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◆あらすじ
『どれだけ泣き叫んでも許される快楽風俗店』――その言葉に不思議なときめきを感じた女性が、後悔の中で連続絶頂しまくる話。しかし彼女は知りませんでした。どれだけ泣き叫んでも許されるとはすなわち、『泣き叫ぶ程度ではやめてくれない』ということ。彼女はフレームバインダーに拘束され、スペンス乳腺やポルチオ、秘所などの性感帯を、電マでたっぷり気持ちよくされてしまうのでした。
私がちょっと欲求不満だったから、インターネットでいかがわしい調べ物をしていた時のことでした。
「『どれだけ泣き叫んでも許される快楽風俗店』……?」
何だか妙に長いお店の名前を見た時、私の胸が妙にときめいたのです。
一つ断っておきたいのは、私は別に極度のマゾヒストではないということです。痛い目に遭うのは嫌ですし、誰かから蔑まれる趣味もありません。ただ、たくさん気持ちよくなりたいだけ――。
きっと、それだけ気持ちよくしてくれるということなんだろう――私の願望は、そのお店に非常によくマッチしていると思ったのです。
――――
――
「いらっしゃいませ。ご予約の__様ですね」
「は、はい」
それから早三日後、私は件のお店に行きました。緊張した私のことを出迎えてくれたのは、細身の男性の店員でした。
私は案内されるがままにロッカールームで服を脱ぎ、厚手のタオルで体の前面を隠したまま暗いフロアに行きます。
「ご確認ですが、お時間は3時間でよろしかったですね?」
「はい」
「コースが始まりますと中断はできませんので、ご注意ください」
「はい」
「それでは、お体を拘束させていただきます。痛みがありましたら仰ってください」
「いえ、大丈夫です」
踏み台に立たされた裸の私に、金属の拘束具が巻き付いていきます。不思議な拘束具です。まるで鉄パイプを人の形に合わせて組み合わせたような……。両腕は上がり、脚もがに股になって、何だか間抜けな格好。『笑われやしないだろうか』と思うと、胸の中に黒いもやもやがまとわり付いてきます。
「ご安心ください。当店のお客さまは、そうやって女性をばかにすることはございません」
「そ、そうですか」
「ええ。ここだけの話。反対のコースには、もろもろの審査があるんです」
私の全身に拘束具が取り付け終わります。
黒いもやもやはもうなくなって、残るのはもうどきどきだけです。一体、このお店は私のことをどれだけ気持ちよくしてくれるんだろう?
「それでは、どうぞ心ゆくまで快楽にお泣き叫びくださいませ」
「え……? 泣き、さけ、び……?」
これっぽっちも嫌味のない優しい微笑みと共に紡がれる、定型文のようなあいさつ。
私はその日、あまりにも楽しみすぎて、最初に来店してしまったのです。
だから、『どれだけ泣き叫んでも許される快楽風俗店』――そのお店の意味を事前に知ることができなかったのでした。
――――
――
「い゛やぁぁぁぁぁぁぁあああああああああっ♡♡♡♡♡ や゛めっ♡♡♡♡♡ もぉ゛ぉやだ――♡♡♡♡♡ やめでよ゛ぉぉぉぉぁぁぁあああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ゛ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
たくさんの電動マッサージ器が、私に押し当てられ続けます。
スペンス乳腺、体外式ポルチオマッサージ、そして秘所にダイレクト――電動マッサージ器はその一つ一つのが強烈で、私は何度もイカされました。もう、何度イッたか覚えていません。
「まだっイ゛っ♡♡♡♡♡ いぐっ、いっ、やだっ、い゛――♡♡♡♡♡ っぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッッッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
こんなにも一度にたくさんイカされるなんて、人生で初めて。だから私は嫌になってしまいました。もうイカさないで。気持ちいいのは嫌だ――私は泣き叫び続けます。
それなのに、私の目の前にいる、まるで貴族階級のような行儀のいい男の人たち、女の人たちは、私をイカせるのをやめてくれません。
この人たちは、自分が気持ちよくなることになんて、ちっとも興味がありませんでした。興味があることなんて、目の前の女性をただひたすらに気持ちよくさせることだけ。
だから私は、他人の体液をかけられる心配もなく、妊娠や病気の心配もなく、あまりの気持ちよさにただ泣き叫ぶことができました。純度100%の性的快感。
「なんっっでっ♡♡♡♡♡ なんでやべでぐれないのぉぉぉぉっ♡♡♡♡♡ ぉあ゛――っ♡♡♡♡♡ ぁ゛ぁぁぁぁああああああッ♡♡♡♡♡ ぁ゛ぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
私は知らなかったのです。
『どれだけ泣き叫んでも許される快楽風俗店』とは、つまり『泣き叫ぶ程度ではやめてくれない快楽風俗店』だということを。どうしてこんなお店に来てしまったんだろう? ――私の胸の中はもう、後悔でいっぱいです。
私の右隣には、アソコに電動マッサージ器を押し当てられながら、全身をこちょこちょとくすぐられている女の人がいました。
「ひゃぁ゛ーーっはっはははははははははははぁっひぃぃぃぃぃいいっ♡♡♡♡♡ くしゅぐっいぐっ♡♡♡♡♡ いぐいぐいぐぅぅっふっひゃっははははははははぁぁぁぁぁああっ♡♡♡♡♡ っひゃはぁ゛ぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッッ♡♡♡♡♡」
どうやら、女の人は事前にそういうリクエストをしたみたい。私はこの女の人のことが信じられませんでした。電動マッサージ器だけでもこんなに気持ちよすぎて苦しいのに、さらにくすぐり責めなんて、体中の神経がバグを起こして死んでしまうのではないでしょうか?
私の左隣には、既にコースを終えた女の子がいました。
「ぉごっ、ぉ゛――♡♡♡♡♡ ぉ゛ぉぉ~~~~~~~~……♡♡♡♡♡ ぉぉぉお~~~~~~~~~~~~~~~~……♡♡♡♡♡ っっ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~……♡♡♡♡♡」
女の子も、私と同じように全身を電動マッサージ器でいじめられていました。とうに気絶してしまっている女の子のことを見ると、私は何だか胸の中をぐちゃぐちゃにされるような気分になります――どうして私は、こんなにも長い時間を選んでしまったのだろう?
他人に意識を向けられるのは、ほんの一瞬だけ。絶え間なく押し当てられる電動マッサージ器が、私の思考を奪っていきます。
「ぁ゛ぁぁぁぁぁああああああっ♡♡♡♡♡ やめ゛っ、やだっ、ごめんなさい゛ぎぃっ♡♡♡♡♡ もうやだっ、帰る゛っ♡♡♡♡♡ お家がえるがらぁぁぁぁぁぁあああああ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ゛ッッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
私は、全身が真っ黒に焦げ付いてしまうぐらい自分の行いを後悔しながら、動けない体をたくさんの人たちにイカされ続けるのでした。
――――
――
『どれだけ泣き叫んでも許される快楽風俗店』――私はこのお店で一つ、知ることになりました。
泣き叫ぶほどの快楽というのは、当然後悔する。だけど、後悔するほどの快楽というのは、ひどく気持ちいい――。
「いらっしゃいませ、__様。前回のご利用は、ちょうど1週間前でしたか。再度のご利用、誠にありがとうございます」
「ふーーっ♡ ふーーーーっ♡」
「今日は6時間のご利用でよろしかったでしょうか?」
「は、はい……! あ、あの、早く……ッ」
「そうですね、失礼いたしました。それではロッカーの鍵をお受け取りください」
私は鍵をわしづかみするように受け取り、早足でロッカールームへと駆けていきます。
子宮が嫌に疼く。私はこれから、後悔するほど気持ちよくさせられる。それは何て恐ろしく、そして愉しみなんだろう。たくさん気持ちよくなろう。たくさん後悔しよう。たくさんイカされよう。たくさん泣き叫ぼう。
「あの、ぬ、脱ぎましたっ♡ は、はやっ、はやく……っ♡」
「はい。それでは、大急ぎで拘束させていただきますね。今日は、反対のコースのお客さまにもたくさんお越しいただいています。前回よりも、きっとお愉しみいただけるかと」
「~っ♡」
後悔アクメ――危険な性的嗜好を全身に刻み付けられてしまった私に、相も変わらず優しい態度の店員さんが、微笑みながらあいさつするのでした。
「――それでは、どうぞ心ゆくまで快楽にお泣き叫びくださいませ」
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