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◆あらすじ
妖精(フェアリー)は本来神聖な存在ですが、人の精を欲することからしばしばモンスター娘の一種として数えられます。彼女たちは友好的ながらもイタズラ好きで、人を何の気なしに陥れてしまうことがあります。万が一気に入られてしまったら、妖精の国に連れて行かれて2度と帰れなくなってしまうかも……?
おそらく、多くの方が抱く『妖精』もしくは『フェアリー』のイメージとは、『何となく良い存在』でしょう。
しかし、真実はかならずしもそうではありません。
たしかに、妖精は人間にたいして好意的な種族ですが、それ以上にイタズラ好き。何より、彼女たちの好意がかならずしも人々に幸運を招くとはかぎらないのです。
彼女たちの価値観は、人間のそれとは大きく異なるのですから。
たとえばの話ですが、男性が気持ち良さそうにしていたら、妖精たちはその人を際限なく気持ち良くしてしまうかもしれません。
深い深い森の奥に潜り込んだのは、1人の学者の男性でした。
学者を突き動かすのは探究心。未開の地に、未知の希望を見出したのです。
そして夜のキャンプ。彼は薪が燃える音の隙間に、不思議な音を聞きました。
「……歌? こんなところで、か……?」
学者は焚き火を消し、代わりに魔法で小さな光球を生み出します。
草木を掻き分けて歩くこと数十歩。向こうに、明かりなんて必要がないぐらい明るい光を見つけました。
「……フェアリー、サークル?」
フェアリーサークル。
学者にとっては専門外の領域ですが、その存在だけは知っていました。妖精たちが踊った後の地面には、小さな円状の跡ができると。
しかし、それはフェアリーサークルとは少し違いました。今まさに、大勢の妖精たちが円を描いて踊っていたのですから。
彼女たちは伝承どおり、全員が羽根を生やした美しい少女。しかし、とても小さい。おそらく、学者の手のひらよりも小さいでしょう。
人数は20人ぐらい。その全員が薄絹を巻き付けただけのような衣服を来ています。足を跳ねさせて踊るたびに、腋が、太ももが、身体の際どい部分がチラチラと覗かせていました。
学者は魔法で作った明かりを消して、地にしゃがみ、草木の間から妖精たちの踊りを観察し始めました。
踊りと言っても、貴族の舞踏会のように華美なものではありません。1人1人が思い思いに動き回るだけの、無秩序なものです。
「美しい、な」
それでも、学者は言葉を漏らしました。彼女たちの踊りには、人々を惹きつける魅力があったのです。
妖精たちが踊る円には、ただの跡なんかではない、色とりどりの花が咲いて淡い光を放っています。
「魔力の匂いがするわ」
1人の妖精が、踊りを止めて虚空を見つめました。
学者の肩がギクリと震えます。
「本当だわ。私たちの糧、魔力の匂いがするわ」
「熟した果実のよう。芳醇な魔力の匂いがするわ」
妖精たちが口々に言い始めます。
そして、ある1人が草木の向こう、学者が隠れている位置をピタリと指差しました。
「あそこだわ」
その言葉に、妖精たちの視線がいっきに集中します。
学者は諦めてため息をつきました。
「申し訳ない。覗き見する気はなかったんだが」
学者は立ち上がります。
内心は未知なる事態にたいして恐れていたものの、極めて毅然としていて紳士的な対応です。
それが功を奏したのか、妖精たちの反応は良好なものでした。
「あら、人間さんだわ」
「そうね、男の子? 男の人? どっちかしら、難しいわ」
「どっちでも良いじゃない。私たちにとってはみーんな子供よ」
「格好いいじゃない」
「格好いいし、ちょっと可愛いわ」
「ちょっと無愛想だけど、格好いいし可愛いわ」
「ようこそ、森の良きお客さん。貴方を歓迎するわ」
妖精たちは学者の周りを飛び回りながら、好き勝手話し始めます。歓迎されていることだけは分かりました。
さて、どうしようか? 学者は思考を巡らせます。
人外の扱いは慎重に行わなければならない。さもなくば、奈落に引きずり込まれる。しかし、妖精との接し方なんてまったく知らない。1番安全なのは、このまま帰ることだろうか……。
しかし、学者が十分考える前に、妖精たちが彼の手、いえ指を引きます。
「森の良きお客さん。私たちといっしょに踊りましょう」
「踊りましょう、きっと楽しいわ」
「楽しすぎて、帰りたくなくなってしまうかもしれないわ」
小さな妖精たちは力も小さい。しかし不思議と拒否できない何かがある。
学者はゆっくりと、妖精の踊り場に引きずり込まれてゆくのでした。
「そ、その。僕は踊り方なんて知らないんだが」
「おかしなことを言うわ。踊りにやり方なんてあるのかしら?」
「本当、おかしなことを言うわ。好きに歩いて、好きに歌えば良いじゃない」
最初、学者は妖精たちに身体を押されて、円の周りをよたよたと歩くだけでした。
外側から眺めている分には美しい妖精たちの踊りだが、いざ自分も加わるとなると照れくさい。
円の周りを歩いていると、いろいろな思考が頭の中を巡ります。妖精に敵意がなくて安心しただとか、足元を照らす光は何なのかだとか。
そもそも、彼女たちはどうして自分を歓迎してくれたのか。ただの友好的対応か、気まぐれか。それとも、別の目的があるのか。
そんなことを考えていると、妖精たちにだんだんと異変が訪れてきます。
「っ……」
耳、首筋、太もも。妖精たちが、学者の身体のあちこちを触り始めているのです。
小さな妖精と言えども、その姿は麗しい美少女たち。研究一筋、女性と交際した経験もない彼にとっては、その行為自体刺激が強いものでした。
「その……、身体を触るのは……」
耐えかねた学者は、とうとう抗議の声を上げます。
「あら、どうして?」
「貴方の踊りが下手っぴだから、教えてあげているのよ?」
背中、腋の下、胸、腰。妖精たちが、学者に群がってゆきます。ゾワゾワとした刺激をかすかに感じて、学者の顔が赤くなってゆきます。
「悪ふざけは、止めてくれないか……っ」
その言葉に、妖精たちはクスクスと笑い始めました。
「貴方、ゆーもあが足りないわ」
「そうよ。こーんなに可愛らしい顔しているのに。ムッスリしていて台無しよ?」
「そうよそうよ。声だって無理やり低くして、美しくないわ」
「もっと高い声で唄えば良いのよ」
「そうそう、小鳥のように高い声で唄えば良いのよ」
「私ね、人間さんが可愛らしい声を出す方法、知ってるわ」
「――ひぅっ!?」
妖精の誰かがそう言った瞬間、ゾワリとした感覚が学者を襲いました。
前開きのローブの裾から潜り込んだ妖精の身体と羽根が、学者のお腹、胸を刺激したのです。
くすぐったい。学者は思わず高い悲鳴を出してしまいます。
「可愛らしい声」
「本当。可愛らしい声だわ」
「ムッスリしているけど実は可愛らしい貴方にぴったりの、可愛らしい声だわ」
学者の顔が真っ赤に染まります。
しかし、それぐらいでは妖精たちのイタズラは止まりません。
「人間さんはね。ここを触られるのが大好きなのよね?」
「~~~~っ!?」
衣服に潜り込んだ妖精がそう笑って触れた場所。それは学者の胸先でした。
ゾクゾクとした甘い刺激に、思わず女性のような甲高い声が出てしまいそう。生まれて初めての感覚です。
「もう、声を我慢しちゃだめよ?」
「だけど見て、すっごく気持ち良さそう」
「美しい声を出させてあげるわ」
「蕩けるぐらい気持ち良くしちゃえば、声を我慢なんてできないわよね?」
学者の周囲を飛んでいた妖精たちが、彼の身体に殺到しました。
先程までのような、さり気ないボディタッチとは訳が違います。
耳、首筋、お腹、腰、太もも。身体の到るところを明確に気持ち良くさせるような触り方です。
「ひ……っ!? や、止め……て、くれ……っ!」
学者は思わず円の中心にしゃがみ込んでしまいます。しかし、それ以上のことはできませんでした。
下手に暴れれば妖精たちを傷つけてしまいかねません。いっそのこと、殺意を持って襲いかかってきてくれれば気兼ねなく応戦できたのに。
無邪気なイタズラというものは、生真面目な学者にとってどう返せば良いのか分からないものでした。
すりすり、さわさわ、こちょこちょ。
「貴方の可愛い声を聞かせてよ」
「聞かせてよ。じゃないと、もっと気持ち良くするわよ?」
「ぅく……っ! っ……!! ~~~~!」
ゾワゾワとした刺激が全身を襲い続けました。
声を出さないように、なおかつ妖精たちを潰してしまわないように耐え続ける学者。
しかし、もう体力の限界です。やがて、よろよろと円の中心で仰向けに倒れ込んでしまいました。
「もう身体がトロトロね。そんなに気持ち良い?」
「固くなった乳首をクリクリされると、身体がトロトロになっちゃうのよね?」
とくに、乳首へのイタズラが過激でした。
ローブの中に潜り込んだ2人の妖精が、執拗に乳首を責めるのです。
彼女たちの手はとても小さく、学者の小さな乳首ですら両手を使って責めることができてしまうほどでした。
合計20本の細い指が、シワの奥にまで入り込みます。
「ぁっ! ひゃ、あ……! ふあ、ぁぁ……」
もう、声を我慢するのは無理でした。
学者の口から、とうとう吐息混じりの喘ぎ声が出始めました。
「やっと声を聞かせてくれたわね」
「きれいで可愛らしい声だわ」
「そうね。川のせせらぎのようで素敵よ?」
妖精たちはひとしきり喜び出します。なかには、ハイタッチをするものも。
しかし、彼女たちの目的は達成したというのに、学者を責める手を止めようとしませんでした。
するするとローブの前を開かれ、その中のインナーまでも捲られて上半身が露出します。
背中が地面に触れますが、生い茂る草がクッションになっていて、身体が傷つくことはありませんでした。
「もっと気持ち良くしてあげる」
「これはサービス。貴方がとても可愛いからよ」
2人の妖精が学者のあばらに乗って、改めて乳首を弄り始めました。
「ひゃっ、あぁ……っ! やめ、舐め……っ!?」
先程までフラフラと飛びながら責めるのとは、精度がまるで違いました。
さらに、妖精たちは乳首を口に含んで、先っぽをチロチロと舐め始めます。
舌は小さく、柔らかくて、そしてヌルヌルしていて、指とは違って溶かされるような気持ち良さがありました。
妖精たちの手が、手持ち無沙汰であるように乳輪の周りをくすぐっています。
「そろそろ私たちも気持ち良くして欲しいな」
「そうね。1人で気持ち良くなってズルいわ」
妖精たちはそう言うと、身体にまとっていた薄い衣服を取り払い始めました。
その衣服は1枚の布のようで、胸や秘部、お尻などがいっきに露出してしまいます。
「まずはおっぱいから気持ち良くしてもらおうかしら」
「そうね。こんなに気持ち良さそうにしているんだもの。私たちも分かち合いたいわ」
妖精は身体こそ小さいものの、発育は個体によってさまざまでした。胸の大きさ1つ取っても、人間なら『巨乳』と呼んでいたであろうものも、ぺったんこなものもあります。
彼女たちはそんな色とりどりの大きさの胸を、学者の全身に押し付けだしたのです。
「んっ、おっぱい、気持ち良いわ」
「そうね。んくっ、貴方の肌、スベスベだから、おっぱいも気持ち良いわ」
「やめ、そんな……っ!? こと……!」
学者の身体の至るところから、妖精たちの喘ぎ声が響き始めました。
妖精たちの柔らかな肌、その中でも特に柔らかい胸、その中心にポツンとある固い乳首。さまざまな刺激が学者を快楽の海に沈めてゆきます。
学者の胸をいじめていた妖精たちも、自分の乳房を彼の乳首に押し当て始めます。
ただ乳を当てるだけではありません。乳首と乳首をこすりあわせて、お互いに気持ち良くするのです。
「貴方の乳首がもっと大きければ、おっぱいで挟んであげられたのに」
「ぱいずりって言うらしいわよ? おっぱいで挟むの」
「ぃっ!? ひゃっ、ぁ、あぁ……!」
「こうすれば良いんじゃない? 乳首の根本を支えてあげるわ」
「あら、ちょっぴりだけど挟めるわね。どう? 私のぱいずり」
ある妖精が両手を使って学者の右乳首を根本から絞り出しました。そして、ピョコンと少し大きくなった乳首が、妖精の胸の谷間に無理やり押し込まれます。
「ぅあ……っ! ひっ!? な、これ……っ!!?」
乳首はすでに唾液でヌルヌルとしていました。そんな状態で柔らかな胸に包まれてしまったら、気持ち良くておかしくなってしまいそう。
「貴女はずるいわ。挟めるほど大きいのだもの」
「ふふん」
「むぅ」
一方で、左乳首をいじっていた妖精は少し不満げでした。彼女の胸は隣の妖精とは違って小さかったのです。
「負けないわ。こっちのほうが気持ち良いもの」
『それなら』と、彼女は腰の位置を動かし始めました。そして、自分の秘部を、学者の乳首に押し当て始めたのです。
「あっ、これっ、ちくびが、クリちゃんに、あたってぇっ」
「ひぃぃっ!? それ、ひゃめっ!? ぁ、あぁぁぁっ!!」
腰をくねらせるたびに、学者の乳首が妖精のクリトリスをこねます。すると、トロトロの愛液が染み出し、お互いの快感をさらに増幅させるのです。
視覚的な過激さに、学者の目は胸がぺったんこな彼女に釘付けでした。
「貴女のほうこそずるいじゃない。そんな気持ち良さそうなことするなんて」
「2人ともずるいわよ。私たちもそっちに入れてちょうだい」
学者の胸に群がる妖精が増えてゆきます。
学者の胸に自分のクリトリスと押しつけるもの、羽根で学者の身体をくすぐってしまうもの、手持ち無沙汰になって妖精同士で身体をまさぐり合うもの。
「んっ、あっあっ。貴方の乳首、クリちゃんをコリコリして、良いわっ」
「私のお汁で、もっとっ、ぬるぬるにしてあげる。ふっ、あっ、んんっ」
「早くイッちゃってよ。そしたら次は私よ。ほれほれ」
「あっ、だ、だめっ。おっぱい、弄っちゃ、あぁっ」
「イッたら交代なのね? じゃあ、ほれほれ」
「ほれほれ」
「きゃはっ。みんな、ずるいわよっ。あはっ。そんな、全身くすぐったらぁっ」
妖精たちの嬌声が大きくなってゆきます。
自分の胸の上で乱交が行われるなんて、学者は生まれてこの方考えたこともなかったでしょう。
そんな奇想天外な出来事への興奮は、妖精たちにもしっかり伝わるものです。
「おちんちんがもうパンパンだわ」
「あら本当。美味しそうなおちんちんがパンパンになっているわ」
「いけないわ。こっちも触ってあげなきゃ可哀想ね」
「そうね。たーくさん気持ち良くしてあげなきゃね」
妖精たちの視線が、学者の下半身に集中しました。
彼の男性器は、もう痛いほどに勃起しています。先走り汁が、衣服を濡らすほどです。
「ま、待って、くれ……っ! そ、そこは……!?」
学者の抗議の声なんて、妖精たちは耳を貸そうともしません。彼女たち総出で衣服を掴まれ、よいしょよいしょと脱がされてしまいます。
ついでに上半身も。とうとう、彼は一糸まとわぬ姿になってしまいました。
「汗臭いわ」
「そうね。ちょっと汗臭いわ」
学者は日中森のなかを歩き続けていました。男性器が汗で蒸れてしまっているのは、仕方がないことです。
学者としても不衛生なのは承知しているし、そう言った意味でも近付いて欲しくない。それでも、妖精たちは笑います。
「まずはキレイにしてあげましょう」
たくさんの妖精が彼の男性器に殺到しました。
そして、『キレイにする』という言葉どおり、舌でペロペロと舐め回し始めたのです。
「っ、あ……!? ひっ、あぁ……!」
チロチロと細い舌が這い回るのは、ムズムズとしたくすぐったさがあります。
それが陰茎、亀頭、鈴口、睾丸、男性器のありとあらゆる部分に襲いかかってくるのです。
「ちょっと、私も入れてちょうだい」
「もういっぱい。入らないわよ」
「仕方ないわ。私たちはこっちで遊びましょう」
そして、そこに加われない妖精たちは、再び彼の胸にまたがって乳首で遊び始めます。
男性器と両乳首、そして全身。身体のありとあらゆるところを責められ、学者の身体が一際大きく跳ねました。
「ぅっ!? あぅぅっ!!? ~~~~っ!!」
結局、学者は男性器をろくにしごかれることなく射精してしまいました。
一人遊びをすることもない彼の男性器から止め処なく精液がほとばしり、妖精たちの身体を汚してゆきます。
「あら、すごい量。それに味も濃いわ」
「そんなに気持ち良かった?」
「本番はまだこれからなのにね」
妖精たちは全身がドロドロになったのも気にせず、クスクスと笑いあい続けました。
「はぁ……、はぁ……」
学者は生まれてこの方、女性に身体を弄ばれた経験なんてありません。射精だって、寝ている間にいつの間にかしていたぐらいしかないのです。
だから、次の瞬間さらに強い快感が襲いかかるなんて、夢にも思っていませんでした。
「ひっ、ぁあぁぁぁっ!?」
甲高い悲鳴が、夜の森の中に響き渡りました。
「あっ、んっ。全身で気持ち良くしてあげるわ」
「私たちの身体、んっ。ヌルヌルしてて気持ち良いでしょ?」
「なひっ!? こ、これっ、は!? ひゃ、やめ、やめぇ……っ!!?」
妖精たちが男性器に抱きつき、全身で上下にしごき始めたのです。
抱きついている妖精は2人。胸、クリトリス、太もも。妖精の身体のありとあらゆる部分が陰茎を刺激します。
小さな手がカリを執拗に刺激し、プニプニとした足の裏が睾丸を優しく踏みしだきます。
そして、抱きつくことができない妖精たちが、亀頭や睾丸をペロペロと舐め続けています。
男性器という狭いところに、あまりに多彩な責めが加えられます。人間の手では、到底なしえない快感です。
「おちんちんも良いけど、乳首も気持ち良いわよね?」
「こんなに勃ってるんだもの。乳首、気持ち良いわよね?」
「ひゃふっ!? ぅ、あっ!! ぁあぁぁっ!!?」
そして、学者の胸の上では相変わらず乱交が繰り広げられるばかり。
妖精のクリトリスが学者の乳首をこねる感触。乱れに乱れ合う光景。歌うような嬌声。女性特有の濃厚な香り。
五感のほとんどが、快感に支配されてゆきます。
「ひゃ、あぁっ! ~~~~~~~~っ!!」
学者に2度目の射精が訪れるのは、そう遠い話ではありませんでした。
「すごいわ。全然量が減らないわ」
「本当に気持ち良いのね」
妖精たちは精液のシャワーを浴びながら笑い合いました。
「はっ、あぁ……。はぁ……!」
学者は息を整えながら、今日という出来事を回想します。
どうして自分は、こんな目に遭っているのだろう?
今日は何をしていた? 研究のために森に入った、野宿をしていた。そして妖精たちに出会った、全身を弄ばれた。
こんなこと、きっと誰も信じてくれないだろう。だけど、大切なのはそんな先のことではない。
自分は今これから、何をすれば良い?
しかし、彼はその重要な思考の結論に達することはありませんでした。
即座に『逃げる』という結論に達することができないほど、彼の脳は快楽に溶かされていました。
そして、妖精たちが彼の思考を遮るように話しかけてきます。
「清明な心を持つ森の良きお客さん。貴方は私たちの友にふさわしいわ」
「貴方に惜しみない愛を」
「貴方に永遠の悦楽を」
最初、学者は彼女たちの言っている意味が分かりませんでした。
しかし、彼女たちはもっと砕けた口調で、分かりやすく教えてくれるのです。
「お友達、貴方を妖精の国へ招待するわ」
「妖精の国に行くとね、私たちといっしょ、老いで死なない身体になれるのよ」
「お肌も髪も、ずっとツヤツヤよ」
「その代わり、人間さんは人間ではいられなくなっちゃうけど」
「そんなの、些細な問題よね」
「私たち、ずーっといっしょになれるの」
「ずーっと、気持ち良いことしましょ?」
「同族も、もっとたーくさん呼ぶわ。みんなでずーっと、気持ち良いことしましょ?」
それは異世界、妖精の国への招待でした。
妖精たちの眼差し、声。すべてが愛情に満ちています。
この瞬間、学者は彼女たちに認められたのです。
学者は全てを察し、そして、背筋が凍るのを感じました。
彼女たちは、人としての生を捨てろと言っているのです。
家族、故郷、生業、夢。ありとあらゆるものが闇に消えてゆきます。
(そんな馬鹿げたことできるか!!)
だけど、学者はもう声が出ません。快感で喉が焼けていましたし、身体は脱力しています。何より、妖精たちが彼に向ける惜しみない愛が一瞬の躊躇いを生みました。
妖精たちが踊っていた円が、白い光に包まれます。
「ちょ――」
ちょっと待ってくれ! 学者はそう言おうとしました。しかし、あまりに遅すぎました。
周囲の景色が消えてゆきます。大地すら消えて浮遊感を覚えます。
すべてが光に包まれる中、ただ妖精たちの愛情に満ちた、優しく残酷な笑い声が響き続けました。
――――
――
そして、森が静寂に包まれます。
妖精たちが踊り明かした場所には、円状の跡、フェアリーサークルだけが残っています。
他には、何もありませんでした。
何も。何もありませんでした。
――――
――
それから。ここではない世界。
翠緑の草原が一面に広がり、美しい花が咲き果実が実り、鳥が唄う世界。
そんな楽園のような世界に、学者は居ました。
「~~~~っ!? ~~~~~~~~!! ~~~~!」
草原で仰向けに倒れている学者の身体を埋め尽くしているのは妖精たちでした。
時間の流れが狂った世界で、彼らはずっと遊び続けていたのです。
快楽に蕩けた身体はもう、学者自身の意志では動かせません。
「あっ、んっ、あっ。これ、気持ちいいわ」
「私はこうするのが好きよ。んくっ、あっ、こすれて、気持ちいいっ」
学者の両手の先では、妖精たちが彼の指を自分の膣に挿れたり、クリトリスにこすりつけたりして遊んでいます。
全身のどこもかしこもこんな有り様です。
頭の上では妖精たちが学者の髪の毛でくすぐり合って、足先では反対に妖精たちが学者の足の裏をくすぐっています。
彼女たちの愛液には、不思議な力があるのでしょうか。トロトロの液体が身体に染み込むたびに、全身が性感帯へと変えられてしまっています。
もはや、頭のてっぺんからつま先まで、全身が彼女たちの愛に満たされていました。そのなかでも、とくに妖精たちの愛情が深い場所がありました。
1つは乳首。
「あ、あぁぁっ。気持ち良い。貴方の乳首、とても硬ぁい」
「しこしこするたびに、気持ち良さそうな顔するわ。そのうちおっぱいも出るんじゃないかしら」
学者の乳首は弄られすぎて、以前よりも少し大きくなっていました。妖精が女性器を押し付けると、膣に入ってしまうほど。
まさか、小さな妖精と乳首で性交するなんて、夢にも思っていなかったでしょう。
もはや、学者の乳首は妖精にとっての男性器。手でしごかれたり、胸で挟まれたり、膣で締め付けられたり。さまざまな手段で気持ち良くさせられていました。
そして、もう1ヶ所は男性器。
「ちゅっ、ちゅっ、れろぉ、ちゅっ」
「ぺろぺろぺろ、ちゅ、ちゅっ、ちゅっ」
たくさんの妖精が、陰茎に、亀頭に、鈴口に、睾丸に口を付け続けます。
1つ1つのキスは小さな快感でも、隙間なく、そして絶え間なくされるのであれば大きな快感です。
学者は断続的に、何度も射精を繰り返しました。
べつに、妖精たちはモンスター娘と違って、精液がなければ生きていけないというわけではありません。搾り取った精液を果物の肥料にするわけでもありません。
ただ、精液を搾るということに強い充足感を覚えるだけです。それは、妖精たちの本能でした。
「はぁい、お友達。ご飯の時間よ」
妖精が果物を咀嚼し、口移しで学者に飲ませました。
妖精の口は小さく、喉を流れた果汁は少ない。それなのに、たった一口飲むだけで身体に活力が湧き、男性器が硬く勃起してしまう。
それは、現世には存在しない魔法の果実でした。
「私たち、ちょっと遊びに行ってくるわ」
「またね、お友達」
「こんにちは、お友達。今日も幸せそうね」
「私たちも入れてちょうだい。お友達のおっぱい気持ち良くしたいわ」
妖精たちが去って、訪れて、代わる代わるに学者に愛情を注いでゆきます。
その快楽が途切れることは、一瞬足りともありません。
「~~~~っ!! ~~~~~~~~!!? ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」
彼の見た目は若い青年のまま、ずっと変わりません。せいぜい、大好きな乳首が少し大きくなってしまうぐらいでしょう。
時間の流れがおかしいから、眠くなることはない。不思議な果物があるから、お腹が空くことも、喉が乾くことも、男性器が萎えることもない。
こうして、すでに人間ではない学者は、妖精の国でずっとずっと、幸せな時を刻むことになるのでした。
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