁぁ……」<br />
（き、気持ちいいぃぃ……）</p>
<p>このまま性感マッサージを受け続けてもいいかもしれないと思ってしまったのだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「お声は我慢しなくて大丈夫ですよぉ♡」<br />
「感じた分だけお気兼ねなく声を出せば、マッサージの効果は何倍にもなりますから……♡」</p>
<p>「は、はひぃ……っ♡　んぃっ、ぁっ……♡　ひゃぅぁぁぁ……♡」</p>
<p>当初は嫌にくすぐったくて気になっていたけど、『これは性感マッサージだ』と認識を変えてみると、案外悪くない感覚であると分かる。優しくなでられたときのぞくぞくとした感覚は癖になりそうだし、揉み込まれたときのきゅんとした感覚は直接性感帯に響く。</p>
<p>声も我慢しなくていいと分かると、気兼ねなくその感覚を愉しめるようになった。肺に酸素を溜め込む必要がなくなって、体から力が抜けていく。</p>
<p>「だいぶ緊張がほぐれてきたみたいですね～♡」<br />
「それではそろそろ、本格的なマッサージを始めます……♡」</p>
<p>「っ……♡　は、はい、お願いしま、ぁ、ぁ、ぁぁぁぁ……」</p>
<p>私の緊張がほぐれていくと、いよいよ本格的に性感帯を触られるようになってくる。</p>
<p>一人は私の胸を揉み、もう一人がショーツの上から秘所をなでるのだ。</p>
<p>「ふぁぅぉっ♡　ぉぉぉ、ぉー……♡　ぉぉぉぉぉぉ……♡」</p>
<p>私も独り身と言えども年頃の女で、家で独り<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">事</span></span>に及ぶこともあれば、大学時代に男性と交わったこともある（とっくの昔に別れた！）。だけど己が欲望を満たすためだけの愛撫と、こちらを気持ちよくさせるための愛撫では、気持ちよさは雲泥の差だ。</p>
<p>それに。</p>
<p>「そうそう、お上手ですよぉ♡　そのまま、ゆったりとリラックスしてくださいね～♡」<br />
「は、はひぃ……♡　ひゃわっ、ぁっ♡　ひゃぅぁぁぁ……♡」</p>
<p>「して欲しいことがありましたら、遠慮なくお申し付けください……♡」<br />
「こ、このままで……、ぇぅぇっ♡　へっ、へぇぇ～～……♡」</p>
<p>『<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">2</span><span class="boten">人</span></span>って、いいな』――私はぼんやりと、そんなことを考えていた。</p>
<p>愛撫する人数が多ければ多いほど、快感も大きくなる――それは素朴な真理かもしれない。だけどもしも大勢に体をまさぐられたら、私はきっと萎縮してしまうし、どこをどうされているのか訳が分からなくなってしまう。</p>
<p>2対1というのは、絶妙な人数比だ。<ruby data-rt="いちじげん">数直線<rp>（</rp><rt>いちじげん</rt><rp>）</rp></ruby>が<ruby data-rt="にじげん">平面<rp>（</rp><rt>にじげん</rt><rp>）</rp></ruby>に拡張されたような可能性を感じさせながら、まだ気安く、一人一人の触れ方をしっかり感じ取れる。</p>
<p>「そろそろぉ、おっぱいも本格的に気持ちよくしていきますねぇ♡」<br />
「んにぁっ♡♡♡　ぁっ♡♡♡　乳首っ、これっ、ぁぁぁぁぁあ……っ♡♡♡」</p>
<p>ベッドと体の隙間に手が差し込まれて、胸を揉み込まれる。人差し指と中指の間に乳首を挟み込まれて、くにゅくにゅとこねくり姦される。</p>
<p>それがあまりに気持ちよくて、私はこっそりと肩と腰に力を入れて胴体を浮かせた。</p>
<p>「体が随分とこってるみたいですね～。お仕事大変ですかぁ？」<br />
「そ、そうですね……っ、結構……ぁんっ♡♡♡　ぁっ、にぁっ、ぁぁぁぁあっ♡♡♡」</p>
<p>「そうですかぁ。それじゃあ、今日はたっぷり癒やされてくださいねぇ♡」<br />
「ふぉぉぉぉおおおおっ♡♡♡　にゃにっ、これっ、乳首がぞくぞくしへっへへへへぇぇぇぇぇえええっ♡♡♡」</p>
<p>上半身をマッサージしてくれている女性。蕩けるような甘え声で、ただの世間話がひどく卑猥な猥談に感じられてしまう。</p>
<p>そして手付きは声と同様に甘い。ふやふやとした気持ちよさが上半身を包み込んで、体の力を嫌が応でも奪っていく。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「アソコもそろそろ本格的に始めていきます……♡」<br />
「んひぁっ♡♡♡　んぁっ、これっ、同時にっ♡♡♡　っぁっ、あっあっぁっぁっぁぁぁあっ♡♡♡」</p>
<p>胸と同時に、もう一人に秘所を両手で弄くられる。</p>
<p>紙ショーツの上からでもクリトリスの場所というのは分かるものらしく、柔らかい指先がこりこりとしつこくクリトリスを引っかく。もう片方の手でも、外陰部をこちょこちょとくすぐってくる。</p>
<p>どちらも気持ちがよくて、私はだらしがなく脚を開いてしまう。</p>
<p>「もしも痛かったら、遠慮なくおっしゃってくださいね……♡」<br />
「痛くは、なっ♡♡♡　でもっ、これっ、激しっ♡♡♡　気持ちよしゅぎへぇぇぇぇぇっ♡♡♡」</p>
<p>「申し訳ございません。気持ちいいのは、止められません……♡」<br />
「ふぁぇぇぇっ♡♡♡　そんなっ、そん、にゃぁぁあっ♡♡♡　ぁひっ、ひゃぅぁぁぁぁっ♡♡♡」</p>
<p>下半身をマッサージしてくれている女性。ぼそぼそと呟くような小さな声、まるでASMRのような、ずっと聞いていたくなるような中毒性を感じる。</p>
<p>だけど手付きは声と反対に激しい。下半身のぞくぞくが止まらなくて、太ももの筋肉の痙攣が止まらない。</p>
<p>「だめっ、これっ、も――！！？　もうっ、イッひゃ――♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>胸と秘所を同時に責められて耐え続けろというのは無理な話だ。</p>
<p>私はあっけなく絶頂を迎える。全身がちょっとした痙攣を起こして、肺が突っ張り、ショーツに灰色のシミが広がっていく。水面を浮かぶような、穏やかな浮遊感。性感マッサージとはかくも心地よいものだったのか。</p>
<p>だけど。</p>
<p>（もうイッちゃったぁ……）</p>
<p>私が感じていたのは、ちょっとした寂しさ。ちょっとぐらい我慢するつもりだったのに、もう絶頂してしまった。『絶頂＝終わり』と認識していたからこその悔しさ。</p>
<p>「うふふ。体もほぐれてきたみたいですねぇ♡」<br />
「そろそろ、次のマッサージに移りましょうか……♡」</p>
<p>「はぇ――♡♡　ま、まだ、続くん、ですか……」</p>
<p>「もちろんですよぉ♡」<br />
「お時間まで、たっぷりお付き合いさせていただきます……♡」</p>
<p>「～♡」</p>
<p>1回イッたらおしまいだなんて、誰も言っていないというのに。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「次は少し体勢を変えていただきますぅ」</p>
<p>私は仰向けに寝直す。みっともなく緩んだ顔を見られるのがちょっと恥ずかしい。と思ったら、体に掛けてもらっていたバスタオルを取り除かれ、シミの広がった紙ショーツを脱がされる。恥ずかしさが一気に高まる。</p>
<p>あぁ、だけど恥ずかしさよりも楽しみのほうが強い。私は棒のような姿勢で固まったまま2人の様子を見届ける。</p>
<p>女性たちが小瓶から透明な液体を取り出す。マッサージオイルというやつだろうか、手のひらで温められると、柑橘系の爽やかな香りが漂ってくる。私がその香りを十分楽しんだところで、オイルでぬるぬるになった手が、私のお腹にぺとりと貼り付いた。</p>
<p>「ふぉっ♡」<br />
「大丈夫ですよ、力を抜いて……」</p>
<p>全身にオイルが塗り広げられていく。</p>
<p>刺激が強い、だけど鋭くはない。絶頂とオイルの潤滑性で神経を浮き上がらせながら、あくまでも優しい愛撫。手のひらの凹凸すら鮮明に感じられる。</p>
<p>「んひっ♡♡♡　ひゃわわわぁぁっ♡♡♡　ひゃわっ、ひゃぁぁ～～～～～～♡♡♡」<br />
「オイルマッサージの感触はいかがですかぁ♡」</p>
<p>「なんかっ、もぉっ♡♡　このまま全身なでられてたいぐらひです～～～～♡♡♡」<br />
「それは何よりです……♡　だけど、これからもっと気持ちよくなりますよ……♡」</p>
<p>そしてひとしきり全身でオイルの感触を味わわされた後、満を持して胸と秘所を弄くられ始めるのだ。</p>
<p>「んぉ゛ぉぉぉぉおっ♡♡♡　ぁ――♡♡♡　ぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおっ♡♡♡♡」</p>
<p>今私、すっごいみっともない声出してるな――そうは思うのだけど、声を抑えられないぐらい気持ちいい。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>胸へのマッサージは相変わらず甘いけど、それでも私のことをイカせようとする意思が如実に感じられる。</p>
<p>「んぁ゛っ♡♡♡　にゃっ、なんでっ♡♡♡　だって、こんなっ指食い込んでるのにっ♡♡♡　きもちっ、気持ちぃ゛ぃぃぃぃぃぃい♡♡♡♡」</p>
<p>胸を満遍なく揉みしだき、奥にある乳腺を一つ一つ丁寧に刺激していく。そして胸全体が余すことなく恍惚感に包まれたところで、びんびんに勃起した乳首を弄り始めるのだ。</p>
<p>「んぃぁぁぁぁああっ♡♡♡　ちくびっ、こすられっ♡♡♡　こすっちゃ、こすってっ♡♡♡　――ぃ゛ぃぃぃぃぃぃいっ！！！？　ぁ゛、つね――♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>指で挟み込んでしこしこしこしこという上下運動で乳首にたっぷり性感を溜め込んだあと、きゅっとつねって溜まった性感を一気に搾り取る。きゅうきゅうとした気持ちよさに襲われたせいで、背筋がのけ反って、胸が揺れる。</p>
<p>「苦しかったら、言ってくださいねぇ♡」<br />
「んぷぁっ♡♡♡　ぁ――♡」</p>
<p>ついでと言わんばかりに、彼女の大きな胸が、私の顔に優しく押し当てられる。息苦しくならないような、絶妙な位置と圧力。</p>
<p>「ふぁ、ぁぁぁぁぁ、ぁぁぁぁぁぁぁぁ……♡♡♡」</p>
<p>私に<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">そ</span><span class="boten">っ</span><span class="boten">ち</span><span class="boten">の</span><span class="boten">気</span></span>はないけど、女性の胸というのは不思議と安心感がある。体の全ての筋肉を無理やり緩まされるような心地よさ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>下半身へのマッサージは相変わらず気持ちいい。……否、それどころか先ほどよりもさらに気持ちいい。</p>
<p>「んぉ゛ぉぉぉぉぉぉぉぉぉおっ♡♡♡♡　<ruby data-rt="そこ">クリトリス<rp>（</rp><rt>そこ</rt><rp>）</rp></ruby>っ、しつこ――♡♡♡　しごかれっ、ぇっ、ぇぇぇぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ♡♡♡♡」</p>
<p>ショーツを剥ぎ取られた私の秘所は無防備だ。</p>
<p>むき出しになったクリトリスを、片手でひたすらにゅこにゅこにゅこにゅことしごかれ続ける。私のことをひたすらイカせるための手付き。しかしそれはただ激しいだけではない。</p>
<p>「なんでっ、痛くないっ♡♡♡♡　こんなっ、にゅこにゅこされへっ♡♡♡♡　気持ちひっ♡♡♡♡　きもちっ、気持ちっ、きもちぃぃぃぃいいいっ！！！？　っぃぃ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>クリトリスというのは敏感な部位だ、いかに優しい手付きであれど、普段であれば鋭い刺激に悲鳴を上げていたかもしれない。だけど指もクリトリスもオイルでぬるぬるになっているせいで、指の表面にある指紋の凹凸が蕩けるような快感を生み出す。</p>
<p>そしてもう片方の手で、股間をくまなくくすぐり姦す。</p>
<p>「こちらも、たっぷりサービスさせていただきますね……♡」<br />
「んひぁっ、ぁっ、ひゃぅぁぁぁっ♡♡♡♡」</p>
<p>割れ目を5本指でこちょこちょとなぞり、内股を爪でかしかしと引っかき、尻穴を人差し指でくりくりとほじくる。</p>
<p>「ぁはひっ、ひゃはっ♡♡♡♡　ひっ、ひひひひっ♡♡♡♡　っひ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>股間全体がとろとろとした快感に包まれて、思考まで蕩ける。いつの間にか膝をがっぷりと開いて大股開きになっていたことに気付くけど、今更脚を閉じる気にもなれない。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ぁふぁっ、ひゃぅぁぁぁぁ♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡　ひゃわ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>両胸と秘所の三点責めに、私は何度も絶頂を迎える。</p>
<p>それでも性感マッサージは続く。最初は一度イッただけでは終わらないことに歓喜したけど、何度もイカされていると、『こんなに気持ちよくていいのだろうか？』と不安になってくる。</p>
<p>「あの、これ、いつまでっ♡♡♡♡　いつまで続けるんですかぁぁっ♡♡♡♡」</p>
<p>「今回お持ちいただきましたチケットは1番上のコースのものですので、合計で3時間になりますねぇ」<br />
「さ――！！？」</p>
<p>「今は30分、まだまだ始まったばかりですよ……♡」<br />
「ふぁぇ、ぇぇぇ、ぇえ――♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～！！！！　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>そんな問答をしている間にも、私は1～2度イカされる。その時間の膨大さに一瞬だけ驚かされたけど、全ての悪感情が快感に流されていく。</p>
<p>「もしかして、体調がお辛いとか、予定が押しているとかありましたか？」<br />
「あ、いえ、続けてくだひぃぃぃっ♡♡♡♡」</p>
<p>何度もイッているのに、疲労感がない。それは客観的に見て異常な状態だ。だけど抗えない。体の芯に残った疲れだとか、ストレスだとか、理性だとか、思考だとかいろいろなものが快感に溶けて流れていく。</p>
<p>すごく幸せ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>そうやって身も心もどろどろに溶かされた後のことだ。</p>
<p>「ふぉぉ゛……♡♡♡♡　ぉぅ……っ、ぉ……♡♡♡♡　ぉ゛ぉぉぉぉ……♡♡♡♡」</p>
<p>時計の針は淡々と進み、残り20分ほどだろうか。だけど私はもううめき声を上げながら、快楽によがり狂うだけ。何も考えず、ただ幸福感をむさぼり続ける。</p>
<p>すると2人の女性たちが、ちょっといたずらっぽく笑うのだ。</p>
<p>「ご存知ですかぁ？」<br />
「はぇ……♡♡♡」</p>
<p>「性感マッサージというのはどこも大抵、<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">最</span><span class="boten">後</span></span>が1番気持ちいいんですよ……♡」<br />
「ひぇ……」</p>
<p>下半身をマッサージしてくれていた呟き声の女性が手に持っていたのは、電動マッサージ器。私とて、<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">そ</span><span class="boten">れ</span></span>の用途は知っていた。</p>
<p>そんなものを使ったら――その思考に辿り着く前に、その電動マッサージ器が私の股間に押し当てられたのだ。</p>
<p>「ぃ゛――――！！！？　ぃ゛ぁぁぁぁあああああああっ♡♡♡♡♡　ぁ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～ッ♡♡♡♡♡」</p>
<p>「体に溜め込んだ気持ちよさ、全部吐き出してしまいましょうね……♡」<br />
「ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁ゛ひ――♡♡♡♡♡　っひ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>びくん、びくん、びくん。</p>
<p>愛液をびちゃびちゃと飛び散らせるような、激しい振動がアソコを襲う。アソコがぐちっと広がるぐらい、割れ目に強く押し当てながら、角度をちょっとだけ上に傾けさせて、絶妙な加減で持って振動をクリトリスに添えるのだ。激しくも計算され尽くした責め、痛みのない快楽の最大値。</p>
<p>「おっぱいも気持ちよくしますよぉ♡」<br />
「ふぉぉぉぉぉおお――！！！？　ぉほ――♡♡♡♡　ぃ゛ひ――！！！？　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>併せて乳首を激しく責められる。しこしこしこしこ、しこしこしこしこ、ぎゅーっ――私の1番大好きな、摩擦と圧迫を交互に繰り返す責め方。だけど速度も圧力も先ほどとは全然違う。アソコの激しい責めにも負けない、本気の乳首責め。</p>
<p>「ッ～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁ゛――♡♡♡♡♡　ぁ゛ぁぁぁああっ！！！？　っぁ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>私は口を大きく開けて歓喜の声を上げ続ける。</p>
<p>あまりに気持ちよくて体が勝手に暴れてしまうことがあるけど、そのときは女性たちが私の体を優しく押さえ付けてくれる。</p>
<p>「だめっ、だめへ――♡♡♡♡　これいじょっ、何かっ、やば――！！！！？　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～！！！！？」<br />
（何――！！！？　これっ♡♡♡♡　<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">来</span><span class="boten">て</span><span class="boten">る</span></span>――♡♡♡♡　何かっ、<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">来</span><span class="boten">て</span><span class="boten">る</span></span>ぅぅぅぅ――！！！？）</p>
<p>絶頂が続く。そして絶頂の最中なのに、さらに自分の中で<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">何</span><span class="boten">か</span></span>が膨らんでいく。私はそれが怖くて、思わず女性たちに呼び掛ける。</p>
<p>「分っかりましたぁ♡」<br />
「それでは、たくさん気持ちよくして差し上げますね……♡」</p>
<p>「ッ――――――――♡♡♡♡♡　ちがっ、ちが――！！！？　ぁぁぁぁああっ！！！？　ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>だけど女性たちはそれを聞くと、余計に私を気持ちよくさせてくるのだ。</p>
<p>ぶるぶるぶるぶる。にゅこにゅこにゅこにゅこ。しこしこしこ、ぎゅーっ。くりくり、こちょこちょこちょ――いろいろな感覚が、私の性感帯を襲う。</p>
<p>「ッ――――――――！！！！！　ッ――――――――♡♡♡♡♡　っっっ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～！！！！？　っっあ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p><span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">そ</span><span class="boten">れ</span></span>が破裂した瞬間、私は自分の寝ていたベッドをがたん、がたんとやかましく鳴らした。あまりに体が暴れすぎて、かかとが、お尻が、肩がベッドを叩いたのだ。</p>
<p>アソコから潮が噴き出す。噴き出したものがこんなにもきれいな弧を描くだなんて、普段の私ならおかしくて笑ってしまっていたかもしれない。</p>
<p>だけど今はそんな余裕なんてない。目は見えているはずなのに、耳は聞こえているはず、それなのに全ての情報が脳内でそのまま霧となって消えてしまうぐらい、頭の中はもう真っ白。</p>
<p>「ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」<br />
（ひ――♡♡♡　へ――♡♡♡♡　ひぇぇ――♡♡♡♡♡）</p>
<p>それが十秒、二十秒、三十秒と続く。気持ちいい、幸せ、気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい――本当はこんな言語化すらできていない。頭の中にはもうハートで埋め尽くされている。</p>
<p>そんな今日で1番……いや、人生で1番の絶頂を迎えて、マッサージはようやく止まるのだった。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「お疲れ様でしたぁ♡」<br />
「マッサージの後はお疲れでしょうから、このままごゆっくりお寛ぎください……♡」</p>
<p>「へ――♡♡♡　へへ――♡♡♡　へ――♡♡♡」</p>
<p>彼女たちの言う通り、マッサージが終わっても私は絶頂の余韻で動くことができない。</p>
<p>そんな私のことを、女性たちはかいがいしく世話をしてくれる。ブランケットを掛けて、腕や脚を優しくさすってくれるのだ。それは性行為における、いわゆる後戯と言うものだろうか。</p>
<p>「んひ――♡♡♡　ふぁぅぉ――♡♡♡♡　ぉぉ――♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>だけど今の私にとっては、優しく体をなでられるだけでも快感だ。私はただ手足をなでられるだけでも絶頂しながら、脳内をハートで満たして、間抜けな声を上げ続けるのだった。</p>
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		<title>メスガキわからせごっこ　先輩の種付けプレスなんかでイクわけないじゃんｗｗｗ</title>
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		<dc:creator><![CDATA[おものべ]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 28 Jan 2022 09:00:48 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[エロ小説]]></category>
		<category><![CDATA[【人数】一人に責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【受】女性が責められる]]></category>
		<category><![CDATA[【攻】男性が責める]]></category>
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					<description><![CDATA[◆あらすじ 先輩のことを何かとからかう、無遠慮で生意気な後輩女子。しかしその内心、先輩を見下すような感情は持ち合わせておらず、むしろ……。小さな体にちょっとコンプレックスを抱きながらも、露出の高い服で精いっぱい挑発する少 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p><strong>◆あらすじ</strong></p>
<p>先輩のことを何かとからかう、無遠慮で生意気な後輩女子。しかしその内心、先輩を見下すような感情は持ち合わせておらず、むしろ……。小さな体にちょっとコンプレックスを抱きながらも、露出の高い服で精いっぱい挑発する少女の、『ごっこ』のお話。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>私の先輩は優しくて、ちょっとヘタレなところがやきもきする人だ。</p>
<p>私は休日になると毎週、先輩のおうちにお邪魔する。駅からちょっと歩いた所にある、マンションの一室。</p>
<p>ドアの前で一度、手鏡を出して身だしなみをチェック。童顔だから、精いっぱい目をつり上がらせる。片側だけ結わえた髪型に乱れはない。小さな体に分厚いコート、これはすぐに脱ぐから気にしない。コートの中は肩の出るセーターと、少し短めのスカート。</p>
<p>格好問題なし。そして深呼吸。『んっ、んーっ』――軽く発声練習。……よし、ドアを開けよう。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「おっ邪魔しまーす♡　せんぱい、生きてるー？」</p>
<p>先輩は床に敷いた座布団に座ってゲームをしていた。私が連絡もなしに突然現れると、先輩は驚きながらちょっとだけ顔をしかめた。</p>
<p>「なんですー？　合鍵くれたのせんぱいじゃないですかぁ」</p>
<p>と言っても、結構無理を言ってやっともらえた合鍵なんだけど。</p>
<p>私は先輩が反論する前にコートを脱ぎ下ろして、自分で座布団を敷いて、先輩の隣に座る。</p>
<p>「ほらほら、そんな<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">ぼ</span><span class="boten">っ</span><span class="boten">ち</span></span>ゲーなんてやってないで、こっちやりましょうよぉ」</p>
<p>私は自分で買って先輩の家に置いておいたゲームを取り出す。こうでもしないと、先輩は一人で遊ぶゲームばかり買うんだ。</p>
<p>「こんなかわいい後輩が遊びに来てやってんですよ？　遊ぶ内容選ぶなんて、ぼっちなせんぱいにしてはちょっと生意気なんじゃないですかぁ？」</p>
<p>この言葉は恥ずかしい、自分で自分のことを『かわいい』って言うなんて。私はちょっと顔が火照っているのがバレないように顔を背けて、ゲーム機にソフトをセットした。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>二人でテレビの前に座ってゲームで対戦。私がお茶とか出したほうがいいのかな、料理とか作ってあげたら喜ぶかな――そんな風には思うけど、結局はいつものこんな雰囲気に落ち着いてしまう。私にはまだまだ、頑張りが足りない。</p>
<p>こうして隣り合って座っていると、先輩の体温がじんわりと伝わってくる気がする。そんなに温かいわけではないのに、なんだかほっとする熱があって、このまま眠りたくなってくる。</p>
<p>だけど寝るわけにはいかない、今はゲームで対戦中。先輩はちょっとだけ負けず嫌いだけど、私はもっと負けず嫌いなのだから。</p>
<p>「っ……、っ……！」</p>
<p>寝不足になりながら一生懸命練習したゲーム。だけど私は元々あまりゲームが得意ではないから、勝つのはギリギリだ。</p>
<p>「うっわ、せんぱいざっこ♪　最後テンパってコマンドミスってるぅ♪　そんな強キャラ使っても私に勝てないなんて、恥ずかしくないんですかぁ～？」</p>
<p>ちょっと悔しそうな顔をする先輩はかわいい。</p>
<p>それからしばらくゲームが続く。コントローラーをカチャカチャする音が響く。ときどき私が何か言って、それに先輩がちょっとむっとしながら反応して、また無言。その繰り返し。それはとても穏やかで幸せな時間。</p>
<p>だけどそれだけじゃ、私の心は満たされない。先輩に会ったのは一週間ぶりだから、その間寂しくて、今の私はもっと<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">先</span></span>を望んでいたから。</p>
<p>そのために、私はわざわざ<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">仕</span><span class="boten">込</span><span class="boten">ん</span><span class="boten">で</span></span>きたんだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>次の瞬間、先輩が<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">こ</span><span class="boten">ち</span><span class="boten">ら</span></span>に視線を向けた。私はそれに気付いていても、あくまでもテレビのほうを見たまま。</p>
<p>「……さぁて、次の対戦行きますかー。せんぱい、何のキャラ使うんですかぁ？」</p>
<p>どこか上の空に返事する先輩。</p>
<p>その視線は私の顔……よりもさらに下。一度目は何の変哲もなく、だけど二度目はじーっと。絵に描いたような二度見で吹き出してしまいそう。先輩ははっと気付いたように目をそらすけど、三度、四度とちらちら見てくる。</p>
<p>今だ！　――私は精いっぱいの表情を作って、先輩のことを見上げるのだ。</p>
<p>「なぁに見てんですか……♡」</p>
<p>先輩の肩がぎくりと強ばった。</p>
<p>私は肩の出るセーター（『オフショルダー』とかいうやつ）を着ている。そして先輩は私よりも背が高いから、先輩の目線は私を上から見下ろす位置にある。</p>
<p>……だから今たぶん、私のセーターの襟元からブラが見えている。一生懸命選んだ、小さくても情熱的な、真っ赤なブラ。</p>
<p>「後輩のブラをちらちら見るなんて、先輩として恥ずかしくないんですかぁ？」</p>
<p>先輩は慌てて『ごめん』と言うけれど、私は止まらない。</p>
<p>体に自信のない私は、心の中で『ひゃああ』と叫びながら精いっぱいアピールする。右手でセーターの襟をつまんでブラをもっとさらしながら、左手でスカートをちょっとだけめくっていく。真っ赤なショーツが見えない、ギリギリのところまで。</p>
<p>「あー、そうですよね、せんぱいみたいなぼっちには刺激が強かったですよねぇ♡　気が利かなくってすみませぇん♡」</p>
<p>もう全身が熱くて、頭がぐるぐるして、大声で叫びながら走り去ってしまいたい。</p>
<p>だけど私は諦めない。先輩の顔に、自分の顔を思いっ切り寄せて笑う。一歩間違ったらキスをしてしまいそう、心の中の『ひゃああ』という声がもっと強くなる。</p>
<p>「なんです、その顔？　せんぱいは後輩のブラをこっそり見て興奮しちゃう変態なんですよ？　変態♡　変態♡　へんたぁい♡」</p>
<p>あぁもう無理！　これ以上やったら恥ずかしさで爆発しそう！　来い、来い、来い！　――そしてやっと、先輩が私の両肩をつかんだんだ。</p>
<p>「っ――――！！」</p>
<p>来たぁ！　――私は頬がにやけないように我慢しながら、先輩をにらみ付ける。……ちゃんとにらんでるよね、私？</p>
<p>「なんですか、この手？　先輩みたいなぼっちの陰キャが、私に何かできるんですか？」</p>
<p>次の瞬間、先輩が私の両腰をつかむ。心がどきんと高鳴る。</p>
<p>そして私の体がひょいっと持ち上がって、ちょっとの浮遊感の後、背中に柔らかい感触が――先輩が私をベッドの上に押し倒したんだ。</p>
<p>「きゃっ」</p>
<p>衝撃とときめきで声が出てしまったけど、すぐに口をふさいで我慢。</p>
<p>そうこうしている間に、スカートがめくられて、パンツがずり下ろされて、膝をつかんで開かされる。</p>
<p>M字開脚。すごく恥ずかしい。だけど私は両手をぎゅーっと握りしめて、脚の力を抜く。抵抗したらだめ。</p>
<p>「なんです、私を犯すつもりですかぁ？　あはは♡　先輩みたいな小さくて早い<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">ざ</span><span class="boten">こ</span></span>おちんちんでイクわけないじゃないですかぁ♡」</p>
<p>私が何か言っても、先輩は何も言わない。</p>
<p><span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">こ</span><span class="boten">う</span><span class="boten">い</span><span class="boten">う</span><span class="boten">と</span><span class="boten">き</span></span>の先輩はちょっと怖い。怒ってるのかな？　いや、怒ってるに決まってるか。こんな風にばかにされたら、誰だって怒るよ。</p>
<p>だけど先輩、こうでもしなくちゃ私と<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">シ</span></span>てくれないんだもん。</p>
<p>私の苦労、気付いてくれないかな。いつも私がこうして肌の出る服を着て、だけど他の男の人には見られたくないから、分厚いコートを着て。あぁだけど、そんなこと知られたら……それはそれで死ぬほど恥ずかしい。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>「ぉごぉ――ッ♡♡♡」</p>
<p>次の瞬間、<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">衝</span><span class="boten">撃</span></span>で恥ずかしい声が出た。</p>
<p><span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">先</span><span class="boten">輩</span><span class="boten">の</span></span>が、私のアソコにずんと勢いよく突っ込まれる。私は体が小さいから、先輩のでもすごくきつい。だけど前戯なんて必要なかった。痛くはない。私のアソコはもうびしょびしょになっていたから。</p>
<p>「なんでっ、こんなに硬くっ、なってるんですか……♡♡　もしかして、私のブラ見て、勃起しちゃったんですかぁ……♡♡」</p>
<p>中に入ったものがすごく硬くて、<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">先</span><span class="boten">輩</span><span class="boten">の</span></span>がもう勃っていることに気付いた。</p>
<p>……どうして？　私の女らしさのない薄い体に興奮したから？　もしそうだったら、すごくうれしい。</p>
<p>「んくっ、っ、ぁ……♡♡　ふ……♡」</p>
<p>ずっ、ずっ、ずっ。</p>
<p>先輩が腰を振ると、私の体が前後に揺れる。ゆりかごに乗せられているような心地よさ。頬が緩んでしまいそう。</p>
<p>だけど。</p>
<p>「なんですかぁ？　ぁっ♡　このざっこい動き♡　んっ♡　こんなヘコヘコヘコヘコってお猿さんみたいな情けない動きじゃあ、女の子一人イカせられませんよぉ♡♡」</p>
<p>私は精いっぱい先輩のことを挑発する。これはこれで気持ちいいけど、私が求めているのは<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">こ</span><span class="boten">ん</span><span class="boten">な</span><span class="boten">も</span><span class="boten">の</span></span>じゃないんだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>先輩が私の膝ではなく、今度は両足首をつかんで持ち上げる。</p>
<p>脚を開かされるだけじゃなくて、そのまま頭の上まで持ち上げられて、まるで先輩にアソコを思いっ切り突き出すような体勢になる。『まんぐり返し』って言うんだっけ。普通の女の子なら、こんな恥ずかしい体勢をさせられたら怒るんじゃないかな。</p>
<p>「っ……♡」</p>
<p>だけど私は、喉の奥から悦びの音が鳴って、慌てて口を塞ぐ。口を塞いだ瞬間、さっきまでとは比べものにならない快感がやってきたんだ。</p>
<p>「んぶぅ――♡♡♡　ぁぐっ、ぁ゛ッ！！？　ぁ゛ぁぁぁぁ――！！？」</p>
<p>まんぐり返しした私の上に覆いかぶさる、いや、のしかかる先輩の、杭を打つようなピストン運動。それは『種付けプレス』なんて言うらしい。すごく下品で、すごくときめく名前。</p>
<p><span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">奥</span></span>がずんずんと突かれる。お互いの太ももが当たってバチンバチンと音が鳴る。太ももの裏にのしかかられているから、脚を下ろすことができない。</p>
<p>だけど私は抵抗しない。私はずっと、<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">こ</span><span class="boten">れ</span></span>を待ち望んでいたんだから。</p>
<p>「んぁぐっ♡♡♡♡　ぉ゛っ！！　ぉぐっ♡♡♡♡　ぉ゛ぉぉぉぉぉ――♡♡♡♡」</p>
<p>先輩に<ruby data-rt="オナホール">道具<rp>（</rp><rt>オナホール</rt><rp>）</rp></ruby>のように乱暴に扱われる被支配感が、心の中をぼうぼうに燃やす。先輩の体重、体温は心地よくて、そしてもっと単純に、奥を<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">先</span><span class="boten">輩</span><span class="boten">の</span></span>で突かれる衝撃が強烈で気持ちいい。</p>
<p>「んな゛っ♡♡♡♡　せんぴゃ――♡♡♡♡　こんなっ、こんにゃの――ぉごぉっ♡♡♡♡　ぉ゛ぉぉおっ！！！？」</p>
<p>もっと、もっと、もっと！！　――私はそう思って、先輩のことをもっと挑発しようとするけど、ちゃんとした言葉がちっとも出てこない。ずん、ずんと奥を突かれるたびに、アソコで生まれた炎の塊みたいな気持ちよさが、背筋を通って頭までゾゾゾと上っていく。</p>
<p>「ぁあ゛っ、ぃ、ぃ゛ぃぃぃい――！！！？　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～！！！！　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡」</p>
<p>私はあっという間にイッてしまう。まんぐり返しのまま全身が震えて、アソコから愛液がどろりとこぼれる。</p>
<p>「ぉ゛ひ――♡♡♡♡　ぃ゛ぃぃぃぃいっ！！！？　まひゃっ、続――♡♡♡♡　ぉ゛ぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお――♡♡♡♡」</p>
<p>だけど先輩のピストン運動は止まらない。こぼれた愛液が太ももにばちんと弾かれて飛び散った。</p>
<p>別に、先輩が<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">遅</span><span class="boten">い</span></span>わけじゃない。単に私が<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">弱</span><span class="boten">い</span></span>んだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>イッた後も無理やり犯されるのは本当に気持ちいい。あまりに気持ちよすぎて体がばらばらになって飛んでいきそうだけど、そんな体を先輩がぎゅっと押さえ付けてくれるから安心する。</p>
<p>「んぁ゛――♡♡♡♡　ぉ゛――♡♡♡♡　ぁ゛！！！？　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡　ぉ゛ぉぉぉお～～～～～～～～～～～～～～～～～～！！！？」</p>
<p>私がもう何も言えなくなってきたところで、先輩は腰を思いっ切り動かしながら、私の両足首から手を離した。太ももにのしかかられていたら、どの道まんぐり返しの姿勢は解けない。</p>
<p>そして先輩は空いた手でセーターとブラをめくり上げて、私の小さなおっぱいをもみしだき始める。</p>
<p>「んぁ――♡♡♡」</p>
<p>ちょっと乱暴な手付き。ほんのちょっとだけ走る痛みが、逆に心地いい。</p>
<p>先輩におっぱいをもまれると、なんだかうれしさがこみ上げてくる。どうしてそんなに、こんな小さなおっぱいを一生懸命もんでくれるんだろう？　小さなおっぱいで興奮する変態さん？　それなら先輩、ずっと変態でいてくれていいよ。</p>
<p>「せんぱいっ、せんぱい――♡♡♡♡　せんぱいぃぃ――♡♡♡♡」</p>
<p>私はなんだかもういろいろ考えられなくなって、先輩のことを強く抱き締めようとする。</p>
<p>まんぐり返しの体勢は、腕を伸ばしにくい。だけど私が必死に腕を伸ばすと、先輩も腕を伸ばして、私のことを抱き締めてくれた。</p>
<p>「はふ――♡♡♡　ぁ――♡♡♡♡　ぁ～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡」</p>
<p>腰の動きが止まる。二人の胸と胸が触れ合う。ものすごく温かく感じて、アソコがじんわりと気持ちよくなって、私は甘くイキ続ける。ほんのちょっとだけの時間が過ぎる。『ずっとこうしていたい』と思う。</p>
<p>だけど次の瞬間、先輩は抱き付いていた私の手首をつかんで、ベッドに押し付けてしまうんだ。</p>
<p>「ぁ――！！！？　ぁ゛ぁ――っ♡♡♡♡♡」</p>
<p>あぁ、私は本当にMみたい。両手を押し付けられただけで、興奮のせいでアソコから愛液がどば、どば、どばとあふれるのを感じた。</p>
<p>それから、また激しいピストン運動が始まる。</p>
<p>「ぁ゛ぁぁあああっ♡♡♡♡♡　ぉ゛――！！！？　ぉ゛ぉぉぉぉおおおっ♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～！！！！！」</p>
<p>太ももにのしかかられた状態で両腕をつかまれた私には何もできなくて、口からもちゃんとした言葉は出てこない。</p>
<p>ただ気持ちよくてたくさんイクだけ。体も、心も、全部を先輩に委ねるんだ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>先輩の種付けプレスで何度もイカされたあと。</p>
<p>先輩の腰の動きがちょっとだけ乱れるのを感じた。</p>
<p>「んぁ゛――♡♡♡♡　ぉ゛――♡♡♡♡　ぉ゛――！！！？　ぉ゛ぉぉぉぉぉおお――！！！？」</p>
<p>まるで何かを我慢しているような、そんな動き。</p>
<p>たくさんイカされている私は、特に何か考えたわけじゃない。ただ無意識の内に、アソコをきゅうっと締め付けた。</p>
<p>「ぁ゛んっ♡♡♡♡　ぁ゛ぁぁぁああ――♡♡♡♡　だして、なか――っ♡♡♡　んぁ゛っ、ぁ゛っあっっあっぁぁぁぁあああっ♡♡♡♡♡」</p>
<p>すると先輩のピストン運動の乱れがなくなって、むしろ速くなる。</p>
<p>ぐちぐちぐちぐち、ぐちぐちぐちぐちぐち！　気持ちよさがどんどん強くなる。そしてアソコの一番奥がずんと突き立てられた瞬間、<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">先</span><span class="boten">輩</span><span class="boten">の</span></span>がびくんびくんと大きく震えた。</p>
<p>「ぁ゛ぁぁぁぁぁぁああああああ――♡♡♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　っひ――♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>先輩の精子がびゅーびゅーと私の中に注ぎ込まれる。熱くて、どろっとしたものがアソコを満たす感覚で、私はまたイッてしまう。</p>
<p>「ぉ゛――♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡　ぁ゛ーーーーーー♡♡♡♡♡　っ～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～♡♡♡♡♡」</p>
<p>私はまんぐり返しされた不自由な体を精いっぱいのけ反らせて、長く、長くイキ続ける。</p>
<p>涙でぐずぐずになった視界が、今度はピンク色に染まっていく。何も見えなくなる、何も聞こえなくなる、何も考えられなくなる。ただ気持ちよくて幸せ。</p>
<p>「ぁぉ゛――♡♡♡♡♡　ぉ゛～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　ッ～～～～～～～～～～～～、ッ～～～～～～～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡　ぁ゛～～～～～～～～～～～～……♡♡♡♡♡」</p>
<p>先輩の射精が終わっても、私は<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">先</span><span class="boten">輩</span><span class="boten">の</span></span>がアソコに入っているだけでイキ続ける。先輩はいつまで私のことをイカせるつもり？</p>
<p>景色が全部ピンク色に染まってやっと、<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">先</span><span class="boten">輩</span><span class="boten">の</span></span>が私のアソコから引き抜かれた。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>――――<br />
――</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>私の仕向けた激しいえっちが終わる。</p>
<p>「ぁ゛――♡♡♡♡　ぉ――♡♡♡♡　ぉ゛ー……♡♡♡♡」</p>
<p>私はみっともなく脚を開いたまま、アソコから白い液体をとろとろとこぼし続ける。そう言えばセーターもスカートも着っぱなしだったから、汗でびしょびしょだ。</p>
<p>目は開いているはずなのに、何も見えない。たぶん焦点が合ってない。鼻水もちょっと出てるし、口も唇を突き出すような変な形のまま動かせない。</p>
<p>せっかくおめかししたのにもう台無し、すごくみっともない姿。だけど気持ちよすぎて自分の格好なんて気にしていられない。</p>
<p>先輩が一回イク間に、私は一体何回イッたんだろう。先輩のことを何度も『ざーこ♡』なんて言って挑発していたけど、本当に<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">ざ</span><span class="boten">こ</span></span>なのは私のほうだ。</p>
<p>「ぅへ……♡♡♡♡　ぁへへ、へへ……♡♡♡♡」</p>
<p>あぁ、だけど、自分が<span class="botenparent kuromaru"><span class="boten">ざ</span><span class="boten">こ</span></span>だと先輩に分からせられるこのえっちは、すごく幸せ。</p>
<p>&nbsp;</p>
<p>意識が飛んでいて、もう自分で何を言っているかも分からない。</p>
<p>「せんぱい、だいすきぃ……♡♡♡♡」</p>
<p>そのとき先輩がそっと、私の頭をなでた気がした。</p>
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