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◆あらすじ
電マ台――それは電マを直立に固定するだけの器具ですが、ハンズフリーかつ直立姿勢で気持ちよくなるのになかなか都合が良いようです。さらに、膝ががくがくと震えて今にも倒れてしまいそうな体をパートナーに支えてもらうと、密着感によって格別の幸福感が得られるようで。そんなハグイキを楽しむレズビアンな女性たちのお話。
「ぅ゙ぁぁぁぁぁあっ♡♡♡ だめっ、体重かけたらぁぁぁあっ、ぁ゙ぁぁぁぁぁぁぁあああああああああっ♡♡♡」
(すっごい、もう自分じゃ立てなくなってる……♡ 顔も蕩けちゃって、かわいいなぁ……♡)
「ぅ゙ぁぁぁぁぁぁぁぁぁああっ♡♡♡ __ちゃんマジ天使ぃぃぃぃぃいいいいいいいっ♡♡♡ ぉ゙ぉぉぉおっ、ぉ゙ぉぉぉぉおおおおおおおお~~~~~~~~♡♡♡」
「うんうん、お姉さんは頑張ってますよ♡ だから、全部私に委ねていいんですよ。全部、ぜーんぶ……♡」
お客さまたちはさまざまな形で、抱き締めながら・抱き締められながらのひとときを楽しんでいらっしゃいます。
中には、こんなお客さまもいらっしゃるようで――。
これは果たしてハグなのか? ――ラブホテルのスタッフには少々判別が難しいところです。しかしこの2人、暴言を吐き合って仲が悪いようには見えますが……。
「っでいうがこれっでっ!!? こういう使い方じゃないでしょぉ゙ぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおっ!!?」
「あん? そういや、案内には『ハグ』専用の電マ台って書いてあったか。……何だお前、私にハグしてほしいのかよ?」
「っ――♡♡♡ そっ、そんなわけないでしょッ!!!? あんたみたいな貧相な体に抱き締められても――」
「……ぎゅーっ♡」
「っっっ――♡♡♡♡♡ ぉ゙っ、ぉ゙ぉぉぉおおお~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「っ――♡ 何イッてんだよ、お前……」
「ち、違は――っ♡♡♡♡♡ これはっ、そういうんじゃ――♡♡♡♡♡ タイミング、悪かた、だけ――っ♡♡♡♡♡」
「ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅーーっ」
「ぅ゙あっ♡♡♡♡♡ はっ、ぁぁぁあっ♡♡♡♡♡ っぁ゙ぁぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
(っ……♡ これ、やば……♡)
「わ、分かたっ、から――っ♡♡♡♡♡ も、もぉ、や゙め――♡♡♡♡♡」
ぎゅー。
「ぉ゙ぉおおおっ♡♡♡♡♡ ぉ゙ぉぉぉぉおおおおおおお~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ 頭、溶け――♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
ぐりぐり。
「ぃ゙ぎ――♡♡♡♡♡ 電マに体重かけっ♡♡♡♡♡ ッ゙~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
ぎゅー。ぐりぐり。ぎゅっ、ぎゅっ、ぎゅー。ぐりぐりぐりぐり。
「やめ゙っ、も゙――♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ しぬっ、ぅ゙ぁぁぁぁぁああっ♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「ふーーーーっ♡♡♡ ふすっ、ふすっ♡♡♡ ふーーーーーーーーっ♡♡♡♡♡」
「ぉごっ♡♡♡♡♡ ぉ゙~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぉ゙ぉぉぉおおおおっ♡♡♡♡♡ ッッ゙~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッッッ゙~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
全身を満たす愛情ホルモンに任せて快楽をむさぼり続ける2人。
そもそも腐れ縁と呼ぶには、ラブホテルでお互い裸になっている時点で、『ひょっとして仲が悪いのでは』などと言っても詮無きことのようです。
――――
――
「っはー、疲れた。ずっと抱きかかえてたから腕がぱんぱんだ。重ぇよ、お前」
「うっせ……! 小一時間ずっと抱えてたら十分でしょーがゴリラ。っていうか布団入ってくんな」
「運動やめたら少し寒ぃんだよ」
「私をバーベルか何かと勘違いしてない?」
ぎゅっ。
「っ――!」
「ぅはー、あったけー♡ こりゃいいカイロだ」
「あんたっ、何してっ」
「何だお前。ハグが癖になってんのか?」
「んなわけ、ないでしょ……っ」
「目ぇ泳いでんぞ」
「…………」
「…………」
ぎゅっ。
「っ――! な、何してんだよ」
「何って、火照った体を冷やしてんのよ。何? 散々ばかにしといて、逆に抱き締められたら照れんの?」
「んなわけ、ねーだろ……っ」
「目、泳いでるし」
「…………」
「…………」
「……ここ、また来るか」
「罰ゲームで?」
「ああ。いや、まぁ、罰ゲームは、別に」
「……そーね。気が向いたら来ましょ」
「ああ。気が向いたらな」
「ええ。気が向いたらね」
「…………」
「…………」
「あとお前、武器変えろ。クソエイムにスナイパーは無理だ」
「断る。遠距離から相手撃ち抜くの楽しいじゃん」
「当たんねーくせに」
「うっせうっせ! あんたこそ、ばかみたいに敵陣に突っ込んでやられてばっかじゃん! 体がゴリラなら頭もゴリラなの!?」
「ぁあっ!? あれがローラーの戦い方だろうが!」
「頭使えってんのよ! だいたいあんた普段から――」
「お前だっていっつもいっつも――」
おしまい。
※Pixivでアンケートを取り、最も票が多かった『②腐れ縁』をメインに書かせていただきました。