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(2024/06/07)新しい小説短編集が出ました

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連続絶頂オムニバス 2406号

770円(税込)

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長編小説

【第2話】異能バトルものの性拷問師たち

⏱このページは31分ぐらいで読めます


目次

表紙
 #簡単なご案内など
第1話 読心 -ノンバーバル-
 #クリ責め #電マ #ローションガーゼ
第2話 自声愛撫 -ジメツ-
 #くすぐり #声我慢 #超音波
第3話 非接触絶頂 -ムッツリ-
 #ささやき #見せつけ #脳イキ
第4話 絶頂引延 -トワノマタタキ-
 #シリコンチェーンソー #ブラシ責め #体感時間操作
第5話 はじめての
 #クンニ #寸止め
第6話 感覚遮断 -カイカンノサキオクリ-
 #乳首責め #ニップルドーム #クリ責め #電マ #くすぐり #感覚遮断
最終話 伝心 -ワタシノココロ-
 #キス #胸揉み #電マ #くすぐり #ブラシ責め #感覚共有
おまけ
 #キャラクターのちょっとした紹介

 

第2話 自声愛撫 -ジメツ-

#くすぐり #声我慢 #超音波

 

この国において、傭兵会社の数は大小合わせて1,000を超えると言われている。

所属する人間の8割超が《能力》持ちであることを除けば、その実態は一般企業とそう変わらない部分も多い。従業員が10名を下回る中小企業も多く、全員がで華々しく戦えるわけでもない。総務、経理、その他もろもろ――裏方に回る人間がいなければ、いかなる会社も回らない。

灰咲はいさきフランは、それで構わないと思っていた。で目立ちたい人間は、この業界には腐るほどいる。血を流す仕事はそういった物好きたちに任せてしまえば、自分がわざわざ出張らずとも済むのだ。

 

「……?」

そんなフランは今、あまりに露骨なしかめ面を浮かべていた。

パンツスーツを着た、20歳と少しの女性。身長は160cmともう少し、女性としてはそこそこ高めか。しかし体付き自体は控えめであり、背が高い分だけしなやかさが目立つ。黒の長髪を後頭部で一つに結わえているが、その飾り気のなさはおしゃれというより、『邪魔だから』と言った風。

見るからに堅物そうなフランの目の前で、椅子に堂々と座っているのは、70歳を超えた老婆だった。

「二度言わなきゃ分かんないかい? 戦闘部門で1人雇った、使ようにしといてくれ」

「どうして私が。私は戦闘部門じゃない」
「知るかい、人手不足だよ。暇してんのがアンタしかいない」

しゃがれ声で快活に喋る老婆は、フランの所属する傭兵会社の社長その人。

社長の名前は、会社に所属する人間ですら誰も知らない。ただ、彼女は外部の人間からViヴィーと呼ばれていた。長髪は一本残らず白髪で、顔も隅から隅まで皺だらけ。しかし、レザーのジャケットとパンツをまとって社長椅子に座るその姿は、威風堂々。背はフランよりもさらに高く、体は引き締まり、背筋の丸まることを知らない女性だ。

そんなViとフランが口論するのは、もはや日常茶飯事だった。

「事務仕事が山のようにある。私も暇じゃない」
「あちこちから仕事ぶんどっといてよく言うよ。元はアンタのじゃないんだ、さっさと返してやんな」

「ならの仕事を寄越してよ。あなたがを立ち上げるって言ったんでしょ」
「いい年して駄々こねてんじゃないよ! 拷問の仕事なんてそうぽんぽん来るものかい」

オフィスのど真ん中で口論する2人。事務仕事に追われる他の数名の社員たちは、苦笑いを浮かべながら見守ることしかできない。

――まあ、いつも通りだ。、2人の口げんかはいつも見てきた。それに何だかんだ言って、最後に折れるのはいつも決まっている。

「……手当、ちゃんと出してよね」
「どうせ使わないくせによく言うさね。金なんてぱーっと使えばいいのにさ」

「会社としてのけじめだよ! それに、あなたは金遣い荒すぎ! いい年してホストなんかに入り浸って、何考えてるんだよ!」
「あーあー、説教はいらないよ。年寄りの余生の楽しみに水差すんじゃない」

そこでようやく、口論は終わる。結局、フランが折れるのはいつも通りだった。

「アンタもいい加減、にならなきゃねぇ」
「……クソババアめ」

最後、少し柔らかな口調で呟いたViの言葉に、フランはしかめ面を深くするのだった。

 

――――
――

 

この会社が所有する屋内訓練場は狭い。バスケットボールのハーフコートぐらいしか大きさがないせいで、遠距離戦を想定するには難儀する。

しかし、強度を高めるために壁や床、天井を特殊な線維強化材で覆い、近隣への迷惑を防ぐためにさらに外から防振材で覆い、その他にもさまざまな処置と定期的なメンテナンスを――それらのコストを考えると、小さな傭兵会社にはこの程度の訓練場が限界だった。

「おはよう。待たせて悪かった」

そんな小さな訓練場の中央にて。直立してフランのことを待っていたのは、彼女より随分と背が低い、まだ少女とも呼べる女性だった。フランがあらかじめ資料に目を通したところによると――。

「名前は、ウルツアさん、で間違いなかったね。書類に苗字がないようだけど」
「…………」

「……まあいい」

それ以上は追求しない。業界柄もあるが、あの社長の連れてくる人間は、何かとが多い。

それよりもフランが目に付いたのは、ウルツアの服装だった。フラン自身、ファッションにあまり詳しくはないが、確かパンクファッションと呼んだか。ゆったりとした黒のシャツはまだいい。スカートが少々短すぎるが、下にスパッツか何かを履いているのだろうか。黒の短髪を一部赤く染めている理由は、フランには理解できない。

ここは確かに私服勤務だけど。シブヤか、ハラジュクか、いつからこの会社はそういう場所になったんだ? ――フランはその言葉を呑み込んだ。

「灰咲フランだ。今日から、私が君の指導係になる。よろしく」
「……なんかが、の指導を?」

フランはものすごく顔をしかめたくなった。

――ここは傭兵会社だ。荒くれ者の多い傭兵とは言っても、なのだから、それなりに礼儀は守ってほしい。初対面の相手を『テメェなんか』扱いしたり、一人称が『オレ』だったり、もうめちゃくちゃだ。ドスを利かせた低い声だけど、地声は恐らく高いほうだし、よく見れば顔立ちも童顔だが整っている。普通にしていればきっとかわいかったろうに。

ああだけど、自分もついさっき、社長を『クソババア』呼ばわりしたか――フランはこの件について、指導を諦めた。

「軽くをする。武器は持っているみたいだね」
「…………」

「携行してはいなさそうだけど、うちは原則として銃器の類は禁止だからそのつもりで。あれは弾を1発撃つだけで、いろいろと面倒な書類を提出しなければならない。社長は例外」

フランは、うんともすんとも言わないウルツアの右手を確認した。

よほど大きな傭兵会社で、かつ統率性やコストを重視しない限り、武器は特注オーダーメイドだ。各人にはそれぞれ異なる《能力》があるため、そもそも兵隊のように均質化するのは難しい。故に《能力者》においては、各人の特性を活かす方針が主流だ。

その中でもウルツアが小さな手に持つ武器は、ずいぶんと大きな黒色の長物グレイブだった。身長よりも長い柄の先に、指先から肘ぐらいまでの長さがありそうな幅広の刃が付いている。細い体で振り回すのは簡単ではないだろう。

しかし、柄は手に持つ部分だけ極端に色あせており、刃は研ぎすぎて形が変わったのだろうか、所々が歪だ。その武器は決して新品ではなく、十分に使い込まれていることが分かる。

加えて、その落ち着きある佇まいを見る限り――なるほど、素人ではなさそうだ――フランは確信した。

「……テメェ」
「何か」

「何のつもりだ? は」
「これかい」

ウルツアの目線は、フランの右手に持たれた木刀に向いていた。赤カシで作られた、剣道か合気道かをやっていれば誰でも手に持ったことがあるだろう、何の変哲もない木刀だ。当然、金属の刃が付いた武器を相手取るにふさわしいものではない。

フランはジャケットを脱ぎながら応える。

「あいにく、武器を長らく使っていないんだ。今日は急な話だったから、メンテナンスが間に合わない」
「……ナメやがって」

フランには、わざわざ《能力》に頼る必要もないぐらい、ウルツアが苛ついていることが分かった。

 

フランはそれを『稽古』と呼んだ。しかしウルツアがまとう怒気と殺気を見て、誰がそう形容できるだろうか。もはや『殺し合い』に片足を突っ込んだ戦闘が始まる。

最初に動いたのは当然、のありすぎるウルツアのほうだった。

「――シッ!」

的が小さくも致命傷になりにくい右肩目がけて、長物グレイブを一突き。空舞う木の葉も正確に射抜くその一撃は、素人には反応することすら難しい。

フランは左に半歩ずれるだけで、それを避ける。

「っ」
「様子見は要らない」 

最低限の回避行動にウルツアが驚くのは一瞬。次の瞬間、小さな訓練場を、巨大な刃が縦横無尽に駆け巡った。

「――ッ、らぁぁぁぁッ!!!」

左薙ぎ、切り返して逆袈裟斬り、連続突き、体ごと回転させて逆風。

刃の擦れる床から、火花が散る。もしも部屋が特殊な素材でコーティングされていなかったら、彼女の通り道は刃に切り刻まれてぼろぼろになっていただろう。まるで暴風雨の中にでも放り込まれるような、荒々しい攻撃だ。

しかし、フランは傷一つ負うこともなく、歩くように立ち位置を変えるだけでその全てを避ける。そのまま表情を変えることなく、無造作に右腕を突き出した。

「っぐ――!?」

一直線に伸びる木刀の切っ先がウルツアの腹部にめり込み、彼女は動きを止めた。

「っ……」

「大丈夫かい」
「……問題ねぇ」

普通であれば、痛みにうずくまっていただろう。しかしウルツアは倒れることなく、武器を構えたまま、少女には不釣り合いな殺気をフランに向けた。

から?」
「知ってんなら、聞くなよ」

同じ会社の人間だ、フランはあらかじめ資料に目を通していた。ウルツアもまた《能力者》の1人。《痛覚遮断アドレナリン》――彼女は痛みを感じなくできる。

脳内物質に由来した名前だが、その強度はちゃちなものではない。本来感じるべき痛覚をほぼ完全にシャットアウトできる上に、一部の感覚を失ってなお体を正常に動かすことができる。肉体の限界や摂理を超えたそれは、まさに異能だ。たとえ幾十幾百の傷を受けようが、痛みなく、恐れなく、狂戦士のように戦い続ける姿は、戦場ではさぞ恐ろしいだろう。

「――ぉォォォォオオオおッ!!!」

再開の合図もなく、ウルツアが長物グレイブを一閃する。痛みを感じないからこそできる、肉体の負荷を無視した、最速・最重の振り下ろし。

それをフランは、木刀でもって横から殴りつけた。刃の側面に木刀を当てられたウルツアの攻撃は、横からの衝撃によってわずかに角度を変える。その結果、刃はあっけなく空を切り、銃弾すら弾く床に深い傷をつけた。

武器を握るウルツアの両腕にしびれが残るほんの一瞬の間に、木刀が彼女の細い首に添えられていた。

「痛みがなくても、首をはねられれば死ぬよ」
「……え?」

「《能力》を過信するな」

ウルツアの中で、感情が遅れてやってくる。

殺すつもりで放った一撃があっけなくかわされ、いつの間にか相手からの決定的な一手。痛みはなく、しかし《能力》によるものではない。寸止め――手加減してなお圧倒できる実力差があるからこそ、できる芸当だ。ウルツアが思わず威圧することを忘れて、見た目相応の高い声を出すほどだった。

ぽっかりと空白になった表情に、少しずつどす黒い感情がにじみ出てくる。

「雇われた理由は分かった。君は確かに優秀だ。身体能力は高いし、扱いが難しいであろうその武器も、よく使えている」
「ッ……!」

「だけど、それはだよ」

『今日はおしまい。残りは自主鍛錬』――フランはそう言って、訓練場を後にする。

ウルツアはこぶしを強く握りしめたまま、その場に立ち尽くしていた。怒り、悔恨、憎悪、殺意――ごちゃごちゃになったが、フランに向けられ続ける。

「……だから、嫌だったんだ」

フランはウルツアの見えないところで、ひっそりと顔をしかめるのだった。

 

――――
――

 

一台の自販機と一基のベンチが置かれただけの、4畳半の狭く簡素な休憩室にて。

「フランせんぱぁい♡」
「……ルグか」

「何飲んでるんですかぁ? 私にも一口ちょうだ――うげまっず、何このジュース!?」
「新発売のグアバ焼き芋ジュースだってさ。君が勝手に、私の飲み物をぶんどるのが悪い」

ベンチに座ったフランに人懐っこく抱き付いてきたのは、杠葉ゆずりはルグという女性だった。

輪郭も、目も、鼻も丸いその人相は、『タヌキ顔』と呼ばれることもある。158cmという身長はフランよりいくらか低いが、体付きはフランよりもずっと女性的だ。控えめな色合いのワンピースは、『私は清楚です』と言わんばかり。しかし甘ったるい声音と雰囲気から発せられる色気は、到底隠しきれるものではない。

「グアバ焼き芋、めかぶソーダ、魚介だしナタデココ、いちごタバスコ……うちの自販機って何でこんな変なのばっかりなんですか?」

「設置費用が1番安かったんだってさ。私はもう慣れた」
「せんぱい、いつか味覚死んじゃいますよ?」

ルグはうんうんとうなりながら自販機を上から下まで丁寧に見た後、結局何も買わずフランの隣に座った。

「……せんぱい、何だか疲れてる? 何かしてたんですか?」
「訓練場で新人の研修」

「あら、人嫌いのせんぱいが珍しい。で、ぼこぼこにした、と」
「決め付けないでくれる? まるで私が乱暴者みたいじゃないか」

「違うんですか? あ、乱暴者のところじゃないですよ」
「…………」

断じて物理的にけがを負わせたわけではないけれど、こと比喩的な意味においては――フランは何も否定できなかった。

「仕方ないですよ。だってせんぱい、めちゃくちゃ強いじゃないですか。せんぱいに勝てるのなんて、この会社じゃ、あのおばあちゃんぐらいじゃないです?」

「社長のことを『おばあちゃん』呼ばわりするのはやめな」
「せんぱいだって『クソババア』呼ばわりのくせに」

みんなそういう認識なのだろうか――フランはいよいよもって、生意気だったあの新人を思い出しながら、他人のことを言えないと反省した。

「だけどそんなに強いなら、せんぱいもあんな仕事してないで、もっとに出て格好良く活躍してもいいかもしれませんねー」
「……私は、いいよ」

「ふーん」

《読心》――フランの能力は、自分の意思に関わらず常に発動している。ルグが含みのある相づちを打った時、フランはひどい居心地の悪さを感じた。

「ま、いいですけどね。それなら私も、せんぱいといっしょにいられますし♡」

しかし、ルグはそれ以上踏み込んでこない。フランは、ルグが抱き付いてくることを少しうっとうしく感じながら、心のどこかでほっとした。

「ところで、せんぱい。ですよ。準備は私がやっておきましたので♡」
あるじゃないか。あのクソババア……」

結局、新人研修は半ば無理やり押し付けられたものだと分かって、フランは恨み言を吐くのだった。

性拷問師たちが表舞台に出ることはなく、裏方の仕事は続いていく――。

 

――――
――

 

傭兵の音無おとなしカクレは、『今回の敵は大きすぎる』と思った。

176cm、細めの骨格、しかし大きな胸と尻。その長身と恵まれたプロポーションのせいで、よく『モデルになればいいのに』なんて言われることもあった。だけど彼女は、人前に出るのが苦手な自分には無縁な仕事だと思った。他人と目を合わせるのが苦手で、ショートの黒髪を前髪だけ鼻元まで伸ばさなければ落ち着かなくて仕方ないというのに。

結局何の因果か、モデルよりもっと無縁だと思っていた傭兵として仕事することになったが。

(……まだ、わけにはいかない、かな。もう少し、状況が分かってから)

カクレは無言のまま、手足に付けられた拘束具を引っ張る。硬いベッドの上に仰向けに寝転がらされ、上下に伸ばされた手足には革と金属の拘束具。女性の腕力で抜け出すのは到底不可能だが、《能力》を使えば、あるいは抜け出せるかもしれない。

しかし、仮に今この拘束から逃げ出せたとして、この施設、あるいは想定されるであろう追っ手から逃げることは可能だろうか。

彼女がいるのは、10畳~12畳ほどのコンクリートがむき出しになった部屋だった。そして部屋の隅々を、無数のが埋め尽くしている。卵型のローター、先端に無数のいぼが付いた電動マッサージ器、挿れたら膣が裂けてしまいそうなぐらい大きな男性器の張り型――それらを見るだけで、嫌悪感に寒気立つ心地がした。

(はぁぁ~、やっぱり私には向いてないよ、この仕事……)

金さえ受け取れば、どんな仕事でも請け負うのが傭兵だ。しかし所属する傭兵会社によっては、仕事を選ぶこともある。『報酬が一定の金額を超えていなければ請け負わない』だとか、『明らかに反社会的だと判断できる仕事は請け負わない』だとか。

彼女については運が悪いことに、報酬さえ良ければどんな仕事でも請け負う傭兵会社に所属していたせいで、になってしまった。

 

「おはようございます」
「おっはようございまぁす♡」

そんなカクレを見下ろしていたのは、2人の女性だった。

1人はスーツを着た、オフィス街にでもいそうな女性。彼女は自身をフランと名乗った。そしてもう1人はワンピースを着た、夜の町にでもいそうな女性。彼女は自身をルグと名乗った。対照的な2人に唯一共通しているのは、こんな牢獄のような部屋には似つかわしくない女性だということぐらいだ。

フランと名乗る女性が前に出る。

「フェルム傭兵会社の《能力者》、音無カクレさんですね」
「…………」

「雇われのあなたには申し訳ないのですが、私たちも、一つでも多くの情報を欲している状況です。あなたたちの雇い主である、ニコ社の、ね」

やっぱり――カクレの予想は、何から何まで正しかった。

最近激化しつつある、政府とニコ社の争い。そこで自分の所属する会社がニコ社に雇われ、いくつかの施設の襲撃を請け負った。しかしそこで別の傭兵会社と衝突し、捕縛された。となれば、目の前の女性たちは政府の人間、あるいは政府に雇われたどこかの会社の人間だ。やっぱり、相手が大きすぎる。

それでも、彼女にとって相手の要求をのむ選択肢はなかった。傭兵が顧客のことをべらべらと喋るようでは、あっという間に信用を失ってしまうだろう。

「……話すわけには、いかない」

「話していただけないようであれば、どうなるか分かるでしょう?」
「っ……」

「言っておきますが、性拷問というのは、あなたが思っている以上に相当きついですよ。ですので、早めにお話いただきたいのですが」

ここまではほぼ100%、カクレの予想通りだった。唯一、こんな場所に似つかわしくない女性たちが相手であることを除けば。

曲がりなりにも傭兵としてやってきたカクレは、嫌悪感こそ抱けど冷静だ。今彼女が状況を把握しているのは、部屋の中のみ。部屋の外に出れば、何人もの見張りが彼女のことを待ち受けているかもしれない。ここから脱出するには、機を見る必要があった。

しかし『性拷問にかける』という予告が、カクレを限界にさせた。彼女は一切の辱めを受けることを嫌い、早々に行動に移るのだ。

「――!!」

今まで小さな声しか出さなかった彼女にしては、犬の鳴き声のように大きく、少し低めの美しいハスキーボイス。もしも歌手にでもなれば、それなりに売れたかもしれない。

しかしそれは、特殊なのこもった声。フランとルグは、その声を無防備のままその身に受け――。

そして、何も起こらなかった。

「……え?」

端から見れば、カクレが呆けた声を上げた理由など誰も分からなかっただろう。ただ、彼女が吼え、他の2人がその声を聞いただけなのだから。

しかしその状況の異常さを、この部屋にいる3人が正しく把握していた。フランは何かを確認するように、手に持っていた紙束に視線を落とすのだ。

「《超音波ボイス》でしたか。声にを乗せて、衝撃波を発生させる」
「私の《能力》を、知って……っ」

「普段はある程度の指向性を持たせているみたいですが、その気になれば全方位を無差別に破壊することもできるとか。その殲滅力はあらゆる《能力》の中でも随一。他の素養次第では、国がせっせと作っている『要警戒能力者リスト』入り……いわゆる《特級》も視野に入るでしょうね」

自分の理解の許容量を超えた事態に、カクレが初めて動揺する――そうだ。その《能力》さえあれば、革と金属の拘束具を引きちぎることも、部屋ごと目の前の2人を吹き飛ばすことも容易い。

戦場で使っている《能力》だ、知られているのはまだいい。問題は、先ほどそれが発動しなかったことだ。一体どうして? 

「せんぱい、準備できましたー」
「……私、指示してないけど。何したの?」

「まあまあ、いいじゃないですか♡ きっとですから♡」

スーツを着た女性とは別のほう、ワンピースを着た女性が甘ったるい声で何かを言っている。

カクレはあまりにも他人が苦手だった。故に性経験は人並み以下、男の人との関わりなんて、手をつないだことすらない。そんな彼女に、性拷問の時が刻一刻と近づいてくる。

その恐怖が、無駄な行動を引き起こした。

「――!」

ふたたび、声に乗せられる特殊な。彼女とて、先ほど何が起きたか忘れてしまうほど鳥頭ではない。それでも、自分に今の状況を打破する方法があるとしたらしかないから、縋らないわけにはいかない。もしかしたら、1回目は駄目でも、2回目ならうまくいくかもしれない――そんな淡く愚かな期待を込めた行動だった。

しかし、それは無駄――否、だ。

「ひ、ひゃ――!!? っ~~~~~~~~!!!」

カクレが《能力》を使った瞬間のことだった。

力を乗せた言葉が部屋の隅々にまで響きわたった瞬間、彼女はまるで自分の全身を手のひらで優しくなで姦されるようなむず痒さに襲われたのだ。

快感と、羞恥と、疑念が一気にやってくる。

「っあ、ぇ、ぁ……?」

「……ルグ、か」
「えへへー♡」

カクレが突然喘ぎながら顔を赤らめ始めた現象に、フランがため息を付き、ルグが笑った。

ルグがカクレに近づき、顎を持ち上げて、キスができそうな距離でささやく。

「私の《能力》なんですけど、《魔改造ツギハギ》っていうんです。つまり、えーと……簡単に言うと、私があなたの《能力》を弄っちゃいました♡」
「は……!?」

「あなたが声を出すと、あなたの体が気持ちよくなっちゃうんですよー?」
「そ、そんな、こと、できるわけ――!? ひ、ひゃぁ……!?」

カクレは驚き声を上げそうになるも、むずむずとした何かが全身の皮膚をのたうち回る感覚に留まる。

他人の《能力》を改ざんする――それは、カクレが見たことも聞いたこともない《能力》だった。この国だけで何万、何十万といる《能力者》の中でも、トップレベルのレアリティだろう。

信じがたいことだが、現に今起きている現象を鑑みれば、それを否定できない。

「……だ、か、ら♡ 声、出さないほうがいいですよぉ?」
「っ!」

「気持ちよさは声の大きさに比例するので、大声で喘いじゃった日にはもう……♡」

ルグが妖しく笑い、カクレの顔が青ざめていく。

ルグの背後に立っていたフランが、『まあいいか』とため息を付いていた。

 

お互いの立場を無理やりにでも分からされた上で、とうとう性拷問が始まる。

「せんぱい、今日は私に任せてもらっても?」
「理由は?」

「んー。そういう気分♡」
「……どうぞ」

ルグはそう言ってカクレの寝ているベッドに腰掛けて、彼女の細い首筋をなでた。

「っぐ――!!? っ、ぅ、ぁ……!! っ~~!!」

普通の夜の営みであれば、多少なりとも喘ぎ声を上げて、それでおしまいの愛撫に過ぎない。

しかし今、カクレは声を出してはいけなかった。ほんの少しうめき声を出すだけで、全身を柔らかな羽根ですっとなでられるようなむず痒さがやってくる。今の彼女には、何てことのない愛撫がひどく恐ろしい。

「そんなに胸に空気を溜め込んで、苦しくないですかぁ? 早く喋っちゃったほうが楽になれますよぉ♡」
「っ! ふっ、ぅぅ……!? うっ、っっ……!!」

ルグが、カクレの全身を自由気ままに愛撫していく。首筋から始まって、肩。少し刺激が和らいでほっとしかけたところで腋の下に移り、そして胸。

カクレの胸は大きかった。ルグも負けず劣らずの大きさだが、ルグの乳房はマシュマロのように柔らかく、一方でカクレの胸はゴムボールのように弾力がある。自分とは違った魅力を持つ乳房を、ルグがもてあそんでいく。

「うはぁ、大っきいおっぱい~♡ 私と違って腰も細いし、ずーるーいーなぁ~」
「ふぁ――♡ っっ……!! ぅ゛ぅぅぅ……!?」

カクレの体がびく、びく、びくと震えていく。

生まれて初めて体をもてあそばれるというのは、妙な気分だった。嫌悪感は確かにある。もしも感情を吐瀉物としてぶちまけることができるなら、このベッドはもうとっくに、気持ちの悪い黒色に染まっていただろう。

しかし、その中に確かな快感が混じり込んでいるのが、カクレには信じられなかった。胸に指先を食い込ませられる度に、鼻から薄紅色の吐息が漏れて、降り積もる花びらのように黒を上塗りしていく。

そしてルグの右手が秘所に移ると、その快感はさらに強くなる。

「あれあれあれぇ? もう、濡れちゃってるじゃないですかぁ♡」
「っーーーー!!? っひ――♡♡♡ ぁ゛――!!?」

「うーん。カクレちゃんは処女かな? それじゃあ、外だけでたっぷり気持ちよくしてあげますねー♡」
「っ、っ、っ――!!? っ~~~~~~~~!!!」

ルグがカクレに馬乗りになって、左手で乳首を、右手で秘所を弄り続ける。

ぐち、ぐち、ぐちという音が響くたびに、カクレはパニックで大声を上げたくなった。

 

「っぐ……!!? ぅ――♡♡♡ ふーーっ、ふーーーーっ!!!」
「うーん」

カクレには知り及ばないことではあるが、妖しく笑いながら責め立ててくるルグには、一つ誤算があった。拷問対象である彼女の性感が、想定していた以上に開発されていないということだ。

(せんぱいだったら余裕なんだろうけどなぁ)

性拷問を生業としている以上、ルグは人並みよりはずっと熟達している。にでも行って働けば、さぞ『テクニシャン』と称され、もてはやされたことだろう。それでも、心を読む《能力》を持つフランと比較すれば、遠く及ばない。彼女はあらゆる人間の性感を瞬時に、正確に知り尽くすことができるのだ。

こうも全身をがちがちに固めている生娘を相手にするとなれば、ルグでは嫌でも時間が掛かってしまう。

「ねえねえ、カクレちゃん。そろそろ教えてくれませんかぁ?」
「っ……!!」

「だめぇ?」

カクレは敵意のこもった目でルグをにらみ付ける。無口で人付き合いが苦手な彼女でも、傭兵としての気概は十分に持っていた。彼女は『まだ何とか耐えられる』と思っていた。しかし、それはただの思い上がりだ。

ルグの誤算とは、決して深刻なものではない。たとえ相手の心を読むことができなくとも、女性を堕とす方法などいくらでもあるのだ。

「それじゃあね、これからはちょーーっと、きついですよぉ♡」

カクレの目の前で、ルグはにんまりと笑う。その表情があまりに恐くて、カクレは自分の全身に力を込める。筋力自体はあまり強くない彼女ではあったが、仮にイチモツを挿れられそうになっても、膣の締め付けだけで拒んでやろうと思うぐらいには一生懸命だった。

しかし、その努力は全て無駄だ。女性であるルグにイチモツが生えているわけでもなければ、何かしらの道具を挿入するつもりもない。

ルグは、両手足を上下に伸ばした姿勢で拘束されているカクレの、無防備な脇腹をくすぐり始めたのだ。

「こちょこちょこちょこちょこちょーーっ♡」
「んぐふぅっ!!? な゛、ぐぅ~~~~~~~~っ!!?」

指先を立てて、皮膚の表面をこそぐその手付きは、断じて性感を与えるためではない。笑い声を上げさせるための『くすぐり責め』だ。

今までとは明らかに違う刺激に、カクレの悲鳴が喉まで出掛かった。

「おお? 不意打ちしたのに耐えるなんてすごいですねぇ♡ でもまだまだこれからですよぉ? ほらほら、こちょこちょこちょこちょっ♡」
「ふぐっ、ふ――!!? っ、ぐっ、ぅ――!!!」

「お腹は耐えますねぇ、それじゃ足の裏はどうですかぁ♡」
「っーーーー!!? っ、っ、っーーーー!!!」

ルグがカクレをくすぐっている傍らで、その様子を見守っていたフランは『趣旨が違う』とため息を付いた。

「何をやっているんだか……」

しかし、ルグが行っているのは紛れもなく拷問である。体をくすぐられ続けるのはつらいし、その上で声を出すことを我慢しなければならないのなら、余計につらい。

ルグとそれなりに長い間付き合ってきたフランは、先ほどのやり取りを思い出す。『今日は私に任せてもらっても?』――今日のルグは、性拷問に乗り気だった。まあ彼女は大体いつもノリノリだけど。しかし、今日特にやる気だった理由は、想像に難くない。

「っぐっ、ひ――!! ぁ゛、ぎひ――!!?」
「ぁ゛ー、いいですねぇ♡ かわいい顔が歪んじゃってますよぉ、そんなにくすぐったいんですかぁ♡ いっそ思いっ切り笑っちゃいません? 笑ったら楽になれますよぉ♡ え゛へへへへー♡」

「っ!!! っ!!! っーーーーーーーー!!!」

ルグの声が濁ってきた。興が乗ってきた証拠だ。

音無カクレという女性は、一見大人しい性格をしている。しかし『《能力》があればどうにかなる』などとどこか傲慢なところがあって、その《能力》を封じられたと知るや否や絶望する――サディストの気質があるルグにとって、彼女は実に、いじめていて愉しい相手だったのだ。

 

数分程度のくすぐり責めが続き、声を出すのを必死に我慢し続けたカクレの息が、ぜえぜえと切れている。一方で、ただ指を動かすだけのルグは、息一つ切らさず愉しそうに笑うだけ。どちらが主導権を握っているかは、誰が見ても明らかだ。

「あーあ、足の裏も耐えきられちゃいましたねぇ」
「っーー! っーーーー!」

「それじゃあ、はどうかなぁ♡」
「っ!!?」

胸を大きく上下させながら息を整えるカクレの腋の下に、ルグの手が近づいていく。

――!!?」

ルグの言葉は、カクレが思わず自らを破ってしまうほどの恐怖だった。

そして自らの悲鳴が全身を愛撫するよりも早く、10本の指先がカクレの腋のくぼみに触れた瞬間、圧倒的な刺激が彼女を襲った。

「――っぁぁあああっはっははっははははははははははははははひぃぃぃっ!!!? くしゅ――!!!? くすぐったひぃぃぃぃっひっひゃっははははははははははははははははははははぁぁぁぁぁあっ!!!?」

「お゛っほ、クリティカルヒットぉ♡ カクレちゃんの弱点はここでしたかー♡」
「やめっ、やめぇっへっへへへへへへへへへへへへへへへ!!!? ひ――♡♡♡♡ こえっ、声――!!!? ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああっ!!!!」

他人に体をくすぐられるなんて、子どものころ家族か友達にいたずらでされたぐらいか。そんな数少ない経験でも自覚できるぐらい、カクレは腋の下が弱かった。そんな部位を、体を拘束されて無防備な状態で、指10本を総動員してくすぐられる。これまでの人生で感じたことのないくすぐったさが、彼女を大笑いさせた。

腋の下があまりにくすぐったいから、最初こそ気付かなかった。しかし確かに、無理やり吐き出された笑い声がを乗せて、彼女自身の全身に襲い掛かっていく。

「っ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡ ぁはっ、ひぇ――!!!? 体っ、全部っ♡♡♡♡ 来て――!!!?」

ルグは、『気持ちよさは声の大きさに比例する』と説明していた。弱点の腋の下をくすぐられて笑い転げる声は、あまりに大きかった。その声によって齎されたのは、ねっとりとしたものが、全身を無秩序になでていくような感覚。まるで全身にローションをぶちまけられて、大勢の人間の手で全身の皮膚を陵辱されるかのよう。

しかしここで、カクレにとってが二つあった。一つ目に、彼女の全身を襲うのは、あくまでも声によるだということ。神経を直接弄って性感を覚えさせる類のものではない。そして二つ目に、それがくすぐり責めによって引き起こされたものだということ。

つまり、声による愛撫を、くすぐったく感じてしまう場合もあるということだ。

「くしゅぐっだひぃぃぃぃぃぃっひっひゃっははははははははははははははははぁぁぁぁぁぁぁぁぁああっ!!!? なんでっ、声――♡♡♡♡ こえがくすぐっだひぃぃぃぃっひっひゃっはははははははははははははははははははぁ゛~~~~~~~~!!!?」
「あらら? 私、今くすぐってませんよ?」

「やめっ、やめ゛ぇぇぇっへっへへへへへへへへへへぇぇぇぇぇぇぇえええええっ!!!? こえがっ、声がくすぐっだいのぉぉぉぉぁぁぁぁあ゛っはっははははははははははははぁ゛ぁぁぁぁあああ~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!!!」
「……あらー。もしかしてにくすぐられてます?」

カクレは自身の声に全身をくすぐられて笑い悶え続ける。

これには、さしものルグも予想外だったようだ。意図せず拷問対象をくすぐり地獄に落としてしまった彼女は、冷や汗を流した頬をかいてから、しかし笑うのだ。

「……これは、い゛ーですねぇー♡」
「ぃぎひっ、ひひひひひひひひひ――ッ!!!?」

実際問題、全身を激しくくすぐられ続ければ、誰であろうとつらい。予想外の形ではあるが、拷問としては一応のところは成立していた。

そして彼女の全身をくすぐっているは、あくまでもである。むず痒い刺激が、腋の下や脇腹、足の裏だけではなく、胸にも、尻穴にも、秘所にも、声の届く全身に及び続ける。カクレが笑い悶えながらも性感を高めてしまうのは、何ら不思議なことではないだろう。

「なんでっ、全部――!!!? ふぁっ、ぉ゛――♡♡♡♡ ぉっほほほほほほほほぉ゛ぉぉぉぉおおおっ♡♡♡♡ くしゅぐっだひのにっ、何かっ、変んんんんんっひひひひひひひひひひひひひひぃぃぃぃぃぃぃぃいいっ♡♡♡♡」
「あれれー? カクレちゃん、気持ちよくなっちゃってますぅ? 全身をこちょこちょされて気持ぢよぐなっちゃってるんですかぁ゛ー♡」

「だめっ、これ――!!!? いっ、イ――♡♡♡♡ いっひひひひひひひひひっ♡♡♡♡ ぃぃぃいいいぃぃぃいいいいいっ!!!?」

確かに近づいてくるに、カクレの声が引きつっていく。焦り、恥ずかしさ、悔しさ――さまざまな感情に入り交じって、ほんのわずかな期待を抱いてしまうのは、性感を与えられた人間のとも言える。

しかし、カクレにとって不都合な、があった。今まで知らなかった、自身の癖――彼女は普段無口なくせに、絶頂するとき大声を上げてしまうタイプだったのだ。

「っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぁっはははははははははぁぁぁぁぁぁあああっ♡♡♡♡♡ っっっあ゛ーーーーーーーーーーーーーーーーっ♡♡♡♡♡ ッ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

「あ、そんなに大声出したら」
「――ぃぎゃーーーーーーーーっはっはははははははははぁ゛ぁぁぁぁああああああああっ!!!!? ぐしゅ――♡♡♡♡♡ さっぎよりくすぐっだはぁぁぁぁぁぁぁっはっはははははははははははははははぁ゛ぁぁぁぁあああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ♡♡♡♡♡」

それは無限の負の循環の始まり。自身の大声によってさらに大きな快感が全身を襲ってきて、カクレはした。

 

もしも、この拷問の経緯を最初から知っているものでなければ、何が起こっているのか理解できないだろう。

「ぁ゛ーーーーっはっはっはははははははははははははははははひっ!!!!! ひぎっひひひひひひひひひひひっ♡♡♡♡♡ くしゅぐっだっ、きもぢひ――♡♡♡♡♡ っぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!!!!?」

「……何だか、すごいことになっちゃいましたねぇ」
「本当にね」

ルグも、フランも、手を一切触れることなく、息を吹きかけることすらなく、カクレが悶え続ける。全身を襲う感覚はあまりに強烈で、もはやくすぐったいのか気持ちいいのかも分からない。分からないまま、イキ続ける。

「やだっ、やだぁぁぁぁっはははははははははははははははっ!!!!? も゛っ、声出しだぐな――♡♡♡♡♡ やだっ、いぐっ、イ――♡♡♡♡♡ っぎゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

カクレとて、この地獄を望んでいるわけではないし、どうしてこんなことになっているのか理解していないわけでもない。自分の全身を犯し続ける声を、我慢できるものなら我慢したかった。だけどあまりにその感覚は強烈だから、ただの1秒の我慢できない。『自分のせいだ』と思うと、全身がじりじりといら立ってきて、脳の回路がショートしてしまいそうだ。

「ま。このままじゃあ暇なので、私も参加させてもらいますね♡」
「ぃぎっ、ひ――♡♡♡♡♡ も゛っ、やめ――♡♡♡♡♡」

ルグは、カクレの声を搾り出すために、再び彼女の腋の下をくすぐり始めた。

「ぃや゛ぁぁぁぁっはっはははははははははははははははははぁ゛ぁぁぁぁあああっ♡♡♡♡♡ わきっ、わぎぃぃぃぃぃぃぃいっ♡♡♡♡♡ にっ、2倍くしゅぐっだぁぁぁぁぁぁっはははははははっ♡♡♡♡♡ ぁ゛ぁぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「あれあれぇ、もしかして、腋の下くすぐられるだけでイッちゃったんですかぁ♡」

カクレは、腋の下をくすぐられるだけで感じ、またあっという間にイッてしまう。

当初はあんなに生娘らしい体だったはずなのに。もはやカクレの体は快感とくすぐったさの区別が付かないぐらい、開発されていた。

 

声を出す限り、快感は止まらない。それならば、カクレの全身を襲う快感が止まるのは、果たしていつになるだろうか。

その答えは、あまりにも遅すぎるタイミングで分かる。

「ぁ゛はははははははははぁぁぁぁぁぁあああっ♡♡♡♡♡ ひーーーーっ♡♡♡♡♡ ひーーーーーーーーっ♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ゛ッッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ひ――」
「あ」

あまりにも全身を襲う快感が強烈で、あまりにも気持ちよすぎて、あまりにも絶頂しすぎて。カクレは、ぷつんと糸が切れるように気絶してしまうのだった。

全身の力がぐたりと抜けて、秘所からは体液がちょろちょろと漏れ出ている。しかし気絶してなお、口からは喘ぎ声が零れ続けていた。

「ひっ、ひひ――♡♡♡♡♡ ひ~~~~~~~~~~~~~~~~……♡♡♡♡♡ ひゃはっ♡♡♡♡♡ ぁお゛っ、ぉ゛ぉぉぉお……♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぉ~~~~~~~~~~~~~~~~……♡♡♡♡♡」

気絶してなお、カクレは自分の声でもって愛撫され、絶頂を続けている。その声量は、先ほどと比較すれば明らかに小さいが……一体いつになったら、長く恋い焦がれ続けた平穏はやってくるのだろうか。

その様子を見て、ルグは『たはは』と笑った。

「気絶しちゃいました」

「もうみたいだし、起きた時にはいろいろと話してくれると思うよ。それから先は、の人間に任せよう」
「でっすよねー! あはは、あーよかった!」

「まあ、私たちは残業することになったけど」
「あはは、すみませぇん……」

 

「へへ、へ、へぇぇ゛……っ♡♡♡♡♡ へっ、へぇぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~……♡♡♡♡♡ ぇへっ、ひ――ッ♡♡♡♡♡ ッ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~……♡♡♡♡♡」

カクレにとっては、もう情報なんてどうでもいいだろう。

これからの人生、ただ《能力》を使うだけで妙な気分になり、誰かにいたずらで体をくすぐられるだけで発情し絶頂してしまうことのほうが、彼女にとって重要なのだった。

 

――――
――

 

休憩室にて。フランはベンチの背もたれに深く寄り掛かっていた。

「はぁ……」

拷問の後は、少し気が滅入る。

悲哀、恐怖、後悔、憤怒、憎悪。人の黒い感情を向けられて、『何も感じるな』というほうが無理な話だった。《読心》という異能は拷問に実に適した能力だが、その分だけ代償も大きい。

いつか、ルグがフランのことを『真面目』と評したことがあったが、彼女自身は違うと思っていた。ただ、胸の中をぐちゃぐちゃにされるようなその感情を、自分に向けてほしくないだけだ。というか、本当に真面目なら社長を『クソババア』呼ばわりしない。

「……みっともない体勢だな」

いつの間にか、自宅のソファでくつろぐかのように、休憩室のベンチに寄り掛かっていた。『仕事場で晒していい格好ではない』とフランが少し姿勢を正すとちょうど、休憩室の入り口から足音が聞こえた。

「君か、ウルツア」
「……チッ」

休憩室に入ってきたのは、生意気な新人ウルツアだった。

フランに対してあいさつも会釈もなく、むしろ舌打ちしながら顔を背ける始末。『社会人にあるまじき行為だな』とフランは思ったが、あまりにも憎々しげな表情をしていたから指導を諦める。今の彼女には、何を言っても無駄だろう――フランは鼻から静かに息を吐いた。

すると、ウルツアはフランの前を通る間際、彼女を見下ろして立ち止まるのだ。

「……テメェ、何してたんだ」
「仕事だよ。内容上、詳細は教えられない」

「フン、バカみてーに疲れてるじゃねーか」

『自分との手合わせでは息一つ切らさなかったくせに』――ウルツアは、そんな恨み言を込めたつもりだった。

しかしその何てことのない言葉に、フランは目を見開いた。フランの驚くような反応に、ウルツアもつられて驚いた。

フランがぽかんとした表情のまま言う。

「どうして、そう思った?」
「ぁ? 思ったも何も、そんな死にそうな顔してりゃ嫌でも分かんだろ」

フランは自分の頬に右手を当てた――そんなに顔に出ていただろうか? 知り合って間もない相手の前で?

その間に、ウルツアは『訳分かんね』と舌打ちしながら自販機のほうへと歩いていってしまう。グアバ焼き芋、めかぶソーダ、魚介だしナタデココ、いちごタバスコ――自販機のおぞましいラインナップに、彼女は『何だこりゃ!?』と叫び声を上げていた。

 

目次

表紙
 #簡単なご案内など
第1話 読心 -ノンバーバル-
 #クリ責め #電マ #ローションガーゼ
第2話 自声愛撫 -ジメツ-
 #くすぐり #声我慢 #超音波
第3話 非接触絶頂 -ムッツリ-
 #ささやき #見せつけ #脳イキ
第4話 絶頂引延 -トワノマタタキ-
 #シリコンチェーンソー #ブラシ責め #体感時間操作
第5話 はじめての
 #クンニ #寸止め
第6話 感覚遮断 -カイカンノサキオクリ-
 #乳首責め #ニップルドーム #クリ責め #電マ #くすぐり #感覚遮断
最終話 伝心 -ワタシノココロ-
 #キス #胸揉み #電マ #くすぐり #ブラシ責め #感覚共有
おまけ
 #キャラクターのちょっとした紹介

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