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◆あらすじ
男の子が後輩の女子に犯されます。清楚でおっとりしているかと思いきや、その本性は倒錯した性癖とドロドロに蕩けた愛情を持つ彼女。今日は男の子が貞操帯を着けられてから3週間目、散々焦らされた後に気絶するまで搾り取られます。これも全て、彼女が彼を狂おしいほど愛しているが故の行動です。
どうしてこんなことになったのだろう――直はそう思った。
『頼りない男』、それが自他共に認めるなおの評価だった。
顔付きは幼く、背も小さく、線も細く、そのことをからかわれたら頬を赤くして恥ずかしがる、そんな引っ込み思案な男子。女性と付き合ったことなんて1度もない。
そんな彼だったから、雫から告白されるなんて夢にも思っていなかった。
しずくは1つ年下の後輩だった。
とても可愛くて、美人で、長い髪が美しく、肉感的な体が周囲の視線を惹き付ける。学業も優秀でヴァイオリンも弾けるとか、学年が違っていてもそんな噂を聞く美少女。誰もが彼女に惹かれ、多くの男が彼女に告白し、そして全員が呆気なくフラれた。
なおは、そんな高嶺の花に突然呼び出された。曰く、『好きです、私と付き合ってください』と。自分がしずくよりも背が低いことは、この時に気付いた。
片方が告白し、片方がそれを受け入れる。他愛なく話したりどこかに出かけたりして、少しずつ仲良くなってゆく。やがてキスをして、いつかはその先へ。
そこまでは、よく見かけるカップルと何ら変わりなかった。
しずくは穏やかな女性だった。いつも優しく微笑みかけてくれて、なおが困っている時は親身になってくれて、反対にしずくが悲しんでいる時は甘えてくれる。彼女と付き合うことは、日だまりに居るような幸福だった。
なおは思う。それなのに、どうして自分は今……。
「せんぱぁい♡ その貞操帯、外して欲しいですか……?」
どうして自分は今、彼女の前で、裸で貞操帯が付けられた股間を曝け出しているのだろう?
しずくの部屋。誰からの関与も起こり得ない、2人きりの密室。
しずくはなおの頬を両手で掴んで、キスができそうな距離で囁いた。
「言わなくても分かります。だって、せんぱいのおちんちん、貞操帯の中ですごくギチギチしてるんですもの」
「っ、ぅ……」
「だけど私は、せんぱいの口から聞きたいんです。 ……どうして欲しいですかぁ?」
しずくの言うとおり、なおの男性器は勃起していて、貞操帯に痛々しく喰い込んでいる。
これを付けさせられたのは3週間前だった。
人生で初めてのセックス。なおは一生懸命リードしようとしたが、童貞はどこまで頑張っても所詮童貞、しずくが満足していないことは明らかだった。
引っ込み思案ではあったけれど、それ以上に優しい人柄だったからこそ、なおは言った。『したいことがあったら遠慮なく言って』と。そこから状況は一変した。
まず、手で1回、口で2回、胸で2回搾られた。その後、騎乗位で意識が途切れるまで搾られた。自分の恋人に対するイメージが逆転した。
目が覚めたら、これが付いていた。しずく曰く、『シたくてシたくて我慢できなくなった時、またシましょう』と。その時の彼女の表情は、目の前の獲物を喰らうのを我慢する蛇のように恐ろしく、そして官能的で美しかった。
それから地獄の日々が続いた。しずくのことを想像しながら自慰しようと思っても、貞操帯がそれを邪魔する。金属の枷が勃起した男性器に喰い込んで、戒めのように痛みを与える。日常が沸々とした欲望に浸食される、寝ても覚めてもしずくのことばかり考えてしまう。
そうして今日で3週間、もう限界だった。なおは消え入りそうな声で呟いた。
「……お願い、外して」
「ッ――♡」
ゾゾゾという快感がしずくの背筋を上ってゆく。本人は優しく微笑んでいるつもりだったが、感情が溢れて止まらない。
彼女は息を荒立たせて、目を爛々と輝かせて、欲望に染まった声で応える。
「いいですよ。だけど、もう少しだけ、いじめさせてください……♡」
地獄が去って、地獄が訪れた。
しずくはベッドの側に裸のなおを立たせる。そして、机の上のペン立てから筆を取り出した。書道で使う、ごく普通の筆だった。
「この日のために準備しておいたんです」
彼女はそう言うと、直立するなおの目の前にしゃがんで、筆先を貞操帯の隙間に差し込んだ。
「――ひぃぅっ!?」
陰茎をくすぐられる。むず痒い快感が男性器を襲う。
3週間、快感から隔離されていたせいで、それだけで声が出てしまう。
「ぁぐっ、ぅっ、ぅう゛ぅぅ……っ!!」
勃起していたはずの男性器がますます肥大化して、貞操帯にさらに強く食い込んだ。
ほんの僅かな報酬を得るために、大きな代償を支払うことを強いられる。
「こちょこちょするだけで声が出ちゃうんですね……♡」
「っ、ひゃっ、ぅぅ……っ!? ぅあっ、ぁ゛ぁぁぁ……っ!」
「……ふーっ」
「ひっ!?」
「息だけでこんなに……。うふふふ♡」
陰茎、睾丸、裏筋、亀頭、鈴口。男性器の至る所を順番に筆でくすぐられる。時折、亀頭に息を吹きかけられる。どれもこれも気持ち良くて、それ以上に痛い。
そして、射精するには至らない。筆先はあまりに柔らかすぎた上に、貞操帯のフレームが筆の動きを邪魔していた。筆は男性器のごく限られた範囲しか撫でてくれない。
痒いところに布を被せられたような心地だった。どれだけ触りたくても触れない、不快感がジクジクとにじみ出てくる。これでは生殺しも良いところだ。
射精したい射精したい射精したい、欲望がなおの頭をグルグルと駆け巡る。顔が真っ赤に染まり、涙が目尻から零れる。
しずくは、そんななおの表情を見るのが堪らなく好きだった。だからもっと苦しめようとする。彼女はなおのことを見上げて微笑んだ。
「この筆を買ったの、せんぱいに貞操帯を付けてからすぐなんです。急いで文房具屋さんに行ったんですよ」
「ふっ、うぅぅっ!? ぁぐっ、ぅぅぅぅっ!」
筆の動きは止まらない。
それでも、しずくの小さな声がなおの悲鳴をすり抜けて、彼の脳を犯してゆく。
「それで、買ったのは良いんですけど、『この筆でせんぱいをいじめてあげよう』って思ったらドキドキしちゃって……。先にこの筆でシちゃいました。筆の先っぽでアソコをこしょこしょって」
「ひぅっ!? ぁっ、っっ!?」
「だけど、まだイッてないんですよ。私も、我慢してみようって。そしたら、きっとすごく気持ちいいだろうなって。……おそろいですね、せんぱぁい……♡」
「っ……!! ぅあ゛、っ~~~~!」
その光景を想像して、なおの男性器がもう一回り肥大化した。
『先輩』、そう呼ばれる度に背筋がゾクゾクした。
普段は流麗で気品すら感じさせる声音が、2人きりで居る時はドロドロに蕩けたような声音に変わる。
彼女はけっして、なおを嫌ってるが故に苦痛を浴びせているわけではない。彼の人生を滅茶苦茶にしたいわけでも断じてない。
ただ、彼のことが愛おしくて堪らない。自分の性癖を曝け出しても尽きることのない愛欲と、我を忘れて全てを剥き出しにしてしまうほどの愛情故の行動だった。
なおは逃げられない。それは貞操帯のせいではない、重すぎるほどの愛情が心に枷を嵌める。辛く苦しい、麻薬のような幸福に犯される。
筆でなでるごとに性感が高まっていたのは、なおだけではない。しずくも同じだった。
「私も、我慢できないです……っ」
しずくは衣服を脱ぎ出す。本当に我慢ができないような、焦りが滲んだ手つき。純白の下着を下ろすと、ネットリとした愛液が女性器と下着の間で糸を引いた。
そして、しずくは裸になると、なおをベッドの上に押し倒しながら思いっきり抱きしめた。
「ふぁぁ……♡ せんぱぁい……♡」
「ひゃぁ……!? ぁっ、ぁあぁぁぁ……っ!」
2人は同時に声を上げた。体温を共有することは快感だった。
おまけに、しずくの身体はふわふわもちもちとしていた。胸は大きく、尻や太ももは肉感的で、それでも腰は細い。女性の美を示さんばかりの身体付き。
しずくはなおの顔を自分の胸に埋める。腹を押し付けあって熱を伝える。脚を絡めて擦り付けあう。ただの抱擁がどうしてこんなに気持ち良いのだろう。肌の触れあっているところが化学反応を起こして、快感と幸福感を生み出しているようにすら感じられる。
しかし、なおは苦痛に呻いた。
依然、貞操帯が邪魔をしていたから。全身が温かいのに、そこだけが冷たいままだった。
「ぅぅぅ……! ぅうぅぅぅぅ……!?」
もしも、そこをほんの少しでも気持ち良くしてもらえたら、すぐにでも射精できそうなのに。太ももで挟んでくれたら、お腹を擦り付けてくれたら、手でほんのちょっと握ってくれたら。だけど、それができない。
なおは無意識の内に体を揺する。ちっとも気持ち良くない。金具の音がカチャカチャと肌の間でむなしくこもって聞こえるだけ。
生殺しの極致は、もはや拷問だった。
「ぅ……っ! ぐすっ、ぅぅ……!」
いつしか、なおは泣き出していた。
恋人の前で泣いたのは初めてだった。気持ち良くなれないことが辛く、恋人にこんな姿を晒していることが情けなかった。
そんな彼の頭を、しずくは優しく撫でた。
「ごめんなさい、せんぱい。辛かったですよね」
慈愛と反省に満ちた言葉だった。もっとも、本心は違う。
しずくは身体を起こす。机の上にあった鍵を取り出して、貞操帯に手をかける。そして笑った。
「今から、たくさん気持ち良くしてあげまぁす……っ♡♡♡」
運動直後のような荒い息、絵の具で染めたような真っ赤な頬、開ききった瞳孔、緩んだ口元。
なおは思った――あぁ、3週間前と同じ表情だ。
これは、捕食者の表情だ。
鍵が開く。
「っぐ……!?」
「我慢してくださいね、せんぱぁい」
ギチギチとした痛みの後、貞操帯が外される解放感を覚える。
金属の枷に食い込み続けた男性器には、痛々しい痕が残っていた。
なお本人ですら目を背けたくなるそれを、しずくは熱のこもった目で見つめ、指先でそっと撫でる。それだけで、腰が浮くような快感が走った。
「この痕、私が治してあげます……♡」
しかし、しずくの行動は『治す』とはほど遠いものだった。仰向けに寝ているなおの上、怒張した男性器の上で膝立ちしたのだ。
「よく言いますよね? 『舐めれば治る』って。だからぁ、下のお口で……っ♡♡♡」
しずくの女性器はドロドロに溶けたように濡れていた。愛液が陰毛を伝って糸を引きながら垂れ落ちて、鈴口と膣口をつないだ。
「はぁ、ぁ……♡ 行きます、よぉ……♡♡」
しずくがゆっくり腰を下ろしてゆく。
「ふーっ! ふぅぅ……っ!」
待ち構えていた刺激がやって来る。なおの息が限界まで荒くなる。
2人共、その瞬間を喰い入るように見ていた。
「ふぁぁ……!」
「ぁ……♡」
そしてとうとう、鈴口と膣口がぴとりとキスをする。
それだけで気持ち良い。それこそすぐに射精してしまいそうなぐらい。
しかし、しずくはそれを良しとは思わなかった。愛する人の精液を一滴たりとも無駄にしたくないと思っていた。
「……ふふふ、えいっ♡♡」
だから、しずくはそのままゆっくり挿入するかと思いきや、自分の腰を思いっきり下ろして、膣奥になおの男性器を突き立てた。
ずっと冷たく硬い殻に包まれていた男性器が、温かくヌルヌルとした快感に包まれた。
「ぃいぃぃぃぃっ!!? ぁっ、ッ~~~~~~!!?」
「んんっ!? ~~~~~~っ♡♡♡ ……ぁはぁっ♡♡ せんぱい、もう射精しちゃいましたぁ?」
ただの1回すらピストン運動していないというのに、精液が噴き出る。限界まで我慢させられた後の射精は、尿道がはち切れてしまいそうな勢いだった。
3週間我慢したのはしずくも同じ。彼女もあっという間に絶頂した。噴き出る精液の感触に恍惚の笑みを浮かべながら、全身を震わせる。
それでも、なおの男性器は一向に萎えることはなく、しずくの性欲も収まることはない。しずくは1度射精した男性器を引き抜くこともなく、腰を激しく動かし始めた。
「ひっ、ぅぁっ!? ぁ、ぁあぁぁぁっ!!?」
「3週間分、たぁくさんしましょう? せんぱぁい♡♡」
しずくはベッドに両足を付いて、がに股になって腰を振る。ただただ快楽を貪るような激しいピストン運動、上品さのかけらも感じられない搾精行動。
「ぅあぁぁぁぁっ!!? ぁっ、ぁあぁぁぁぁぁっ!!」
「ぁっ、ぁあぁぁ! せんぱい、すごぉい……♡ せんぱいのせーしが、膣内で絡みついて……っ♡♡」
なおは何度も何度も吐精する。
無理やり搾り取られるような快感に、喘ぎ声を上げることはできない。口から漏れるのは、ひたすら悲鳴だった。
やがて、精液がゴボゴボと音を立てて結合部から溢れる。それでも、しずくのピストン運動は終わらない。
「も、む、無理……っ! 死んじゃ……っ、ぁ、ぁあ゛ぁぁぁぁぁ!!」
「ぁぁ……♡ せんぱい、とっても素敵、気持ちいい……! せんぱいっ、せんぱぁい♡♡」
しずくはなおの呼びかけに応じない。彼女は我を失っていた、いまだかつてない程に興奮していた。
何日待とうが、溜め込める精子の量には限度がある。やがて吐き出される精液の量が減って尚、しずくは腰を振り続けた。
「ぁぐ……っ! ぅ……、ぁ……」
「せんぱい、だいすきぃ……♡♡ すきっ、すきぃ……♡ 愛してます、せんぱぁい……っ♡♡♡」
なおの意識が遠くなる。
視界の全てが真っ暗になる最後の最後まで、網膜にはドロドロの愛情に満ちた表情で腰を振り続けるしずくの姿が焼き付いていた。
――――
――
その後、なおは目が覚めたら再び貞操帯を着けられる。
『今回は3週間我慢したから、次は4週間にしましょう』、しずくはそう言う。しかし、射精を禁止する期間が長くなると、お互いに我慢ができなくなった。
だから、今度は1週間にして、代わりになおの全身を毎日これでもかと愛撫した。もちろん射精は絶対にさせない、2人の性欲を限界まで昂ぶらせる。そして、時が来たらどちらかが気絶するまでセックスする。もっとも、気絶するのはいつもなおだったが。
なおは釜茹でにされるような地獄のような日々を過ごした。しかし、不幸とは思わなかった。しずくの発情しきった声や表情が忘れられないから。ドロドロに蕩けた愛情は、彼に麻薬のような幸福を与えた。
2人が日だまりに戻ることはもうない。
1度沈めば2度と這い上がれない底なし沼の中で、2人は愛し合うのだった。