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◆あらすじ
不思議な力を持った双子の絆を引き裂く――そんな名目で、魔王がある簡単なゲームを持ち出しました。それは負けたほうが快楽という名の責め苦を受け、引き分けなら痛み分けというもの。最初こそ、意図的に引き分けを重ねて仲良く快楽責めを受けてきた双子の姉妹。しかし何度も何度もイカされ続けると、耐えかねた片割れがついに……。
双子快楽オムニバス
770円(税込)
双子なら快楽責めも『1+1=2』を超える気持ちよさに。双子姉妹への快楽責めに特化した短編集です。快楽責めの内容は、おち○ちんやクリ責め、乳首責め、アナル、集団愛撫、焦らし、くすぐり、大人のおもちゃ、異種姦(機械姦・触手)など。文字数は10万字ほど。
極東の国に『星屑繋ぎの巫女』と呼ばれる巫がいた。
真の勇者が現れたときにだけ行える儀式によって、聖剣の封印を解くことができるだとか、あるいは魔王を封印することができるだとか、はたまた魔界につながるゲートを開くことができるだとか。その逸話には統一性がない。
しかしその起源をたどれば、実に数千年もの時をさかのぼることができる。具体的に何が起きるのかは分からなくても、『何も起きない』と思うのはあまりにも楽観的だろう。
「――まぁ要するに、魔王である俺としては、君たちが怖いんだよ。うん」
「魔王イト……!」
「あなたが、全ての人間の敵……!」
姉妹を同時に堕とす陵辱その2 シンクロ双子の姉妹愛崩壊チキンゲーム
『セ』と『ラ』――『星屑繋ぎの巫女』として生まれ、大切に育てられてきた二人は、姿形がそっくりだった。
神秘的な白色の長髪、誰でも見とれるであろう美しい顔立ち。半透明な一枚布を巻き付けたような衣服は時折素肌をのぞかせるが、それがむしろ彼女たちの神聖さを際立たせる。しかし女性としてはまだ成長途上か。顔付きは童顔で、体は細く、胸や尻も膨らみかけだ。
「ラ。脱出は可能?」
「セ。無理、びくともしない」
そんな未成熟な体は今、椅子に縛り付けられている。
姉妹にとって不可解な椅子だった。きれいに磨かれた金属で作られた椅子は、重く、身を揺すってもびくともしない。しかしたとえ帝国が裏で抱える拷問官であっても、わざわざこんな手間の掛かる素材で椅子を作るだろうか? それに、金属の所々にある継ぎ目は一体何なのだろう?
「不可解。なぜ殺さない」
いつも先に口を開くセは、双子の姉だった。目つきが少し鋭く、白色の髪にはほんのりとした緋色が混じる。
「私たちを捕らえて、どうするつもり」
セを追うように言葉を紡ぐラは、双子の妹だった。目つきが少し柔らかく、白色の髪はわずかに蒼い。
そんな二人の前にいるのは、魔王その人――名前をイト、人間の仇敵の最上位。
「まったく、ファミコン時代からのお約束だけど、どうして双子の姉妹ってのは重要なイベントを担うのかね? 君らも大変だろうに」
「ふぁみ……?」
「理解できない」
よく分からないことをのたまう魔王は、姉妹から見て『優男』としか呼べない存在だった。
確かに体付きは成人男性のものだが、特別大きいわけでもなければ、筋肉が発達しているというわけでもなく、到底戦いに身を置いているとは思えない。体格に合っていないのか、それとも着慣れていないのか、仰々しい黒衣がなんて似合っていないのだろう。
目は二つあって、鼻の穴も二つ、口は一つ。肌は血の通っていない青色ではなく、角も尻尾もない――その姿はまるで人間のようだ。
「まぁいいさ。それより本題に入ろう」
魔王はへらへらと笑いながら、椅子に拘束されたままの姉妹たちに言うのだ。
「俺は君たち『星屑繋ぎの巫女』ってのが怖くてね。だけど真の勇者が現れたときの儀式ってのは、二人が固い絆で結ばれていなくちゃだめなんだろう? だから君たちにはちょーっとだけ、姉妹仲を悪くして欲しいなーなんて」
「不可能」
「星々の絆は固い」
「えー? でもさぁ、一緒に暮らしてたら不満の一つも出てくるでしょ? 俺だって双子じゃないけど兄貴がいてさー、漫画貸してくれないしチャンネル変えてくれないし、もーいつも『ふざけんなー!』って感じでさ」
「皆無」
「恥を知れ」
「やだぁ、この二人すっごい辛辣」
魔族に対する切り札となり得る巫たちが、魔王に屈するわけにはいかない。どれだけ恐怖し手足が震えようとも、彼女たちが魔王の言葉に、首を縦に振るつもりはなかった。
もっとも、元々表情が薄く声音が平坦な二人。その態度は、見ようによってはただ無慈悲なようにも見えるのだが。
「だからさ、ちょっとした遊戯をしよう」
しかし魔王は表情を変える。にやりとした笑みからにじみ出るどす黒い感情は、姉妹の背筋を凍らせた。
「それじゃあ、ずっと温めていた新作マシーンをぽちっと」
「何……!」
「椅子から、腕が……!?」
そして魔王が手元にある金属の板のようなものを指先でとんと叩くと、鉄の塊のような椅子から、鉄の腕が伸びてきたのだ。
数は上半身の位置に二本、下半身の位置に一本。腕は細い上に、関節がなく、ぐねぐねと蛇のように柔らかい。その癖、手首から先は白色である以外、人間のそれと変わらない。
幾本もの腕が、姉妹の全身に絡みつこうとする。
「く……!」
「こんなもので、私たちが……!」
魔族は『ゴーレム』というものを扱う。泥や石に魔力を宿した人形だ。知能は低いが戦闘力はすさまじく、高い技術を持った技師に作られたゴーレムは、鎧を着た剣士を圧倒することも容易い。
そんな知識があったからこそ、拘束された自分の体を痛めつけられる光景を想像したセとラは、反射的に全身に力を込めた。
しかし痛みはやってこない。
「っあ……?」
「何をして――ぁ、ぁあ、ぁぁぁぁああ……!!?」
鉄の椅子から伸びた鉄の腕は、彼女たちを痛めつけることなく、その柔らかな全身をなで回し始めたのだ。
「ひぁうっ!? なっ、い、嫌……!? ぁっ、あっぁっ、ぁぁああ……!!」
「この、腕……! 敏感なところばかり、なで……!? ひぅっ!? ひゃぅぁぁ……!!」
それは二人にとって、極めて不可解な感覚。
痛みどころか甘さすら感じるそれは、紛れもなく『性的快感』だった。
「いや、やめ……!? 胸、は……!? ぁひんっ、ぁぁぅう……!?」
「そこ、も……!? ひっ、そこは、もっとだめぇ……!!」
鉄の腕はすぐさま、姉妹たちの胸部と秘所を襲う。小さな乳首や陰核を器用につまみ、痛みを及ぼさない絶妙な力加減でもみほぐすように動く。その感覚は単純ながら強烈だ。
「ひゃぅ、ぁあっ!!? っ~~~~~~~~!!? ぅあぅ~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡」
「もう、だめっ!!? っ~~~~~~~~!!! ふぅう~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡」
結果、セとラはあっという間に絶頂を迎える。
腰が軽くビクつく程度の、まだほんの軽い絶頂。しかし自分に向けられた邪な感情を理解するには十分なものだったろう。
「さて、君たちが何をされるか理解したろう?」
「ふぅ、ふぅぅ……♡ まさか、こんな……!」
「この、下衆が……! ぅくっ、はぁぁ……♡」
魔王は二人同時に絶頂するのを見届けてから、満足げに頷いた。鉄の腕が巣穴を求める蛇のように、うねりながら椅子の中に戻っていく。
つまり、彼は『性的な恥辱を与える』と言っていた。困惑、嫌悪、恐怖――さまざまな感情が姉妹の胸にまとわり付く。
「だけどこれからその目に遭うのは、一人だけだ」
「……理解不能っ」
「何が、言いたい……っ?」
「言っただろう? ゲームだって」
「げー、む……?」
「一体何を……」
「よし、始めていこうか。その名も、『反射神経ゲーム』ー!!」
ますます意味が分からない。
しかし突然、二人が座っていた椅子の肘置きがかしゃりと開いて、ちょうど手のひらの所に何かが現れるのだ。手のひらにちょうど収まる、半球上の金属。
双子が何となくその半球に手の重みを乗せてみると、『カチリ』という小気味のいい音と感触がした。
「俺がランプを持っているだろう? このランプがある時、突然点灯する。君たちはこいつが点灯した瞬間、手元にあるボタンを押すんだ」
「ぼたん……?」
「これを押せ、ということ……?」
「その通り! そしてランプが点灯してから、より速く押したほうが勝者となる。ただし、まだ点灯していないのに押してしまったら、お手付き。つまり反射神経の勝負ってわけさ」
手のひらで押せばカチカチと鳴る、謎の道具。それは姉妹にとって、いや、この世界にいる者たちにとって、見たことのない道具だった。先ほどの『ゴーレム』の様なものと言い、この男の底が知れない。
「いやぁ。俺も昔は、スーファミでこの手のミニゲームを結構やり込んだんだがね、難しいのなんのって。今やってもクリアできるのかね?」
「……解せない」
「……こんなことをさせて、一体何を」
「負けたほうは罰を受けてもらう」
「罰……」
「まさか、それは……っ」
「そ、さっきの」
魔王の表情は、たびたび姉妹の背筋を凍らせる。底知れぬ欲望にまみれた、醜い表情だ。
姉妹はようやく、ほんの少しだけ合点が行った。要はこの魔王は、遊戯で競わせることで自分たちの仲を引き裂きたいのだ――と。同時に、不可解でもあった。どうしてわざわざ、こんな回りくどい方法を取るのか。
「それと、そうそうないことだろうけど、もしも引き分けたら、罰ゲームを二人で半分ずつ受けてもらおうか」
「引き分け……」
「つまり……そう……」
「さて、それでは楽しい楽しい『反射神経ゲーム』の始まりだ! てれれれ~ん」
双子は知る由もない。そもそも、この遊戯に大した意味などない。魔王はただ、意味のない遊戯で快感にのたうち回る美少女たちを見たいだけだった。
何の意味のない、ただ魔王の退屈と欲望を満たすだけの遊戯が始まるのだ。
「さぁ、まずは一戦目だ」
魔王の手にかざすランプが点灯した瞬間、より速く手元のボタンを押したほうが勝ち――それは実に単純な遊戯だ。しかしたったそれだけの遊戯が、不思議と場に緊張感をもたらす。一瞬の油断も赦されないためか、それとも負けたときの代償が大きいためか。
「っ……」
「ぅ……」
そして姉妹たちがそろって十数回呼吸した後、頭蓋ほどの大きさのランプが、『ピコン』という間抜けな異音を鳴らしながら、黄色い光を放った。
「っ」
「っ」
心身の緊張が最高潮に達するセとラ。しかしランプが点灯してなお、二人はボタンを押さない。
「あれあれ、どうしたー? ルールを忘れちゃったかー?」
「…………」
「…………」
「言っておくが、押さないってのは無しな? したら、さっきよりもひどいことしてやる」
それでも、二人はすぐにはボタンを押さない。魔王は笑うが、内心では実に想定どおりの流れだった。
双子は姉妹愛が強かった。故に二人はお互いにうなずき合ってから、全く同じタイミングで、ボタンをそっと押すのだ。
「……へぇ」
魔王が感嘆の息を漏らす。『Draw!』――明るい光を灯したランプが、双子には読めない言語の文字を映しだした。
「こいつは大したもんだ! いくら示し合わせたとは言え、コンマ1秒まで同時にボタン押すなんて、普通できるもんかね?」
「私たちは『星屑繋ぎの巫女』」
「これぐらい、造作もない」
実際、二人同時にボタンを押すというのは、極めて難しい。いくら示し合わせても多少の誤差が出てしまうのは当然。もしも寸分のずれもなく、狙って同時に押すことができるとしたら、それは『神業』と言って差し支えない。
……しかし双子はいつになったら気付くだろうか? その神業をもってしても、事態は何も好転していないということに。
「それじゃあ、二人で仲良く罰ゲームを受けな」
そして、二人の体にまた鉄の腕が群がり始めるのだ。
「っあぅっ!? こんなのっ、くぁっ♡♡ ぁぁぁぁぁああっ!!?」
「私たちは、ぁひっ♡♡ こんなので屈しない、ぃぅぁああっ!!」
魔王は先刻、『もしも引き分けたら、罰ゲームを二人で半分ずつ』と言っていた。しかし腕の本数、その動き、その快感量、どれを取っても最初に受けた辱めの比ではない。胸部や秘所だけでは飽き足らず、首筋や腋の下、脇腹、内股、ふくらはぎをもしつこくなで回す。
若く敏感な少女を絶頂に至らしめるには、十分すぎる強度だ。さらには一度イカされたせいか、神経が過敏になってような気すらする。
「っあっ、ふぁ、ぁあ――!!? っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」
「はぅぁっ、ぉぉお――!!? っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」
二人はまたあっけなく、しかし同時に絶頂を迎えるのだ。
「ぁ、ぁぐ、ぁぁ……♡♡」
「ぉぉ、ぉぉぉ……♡♡」
「それじゃあ二戦目、行ってみよう!」
休憩する暇は与えられない。魔王が遊戯の再開を告げると、二人の意識が強制的に目の前のランプに集中させられる。
「っく、ぐ……!」
「ぁあ、ぁぁ……」
体が熱い、呼吸が苦しい、目から涙がにじんでくる。二人で示し合わせるのであればよそ見も許されるはずなのに、不思議な緊張感のせいで目を離すことができなくなる。そのせいで、余計に苦しい。
そしてまた十数呼吸後にランプが点灯した瞬間、二人の体が跳ねるのだ。
「時間稼ぎされても困るし、こちらでカウントしようかね。はい5ー、4ー、3ー……」
「ラ……!」
「セ……!」
二人はまた、同時にボタンを押す。
「すごいな。テレビに出てくるような神業人間たちを間近で観ている気分だ」
「はぁ、は……っ!」
「ふぅ、ふぅぅ……!」
再び表示される『Draw!』という異世界の文字。双子にはそれが何を意味するのか分からないが、『同じ文字ということは成功したのだろう』ということだけは察せられた。
「そいじゃあ、次はあいつを使ってみようかね」
「鉄のゴレームじゃ、ない……?」
「何を使うつも、り……」
その瞬間だった。椅子に座っている二人の膝上に、透明な粘液がぼたりと落ちてきたのだ。
二人が真上を見上げると、二つの触手の塊が天井にへばりついていた。赤、青、紫、グロテスクな肉が絡みついたその様は、口数の少ない姉妹であっても、さすがに喉を鳴らす光景だ。
そしてその触手の塊は、ぼとりと落ちて双子の姉妹をそれぞれ包み込むのだ。
「ぁ、あ、ぁああああっ!!?」
「何、これ……!!? 嫌、いやぁぁぁぁああ!!!」
「おっと、落ち着いて、お二人さん。こいつはこういうことのために品種改良された触手だ。刺したり噛んだりはしないし、毒もないから安心してくれよ」
「ぁっ♡♡ あっぁっあっぁぁぁあっ♡♡♡ 全身、なめられ、ぇぇぇええええっ!!?」
「ぐちゅぐちゅがっ♡♡♡ ぬるぬるしてっ♡♡♡ ぁぁぁああっ、ぁぁぁぁぁぁあああああああっ!!!」
鉄の腕と比べれば、触手の動きはいくらか粗雑だった。愛撫が双子の性感を外すこともままあり、力加減も精密さに欠ける。
しかしぬるぬるとした質感は、鉄の腕にはない特権だ。衣服の中に潜り込んで乳首やクリトリスを多少強くこすっても、痛みのない純粋な性的快感が襲ってくる。おまけに、異形の生物に触れられる嫌悪感のせいで、精神的なダメージが強い。
「ひぅっ♡♡♡ ひっ、ひっ♡♡♡ こんなのに、こんな触手にぃ!!? っ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」
「やだっ、やだっ、やだぁぁぁああああっ♡♡♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」
そして二人はまた、椅子に縛り付けられたまま背筋をのけ反らせて絶頂するのだ。
「ほら、次だ次。休んでる暇はないぞー?」
「っあぐっ♡♡♡ ま、また……!!? ぁ、ぁ゛ぁぁ……!!!」
「ぉ゛ぉぉ……♡♡♡ やすっ、休ませ……!!? やす……!!!」
「問答無用ー。はいランプに注目ー!」
三回目のランプ点灯。二人は絶頂の余韻から覚めず涙をぽろぽろと流したまま、しかしまた同時に押すことに成功する。
「はーー……っ!!! はーーーー……!!?」
「いつまで、これ、続いて……!!?」
「次はちょっと趣向を変えてみよっか?」
またイカされる――そう思って目をぎゅっとつむって身構えた双子だったが、彼女たちが思っているよりもずっと、魔王は陰湿だった。
次の瞬間襲い掛かってきたのは、性的快感とはまた違った感覚だったのだ。
「ぁはぁぁぁあっ!!!? ぁはっ、何――!!!? ぁ゛ーーっはっははははははははははははははははははぁぁぁぁああ!!!?」
「くすぐっふふふふふぅぅぅ!!!? くすぐったぁぁーーーーっはっはははははははははははははははははぁぁぁあああ!!!!」
腋の下、脇腹、太もも、足の裏――触手の粘液で汚れた体の至る所を、鉄の腕がくすぐり回す。今までとはまったく違う感覚に、二人は悲鳴を上げた。
「あっはは! 驚いた? マンネリになるといけないから、全身くすぐり機能も入れておいたのさ!」
「くすぐったぁぁぁあっ!!!? 腋っ、わきぃぃぃぃぃぃいっひっひゃっはははははははははははははははぁーーっははははははははははははは!!!?」
「あしぃぃぃぃいいい!!!? 足の裏は嫌ぁぁぁぁぁああっはははははははははは、ぁぁぁぁっははははははははははははぁぁぁあああああああ!!!?」
「うーん。いいねー。普段言葉数の少ない女の子が笑い悶えているのを見るのは、なかなかクるものがあるなー」
重大な役目を担うが故に、大切に育てられてきた二人が――否、普通に育てられてきた村娘だったとしても、こんなにも全身を激しくくすぐり回される経験など、そうそうない。
無理やり表情をゆがめさせられて、甲高い声を搾り出される、羞恥と屈辱の感覚。双子たちはただ、パニックに陥ったまま笑い悶えるのみ。
しかしあまりに激しいくすぐり責めが、予想外の現象をもたらす。
「ぁはっ♡♡♡♡ ぁぁああああっ♡♡♡♡ お願い、やめ――!!!? ぇっひひひひひひひひひひひひひぃぃぃいいいい!!!?」
「これ以上、は――♡♡♡♡ これいじょっ、くすぐられたらぁぁっはははははははははははははははははぁぁぁぁああああああ!!!?」
「ぉ? 来るか? まさか来ちゃうのかぁ?」
「ぁはっ♡♡♡♡ ぁ゛ぁぁぁぁぁあああああ――!!!! っ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡ ぁはぁぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」
「ひひっ♡♡♡♡ ひぃぃぃいいいいい――!!!! っ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡ ひっひひひひぃぃい~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」
「おおおおおお!! まさかとは思ったけど本当に来たよ!? まさかくすぐられるだけでイッちゃうなんてなぁ! どれだけ淫乱なんだよ、この双子は!?」
痙攣する腰、ヒクつく膣、噴き出す愛液。下衆な言葉を吐き散らす魔王の側で、双子は体をくすぐられるだけで絶頂に達してしまったのだ。
――――
――
四回目、五回目、六回目――。鉄の腕で、触手で、双子は何度も何度もイカされていく。
「ぁ゛ぁぁぁ……♡♡♡ ぁ゛ぁぁぁぁぁあ……♡♡♡」
「ぉ゛、ぉぉ……♡♡♡ ぉ゛ぉぉぉぉぉ……♡♡♡」
身にまとっていた一枚布はとうの昔に剥ぎ取られ、薄く美しい裸体が魔王の前に晒されている。そんなことを恥ずかしく思う余裕などないぐらい、肉体、精神共にダメージが重なっていく。
「さぁて、これで……ぁー、何回目だっけ? まぁいいや。次行こうか」
「ヒ……!? お願い、もう、ぁぁ、ぁ゛ぁぁ……!!?」
「嫌、嫌、いやぁぁ、ぁ゛ぁぁぁ……!!」
本来、二人が同じタイミングでボタンを押すというのは、極めて難しい行為である。双子の中でも特異な存在である彼女たちだからこそ、薄氷の上に辛うじて成立していると言っていい。
故に、ほんの少し外部から揺さぶり続けるだけで、その薄氷はいともたやすく砕け散るのだ。
「お?」
「ぁ゛――!!?」
「ぇ――!!?」
どちらかの手元がほんの少し狂ったか、目配せが不十分だったか。――それとも、『半身とも言える姉妹を生け贄に差し出そう』などという邪な感情を、ほんのわずかでも抱いてしまったか。
明確に、ボタンを押すタイミングがずれる。ランプに『1P Win!』という異界の文字が浮かび上がり、魔王が姉であるセに向かって拍手を送るのだ。
「いやー、おめでとうっ!! 確か、あー、君は姉のほうだったっけ? とうとう初勝利を達成した感想は?」
「そ、そんな……! これは、嘘……!? 何かの、間違い……!!?」
「いや、嫌……!!? 嫌嫌嫌嫌嫌嫌……!!?」
「それじゃあ、妹の君には罰ゲームだ」
「――嫌゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!!!?」
心の中が真っ黒に塗りつぶされるような悲鳴が部屋を、震わせる。
しかし魔王は優しくない。悲鳴に良心の呵責を感じることもなく、むしろ『待ってました』と言わんばかりに、意気揚々と、妹ラへの罰は執行されるのだ。
「ぁ゛ぐあっ♡♡♡♡ ぉ゛ぉぉぉぉおおおおおおっ♡♡♡♡ ぉ゛ぉぉぉぉおおおおおおおおおあああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」
無数の鉄の腕が、ラの全身をなで回す。
二人で分かち合った罰ゲームですら、耐え難い快感だったのだ。それが一人に集中すれば、頭の中がぐちゃぐちゃになるような心地すらする。
全身をなで回し、乳首をこね、秘所をほじくり、陰核を引っかきまわす。特に性感帯への責めは苛烈で、あまりにも多くの鉄の腕が殺到するせいで、外からではピンク色の粘膜が見えないほどだ。
「ぁが――♡♡♡♡♡ っぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
あっという間に絶頂を迎えるラ。それでも鉄の腕は動きを止めない。
「なんでっ!!!? なんで続いてっ♡♡♡♡♡ もうむりっ、無理ぃ゛ぃぃぃぃぃいいいいいいいいいい~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!?」
「いやぁ、せっかくだから時間も二倍にしようかなって。大丈夫大丈夫! 次勝てば、同じ分の罰ゲームを相手が受けることになるんだからさ」
「ぁ、ぁ゛ぁ……!! やめて、お願い……!! やめてぇぇぇっ!!?」
愛する妹が快感にのたうち回る傍ら、セは金切り声を上げる。
しかし魔王は笑った。セの背筋を凍らせる、ひどく歪んだ笑みを浮かべながら。
「良かったじゃん。君は妹を犠牲にして助かったんだ」
「ち、違……っ!!? 私、は……!!!」
「ぁ゛――っ♡♡♡♡ ぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡ 助けっ、たす――っ!!!! ぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡」
自分のしでかしたことを見せつけるかのように、妹ラへの罰は執行される。
運良く先にボタンを押してしまったセは、真っ青な表情でラのことを見つめることしかできないのだ。
――――
――
「……ラ、だ、大丈夫……っ?」
「ひぎ――っ♡♡♡ ぁ……っ♡♡♡ ぉ、ぉ゛ぉ……♡♡♡」
「それじゃあ、次のゲームに行こうか」
「っ、ま、待って、少し、話を……!!」
「はい、問答無用ー」
魔王は二人に会話する暇すら与えず、遊戯を再開する。
「っ、ぅ……! ラ、私、私……」
「ふぅぅ……。っ……」
当たり前のように続けられる遊戯。
いつ点灯するか分からないランプに意識を集中しなければならない時間だが、セはそれでもラに話し掛けようとする。ラがそれに応えられないのは、快感の余韻に苛まれているせいだと、セは思った。――思いたかった。
片や罪悪感に苛まれるセ、片や貧乏くじを引かされたラ――遊戯に当然の結果が訪れる。
「ラ……」
「……っ!」
ガチッ――!
「……おほっ♪」
うれしそうな、下卑た声を上げる魔王。
セの視線がランプから逸れているさなか、ラはセに目配せすることもなく、ランプが点灯した瞬間すぐさまボタンを押したのだ。
「……なぜ…………」
「……手元が、狂った」
セは信じられないと思った。妹の取った行為が、夢幻の出来事だと思った。
しかし事態は淡々と進んでいく。当然のように、ランプには『2P Win!』という文字が表示されて、そして当然のように、セの体を鉄の腕が埋め尽くすのだ。
「――ぁ゛ぁぁぁあああああっ!!!? ぁ゛っ♡♡♡♡ ぁぁぁぁぁああああああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!?」
生まれてから今に至るまで、一度も感じたことのない量の快感が全身を襲う。セはただ悲鳴を上げながら、快感に身を委ねることしかできなかった。
『仕方ない』と思った。愛する妹を犠牲にして、自分だけが助かってしまったのだから。それに、この一回が何だ、これでお互いに差し引きゼロじゃないか。
――そんな風に思えたのは、最初だけだ。
「ぁ゛ひっ♡♡♡♡ ひっ、ひぃぃぃいっ!!!! っ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!? っ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「うんうん、一回イッたかな? ……それじゃあ、本番はここからだ♪」
「ぁ゛ぁぁぁあああああ゛~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!? つらい゛っ!!!? つらいつらいつらいつらい゛ぃぃぃぃいいい~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
息つく暇すらない絶頂後の快楽責めは、心をずたずたに引き裂くような気持ちよさがある。
「どうしでっ!!!? どうしでぇぇぇええ~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!? っ゛~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!?」
ラは罰を受けているセのことを見ない。
セとて、妹に貧乏くじを引かせてしまったことに対して、罪悪感はあったはずだった。しかしこんなにも暴力的な快感をたたき込まれていれば、黒い感情が沸々と湧いてくる。
「っ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!? ぁがっ♡♡♡♡♡ ぁ゛っ♡♡♡♡ っぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!?」
やがて絶頂し、それでもなお責め苦が続く中、セは黒い感情を胸の中で育み続けるのだ。
「ぁ゛、ぁぁ、ぁ゛ぁぁ……♡」
「セ……ごめんなさい……」
「さて、罰ゲームも済んだし次行くかぁ!」
そしてまた、当初よりも長い時間を掛けてセがイカされると、すぐさま次の遊戯が始まる。妹のラはやり返したことで、大きな罪悪感と引き換えに、少しだけすっきりした気持ちでいた。
しかし姉はそうではない。
「っ……!」
「…………」
魔王イトには、どこか既視感があった――これはあれだ、子供のけんかだ。『お前のほうが一回多く叩いたから、俺が叩けばチャラな!』なんて言うやつ。大抵、一回多かろうが何だろうが、叩かれるほうは嫌に決まっているから、丸く収まることはない。
……つまり、このけんかは収束しないということだ。
「……っ!!」
「……え?」
ガチリ――!
明かりがついた瞬間、セがまた、ラよりも速くボタンを押す。最初のように手元が狂っただとか、ほんの少しタイミングがずれただとかでは断じてなく、極めて意識的に。
「…………」
「セ……っ!」
「それじゃあ、次は妹の君のほうが罰ゲームな♪」
「っ゛~~~~!!? セ、あなた――ぁ゛っ、やめ、嫌……!!? ぁ゛ぁぁぁああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!?」
何回と繰り返されてきた遊戯。しかしこの回が、二人の今後を決定的なものにしたのだ。
――――
――
それからは、魔王が提案した本来の遊戯が始まった。
「それじゃあ、次のゲーム行こっか」
「はーー!! はーーーーっ!!」
「ふーーっ!! ふーーーー!!」
双子たちは目を血走らせながら、目の前のランプをにらみ付け、明かりがついた瞬間右手に渾身の力を込める。
相手よりも速くボタンを押すために、相手を蹴落とすために。
「おめでとう! 今回は妹の君が勝利だ!」
「……やった……!」
「ぁぐ……!? ぅぅぅ……!」
「もしかして姉の君は、マジックハンドのほうが好きかな」
「ぁ゛ぁぁあああっ♡♡♡♡ それっ、そこっ、弱いっ♡♡♡♡ 弱いから゛ぁぁぁあああ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
姉のセの体には、機械の腕が群がるようになった。硬くも繊細な動きでもって相手の性感帯を的確に刺激するやり方が、彼女の性感帯にはツボだった。
「ぁぐ、ぁ゛っ、ぁ、ぁあ――っ♡♡♡♡♡ っ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ きゃはぁ――!!!? ひぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
姉の声は妹よりもわずかに低く、しかし喘ぐ時は大きく飛び越えるように甲高い声になる。セは拘束された体を精いっぱい反らせながら、潮をまき散らして絶頂するのだ。
「うーん、惜しい! 今度は姉が勝ったな!」
「よし……!」
「ぁ゛ぁ……! ぁ゛ぁぁぁ……!?」
「そんで、妹の君は触手がお好みかい? いやぁ、案外趣味の違いってあるもんなんだなぁ」
「嫌っ、いや゛ぁぁぁぁあ♡♡♡♡ ぬるぬるはっ、ぬるぬるはぁぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
妹のラの体には、触手が群がるようになった。多少粗雑ながらも柔らかくぬるぬるとしていて、情熱すら感じ取れる激しい愛撫が、彼女に生理的嫌悪感以上の快感を齎した。
「やだっ、やだっ、やだぁぁぁあひ――っ♡♡♡♡ ぁ゛ぉほぉっ♡♡♡♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぉ゛ぉぉおお~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
妹の声は姉よりも少し高いが、喘ぐ時は舌を突き出しながら低く呻くような声を上げる。ラは体を縮こまらせて、やはり姉と同じように潮をまき散らしながら絶頂を迎える。
本気の争いが始まると、気がはやって押し間違えることもあった。
「おっと、姉のほう! まだランプが点いてないぞ? 落ち着いて落ち着いて!」
「しまっ、ぁぁ、ぁぁ゛……!!?」
魔王の気まぐれで、お手付きの罰には、快楽責めとは別のものが行われるようになった。
「……そうだなぁ。お手付きには、お手付きなりの罰をやってみようか」
「――ぁはぁぁあっ!!!? まさひゃっ、くすぐりっ!!!? ぁ゛ーーっはっはははははははははははははははぁ゛ぁぁぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」
別の罰とは、くすぐり責めである。
機械の腕がセの全身をくすぐり回す。元が繊細な動きをする機械の腕、それをくすぐり責めなんかに使われれば、神経を直接犯されるようなくすぐったさになる。
「腋ぃぃぃいいっひっひひひひひひっぃぃぃぃいいいっ♡♡♡♡♡ わきのじだはくしゅぐっだひぃぃぃぃいいゃっはっはははははははははははははははははぁ゛ぁぁぁああ~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!?」
姉は特に、上半身が弱かった。肘置きに腕を固定されたせいでほんの少し開いた腋の下を、指が繊細にほじくるのだ。
人によってはただ笑い転げるだけの、暴力にも近い所業。しかしセの体はそんな責め苦すら快感に転化してしまうぐらいに昂ぶっていた。
「ぁは――っ♡♡♡♡ ぁ゛はっ、ぁ゛ぁぁぁああああああ――♡♡♡♡♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!? ぁはひ――♡♡♡♡♡ っきゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」
やがてセは、全身をくすぐり回されるだけで絶頂を迎えてしまうのだ。
「おいおい、今度は妹のほうか? まったく二人とも落ち着いてゲームに臨まなきゃな!」
「いや゛――!!!? くすぐられるのは嫌ぁぁぁぁぁぁあっはははははははははははははははははははははっ!!!!? ぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
今度は、触手がラの全身をくすぐり回す。粘液に濡れてぬるぬるになった触手は、皮膚表面の煩わしい摩擦を全て奪い取り、まさにくすぐり責めをするのに最適な道具と言っていい。
「嫌だぁぁぁああっはははははははははははははっ♡♡♡♡♡ 足の裏っ!!!? あしのうらだけは嫌ぁ゛ぁぁぁあああああっはっはははははははははははははははははははぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!」
妹は特に、下半身が弱かった。床と足の裏の間に触手が潜り込んで、指の間から土踏まず、かかとまでをしつこくねぶる。
足の裏をくすぐるなんて、本来であれば本当にただの罰に過ぎない。しかしラは足の裏で感じてしまうぐらいに、既に全身性感帯だった。
「ぁ゛はぁぁぁぁあああああああっ♡♡♡♡♡ ぁ゛――!!!? ぉ゛――♡♡♡♡♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!! ぁはっ、ぁ゛――♡♡♡♡♡ ぉ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」
ラも姉と同じように、全身をくすぐり回されるだけであえなく絶頂を迎えてしまうのだ。
もはや双子の片割れを蹴落とすことに、微塵のためらいもないセとラ。『星屑繋ぎの巫女』の絆は壊れたかに見えた。
しかしここで不思議な現象が起き始める。
「お? こりゃ珍しい、久々に引き分けだ」
反射神経の勝負において、二人は示し合わすこともなく、同時にボタンを押したのだ。
「ぁきゃぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡ 気持ちいいっ、きもちいいっ、きもちいいぃぃい~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「しぬ゛っ、しぬっ、死ぬぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ っ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぉ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
二人は久方ぶりに、半分量の罰を受けることになる。片や鉄の腕に、片や触手に。
既に限界まで昂ぶった体では、快感量がたかだか半分になったところで焼け石に水でしかない。結局は各々あえぎ声を上げながら、潮をまき散らして絶頂するしかないのだ。
実際のところ、こうも何十回も遊戯に挑まされていれば、たまになら二人が同時にボタンを押すこともあるかもしれない。
「お、また引き分けか?」
「ぁひぁ~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ きゃは~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「ぁぉ゛ぉ~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡ ぃ゛ぃい~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
しかし次の遊戯においても、また同時。
姉妹たちはまた悲鳴を上げながら、同時に絶頂した。
「えー? 今度は二人同時にお手付き? おいおい、どうなってんだこりゃあ」
「きゃぁ゛~~~~っはっははははははははははははははぁ゛~~~~~~~~♡♡♡♡♡ くしゅぐっだいくしゅぐっだいくすぐっだひーーーーっひっははははははははははははははははぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」
「嫌ぁ゛ーーーーっはははははははははははははははぁ゛ぁぁぁああっ♡♡♡♡♡ ゆるしでっ、やめでっ♡♡♡♡♡ くしゅぐりやだぁぁぁぁあっははははははははははははははははははぁぁぁぉぉ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」
そして二回連続で同時にボタンを押した後は、全く同時にお手付きをした。
姉妹たちは罰として全身をくすぐり回され、自分がくすぐったがっているのか感じているのかも分からないまま絶頂を迎える。
それから先は、常にそんな状態だった。
「ぁひゃっ♡♡♡♡♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ひぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」
「っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぁぐぉぉ♡♡♡♡♡ ぉ゛ぉ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
いがみ合っているはずが、お互いに片割れを蹴落とすことにためらいないはずが。全く同時にボタンを押して、罰を受けて、全く同時に絶頂を迎える。
「おいおい、こんなことってあるのかね?」
超常的な何かが働いているとしか思えない状況に、さしもの魔王も唇の端をヒクつかせた。
当初、魔王は巫としての能力をそぐためにこれを行っていると話した。しかし今起きている現象は、本当にその目的が達せられているのか疑義を与えるに十分なものだ。『星屑繋ぎの巫女』としての力は、今もなお失われていない。
それでもなお、魔王は愉しげに、表情をゆがめて笑うのだ。
「この程度じゃあ意味がないってんなら、……もーっとすごいことしてやろうか♪」
それは魔王と、『星屑繋ぎの巫女』という存在を生み出した何かの戦い。
同情すべきは、間違いなく双子の姉妹にだろう。ただ板挟みを受けて、本当に、本当に、まったく意味のない陵辱を受け続けることになったのだから。
そして次の瞬間のことだ。
「ぁひゃぁぅぁぁああっ♡♡♡♡♡ ぁあ――!!!!? ぁぁぁああああああああっ♡♡♡♡♡」
「ぃ゛ぁぃぃぃいいいっ♡♡♡♡♡ ぉ゛――!!!!! ぉ゛ぉぉぉぉおおおおおおっ♡♡♡♡♡」
双子たちはひときわ大きく全身を痙攣させる。姉のセは背筋をのけ反らせて甲高い声を上げながら、妹のラは全身を縮こまらせて低いうめき声を上げながら。
まるでろうそくの燃え散り際のように、体に溜まった全ての快感を吐き出すのだ。
「っぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぃひ――♡♡♡♡♡ ひゃぅぁぁぁぁああああああああっ♡♡♡♡♡ ぁひゃぁあぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「っぃ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぁぐ――♡♡♡♡♡ ぉごぉぉぉおおおおおおおおおっ♡♡♡♡♡ ぁぐぉおぉ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
二度、三度、四度――双子たちは複数回の絶頂を同時に迎える。
全身をくまなく襲う快感は、まるで麻薬のようだ。彼女たちの思考を溶かし、自分がどこで何をしていたのかを忘れさせ、胸の中を恍惚と恐怖の二色で満たす。今の彼女たちは、自分が愛液を噴き散らかしてびちゃびちゃという音を立てていることにすら気付かない。
今日のことは一生の性的嗜好になるだろう。今後、姉は鉄の腕で抱かれるだけで、妹は触手に包み込まれるだけで、言い知れぬ快感に潮を噴き散らかすのだ。
「うぉ!? ……ぁ、やばいか!? やめやめ、終わり終わり!」
魔王はその姿を見て驚き、少しだけ肩を震わせた。そして鉄の腕の動きを止め、触手を離れさせる。
「ぁひん――ッ♡♡♡♡♡ ぁひゃ――♡♡♡ ぁ゛――……♡♡♡♡♡」
「んぐぉ――ッ♡♡♡♡♡ ぉごぉ――♡♡♡ ぉ゛――……♡♡♡♡♡」
陵辱はようやく終わる。突然訪れた『平穏』という名の衝撃が、姉妹の体をひときわ大きく跳ねさせる。彼女たちはぷつりと意識を手放して、うつろなあえぎ声を上げるだけとなった。
とうに全裸。涙、鼻水、よだれ、汗――顔はありとあらゆる体液で汚れ、舌を突き出したまま気絶したその表情は間抜けそのもの。体はあまりに火照り、汗が蒸気を発しているようにも見える。そして蒸発しきれないほどたくさんの愛液と潮が、椅子の座面と床の両方に大きな水溜まりを作っている。
「ちぇー、ヤり損ねたかぁ。もうちょっと早く手を出しとくべきだったなー」
双子の凄惨たる様子を見て、魔王は嗤った。
その胸中に罪悪感などかけらもない。あるのは、自分の欲望を満たし損ねたことに対する無念だけだ。
――――
――
部屋の扉が軽く叩かれる。
「陛下」
「はーい、どうぞぉ」
雌の匂いが充満した部屋に入ってきたのは、青色の肌を持つも、美しい女性の魔族だった。そこいらの人間の戦士程度であれば一瞬で複数人を細切れにできるであろう彼女は、部屋に入るなりため息を付いた。
「……またですか。このようなお戯れを」
「いやいや、何を言うかね君ぃ。これも人間の力をそぐために必要なことだよ」
「巫を拐かした時点で、目的は達したはず。そも、儀式を未然に防ぐのでしたら、殺してしまったほうが手っ取り早いのでは」
「やめてよ、俺的にリョナはNGなんだからぁ! まーったくこれだから魔族ってのは、ほんっと脳筋だよなー!」
配下である魔族は、強く反論できない。もっとも、下手に刃向かって彼の者の機嫌を損ねるようなことがあれば、彼女など一瞬で塵くずと化すことになるのだが。
元より、魔王の言には従うもの。そしてそれ以上に、このふざけた男は過去の魔王の誰よりも功績を残していた。戦わず、失わず。今存在する魔族の誰よりも、卑劣な謀略でもって。
それをなし得るのは、彼の者が生粋の魔族ではなく、元はどこからともなく現れた人げ――。
「――あ、そう言えば内政要因で美人姉妹の王女さまたちも攫ったんだっけ? いいなー、口説いたら一晩くらいいけないかなー」
「……あの者たちは今、多忙故」
「そうだよなー! しかもあの子たち、最初からデキてたんじゃないのってくらい熱々だからなー。百合の間に無理に挟まろうとするのも、俺的にはなー!」
『魔王』と呼ばれるにはあまりに威厳に欠ける男の態度。しかし次の瞬間、彼は表情をころりと変えて嗤うのだ。
「ま、いっか。一国二国つぶしたら、またかわいい子見つかるっしょ」
魔王がその時浮かべた表情に、配下の魔族は己が主に気付かれないよう、そっと冷や汗を拭いた。魔族の力と、人間の知恵と、そして欲望――全てを持ち合わせた者の、何と醜く恐ろしいことか。
「さぁて、今はこの双子ちゃんに集中しますかぁ。今度はどんなマシン作ってあげよっかなー♪」
「ッ――♡♡♡」
「っ――♡♡♡」
後に『最悪の魔王』として世に語り継がれる男の元、双子の恥辱はまだ始まったばかりなのだった。