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◆あらすじ
女友達が重度の腋フェチであることを知ってしまい、SMホテルに付き合わされるお話。巨乳で肉感的な彼女は普段とても明るいのですが、いざプレイになるとしおらしくなってしまうようで。そんなギャップのある彼女の希望で、腋の下を使ったプレイをフルコースです。拘束してくすぐり→腋コキ→背面座位+両手拘束+ローションヌルヌルの恥ずかしい状態で腋の下を……。
ある日、女友達のスマホにエロい検索履歴があるのを見てしまった。
「わーーーーーーっ!!?」
その女友達――望は慌てて僕の手からスマホをぶんどるけど、その何とも言えない文字の羅列は僕の網膜にはっきり焼き付いてしまったようで。
「……見た?」
「『腋フェチ エロ動画』」
「う゛ぅっ!」
「『腋舐め』『腋コキ』『腋の下 性感帯』『腋の下 気持ちいい』『腋の下 くすぐられたい』」
「や、やめろーーーー!!?」
のぞみがその場に崩れ落ちる。
彼女は巻き髪のゆるふわ系という見た目に反して、中身は案外ノリが良い。そして自分がスマホを忘れてしまったとき、相手のをちょっと借りることが平気で許される程度の仲だった。その結果がこれなんだけど。
男友達に、自分が重度の腋フェチだと知られてしまったときの心情は、まぁ理解できなくもない。
「ドンマイ」
「うぅぅぅぅぅ……!」
のぞみが真っ赤な顔で僕をにらんでくるから、僕は目をそらす。気まずいのはお互い様だった。
「……趣味なんて人それぞれでしょ。もっとヤバいのが好きな人だっているし」
「そうかね……?」
「そうだよ」
そのときは、そんな当たり障りのない会話でお開きとなったのだけど。
どうやらこの一件で彼女のタガが外れてしまったようで……。
「こう、私腋の下めちゃくちゃくすぐったがりだからさ。そんなとこが気持ちよくなったらと思うとすっごいグッと来るわけですよ」
「そう」
「あ、この腋舐め動画、エロい」
「ふーん」
それからのぞみはことあるごとに、自分からその手の話題を振ってくるようになった。
最初は何だかヤケになっているような様子だったけど、次第に『話したくて仕方ない』という感じになっているのを見て、僕はそれが一種の発散法なのだと思った。
僕としては、自分自身はいたってノーマルだけど、他人の性癖にあまりとやかく言うつもりはない。その上で気心の知れた女友達を悲しませるのは心苦しいから、半分だけ聞き流すというスタンスを取っていた。
そんなある日のことだ。
「君や、君」
のぞみが神妙な面持ちで僕を呼んだ。
「何だい」
「あのときの責任、取ってもらおうか」
「は?」
――――
――
「おー」
その部屋に入るや否や、のぞみが感嘆の声を上げる。
部屋全体がピンク色、壁が鏡張り、大きなベッドが1台あって、そのほか部屋に至るところに拘束具やら鞭やらが置かれている。天井からぶら下がっている何本もの鎖は、果たして装飾なのだろうか? ここは紛れもなくSMホテルだった。
まさかこんなところに連れて来られるなんて――僕は、先刻にのぞみが早口でまくし立てた言葉を思い出す。
『話すのは楽しいんだけど、なんか話してるとどんどん欲求が溜まるっていうかさー』
つまり彼女は、自分が話してきた内容を体験してみたくなって、その相手として僕に白羽の矢を立てたというわけだ。彼氏とかに頼めば良いのに。
「彼氏にこんなこと頼める? 変態だと思われて破局だよこんなん! だったら手頃な人にお願いするでしょ!?」
「手頃て」
「というか彼氏なんかおらんわ!」
「さよで」
のぞみのテンションが若干おかしくなっているのは、きっと緊張によるものだろう。僕だってこんなところに連れて来られて内心落ち着かない。
僕たちはひとしきり部屋の中を見て回る。
のぞみは拘束具やら大人のおもちゃやらを見るたびに『はー』とため息をついてから『これすごくない!?』とはしゃぎ、その後にちょっとだけ顔を背けて沈黙するのを繰り返す。
まるで時間を稼ぐかのように部屋の備品を1つずつ見て回り、もう何も見るものがなくなったところで、彼女は観念したようにベッドの上に座った。
「そ、それじゃ……」
「はいはい」
僕がそう言うと、彼女は上着を脱ぎ始める。
「な、何だか緊張するね」
「……そうね」
僕は努めて冷静に返す。彼女に気付かれないように、喉をゴクリと鳴らした。
……調子が狂う。
のぞみはこんな性格だけど、見てくれはかなり良い。顔が童顔気味なのがかわいいし、パーマをかけた髪もよく似合っている。背は僕よりは低いけど、女性としては平均より上だ。何より肉感的で、腰や腕は細いのに胸やお尻は大きい、そのプロポーションは反則気味だ。
彼女とはあくまでも友人関係だけど、その体に欲情しないかどうかはまた別の話だった。
僕が悶々としている間に、彼女は上着を脱ぎ終える。
「裸にならないの」
「これで十分でしょ。えっち」
上は黒のタンクトップ、下は青のショートパンツ、そして素足。大きな胸のせいで、タンクトップの生地にはブラの輪郭がくっきり浮き上がっていた。
「じゃあ、ほれ」
「はいはい」
ベッドの上であぐらをかいて座る彼女の前に、僕も座る。すると彼女は恥ずかしそうに顔を背けながら、自分の両手を頭の後ろで組んだ。
腋の下がさらけ出される。
肉付きが良い彼女の腋の下は、筋張ってはおらずムッチリしている。毛は生えておらずツルツルだけど、既にしっとり汗をかいているようだった。
こうして他人の腋の下をじっくり見るなんて、生まれて初めてかもしれない。
「……あんま見られると恥ずかしいんだけど」
「それは失礼」
そろそろ始めよう。僕は彼女の無防備な腋の下にゆっくり手を伸ばした。
僕の指先が彼女の腋の下に当たる。
「ぅひぃ!?」
たったそれだけで、彼女は上半身をビクンと跳ねさせながら間抜けな悲鳴を上げた。
僕はそのまま人差し指から小指までの合計8本の指で、彼女の腋のくぼみをくすぐる。
「ひはーーっはっはははははははは!? ちょちょちょちょっと待ってぇっへへへへへ!」
彼女はあっという間に笑い出して、腕を下ろして暴れ出してしまった。
僕はくすぐる手を止める。10秒もくすぐられていないというのに、もう彼女はゼェゼェと息を荒立たせている。
「そんなことでよく腋の下を開発されたいなんて言えたね」
「み、見るのとぉ! されるのじゃ違うんですー!!」
「じゃあ止める?」
「……最初は優しくだよ! 優しく!」
どうやら止める気はないようだ。
僕は彼女のご所望どおり、指の腹を使って努めて優しく、彼女の腋の下をくすぐり始める。
「んぐぅっひひひひひ! ぐひっ、ぅひひひひひひひひ!?」
「きったない笑い声……」
「ぐすぐっだいんだがらしがだないでしょおぉっほほほひひひひひひ!?」
ムードも何もない笑い声に、僕はため息を付きたい気分だ。
「そんなにくすぐったいもの?」
「んぐぐぐぐ、ぐすぐっだいに決まっでるでしょぉぉっほほほほほほほほほ!? ぉあひゃっ!!? そ、そこだめっへへへへへへへへへへへへへへ!!」
「あぁ、やっぱり1番窪んでるところが弱いんだ」
「よわいぃぃっひひひひひひひひひ! よわいっで言っでるのに何でくすぐるのぉ゛ぉぉぉっほほほほほほほほほほほ!?」
「のぞみがくすぐられたいって言ってるからでしょ」
「っっ! たいむ、たいむぅぅぅぅっ!?」
「大丈夫?」
「ひっ、はっ、ひぃぃ……! ちょ、ちょっと休憩……っ」
他人をこんなにしっかりくすぐった経験がないから比較なんてできないけど、のぞみは相当くすぐったがりのように思える。
指先を腋の下に当てるだけで体を跳ねさせるし、そのまま動かさないだけでも笑い声を漏らす。その後ほんのちょっと指を動かすだけで、上半身を前後に揺すって暴れ出してしまう。
彼女曰く、元々敏感なほうが開発された後により気持ちよくなれるらしいけど……。
「よ、よし、OK。準備できた」
「はいはい。じゃあ行くよ」
「どんとこ――いぃぃぃっひひひひひひひひひひひひ!!? すとっぷ、すとぉぉぉぷひゃっはっはっははははははははははははは!!」
こんな調子だと、一向に何かが進展する気がしない。
くすぐらされて、中断させられて、またくすぐらされて……。そんなことをずっと続けていると、僕もだんだんとフラストレーションが溜まってくるもので。
「はっ、はぁ……! きゅ、きゅうけ、休憩……!」
「……のぞみさん、のぞみさん。1つ提案があるのですが」
僕はそう言って、のぞみの手をグイッと引っ張って立たせた。
「ぅあひゃぁ! な、何ぃ!?」
そのままベッドから引きずり下ろして、ある場所に連れて行く。
SMホテルであるこの部屋の壁際には、拘束台があった。大きなX字の形をしていて、両手を上に掲げた位置に手錠が付いているのだ。
僕はその拘束台の前に彼女をドンと突き飛ばしてから、手首をつかんで手錠を取り付け始めた。
「な、なななななな何してんのぉぉぉぉぉ!!?」
「だってのぞみ、こうでもしないと我慢できないじゃん」
「そそそそそうだけどぉーーーー!? ここここれはぁーー! 上級者がやるもんでしょおーーーーーー!!?」
「知らないよ」
暴れる彼女を押さえ付けて、何とか両手首に手錠を付け終える。これで彼女は、壁際で両手を斜め上に大きく掲げたまま動けなくなってしまったというわけだ。
「さて、次はいちいち止めないよ」
「ひ、ひぃ……!?」
僕の手が近付くだけで喉から悲鳴を漏らす彼女の姿は、ちょっと面白い。
僕は今までのフラストレーションを発散するように、彼女のガラ空きになった腋の下を思いっきりくすぐってやった。
「ふぎゃーーーーっはっはははははははははははははははは!!? むりむりむりぃぃぃぃぎひっひゃっはっはははははははははははははははははは!!!」
手を腋のくぼみに突っ込んで、指先で素早くこちょこちょ。当然先ほどの生優しいくすぐり責めよりはずっとくすぐったいから、のぞみは激しく暴れ出す。
「やめでぇぇぇぇっへへへへへへへへへへへ!! くすぐっだひぃぃぃ!!? ぐすぐっだひぃぃぃっひっひひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!!」
「ちょ、蹴るな蹴るな、痛い痛い痛い」
両手首以外の部位には何の拘束もしていなかったせいで、のぞみがバタバタと激しく暴れ出す。特に自由なままの脚で蹴られるわ踏まれるわで、さすがにこれは痛いし鬱陶しい。
僕は前に出て、自分の体と拘束台で挟み込むようにして、彼女の体を押さえ込んだ。
「ふぎぃぃぃぃっ!!? やめっ! やめへぇっへっへへへへへへへへへへへへへ!!? うごけ、うごけなひぃぃぃぃっひゃっひゃっひゃっひゃっはははははははははは!!!」
「こうでもしないと暴れるでしょうが」
「くすぐったひんだがらしょーがないでしょぉぉっほほほほひぃぃぃぃっひっひっひひひひひひひひひひひひひひひひひ!!!」
「誰がそうしてくれって頼んだのさ」
「だれよぉぉぉぉぉ!!? そんな言っだのだれよぉぉぉぉぁひゃーっはっははははははははははははははははははは!!?」
「お前じゃい」
「ひぃぃーーーーっ!!? ごめんなさひぃぃぃぃぃっ!!? ごめんなひゃひぃぃぃひゃっはっはっはははははははははははははははは!!!」
のぞみが訳も分からず謝りだしたけど、僕は彼女の腋の下をくすぐるのを止める気はない。
他人の性癖なんて、理解はしても共感はできないと思っていたけど……いざ実際にやってみると結構楽しい。
指先のちょっとした動きでこんなに激しく悶えさせることができる優越感。彼女が激しく暴れるせいで激しくこすれ合う体が熱く柔らかい。そして顔を真っ赤にしながら涙目になった表情からは、どこか艶を感じさせる。……脳に酸素が回っていないのだろうか、アホみたいなことを言っているのは玉に瑕だけど。
確かに、この行為は性的な何かだった――僕がそれを認識すると、もっと先を見たいという衝動を覚え始める。僕はその衝動に従って、左手で彼女の腋の下をくすぐりながら、右手で彼女が着ているタンクトップをめくりあげた。
「ひぃあぅぃあぃぃぃぃっ!!? な、何してぇぇっへっへへへへへへへへへへへ!!?」
「どんな悲鳴だよ」
奇声と共に下着がさらけ出される。黒で、レースが付いていて、どんぶりみたいな大きさのブラだ。
僕が右手でブラの真ん中をつかんでグイッと持ち上げると、大きな胸がばるんと零れ落ちるように露出した。
「ちょっとぉぉぉっほほほほほほほほ!!? なにしてんのぉぉぉっほほほほほほひぃぃぃっひっひひひひひひひひひひひ!!?」
「これぐらいのご褒美はもらっていいでしょ」
ブラを外した後、僕はまた両手で彼女の腋の下をくすぐり始めた。
「ひーーっひゃっはっはははははははははははは!!? へんたひっ!! 変態変態へんたひぃぃぃぃっひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!?」
「女の人のおっぱいを見たいっていうのは、腋の下をくすぐられたいよりも変態なんかね」
「しるかぁぁっはっはっはははははははははは!!? あ、あんたはへんたいでゃはーーっはっはっはははははははははは!!!」
「こんな状態でずいぶん余裕あるじゃん?」
「ふびゃぁぁぁぁっ!!? やめっ、強くしなひぃぃぃっひひひひひひひゃっはははははははははははは!!? ご、ごめんなひゃひぃぃぃぃっひゃっはっはははははははははははははははは!!!」
彼女の胸は本当に大きい。カップ数は知らないけど、本当にちょっとしたどんぶりのような大きさだ。乳輪は1円玉ぐらい、乳首は小指の先よりも小さいぐらいか。
そんな胸が、こうして腋の下をくすぐられている間にもブルンブルンと揺れながら僕の体に押し付けられている。ムギュムギュと形を変えて、時折乳首が僕と彼女の隙間から露出する。
……これは、想像以上にエロかった。
「ひゃーーっはっはははははははははははは!! もうやら゛ぁぁぁぁっっははははははははははははははははははは!!?」
もっとも、のぞみにとってはそんなことを気にしていられる場合じゃないみたいだけど。
胸を露出していることなんて気にしていられないぐらい、とにかく笑う。いつの間にか涙をボロボロとこぼしていた。
そろそろ止めるべきだろうか――そう思い始めた瞬間のことだ。のぞみが激しく暴れて、それで僕がちょっと体勢を崩したせいか。
僕の膝が持ち上がって、彼女の脚の付け根に深く食い込んだのだ。
「んひゃうぅぅっ!!?」
あ、まずい――さすがにそこを触るのはやり過ぎだと考えていたから、僕は慌てて膝を引っ込める。思わずくすぐる手も止めていた。
だけど。
「ふぁ、ぁ……! んっ、ぁ……っ」
彼女も突然のことで放心している様子。だけどその表情は、どこかうっとりしているようにも見える。無意識なのだろうか? そんな表情のまま太ももをモジモジとすり合わせてすらいた。もしかして……。
「のぞみ。気持ちよかった?」
「ぇ……、~~~~!?」
真っ赤な顔がさらに赤くなる。その表情を見ると、僕の中に嗜虐心が沸々と湧いてきて、やり過ぎだとか何だとかいう思考が吹き飛ぶ。僕はまた、彼女の股間に膝をねじ込んだ。
「んぁ……っ!」
声が小さく上がる。痛みだとか嫌悪感だとかが一切ない、紛れもない喘ぎ声。
「もしかしてのぞみって、こうされながらくすぐられるのがイイんじゃない?」
「っ――!? し、知らなぃ……っ!」
「じゃあ試してみようか」
「ぇ、あ……!? ちょ、ま……!」
僕は彼女の答えを聞くまでもなく、膝を股間にねじ込んだまま両手で腋の下をくすぐり始めた。
「んひぃぃぃぃっ!? ひゃっ、ぁうっ、ぁあっはっはっはははははははははははは!!? ぁはひっ! ひゃぁぅんっ!!? ぁはぁぁっはっはははははははははははははははははははははは!!」
大きな笑い声は相変わらずだけど、体の反応が明らかに違う。
先ほどまでくすぐったさから逃れるようにこちらを蹴ったり踏んだりしていたのが、今ではまったくない。ただ指の動きに合わせて、全身の筋肉をビクビクと震わせている。これはくすぐったさを受け入れた、純然たる反応だ。
そして表情。確かに笑ってはいるのだけど、変に歯を食いしばったり唇を突き出したりしてはおらず、ふにゃりと力が抜けているように見える。それはまさしく『蕩けた表情』という言葉がふさわしい。
「そんな顔で感じてないって?」
「わかんないぃぃっひひひひひひひひひひひ!!? そんな゛の゛わがんなぃよぉぉおふっ!!? ふひゃーーっはっはははははははははははははははっ!!」
言葉とは裏腹に、間違いなく彼女は気持ちよくなっていた。それに僕の膝から逃げるどころか、自分で腰をカクカクと振ってこすり付けてくる始末だ。
それならもっと実感させてやろう――僕はそう思って、膝を彼女の股間に押し当てるだけじゃなくて、さらにグイッと持ち上げて強く食い込ませた。
「ふぃ゛ぃぃぃぃぃぃっ!!?」
思わず内股でつま先立ちになる彼女。僕は膝を持ち上げたまま、さらにグリグリとひねるように動かす。
「ぉ゛、あ゛はっ!!? ぁ゛はひひひひひ!!? ――ひゃぁあぁぁっはっははははははははははははははははは!! はひっ!!? はひっ!! ひっ!!? ひぃぃっひゃっはっはははははははははははははははは!!!」
彼女の体は素直だ。膝を股間に食い込まされた一瞬だけは内股でつま先立ちになっていたのに、腋の下をくすぐられ始めた瞬間かかとを床にベッタリ付けながらがに股になって、むしろ股間を下に下に押し下げているのだから。
「ぁっ、あはっ!! や、やばっ、ひっ!!? ぁっ、ひゃぁっははははははははは!!? あっ、あっぁっぁっあぁぁぁっ!!!」
のぞみの様子が少しずつ変わっていく。笑い声が減って、その代わりに喘ぎ声が増える。だんだん呼吸が短くなっていき、全身に強く力が込められてプルプルと震え始める。
こうも激しくアソコを責められていたら当然かもしれない、それは1つの区切りが近付いていることの表れだった。
「ぁはっ、ぁ、ぁあぁぁぁあっ!!? ね、も、やめ――っ!!? イく――!!? イッひゃはひぃっ!!?」
彼女がそう言い出した瞬間に僕は、彼女の股間に自分の膝をひときわ強くねじ込む。次の瞬間、のぞみは激しく痙攣する。
「ぁ゛ひ――ッ!!? ぁ゛~~~~~~~~~~っ!!!?」
それは紛れもなく絶頂だった。
僕は膝を思いっきり押し付けた状態を維持しながら、くすぐる手を止めた。
「んひっ!!? ヒ――――っ!!! ッ~~~~~~~~~~~~~~!!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」
女性のオーガズムには詳しくないけど、彼女のそれはとても強く深いように見えた。
全身の筋肉がギューッと強く収縮して、一瞬だけふっと緩んだと思ったら、またギューッと強く収縮する。その様子は全身がポンプになって、体に隅々にまで快楽を循環させているかのようだ。
そんな動きに合わせて、彼女の股間が僕の膝にグイグイと当たる。彼女が履くショートパンツはもうグッショリ濡れていて、僕の膝すらもしっとり濡れているのが分かった。
「ひ……っ!? ぁひ、ひ、ひぃぃ……!」
彼女が最初に痙攣してから1分くらいだろうか? 体の痙攣が徐々に弱まっていくと、彼女は手錠をかけられた姿勢のままうなだれる。下を向いた口から涎が糸を引いて床に落ちた。
僕が顔を覗き込んでみると、彼女はもうくすぐられていないというのに、顔にうっすら笑みを浮かべて、口から笑い声をこぼし続けているのだった。
――――
――
僕が両手首の手錠を外すと、のぞみは僕に支えられながらゆっくりと床に倒れ伏した。
彼女はやっと楽な姿勢になれて、激しく息を吐き始める。
「はぁ、はぁーー……っ! はぁぁぁーー……!」
「感想をどうぞ」
「っっっ! ばかばかばかーーーー!! おまえは大馬鹿ものじゃーーーーーー!!」
真っ赤な顔のまま思いっきり叫ばれて、僕の耳がキンと鳴った。
「はぁ、もう、汚された……」
「自分で頼んだことでしょーが」
「ここまでしてなんて頼んでないぃぃぃ!!」
確かにちょっとやり過ぎたとは思うけど、僕の胸中に罪悪感はあまりない。と言うより、罪悪感に駆られる余裕がなかったとも言える。
今なお、僕は興奮していたのだから。
彼女の顔には快感が浮かんで見えるし、タンクトップとブラがずれたままで大きな胸だって露出している。激しい行為の余韻が残っているのは彼女だけじゃない、僕の手にだって、彼女の腋の下の感触が残っているし、耳に笑い声や喘ぎ声がこびりついて消えそうになかった。
正直に言って、僕はものすごく勃起していた。
「……勃ってる」
「うっ」
どうやらそれは彼女にもしっかり見られていたようで、ジト目で指摘されて少し気まずくなる。
だけど仕方ないじゃないか。こんな状況で勃起しないほうが無理があるというもの。そっちはイクところまで行ったのだから、それぐらいは赦して欲しい。今日のオカズにお前は免れない、覚悟しておけ。
そう思っていたら、のぞみは目を背けながら恥ずかしそうにつぶやくのだ。
「それ、出しなよ」
「……ぇ?」
「私、したげるからさ」
「……いいの?」
「べっつにー」
彼女が顔を横に背けたのは、まだ不機嫌だからか、それとも恥ずかしいからか。
それは分からないけど、そんな風に誘われたら我慢できるはずがない。僕はチャック下ろしてイチモツを露出させる。
「……わぉ」
硬く勃起したそれを見て、彼女は喉をゴクリと鳴らした後にそうつぶやいた。
「そのまま、じっとしてて」
のぞみが床に座って、僕はその側に立ったまま。
一体彼女は何をするのだろうか? ――そう思っていたら、彼女は僕のイチモツをつかんで、その先っぽを腋のくぼみに押し当て始めたのだ。
「んっ……ふ……っ」
彼女から聞いたことがある。腋コキというものだ。
「んっ、くふふふふ……! ひゃっ、ぁは……っ!」
「くすぐったいんじゃないの?」
「んくく……!? く、くすぐったい……! そりゃくすぐったいよ……。だけど、なんか……」
その後の言葉はない。
彼女の想いはさておき、この腋コキという行為には得体の知れない興奮があった。
イチモツを摩擦される快感はもちろんのこと、僕が散々いじめてきた場所でシゴかれるという妙なシチュエーション。それに彼女が体を揺するたびに、露出したままの胸が揺れる。
最初は汗で少しベタベタしていた腋の下が、我慢汁であっという間にヌルヌルになってしまう。すると亀頭が余計に腋の下をすべって、思わず腰が浮きそうな気持ちよさになった。
「君も、動いて、いいよ」
彼女の体勢が少しだけ変わる。僕のほうに背を向けて、腕を下ろして、イチモツを腋の下に押し当てるのではなく挟み込んだのだ。
イチモツが柔らかな肉に包まれる。僕は彼女に言われるがまま、ただ快楽に促されて腰を振り始めた。
「んっ、んく……! ふっ、ぁ……!」
ピッタリ閉じられた腋の下に、イチモツを突っ込んで腰を振る――当の本人である僕からしてみても、それは少し滑稽だ。
だけど腰を止められない。自分の手では絶対に味わえない快感と、女性の腋の下をおもちゃのように扱う背徳感のせいで。
彼女は顔を赤くしたままニシシと笑う。
「こういうのって、腋マンコって言うんだよ」
その言葉に僕はため息を付いた。
「……要らんことを言う、なっ」
「んひぃうっ!?」
彼女の腋の下をイチモツでちょっと強く突いてみると、くすぐったかったのか気持ちよかったのか、彼女は悲鳴を上げた。
腋マンコ……何とも下品な字面だ。だけどその表現は、あながち間違いではないかもしれない。
「んっ、くっ、ふふ……! ひゃっ、ぁっ、そんな、激しく、しひゃ……っ!?」
僕が腰を揺するたびに、彼女は敏感に反応する。
口から漏れ出る熱い吐息、紅潮した頬、涙ぐむ目、緩む口元。そして腕周りの筋肉が収縮してイチモツを締め付けてくる感覚は、本当にセックスをしているような気分だ。
そう思うと、何だかすごく興奮してくる。
「のぞみ、そろそろ、射精そう……っ」
「ぉ、おう。なになに、もうだしちゃうの? ……いいよ、だせだせっ」
のぞみはいつものお調子者の口調を、いつもと違う女性的な声音で吐きながら、腋の下をきゅっと締め付ける。
柔らかな圧迫感が、僕を強い射精に導いた。
「ひゃ――っ!!? ぁっ、すご、でて……! わきっ、ぬるぬるに……っ」
精液が彼女の腋の下を汚していく。腋のくぼみに精液が溜まっていくのが、イチモツの感触から分かる。
まるで中出ししているような感覚だ。あまりに気持ちよくて、僕は腰を止めることができない。
「ちょっ、いつ、まで、動ひ……っ!? ひゃっ、んんんん……!?」
僕は精液を一滴残さず搾り出すように、彼女の腕を手で押さえ付けて、腰を思いっきり振り続けた。
「もっ、やめっ……! これいじょ、は……!? ひゃっ!? っ~~~~~~~~!!」
――――
――
中腰で腰を振った末の絶頂は、脱力感が強かった。
射精が止まると、僕は少し息を荒立たせながら、その場に尻餅をつくように座り込む。するとのぞみが恨めしそうに僕のことを見ていた。
「……また汚された」
「してあげるって言ったのは自分じゃん」
「そうだけど……、そうだけどぉ……!?」
だけど目線が近くなって初めて、のぞみの体が小さく痙攣しているのが分かった。不規則なリズムで、腰から全身に波が伝わるように震えているのだ。
「……もしかして、今のでイッた?」
「っ~~~~~~!!」
恥ずかしい理由を看破されて、彼女は僕の肩をポカポカと叩き始めた。
腋の下でイチモツをしごいてイク――それは腋フェチでも相当なことなんじゃないだろうか? 最初はほんの数秒くすぐられるだけでギブアップしていたのに。今、ものすごい勢いで彼女の腋の下は開発されていた。
そう思うと、何だか興奮が湧いて止まらない。
「……また勃ってる」
「うっ」
ジト目で指摘。
あんなに射精した後なのに、僕のイチモツはまるで一回戦目を控えているようにギンギンに勃起していて……。
のぞみは相変わらずの真っ赤な顔のまま、ニヤニヤと笑った。
「ほんと元気だねー。ヒトのこと言えないじゃん」
興奮しているところを見られるというのは何だか恥ずかしい。
僕が思わず顔を背けようとした瞬間、彼女がずいっと顔を近付けてくる。そしてその後フイッと目を背けながら言うのだ。
「そろそろ致すタイミングではないでしょーか」
のぞみは脚の付け根に両手を挟み込んだままモジモジしていた。致す――婉曲的な言葉だけど、それが指すのは1つしかない。
「それは、いいの……?」
僕は困惑のあまりそう尋ねた。すると彼女は恨めしそうな、だけど求めるような声音で言うのだ。
「ここまで来て、我慢できるわけないでしょ……?」
普段のおちゃらけた彼女から想像も付かないぐらい、酷く女性的な表情。
今日はもう、ずっと彼女にペースを乱されてばかりだ。そんなものを見てしまったら、僕も我慢できるわけがなかった。
のぞみが濡れたタオルで腋の下に付いた精液をきれいに拭き取ったあと、僕たちは服を脱ぎ始める。何だか恥ずかしくて、服を脱いでいる最中はお互いに無言で、背を向けていた。
僕が先に裸になってのぞみのほうを向いたとき、また喉をゴクリと鳴らしてしまう。
胸、お尻、太もも――彼女の体はどこを切り取って見ても官能的だ。ムチムチと柔らかそうなのに、形は整っていて、肌も白く美しい。先ほどまで見ることのなかった秘所には、きれいに生えそろった毛があった。
「……あんま見んな」
裸になった彼女は、僕に見られていることに気付くと顔を背けながらベッドの上に寝た。
「……ほれ」
彼女は横になったまま膝を立てる。そして両膝をピッタリ閉じたまま、だけど足先のほうをほんのちょっと開く。膝から足先で描かれた三角形の向こうに、グッショリ濡れた秘所を覗かせた。
散々いろいろなことをしてきた今、前戯なんて必要なかった。僕はカチコチに勃起しているイチモツを、彼女の膣にゆっくりと押し付けた。
「んんぅぅぅっ!?」
僕のイチモツはびっくりするぐらい簡単に、彼女の膣内に入っていった。
けっして緩いわけではない。圧迫感は程良いのに、先っぽを入れただけでイチモツを飲み込ようにムギュムギュと蠢いてくるのだ。
「……ふふふ……っ、どうだい私のお味は」
「ヤバい。すっごい気持ちいいし、すっごいエロい」
「ぅぁっ。そ、そう……」
……素でやっているのだろうか? そのギャップを僕に見せつけるのは、調子が狂うから止めて欲しい。
「動くよ」
「……ん」
正常位のまま、僕は軽く腰を揺する。
「っ、ぁ、んっ……! ふっ、んっ、んぅ……!」
1度射精した直後だから、そう簡単にイキはしない。だけどそれを差し引いても気持ちよかった。温かく、肉厚で、蜜のような潤いに満たされている。
「ぅっ、あっ! ひゃっ、ぁっ、あぁぁ……!」
のぞみも喘ぎ声を上げている。その声、その顔は女性的で艶やかだし、突かれるたびに揺れる胸が僕の目をくぎ付けにする。彼女とのセックスは、確かに気持ちいいものだった。
だけど一方で、物足りなさを感じる。あの感触、あの体の動き、あの声を、僕はもうセックスの最中ですら求めるようになっていたのだ。
「のぞみ。腕、上げて」
僕がそう言うと、のぞみはちょっとうれしそうな表情を浮かべた。
「っ……。な、なにをする気なのかなぁ?」
白々しい、分かっているくせに。それなのに期待に満ちた表情で両腕を頭上に掲げるあたり、彼女もそれを欲していたようだ。
僕は彼女の期待通りに、がら空きになった腋の下を思いっきりくすぐり始めた。
「んひぃぃぅっ!!? ぅひゃぁーーっはっはっはははははははははは!!? これっ、すごっ!? すごひぃぃぃっひっひゃっはっはははははははははははははは!!!」
彼女の両腋のくぼみに、僕の両手の指をすべて差し込んで激しく蠢かせる。柔らかな肌の感触、ビクビクと震える体、艶のある笑い声。どれも僕が待ち望んでいた感覚だ。
それだけじゃない。彼女も腋の下をくすぐられて気持ちいいのだろう、笑いながらも膣内がきゅうきゅうと締め付けてくる。こんなに興奮できて気持ちいいセックスは、ほかにないかもしれない。
「あひゃっ!? あひゃぁぁっはっははははははははははは!!? す、ストップっ!! いったんとめてぇぇっへっへへへへひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!?」
「止めていいの? 気持ちいいんじゃないの?」
「ひゃーーっはっはははははは!! きもちぃけどぉぉっほほほほほほほほほ!!? 気持ちぃけどそうじゃなひのぉぉっほほほほほほひぃっひひひひひひひひひひひひ!!?」
僕は一端、彼女の制止に従ってくすぐる手を止める。
「ぜっ、は……っ! きもちいとか、言わすな……っ!」
彼女はゼエゼエと息を整えると、また顔を背けながら言った。
「……あれ」
彼女が指差す向こうには、何かがあった。ベッドの上に無造作に転がっているもの――それはローションと手枷だ。
こんなもの、この部屋にあったっけ。
「……持ってきたの、私が」
「つまり、使う相手もいないのについ買っちゃって悶々として――」
「――言うなぁ……っ!?」
正直、普段の会話で知っていたら少し引いてしまっていたかもしれない。
だけど今となっては、この2つの道具に興奮してしまっている自分がいて、彼女のことをとやかく言えそうにない。
僕はのぞみに挿入したままの状態で、彼女の手首に手枷を付け始める。
のぞみはその様子をじっと見ている。瞳孔を開かせて、鼻息を荒くさせて、口元には笑みを浮かばせて……どれだけ楽しみにしているんだろうと考えると、僕も少し笑ってしまう。
両手首に枷が付けられると、彼女は動かせなくなった両手を自発的に自分の後頭部に回した。
次にプラスチックの容器からローションを手に取って、腋の下に塗りたくる。
「んひゃぅっ!」
「冷たかった?」
「んぃやっ、だいじょ……ぶひゃっ!? ひゃっ、ひははは……っ! ぁっ、ぅひゃひゃぁぁぁぁぁ……っ!!?」
ローションを指の腹で伸ばしているだけなのに、彼女はもう笑っている。膣内がきゅうきゅうと収縮して気持ちいい。
だけど無理ない話だろう。汗でベタベタしていた状態ですらくすぐったいというのに、ヌルヌルになった今、どれだけくすぐったいというのだろうか。
ローションを一通り塗り終わると、僕は一度彼女の腋の下から手を離す。それは準備が終わったという合図だ。
「っ……」
彼女はじっと僕のことを見つめるだけ。口を閉じて、息を飲んで、目を爛々と輝かせて。
僕は彼女の望みに応えるために、そして何より自分の欲望を満たすために、ローションでヌルヌルになった腋の下に思いっきり指を這わせはじめた。
「っひ……ッ!!? っ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!?」
声にならない悲鳴とはまさにこのこと。彼女の息が詰まる。
だけどそれも一瞬だけの話だ。
「――ふぎゃぁあぁぁっはっはっははははははははははははははははっ!!!? ぁ゛はっ!!!? っヒ!!!? ひゃぁぁ゛ーーっはっはっはははははははははははははははははははははははははは!!!!」
きっと僕の想像も付かないほどのくすぐったさなのだろう。くすぐっている僕が驚くほど激しく笑う。今まで聞いたことがないぐらい、大きく濁った笑い声だ。彼女の全身が雷に打たれたように跳ねる。拘束された腕がガクガク激しく動く。
「っひひひひ!!!? こ、こぇっ、むりひぃぃぃぃぃっ!!!?」
彼女は数秒でくすぐったさに我慢できなくなって、両手を下ろして腋の下をぴっちり閉じてしまった。あくまで両手首しか拘束していなかったから、腕そのものを下ろしてしまうのは容易だ。
だけど僕の両手は既に彼女の腋の下に差し込まれている。
「んぎぃぅぃっひひひひひひひひひひひひひっ!!? んひっ!!? な、なかで動いてぇぇぇぇぇぇっ!!?」
腕と胴体に挟まれてなお、指をモゾモゾと動かしてくすぐることができた。おまけにローションでヌルヌルになっているから、十分効果的だ。
「んぎひぃぃっひひひひひひひひひひひひひぐぅっ!!? ひゃっ、指ひゃきっ、こりこりしにゃひでぇっへへへへへへへへへへへへへ!!! ふびゃぁぁっははははははははははははははは!!!」
のぞみはくすぐられているとき、時折汚い笑い声を上げる。
最初は女っ気のない声にため息を付いたものだけど……。今ではその『取り繕っている余裕がないぐらい感じている』という声が僕を興奮させて止まない。だけど。
「んぶぅっふふふふふひひひひひひひっ!!? ろ、ろーしょんっ、すごっひひひひひひひひひひひひひ!!? こんなっ、ぬるぬるっ、ぬるぬるひてぇぇっへへへへへへへへへへへへへへへへへへへ!!!」
「気持ちいい?」
「んだぁっはっはははははははははっ!!! らっ、だからぁぁっ!!! 言わすにゃひゃぁぁっはっはっはははははははははははははははは!!?」
その口ぶりから、彼女にまだ余裕があるように見える。
彼女の限界はどこなのだろう? その限界を超えた先でどれだけ乱れてくれるのだろう? ……それはどれぐらい気持ちいいのだろう?
そんな欲望が沸々とわき上がってきた僕の脳は、もっと過激なことを思い付いてしまう。
「のぞみ、起きて」
「んひっ……! はひーっ、ひー……!? ひ……! にゃ、なに……!?」
僕はつながったまま彼女を抱え上げて、ベッドの縁に連れていく。
「ほら、こっち向いて」
「んっ、なっ、何なのぉ……?」
僕がベッドの縁に腰掛けて、彼女がそこに背を向けて跨がる、背面座位の姿勢。
そして僕と彼女の視線の先には大きな鏡。この部屋は、壁が鏡張りだった。
「っ~~~~! ちょ、こ、これって……!?」
過激なことをするための準備はまだ終わらない。
僕は天井にぶら下がっていた何本もの鎖の内手頃な位置にあった一本をつかんで、彼女の手首に付けた拘束具と連結させる。元々そういった用途のための物らしく、鎖の高さを調整すると、彼女は両手を頭上に目一杯上げたまま下ろすことができなくなってしまった。
つまり今の彼女は、僕の膝の上で大股を開きながら座って、腋の下を思いっきりさらけ出して、だけど下ろすことができなくて。そしてそんな姿が目の前の鏡にくっきり映し出されていて……。
「……これ、ヤバい……っ」
のぞみが面白いぐらい興奮を抑えられない声でつぶやくから、僕はあえて聞いた。
「止める?」
「……じらすの、やめろ」
愚問だった。僕は彼女の腋の下を思いっきりくすぐり始めた。
「っっっ~~~~~~~~~~!!!?」
ヌルヌルになった腋の下を思いっきりくすぐられて、しかも防ぐことができない――それは極限のくすぐったさと言っても良い。
「っあ゛ぁーーーーーーーーーーーーっはっはっはっはっはっははははははははははははははははッ!!!? ぁ゛は!!!? ぁ゛ひっはっはははははははは!!!? っっぁ゛ぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?」
敏感なのぞみが、そんなものに一瞬たりとも耐えられるはずもない。彼女は今までにない、最高のリアクションで笑い悶え始めた。
「ぁはぁぁぁっ!!? ぃや゛ぁぁーーーーっはっはっははははははははははははははははははははははは!!!! くしゅぐっだひくしゅぐっだひぃぃぃぃびゃっはっはっはははははははははははははははは!!!!」
彼女の手首に巻き付いた拘束具がガシャガシャとやかましく鳴り響く。だけど拘束具も鎖も頑丈だから、女性1人が暴れたぐらいで逃れることはできない。
目の前の鏡が僕たちの姿を写す。人によっては残酷な光景だと思うかもしれない。
それなのに、のぞみの表情は本当に気持ちよさそうだった。
「のぞみ、気持ちいい?」
「きもぢぃぃぃっひっひゃっはっはははははははははははははははは!!!! わきっ、わぎぃぃぃッ!!!? くじゅぐっだくでイイぃぃぃっひっひひひひひひひひひひひひひひひひひひっ!!!? ぎもぢぃひぃぃぃぃぃっひゃっはっはははははははははッ!!!! 」
ここまで突き抜けたことをしてしまうと、もう恥ずかしさだとか後ろめたさだとかは一切感じる余裕もない。僕たちは極めて素直に、そして野性的に、快楽を貪り合った。
「ほら、のぞみ。動いて」
ベッドの縁に座っている状態の僕では、あまり大きく腰を振れなかった。
だから僕はのぞみを動かすために、彼女の柔らかな腋の下に指を突き立てる。
「んひぃぃぃぅっ!!!?」
人差し指と中指で、下から上に突き上げるように、グリグリと回転させながら。すると彼女の腰が浮き上がって、イチモツが膣から半分ぐらい引き抜かれる。
そしたらすぐに腋の下から指を離す。
「――ん゛ぉっ!!!?」
彼女の腰は重力に従って落下して、またイチモツが深々と膣に突き刺さる。
この繰り返しだ。
「ひゃはひひひぃっ!!!? ――っあ゛っっ!!!? くひゃっはははははっ!!!! ――ぃぎぃっ!!!? ふひゃっひひひひひひっ!!!! ――っひぃ゛ぃぃぃぃぃ!!!?」
腋の下をくすぐって腰を浮かせて、くすぐるのを止めて腰を沈ませて、彼女の意図しないピストン運動を続けさせる。いつしか膣の快感を覚え込んだのか、僕が何をしなくても彼女はピストン運動をするようになった。
「ぁはぁぁっ!!!! っひッ!!!? っぐっひっひひひひひひひひひひひひぃぃぃぃッ!!!? ふひゃっ!!!! ぁ゛ッ!!! ひゃはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」
頭上からぶら下がった鎖を支えにして、激しく上下に動く。
大きな胸がばるんばるんと揺れて、柔らかなお尻が僕の太ももに当たってバチンバチンという音を響かせる。
鏡がそれを映し出して、僕と彼女に見せつけてくる。それは想像以上に過激で、恥ずかしく、淫靡な光景だった。
「ぁはっ、はっ、はぁぁぁっ!!? ぁ、いく――ッ!!? イッひゃっはっはっはははははははははははははははひひひぃぃぃぃぃっ!!!?」
あまりにくすぐったすぎて、あまりに気持ちよすぎて、彼女が絶頂を迎えるのはあっという間だった。
「イ――ぅぅぅぅ!!!? ッ――!!! ぁはッ!!!? ぁ゛~~~~~~~~~~~~~~!!!?」
体を大きくのけ反らせ、表情はグチャグチャに乱れさせながら涙と涎を垂れ流す。彼女のアソコからは、透明な液体がプシプシと音を立てながら噴き出していた。
僕は思わずくすぐる手を止めようとしたけど……。
「もっ、もっとぉぉぉ!!! やめっ!! やめないでぇぇぇっ!!!? イッてる、とこ、もっとくすぐってぇぇぇぇぇ!!!!」
のぞみが叫ぶ。その言葉に、僕は半ば反射的に彼女の腋の下をくすぐり続ける。
「ひゃ゛ーーーーっはっはっははははははははははははははは!!!! すごひっ!!? すごひぃぃぃぃゃっはっはっはっははははははははははは!!!?」
正直なところ、こんなことをされてなお気持ちよくなれる彼女のことが信じがたくもあった。だけど。
「のぞみ。このままくすぐり続けるよ。いいの?」
「いひぃぃぃっひゃっははははははははは!!! いいのぉぉぉぉ!!! もっとくしゅぐってよぉぉぉぁあっはっはっはははははははははははははははは!!!?」
「のぞみが『嫌だ』って言い出しても、ずっと続けてもいいの?」
「いぃからぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!? 死んじゃうぐらいくしゅぐってよぉぉぉぁひゃっ!!!? ひゃーーっはっははははははははははははははははは!!!!」
卑猥な言動。溶ける声。零れる体液。乱れる表情。
彼女が乱れれば乱れるほど、僕もまた興奮していた。僕はもっと彼女を乱れさせたかった。
彼女の1番気持ちいい場所は腋の下だったけど、その反応が触り方次第でだいぶ変わることに気付く。
指先で普通に、だけど激しくくすぐると、彼女は蕩けた笑い声を上げる。
「ぅあひゃぁぁっはっはははははははははははははははははははは!!!! ぁはっ、ぁはぁっ!!!? ぁ――ッ!!!? ぁあ゛ぁぁぁっはっはっははははははははっ!!!!」
ずっとこのくすぐり方をしてきたせいか、『これをされると気持ちいい』というのが心身に刻まれているようだ。僕の指の動きに合わせて、膣内がきゅうきゅうと吸い付くように締め付けられた。
今度はローションの粘性に任せて、爪先で引っかくようにくすぐってみる。
「ふぎゃぁぁぁぁッ!!!? だめだえあえぇぇぇぁっひゃっはっははははははははははははははははははははは!!!? ぃ゛やぁぁぁぁはっはははははははは!!! やぇでぇぇぇぇぇぇっへへっへへへへひぃぃぃぃぃぃッ!!!!?」
普通なら痛いだけの責め方。だけど肌がヌルヌルになっているせいで、痛みはすべてくすぐったさに転化される。
さすがにこのくすぐったさには慣れていなかったようで、彼女は激しく暴れる。口からは『だめ』『嫌だ』『止めて』という拒絶の言葉が吐き出される。
だけど僕がくすぐる手を止めることはない。彼女が拒絶してもくすぐり続けるということは既に言質を取っていたし、これだけくすぐったくても彼女ならきっと気持ちよくなってくれるという信頼があったからだ。
そしてそれは案の定だった。
「ぁひひひぃ゛ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!? も゛、だめ゛――!!!? いグ――!!!? ッッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」
彼女は潮を噴き出させながら激しく絶頂を繰り返す。
膣内が激しく収縮し、蠢き、こすれて。僕が攻めているはずなのに、反対に攻められているような錯覚すら感じさせた。
爪でくすぐり続けていると、だんだんとローションがこそがれてしまう。あらかたこそいでしまったところで、僕は彼女の腋の下を舌で舐め始めた。
「ひゃぁあぁんっ!!!? なっ、なひっ!!!? ぁっ、ぁっ、あっぁっあはぁぁっ!!!? ひゃっ、んひゃぁうッ!!!?」
その声はもう笑い声ではなく、完全に喘ぎ声だった。彼女の腋の下は、もはや性器よりも気持ちいい場所になっているのかもしれない。
彼女が上下に激しくピストン運動しているせいで、僕が動かなくても彼女の腋が勝手に僕の舌を舐めていく。そしてこびりついたローションが潤いを取り戻して、再び肌をヌルヌルとさせる。
「んひぃぃぃぃッ!!!? ひゃめっ、したっ!! ぐりぐりしひゃ――ひゃぅん!!!? っひゃ~~~~~~~~~~~~!!!?」
舌先を尖らせて腋のくぼみにねじ込むと、彼女は背筋をのけ反らせて絶頂した。膣内がウネウネと蠢く感触は、触手か何か人ではないものに舐られているような心地だった。
僕は彼女の腋の下から一度手を離して、彼女の胸を揉みほぐす。
「んぁぁぁぁっ!!!? ぁっ、ぁっあっぁぁぁっ!!! はっ、ぁったかひ……っ! んうぅぅぅっ!!!」
女性の体の中でも特に男に欲情されやすい胸。それなのに今更になって触り始めるぐらい、僕は別の部位に夢中になっていたらしい。
だけどそれを差し引いても、彼女の胸はやっぱり魅力的だ。大きくて、柔らかくて、きれいな乳首をつまむとしっかり反応してくれる。
「ぁっ、やめっ、いま、敏感になっへ――んぅぅぅぅぅぅっ!!!!?」
乳房を押し潰しながら乳首をぎゅーっと少し強めにつまむと、その力に合わせて膣内もぎゅーっと強く締め付けられた。
僕は左手だけ腋の下に戻して、くすぐり責めを再開する。そして右手のほうはと言うと、さらに下ろしてクリトリスに。
「ひぃっ!!!? ぃひゃぁ゛ーーっはっはっははははははははははははははッ!!!! はひっ、はひっ、ひぃぃぃぃぃん!!!?」
直接触るのは初めてだから少し緊張したけど、彼女の脚があっという間にがに股に開かれた。
特に指で包皮ごとギュッと押し潰させるのが好きみたいで、腰を引くどころか、指に押付けてくる始末だ。
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!!? ひひゃっはっははははははははははははははッ!!!? ぁはっ、ぁっ、ぁあ゛ぁぁっ!!!? ッぁ゛~~~~~~~~~~~~~~!!!!?」
のぞみはもう、何度イッているのか分からない。指や舌を動かすたびに体が痙攣しているし、ピストン運動の度に潮が噴き出している。彼女は際限なく快楽を貪り続けていた。
その点に関して僕は、彼女が少しうらやましい。男は射精すると勃ちにくくなる。この時間をできるだけ長く続けるために、僕は我慢に我慢を重ね続けなければならなかった。
だけどそれも終わり。
「のぞみ。そろそろ射精すよ……っ」
僕ももう、我慢の限界だった。
「ぁはひっ!!!? ひっ、んぎひッ!!!? ひゃはッ!!! ひゃーーっはははははははははははははははははッ!!!? はひっ、はひぃぃぃぃぃッ!!!!?」
彼女にはもう、言葉に出すほどの余裕すらないみたいだ。何か言おうと口を動かすけど、結局吐き出されるのは笑い声だけ。だけど代わりに腰の動きを速めてくれた。
僕も彼女の動きに同調する。右手で右腋の下をくすぐり、舌で左腋の下を舐め、左手でクリトリスを押し潰した。
「っっっ~~~~~~~~~~!!!? ぁはひッ!!!? ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!?」
喉がすり切れてしまいそうな喘ぎ声。
その瞬間、僕のイチモツが彼女の膣内でひときわ強く、まるで握りつぶされるように締め付けられた。
体力のすべてを根こそぎ奪われるような快感が、僕の下腹部を襲った。
「っ~~!」
尿道が焼けるような強烈な射精だった。勢い良く噴き出された精液が、彼女の奥を叩く。
最初に腋の下をくすぐったときは、彼女がイッた瞬間にくすぐるのを止めてしまった。だけど今度は止めない。彼女がイッている最中でも、腋の下をくすぐり、舐め、クリトリスを押し潰し続ける。
彼女は絶頂し続ける。
「ひ――ッ!!!!? きひ――!!!!? っっヒッ!!! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!?」
ドクドクという音が聞こえるような僕の激しい射精も、時間が経てばやがて終わる。
だけど彼女の絶頂は終わる気配がない。衰えることなく、『むしろどんどん激しくなっているんじゃないか?』と思えるぐらい、声を上げ、体を震わせ続けている。
きっと僕が腋の下をくすぐり続けている限り、彼女はイキ続けるのだろう。それはそれで、彼女の望むところなのかもしれない。
「ぁは――ッ!!!! っひひ――……!!!? ひゃは――……!!!?」
だけど彼女の声がだんだんと力を失っていく。どうやら体力がなくなってきているようだ。絶頂なんて疲れるものなのだから、当たり前のことかもしれない。
僕はピタリとくすぐる手を止めた。
「ひ――ッ!!? ひ……っ!! はひっ、ひ……!?」
すると彼女はビクンビクンと大きく体を震わせた後、天井から伸びた鎖にぶら下がるようにクタリとうなだれた。
「のぞみ、大丈夫?」
「……ひっ……!? ぁは、ひ……!」
彼女の絶頂はあまりに大きく長いものだったようで。僕がイチモツを引き抜いた後も、彼女は放心したまま何の反応も示さない。しゃっくりのように、不規則で引き攣った笑い声を上げるだけ。
拘束具を外すと、そのままベッドから倒れ落ちそうだったから、僕は慌てて両腕で体を支えた。そのせいで彼女を背中から強く抱き締めるような姿勢になってしまったけど……。
「はっ、ぁぁぁ……っ!」
彼女は拒絶することもなく、熱に溶かされるようにうっとりとした吐息を漏らすのだった。……まぁいいか。
――――
――
僕たちは2人で、放心したようにベッドの上に横たわる。
「……思いっきりヤってしまった」
「そうね」
ポツリとつぶやくのぞみに、僕も呼応した。
一線を超えてしまったどころではない。腋の下をくすぐったり舐めたりしながらセックスするなんて、恋人はおろか夫婦でもそうそうできるものではないだろう。
「ぁ゛ー! 爛れてゆくーー!?」
のぞみは手で顔を覆いながら叫びだした。
実際のところ、彼女の恥ずかしさたるや僕の比ではない。恋人でもない男に、思いっきり笑い悶えさせられて、笑い顔やらイキ顔やら体液やらいろいろなものをさらけ出してしまったのだから。
「暴れるな暴れるな」
「うるせーー! お前に私の気持ちが分かるかーー!?」
「言い出したのはのぞみだからね」
「正論は嫌いだーーー!!」
真っ裸のままベッドの上をゴロゴロ転がる彼女の姿はシュールだけど、何だかいつもと同じ調子だからほっとする。
「まぁさ、今日のことは忘れようよ」
「っ…………」
「これに懲りて、こういうことは彼氏ができるまで我慢すればいいんじゃないかな」
何かをフォローするときに当たり障りのないことを言うのは、良い意味でも悪い意味でも僕の癖だった。
僕の言葉を聞いた彼女は、ベッドの上で転がるのを止めてピタリと静止する。そして僕のすっかり苦手になってしまった、すごくかわいらしくて女性的な表情、声音で言うのだ。
「忘れられるわけないし、我慢できるわけないでしょぉ……?」
……正直、僕もできる気がしなかった。
それから僕たちは、毎週のようにホテルに行くことになる。
のぞみの腋の下は回を増すごとに敏感になっていく。指やローションだけではない――筆、羽根、ローター、シリコンのイボイボしたやつ。石けん、ベビーパウダー、メントールの入ったクリーム。あらゆる道具で彼女は笑い悶え、快感に乱れ、そして絶頂した。
僕はいつしか、のぞみが長い袖の衣服しか着なくなっていたことに気付く。以前はノースリーブとか半袖とか普通に着ていたはずだけど――僕が何となくそのことを指摘したら、彼女は真っ赤な顔で『他人に見られるだけで、イキそうで、ヤバい』と応えた。
そのうちどんな異性も気にならなくなって、お互いにお互いのことしか見れなくなってしまったのは……別の話だ。