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◆あらすじ
『絶頂ゲームオフ会』という集まりがありました。女性をたくさんイカせることを目的としており、常時『イカされ役』を募集しています。このお話は、ちょっとした性欲に負けて、死ぬほど後悔するまで電マで強制連続絶頂させられた女性からの警告です。
私があの会に参加したいと思ったのは、その、お恥ずかしながら、『たくさん気持ちよくしてもらえる!』って思ったからです。
絶頂ゲームオフ会――それは性行為を愉しみながら、おのおのの性技を磨くために作られた会。何でも、相手をよりたくさんイカせてあげることを目標としているのだとか。
SNSに投稿された1枚のチラシが、私の心を打ちました。『イカされ役』になれば、喘ぎ声が止まらなくなって、涙がぽろぽろ零れるほどに気持ちよくしてくれる、それは何て役得なんだろう――だから、私はダイレクトメールで『イカされ役』を名乗り出たのです。
応募した時、メールで簡単な質問をされました。内容は主に、今までの性経験について。私は正直に、『マスターベーションだけで、男性とも女性ともしたことはありません。使っているのは、指とか、スマートフォンのバイブレーションとかぐらいです』と答えました。
すると向こうは、『それでは、中には絶対に挿入しないように、ルールを決めておきますね』と返してくれました。
その時は、『参加者のことを気遣ってくれる、良い集まりなんだな』って思ったのです。
――――
――
私は、あのイカれた会のことを、ちっとも理解していませんでした。
たくさんイカせるということは、文字通りの意味だったのです。本当にイカせてくるのです。何回でも、何十回でも、何百回でも。たとえ、イカされ役が『もう嫌だ』と泣き叫んでも、ひたすらに。
「や゛ぁ゛ぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ きもぢっ、よすぎるがらっ♡♡♡♡♡ おかじぐなっぢゃうがらぁぁぁぁぁああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ♡♡♡♡♡」
私は、快感の許容量があまり大きいほうではなかったようです。
電マを股間に当てて、時には優しく、時には強くぐりぐり――それで1回イカされただけで、私は心の底から幸福な気分になりました。2回イカされただけで何だかつらくなって、私は『もうやめてください』と言うようになりました。3回目、4回目、5回目になると涙が止まらなくなって、体ががくがくと痙攣して、おかしくなっていきます。
今はもう、何十回イカされたのか分かりません。それなのに、周囲には順番待ちしているたくさんの『イカせ役』がいます。
「も゛、や゛――♡♡♡♡♡ 死んじゃう゛っ、殺ざないでっ♡♡♡♡♡ 殺さないでぐだざいぃぃぃぃぃぃぃぃっ♡♡♡♡♡ ぎゃ――っ♡♡♡♡♡ っぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぁ゛ぁぁぁああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ♡♡♡♡♡」
私はもう、潮を吹き散らし、泣き叫びながら命乞いをすることしかできませんでした。本当に、本当に、快楽で殺されると感じたのです。
私がこの恥ずかしい体験を供述するのは、私のような被害者をもう増やしたくないからです。
絶頂ゲームオフ会――あのイカれた会に、絶対に参加してはいけません。
一度でも参加すれば、後悔なんて言葉では生優しいほどイカされることになります。何十回も、何百回もイカされます。全身から体液という体液が溢れ続け、呂律が回らなくなり、視界全てがぴんく色になるまでイカされることになります。
しかも、死ぬほどイカされておしまいではありません。もう誰も自分のことを犯していないというのに、余韻だけでイッてしまうほどに全身を開発され、その晩は自分の布団の中でずっと甘イキしながら眠ることになるのです。そして朝起きた時には体の疼きが止まらず、また身を引き裂くような快感を欲してしまう。自分の指でクリトリスをつつくだけで腰がへこへこと動き、指の腹で押しつぶそうものなら電マの圧迫感を思い出して潮吹きしながらイッてしまうのです。
もう、正常な肉体と精神には戻れないのです。
『イカされ役』になって、大勢にたくさんイカされたい――そんな浅はかな考えを少しでも抱いてしまった全ての女性に、私の声が届けばと思います。