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◆あらすじ
こんな福利厚生のある会社があったらの話。臨時ボーナスの副賞として上司から手渡されたのは、性感マッサージの無料サービス券。そこでは2人のエステティシャンに全身をオイルでぬるぬるにされて、上半身と下半身を同時に責められて何度でもイクことができるのです。
中途採用で入社した私だからこそ、気付いたことがある。この会社の社員はみんな、仕事に対するモチベーションが異様に高い。
女性が働きやすい職場環境を目指してさまざまな女性専用オフィス用品を開発・販売している、今急成長中のベンチャー企業だから? それともそこそこの大きさの会社にもかかわらず、若い女性しかいない特異な環境だから? いや、そんな具体性のない理由では、こんな風にどこかがっつくような仕事の仕方はしないと思う。
その理由を知るのは、そう遠くない話――。
「月間営業成績一位、おめでとう。入社したてなのにすごいわね」
「ありがとうございます。これからも励んで参ります」
営業部オフィスにて、私は上司に向かって社交辞令を言ってから頭を下げる。
言ってはなんだけど、私はそれなりに優秀な人材だ。今回は運の良さもあれど、こうしてマイペースに仕事してなお実績を残すことができるし、それ自体、もろ手を挙げて喜ぶほど珍しいことではない。
見た目もそこまで悪くない。自立性の見える、多少キリッとした顔付き。長い髪をポニーテールにしているのは、いろいろ試した結果それが一番似合っているという結論に至ったから。パンツスーツの似合う体付き。モデル体型と言えるほどではないけど、腰にはちゃんとくびれがあって、胸も尻もそこそこ。
未婚で恋人もいないけど、焦る必要もない年齢と性能。
もっとも、そういうことを思っていても、口に出すつもりはない。場の空気を悪くさせることは子どもでも分かることだし、それを代償として誰かにマウントを取りたいわけでもなく、そもそも他人を見下す感情は持ち合わせていない。
結局は単に、私は自分のことを多少客観的に見られるというだけの話だ。
「特別ボーナスの明細は、給与と同じくウェブで確認して頂戴。それと今まで貴女の力量を見るために様子見していた部分があったけれど、これからはその実績に見合った案件も投げるつもりだから覚悟しておいて。大変ではあるけれど、裁量権も大きくなるから貴女にはやりやすいと思うわ」
上司が淡々と事務的な話題を続ける。
私よりは年上だが、それでも若く、どこかおとぎ話に出てくる魔女のような雰囲気が漂う女性。要は大層なやり手だけど、いまいち腹積もりが読めず、取っ付きにくくてやりにくい。こうして呼び出されるだけで少し胃が痛くなる気分になる。
そんな心情を知ってか知らずか、上司はにやりと笑うのだ。
「それとこれ、ボーナスの副賞」
「はい?」
細い人差し指と中指に挟み込んで差し出されたのは、小さな紙切れ。
私は当然のごとく小首をかしげた。
「うちの福利厚生で提携しているマッサージ店……の無料サービス券。知らない?」
「あ、えーと。まぁ」
「本当に仕事人間ね、貴女」
上司が苦笑する。
どうやらそんな風に認識されていたらしい。そこまで仕事に邁進しているつもりはないのだけど。自分の客観性について少し不安になる。
「いい機会だから行ってご覧なさいな。うちの福利厚生の中ではダントツで人気なのだから」
「はぁ」
そうして営業成績一位祝いの会話は終わった。
マッサージ店と提携――確かに最近の企業だと、そういうユニークな福利厚生がないでもない。だけど私にはいまいちピンとこない話だ。
というのも、今までマッサージ店に行くという発想自体を持ち合わせていなかった。当然、私だって疲れることはあるけど、そういうときは軽いストレッチやジョギングなどのアクティブレストで血液の循環をよくすることで疲れを取る。それができないぐらい体が痛んでいたら、ゆっくり休息を取る。それでだいたい何とかなるもので、わざわざ高いお金を払って他人にどうにかしてもらう必要なんてなかったのだ。
……だけどまぁ、せっかくもらったチケットだ。これを機会に一度マッサージ店を体験してみるのもいいのかもしれない。
そんな軽い気持ちで、私は日曜日の予定を決めたのだった。
――――
――
日曜日。私はチケットの裏に書かれた地図を元に、マッサージ店に行く。
だいたいの流れは、元々持ち合わせていたエステについての知識とそう変わらない。まずは事前に電話して日時を予約する。当日に受付で予約した旨を伝えて、ついでにチケットを提示する。するとロッカールームに通されて、シャワーを浴びてから紙ショーツとガウンに着替える。そして個室に通されて、今、ベッドの上でうつ伏せに寝かせられているというわけだ。
……何か、知識と少しだけ違うような?
「それでは、これから施術を始めさせていただきますぅ」
「よろしくお願いいたします……」
「あ、はい。よろしくお願いします」
2人の女性が頭を下げる。年は私とそう変わらない。一人は猫なで声、一人はささやき声。だけどそれ以外は……垂れ目、丸顔、黒のショートヘア。やや高めの身長、巨乳、白のエステ服。……2人ともだ。双子だろうか?
2人――何となく、『変わっているな』と思った。こういうのは、普通1対1で行うものではないのだろうか。だけどエステに対する知識をあまり持っていない私は、多少の違和感も『そういうものか』と簡単に流してしまう。
施術が始まる。私がガウンを脱いでうつ伏せに寝ると、背中にバスタオルを掛けられて、続いて肌を優しくなでられる。
1人は背中を中心に、もう1人はふくらはぎを中心に。
「っ……。っふぅー……」
背中に伝わる圧迫感に合わせて、息を吐く。心地いい。
思えば、他人に素肌をこういう風に優しく触られることなんてなかった。確か肌を触られると体内でオキシトシンが分泌されるんだったか。別名『幸せホルモン』、多幸感やストレスの軽減などの作用。
だけどそんなご託がなくとも、ただ純粋に気持ちいい。
(これは、上司に感謝だな……)
確かにこの心地よさを楽しむためにマッサージに通うというのも悪くないのかもしれない。
だけど段々と異変が現れる。
「んっ……?」
私の口から、乱れた呼吸が漏れ始める。
妙にくすぐったい。最初は『自分がくすぐったがりなのかも?』と思ったけれど、皮膚感覚に意識を集中させてみるとそうではない。
2人の手付きが変わっている。最初は手のひらで優しくなでるようだったのに、少し指先が立っている。指先で肌をなでられたら、それはくすぐったいに決まっている。
「っ……! んく、っ……!?」
マッサージというのは、そういうものなのだろうか? 私は何も言えず、ただ全身を鳥肌立たせる。
だけど次が決定的だった。下半身を担当していたほうが、指を食い込ませるようにして、私の内股を揉み込んだのだ。
「ひぅぇっ!!?」
お尻と脚の境界線をむにっと指で押し込まれ、股間の肉が引っ張られて、アソコがぐちっと広がる。そこで私は限界を感じて、がばっと上半身だけを起き上がらせた。
「ぁぐ、ぁ、あ……!」
だけど言葉が出てこない。私は何を言えばいい? 『そこは恥ずかしいのでやめてください』『どうしてそんな所を触るんですか』『警察を呼びますよ』――どれもピンとこない。あまりに突然のことで、思考がぐるぐると迷走している。
だけど私が上半身を起き上がらせた姿勢で固まっていると、女性たちから全部を解決する問い掛けが投げられるのだ。
「もしかして性感マッサージは初めてですか?」
「ふぇっ!?」
『性感マッサージ』――確かに彼女はそう言った。
私は全身を強ばらせる。裸のまま走って逃げ出したくなる衝動に駆られるけど、一歩のところで踏みとどまった。今まで滞っていた分、思考が一気に加速する。
――性感マッサージ。全身、特に性感帯を刺激することで、性的快感を高めるマッサージのこと。基本的には風俗店だけど、不感症改善のために行われることもあるのだっけ。
あぁそうだ、どうして気付かなかったんだ。普通のエステでは事前にシャワーを浴びることはあまりない、それをやるのは粘膜接触のある風俗店だ。それにエステで必ず書かされる問診票を書いていないし、カウンセリングも受けていない。……私は今、紛れもなく性感マッサージの店にいる。
だけど日本において性感マッサージ店自体は違法ではない、風営法に基づいて届出を出していれば、問題なく営業できる……はず。加えて、あんなそこそこの会社と提携している以上、法的にまずいってことはないだろう。
向こうはまともにサービスを提供してくれていると言うのに、こちらの勘違いで迷惑を掛けるのもはばかられる。それに相手は女性だ、男がいきなり欲望任せにイチモツを突っ込んでくるようなこともない。だいたい、裸で逃げ出しでもしたら私のほうが犯罪者だ。
だけどあの上司、大した説明もせずにいきなりこんな店のサービス券を差し出してくるなんて、同性でも立派なセクハラじゃないかなぁ!?
――いろいろな思考が一瞬のうちに駆け巡って、ようやく絞り出せた言葉は一つだけ。
「ぁ、はい、初めてで」
「そうでしたかぁ♪ それでは、最初はもう少しソフトなマッサージから始めていきますねぇ」
「もしも苦手な触り方などありましたら、遠慮なくお申し付けください……」
「は、はひ……」
私は少し気まずそうに、またうつ伏せに寝る。するとマッサージが再開される。太ももに、背中に、胸の横――性感帯の周囲を指先で優しくなでるような動き。
思考を整理する。まとめると、マッサージを受け続けることを決めたのにはいくつかの理由があった。自分の身勝手で店に迷惑を掛けるわけにはいかないから。レイプなどの危険性はないと判断できたから。上司が『うちの福利厚生の中ではダントツで人気』と言っていたのが気になるから。
何より。
「っく……ぁ……♡ ぁぁぁ……」
(き、気持ちいいぃぃ……)
このまま性感マッサージを受け続けてもいいかもしれないと思ってしまったのだ。
「お声は我慢しなくて大丈夫ですよぉ♡」
「感じた分だけお気兼ねなく声を出せば、マッサージの効果は何倍にもなりますから……♡」
「は、はひぃ……っ♡ んぃっ、ぁっ……♡ ひゃぅぁぁぁ……♡」
当初は嫌にくすぐったくて気になっていたけど、『これは性感マッサージだ』と認識を変えてみると、案外悪くない感覚であると分かる。優しくなでられたときのぞくぞくとした感覚は癖になりそうだし、揉み込まれたときのきゅんとした感覚は直接性感帯に響く。
声も我慢しなくていいと分かると、気兼ねなくその感覚を愉しめるようになった。肺に酸素を溜め込む必要がなくなって、体から力が抜けていく。
「だいぶ緊張がほぐれてきたみたいですね~♡」
「それではそろそろ、本格的なマッサージを始めます……♡」
「っ……♡ は、はい、お願いしま、ぁ、ぁ、ぁぁぁぁ……」
私の緊張がほぐれていくと、いよいよ本格的に性感帯を触られるようになってくる。
一人は私の胸を揉み、もう一人がショーツの上から秘所をなでるのだ。
「ふぁぅぉっ♡ ぉぉぉ、ぉー……♡ ぉぉぉぉぉぉ……♡」
私も独り身と言えども年頃の女で、家で独り事に及ぶこともあれば、大学時代に男性と交わったこともある(とっくの昔に別れた!)。だけど己が欲望を満たすためだけの愛撫と、こちらを気持ちよくさせるための愛撫では、気持ちよさは雲泥の差だ。
それに。
「そうそう、お上手ですよぉ♡ そのまま、ゆったりとリラックスしてくださいね~♡」
「は、はひぃ……♡ ひゃわっ、ぁっ♡ ひゃぅぁぁぁ……♡」
「して欲しいことがありましたら、遠慮なくお申し付けください……♡」
「こ、このままで……、ぇぅぇっ♡ へっ、へぇぇ~~……♡」
『2人って、いいな』――私はぼんやりと、そんなことを考えていた。
愛撫する人数が多ければ多いほど、快感も大きくなる――それは素朴な真理かもしれない。だけどもしも大勢に体をまさぐられたら、私はきっと萎縮してしまうし、どこをどうされているのか訳が分からなくなってしまう。
2対1というのは、絶妙な人数比だ。数直線が平面に拡張されたような可能性を感じさせながら、まだ気安く、一人一人の触れ方をしっかり感じ取れる。
「そろそろぉ、おっぱいも本格的に気持ちよくしていきますねぇ♡」
「んにぁっ♡♡♡ ぁっ♡♡♡ 乳首っ、これっ、ぁぁぁぁぁあ……っ♡♡♡」
ベッドと体の隙間に手が差し込まれて、胸を揉み込まれる。人差し指と中指の間に乳首を挟み込まれて、くにゅくにゅとこねくり姦される。
それがあまりに気持ちよくて、私はこっそりと肩と腰に力を入れて胴体を浮かせた。
「体が随分とこってるみたいですね~。お仕事大変ですかぁ?」
「そ、そうですね……っ、結構……ぁんっ♡♡♡ ぁっ、にぁっ、ぁぁぁぁあっ♡♡♡」
「そうですかぁ。それじゃあ、今日はたっぷり癒やされてくださいねぇ♡」
「ふぉぉぉぉおおおおっ♡♡♡ にゃにっ、これっ、乳首がぞくぞくしへっへへへへぇぇぇぇぇえええっ♡♡♡」
上半身をマッサージしてくれている女性。蕩けるような甘え声で、ただの世間話がひどく卑猥な猥談に感じられてしまう。
そして手付きは声と同様に甘い。ふやふやとした気持ちよさが上半身を包み込んで、体の力を嫌が応でも奪っていく。
「アソコもそろそろ本格的に始めていきます……♡」
「んひぁっ♡♡♡ んぁっ、これっ、同時にっ♡♡♡ っぁっ、あっあっぁっぁっぁぁぁあっ♡♡♡」
胸と同時に、もう一人に秘所を両手で弄くられる。
紙ショーツの上からでもクリトリスの場所というのは分かるものらしく、柔らかい指先がこりこりとしつこくクリトリスを引っかく。もう片方の手でも、外陰部をこちょこちょとくすぐってくる。
どちらも気持ちがよくて、私はだらしがなく脚を開いてしまう。
「もしも痛かったら、遠慮なくおっしゃってくださいね……♡」
「痛くは、なっ♡♡♡ でもっ、これっ、激しっ♡♡♡ 気持ちよしゅぎへぇぇぇぇぇっ♡♡♡」
「申し訳ございません。気持ちいいのは、止められません……♡」
「ふぁぇぇぇっ♡♡♡ そんなっ、そん、にゃぁぁあっ♡♡♡ ぁひっ、ひゃぅぁぁぁぁっ♡♡♡」
下半身をマッサージしてくれている女性。ぼそぼそと呟くような小さな声、まるでASMRのような、ずっと聞いていたくなるような中毒性を感じる。
だけど手付きは声と反対に激しい。下半身のぞくぞくが止まらなくて、太ももの筋肉の痙攣が止まらない。
「だめっ、これっ、も――!!? もうっ、イッひゃ――♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」
胸と秘所を同時に責められて耐え続けろというのは無理な話だ。
私はあっけなく絶頂を迎える。全身がちょっとした痙攣を起こして、肺が突っ張り、ショーツに灰色のシミが広がっていく。水面を浮かぶような、穏やかな浮遊感。性感マッサージとはかくも心地よいものだったのか。
だけど。
(もうイッちゃったぁ……)
私が感じていたのは、ちょっとした寂しさ。ちょっとぐらい我慢するつもりだったのに、もう絶頂してしまった。『絶頂=終わり』と認識していたからこその悔しさ。
「うふふ。体もほぐれてきたみたいですねぇ♡」
「そろそろ、次のマッサージに移りましょうか……♡」
「はぇ――♡♡ ま、まだ、続くん、ですか……」
「もちろんですよぉ♡」
「お時間まで、たっぷりお付き合いさせていただきます……♡」
「~♡」
1回イッたらおしまいだなんて、誰も言っていないというのに。
「次は少し体勢を変えていただきますぅ」
私は仰向けに寝直す。みっともなく緩んだ顔を見られるのがちょっと恥ずかしい。と思ったら、体に掛けてもらっていたバスタオルを取り除かれ、シミの広がった紙ショーツを脱がされる。恥ずかしさが一気に高まる。
あぁ、だけど恥ずかしさよりも楽しみのほうが強い。私は棒のような姿勢で固まったまま2人の様子を見届ける。
女性たちが小瓶から透明な液体を取り出す。マッサージオイルというやつだろうか、手のひらで温められると、柑橘系の爽やかな香りが漂ってくる。私がその香りを十分楽しんだところで、オイルでぬるぬるになった手が、私のお腹にぺとりと貼り付いた。
「ふぉっ♡」
「大丈夫ですよ、力を抜いて……」
全身にオイルが塗り広げられていく。
刺激が強い、だけど鋭くはない。絶頂とオイルの潤滑性で神経を浮き上がらせながら、あくまでも優しい愛撫。手のひらの凹凸すら鮮明に感じられる。
「んひっ♡♡♡ ひゃわわわぁぁっ♡♡♡ ひゃわっ、ひゃぁぁ~~~~~~♡♡♡」
「オイルマッサージの感触はいかがですかぁ♡」
「なんかっ、もぉっ♡♡ このまま全身なでられてたいぐらひです~~~~♡♡♡」
「それは何よりです……♡ だけど、これからもっと気持ちよくなりますよ……♡」
そしてひとしきり全身でオイルの感触を味わわされた後、満を持して胸と秘所を弄くられ始めるのだ。
「んぉ゛ぉぉぉぉおっ♡♡♡ ぁ――♡♡♡ ぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおっ♡♡♡♡」
今私、すっごいみっともない声出してるな――そうは思うのだけど、声を抑えられないぐらい気持ちいい。
胸へのマッサージは相変わらず甘いけど、それでも私のことをイカせようとする意思が如実に感じられる。
「んぁ゛っ♡♡♡ にゃっ、なんでっ♡♡♡ だって、こんなっ指食い込んでるのにっ♡♡♡ きもちっ、気持ちぃ゛ぃぃぃぃぃぃい♡♡♡♡」
胸を満遍なく揉みしだき、奥にある乳腺を一つ一つ丁寧に刺激していく。そして胸全体が余すことなく恍惚感に包まれたところで、びんびんに勃起した乳首を弄り始めるのだ。
「んぃぁぁぁぁああっ♡♡♡ ちくびっ、こすられっ♡♡♡ こすっちゃ、こすってっ♡♡♡ ――ぃ゛ぃぃぃぃぃぃいっ!!!? ぁ゛、つね――♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」
指で挟み込んでしこしこしこしこという上下運動で乳首にたっぷり性感を溜め込んだあと、きゅっとつねって溜まった性感を一気に搾り取る。きゅうきゅうとした気持ちよさに襲われたせいで、背筋がのけ反って、胸が揺れる。
「苦しかったら、言ってくださいねぇ♡」
「んぷぁっ♡♡♡ ぁ――♡」
ついでと言わんばかりに、彼女の大きな胸が、私の顔に優しく押し当てられる。息苦しくならないような、絶妙な位置と圧力。
「ふぁ、ぁぁぁぁぁ、ぁぁぁぁぁぁぁぁ……♡♡♡」
私にそっちの気はないけど、女性の胸というのは不思議と安心感がある。体の全ての筋肉を無理やり緩まされるような心地よさ。
下半身へのマッサージは相変わらず気持ちいい。……否、それどころか先ほどよりもさらに気持ちいい。
「んぉ゛ぉぉぉぉぉぉぉぉぉおっ♡♡♡♡ クリトリスっ、しつこ――♡♡♡ しごかれっ、ぇっ、ぇぇぇぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ♡♡♡♡」
ショーツを剥ぎ取られた私の秘所は無防備だ。
むき出しになったクリトリスを、片手でひたすらにゅこにゅこにゅこにゅことしごかれ続ける。私のことをひたすらイカせるための手付き。しかしそれはただ激しいだけではない。
「なんでっ、痛くないっ♡♡♡♡ こんなっ、にゅこにゅこされへっ♡♡♡♡ 気持ちひっ♡♡♡♡ きもちっ、気持ちっ、きもちぃぃぃぃいいいっ!!!? っぃぃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」
クリトリスというのは敏感な部位だ、いかに優しい手付きであれど、普段であれば鋭い刺激に悲鳴を上げていたかもしれない。だけど指もクリトリスもオイルでぬるぬるになっているせいで、指の表面にある指紋の凹凸が蕩けるような快感を生み出す。
そしてもう片方の手で、股間をくまなくくすぐり姦す。
「こちらも、たっぷりサービスさせていただきますね……♡」
「んひぁっ、ぁっ、ひゃぅぁぁぁっ♡♡♡♡」
割れ目を5本指でこちょこちょとなぞり、内股を爪でかしかしと引っかき、尻穴を人差し指でくりくりとほじくる。
「ぁはひっ、ひゃはっ♡♡♡♡ ひっ、ひひひひっ♡♡♡♡ っひ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」
股間全体がとろとろとした快感に包まれて、思考まで蕩ける。いつの間にか膝をがっぷりと開いて大股開きになっていたことに気付くけど、今更脚を閉じる気にもなれない。
「ぁふぁっ、ひゃぅぁぁぁぁ♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡ ひゃわ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」
両胸と秘所の三点責めに、私は何度も絶頂を迎える。
それでも性感マッサージは続く。最初は一度イッただけでは終わらないことに歓喜したけど、何度もイカされていると、『こんなに気持ちよくていいのだろうか?』と不安になってくる。
「あの、これ、いつまでっ♡♡♡♡ いつまで続けるんですかぁぁっ♡♡♡♡」
「今回お持ちいただきましたチケットは1番上のコースのものですので、合計で3時間になりますねぇ」
「さ――!!?」
「今は30分、まだまだ始まったばかりですよ……♡」
「ふぁぇ、ぇぇぇ、ぇえ――♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!! ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」
そんな問答をしている間にも、私は1~2度イカされる。その時間の膨大さに一瞬だけ驚かされたけど、全ての悪感情が快感に流されていく。
「もしかして、体調がお辛いとか、予定が押しているとかありましたか?」
「あ、いえ、続けてくだひぃぃぃっ♡♡♡♡」
何度もイッているのに、疲労感がない。それは客観的に見て異常な状態だ。だけど抗えない。体の芯に残った疲れだとか、ストレスだとか、理性だとか、思考だとかいろいろなものが快感に溶けて流れていく。
すごく幸せ。
そうやって身も心もどろどろに溶かされた後のことだ。
「ふぉぉ゛……♡♡♡♡ ぉぅ……っ、ぉ……♡♡♡♡ ぉ゛ぉぉぉぉ……♡♡♡♡」
時計の針は淡々と進み、残り20分ほどだろうか。だけど私はもううめき声を上げながら、快楽によがり狂うだけ。何も考えず、ただ幸福感をむさぼり続ける。
すると2人の女性たちが、ちょっといたずらっぽく笑うのだ。
「ご存知ですかぁ?」
「はぇ……♡♡♡」
「性感マッサージというのはどこも大抵、最後が1番気持ちいいんですよ……♡」
「ひぇ……」
下半身をマッサージしてくれていた呟き声の女性が手に持っていたのは、電動マッサージ器。私とて、それの用途は知っていた。
そんなものを使ったら――その思考に辿り着く前に、その電動マッサージ器が私の股間に押し当てられたのだ。
「ぃ゛――――!!!? ぃ゛ぁぁぁぁあああああああっ♡♡♡♡♡ ぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ♡♡♡♡♡」
「体に溜め込んだ気持ちよさ、全部吐き出してしまいましょうね……♡」
「ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぁ゛ひ――♡♡♡♡♡ っひ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
びくん、びくん、びくん。
愛液をびちゃびちゃと飛び散らせるような、激しい振動がアソコを襲う。アソコがぐちっと広がるぐらい、割れ目に強く押し当てながら、角度をちょっとだけ上に傾けさせて、絶妙な加減で持って振動をクリトリスに添えるのだ。激しくも計算され尽くした責め、痛みのない快楽の最大値。
「おっぱいも気持ちよくしますよぉ♡」
「ふぉぉぉぉぉおお――!!!? ぉほ――♡♡♡♡ ぃ゛ひ――!!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
併せて乳首を激しく責められる。しこしこしこしこ、しこしこしこしこ、ぎゅーっ――私の1番大好きな、摩擦と圧迫を交互に繰り返す責め方。だけど速度も圧力も先ほどとは全然違う。アソコの激しい責めにも負けない、本気の乳首責め。
「ッ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぁ゛――♡♡♡♡♡ ぁ゛ぁぁぁああっ!!!? っぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
私は口を大きく開けて歓喜の声を上げ続ける。
あまりに気持ちよくて体が勝手に暴れてしまうことがあるけど、そのときは女性たちが私の体を優しく押さえ付けてくれる。
「だめっ、だめへ――♡♡♡♡ これいじょっ、何かっ、やば――!!!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!?」
(何――!!!? これっ♡♡♡♡ 来てる――♡♡♡♡ 何かっ、来てるぅぅぅぅ――!!!?)
絶頂が続く。そして絶頂の最中なのに、さらに自分の中で何かが膨らんでいく。私はそれが怖くて、思わず女性たちに呼び掛ける。
「分っかりましたぁ♡」
「それでは、たくさん気持ちよくして差し上げますね……♡」
「ッ――――――――♡♡♡♡♡ ちがっ、ちが――!!!? ぁぁぁぁああっ!!!? ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああっ♡♡♡♡♡」
だけど女性たちはそれを聞くと、余計に私を気持ちよくさせてくるのだ。
ぶるぶるぶるぶる。にゅこにゅこにゅこにゅこ。しこしこしこ、ぎゅーっ。くりくり、こちょこちょこちょ――いろいろな感覚が、私の性感帯を襲う。
「ッ――――――――!!!!! ッ――――――――♡♡♡♡♡ っっっ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!? っっあ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
それが破裂した瞬間、私は自分の寝ていたベッドをがたん、がたんとやかましく鳴らした。あまりに体が暴れすぎて、かかとが、お尻が、肩がベッドを叩いたのだ。
アソコから潮が噴き出す。噴き出したものがこんなにもきれいな弧を描くだなんて、普段の私ならおかしくて笑ってしまっていたかもしれない。
だけど今はそんな余裕なんてない。目は見えているはずなのに、耳は聞こえているはず、それなのに全ての情報が脳内でそのまま霧となって消えてしまうぐらい、頭の中はもう真っ白。
「ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
(ひ――♡♡♡ へ――♡♡♡♡ ひぇぇ――♡♡♡♡♡)
それが十秒、二十秒、三十秒と続く。気持ちいい、幸せ、気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい――本当はこんな言語化すらできていない。頭の中にはもうハートで埋め尽くされている。
そんな今日で1番……いや、人生で1番の絶頂を迎えて、マッサージはようやく止まるのだった。
「お疲れ様でしたぁ♡」
「マッサージの後はお疲れでしょうから、このままごゆっくりお寛ぎください……♡」
「へ――♡♡♡ へへ――♡♡♡ へ――♡♡♡」
彼女たちの言う通り、マッサージが終わっても私は絶頂の余韻で動くことができない。
そんな私のことを、女性たちはかいがいしく世話をしてくれる。ブランケットを掛けて、腕や脚を優しくさすってくれるのだ。それは性行為における、いわゆる後戯と言うものだろうか。
「んひ――♡♡♡ ふぁぅぉ――♡♡♡♡ ぉぉ――♡♡♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」
だけど今の私にとっては、優しく体をなでられるだけでも快感だ。私はただ手足をなでられるだけでも絶頂しながら、脳内をハートで満たして、間抜けな声を上げ続けるのだった。