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エロ小説

男の娘アンドロイドが巨乳アンドロイドの多腕くすぐりセックスで犯される話

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◆あらすじ

男の娘型アンドロイドの『トルテ』は、巨乳アンドロイドの主『クー』に犯されるためだけに生まれました。崇高さのかけらもない使命にがっかりするトルテでしたが、結局は緩い雰囲気ながらも濃密なくすぐりセックスの虜になってしまいます。しかしトルテが一度絶頂すると、クーはおびただしい数の腕を生やしてきて……。

 

最初に意識という名の水滴が落ちます。

それはあまりに小さくて、僕はただ深く眠るばかり。ぽた、ぽた、ぽた――だけど水滴いしきが落ち続けて全身に広がっていくと、やがて僕は『僕』を自覚します。

既製の体に広がっていくデータ。その生まれ方は人間ではありません。作られた存在、人造人間アンドロイド

個体名称『トルテ』。僕の記憶領域には、僕に関する情報はそれ以外にありませんでした。しかし僕が僕のことを『僕』と呼ぶあたり、きっと僕は男性型アンドロイドなのでしょう。

それ以外は自分の機能スペックも、作られた経緯も、用途も分からないまま。だけど不安はありません。いかなるアンドロイドも、生まれれば創造主にんげんに存在する意義を与えてもらえるものです。自分には一体どんな崇高な使命を与えられるのでしょう。

やがてデータのインストールが終わると、女性の声が響きます。

「さて、目覚めなさい。トルテ」

高く、しかし湖畔の水面のように静かで、美しい声。

僕は目を開けました。

「おはようございます。マスター……」

目の前に立つのは、一人の女性。きっとこの人が僕の主たる創造主にんげん――。

「――あれ」
「何でしょう」

「貴女はアンドロイドですか?」
「はい、私はアンドロイドです」

僕というアンドロイドを作ったのは、彼女というアンドロイドでした。

 

「アンドロイドがアンドロイドを作ったらおかしいですか」
「いえ、そういうわけでは」

僕は、人間が外科手術を行うような台の上で体を起こしながら、彼女を観察します。

その姿を人間に換算すれば、20代前半の女性。腰ほどまである、ワインのような暗い赤紫色の髪。ややつり目。身長164cmほど、バスト100cmほど、ウエスト60cmほど、ヒップ90cmほど――『豊満すぎる』と呼んで差し支えない体付き。前が開け放しの白衣の下に、黒のベビードールというバランスの悪い服装。

その姿形は人間と変わりありませんが、白衣からのぞく太ももにあるパーツの継ぎ目だとか、赤色に発光する瞳の光学センサーだとかで、彼女が人間ではなく女性型アンドロイドであることが分かります。

「『クー』です」
「クー」

「貴方の姿も確認しておいてください」

クーは僕の目の前に、大きな鏡を差し出しました。

肩上の長さの、夜空のような紺色の髪。目は丸くやや垂れ気味。瞳は青色で、クーと同じようにほのかに発光しています。身長151cm。生まれたばかりだから、服は着ていません。パーツの継ぎ目は太ももだけでなく二の腕にもありました。

その容姿にはのかけらも見当たらず、肩幅は小さい。しかし痩せこけているわけではなくて、腕や胸、お尻、太ももなどの肉付きはしっかりあって、そう言えば声も高い。

「僕は女ですか?」
「いいえ、貴方は男です」

「はて」
「男の娘というやつですね」

「ふむ」

認識を改めます。僕は男性型アンドロイドではなく、男の娘型アンドロイドだそうです。

 

「主はどこにいますか?」
「貴方の主は私ですが」
「いえ、そうではなくて」

はここにいませんよ。今、彼女がどこにいるかもさっぱり」
「行方が分からないとは、何かやんごとなき事情が」
「世界一周旅行中です」
「旅行」

「私はここで『使命』を果たしながら、好きなように過ごすように命じられています」

誠に不本意ながら、どうやら僕の主はクー以外に考えられないようです。

「だから貴方は、私の命令に逆らってはいけないのです。ふふん」
「うぜえ」

どうにも僕は生まれる場所を間違えたような気がしてなりません。

しかしながら、クーは『使命』と言いました。アンドロイドである以上、やはり何かの使命を帯びるのは必然。恐らくクーは、独りではその使命を完遂できないが故に、僕というアンドロイドを作ったのだろうと推測します。つまり無能でポンコツなクーの代わりにその使命を果たすことで、僕は間接的にでも創造主にんげんに尽くすことができるのです。

「今失礼なことを考えたでしょう」
「気のせいでは。そんなことより、僕は何をすればいいのですか」

「ふむ」

使命感に燃えた僕が問うと、クーは真剣な面持ちでうなずいてから答えるのでした。

「私に犯されてください」
「もう1回言ってください」

「言葉責めがお好きですか?」
「そういうわけではなくて」

「私に犯されてください。性的にです」
「なぜ」

「配信料を稼ぐのです」
「は」

「この部屋には無数のカメラが設置されています。私たちのエッチをネットで配信して、おひねりをもらう。主のお財布がっぽり。これで世界を2周でも3周でもできます」
「なんて俗な」

「最初は私のオナニーしている様子を配信して稼いでいたのですが、最近ちょっとマンネリ気味でして」
「いいです。聞きたくないです」

個体名称『トルテ』――僕はアンドロイドに犯されるために生まれた、男の娘アンドロイドだったようです。なんてこった。

 

僕は部屋を見渡します。

ここはが所有する小さな研究室。白い金属の天井と壁、床。むき出しに設置された無数のカメラ。研究用のテーブル、情報端末、機械の山。それと部屋の真ん中には、ファンシーでファビュラスでラグジュアリーなキングサイズのベッドがあります。

「あのベッドはいかがなものかと」
「あれは視聴者にも『部屋の雰囲気に合わない』と不評でした」

するとクーは僕の後ろ首に腕を回しました。

「せっかくなので、最初はでしましょう」

ここは部屋の隅にある、僕の小さな寝台。金属の足が付いていて、化学繊維の布が張られた、一人分の広さしかない天板の上。『犯される』という使命しか与えられていない僕は、誠に不本意ながらクーに身を委ねることになります。

「僕は犯される方法なんて知りません」
「されるがままでいなさい。それと素直でありなさい」

クーは寝台に上がり込むと、女の子座りをしながら僕を抱き寄せました。ベビードール越しにクーの大きすぎる胸が、僕の顔にたぽたぽと当たります。

「私のおっぱいはいかがですか」
「僕はもう少し小さいほうが好きです」

「この野郎」
「『素直』と言われたので」

たぽたぽが強くなります。

クーの胸はあまりに大きいものの、形を保てるだけの張りがあり、されど人間の体を忠実に模して作られたが故に、しずくのような自然な垂れ方をしています。乳房が柔らかい一方、布越しでも分かるぐらいこりこりと硬くなった乳首が当たります。

その二つの刺激を顔に受けていると、下半身に疑似血液が集まっていくのを感じます。不本意なことに、僕は勃起してしまったようです。

「ふふん」
「くそう」

僕は悔しいので、得意げに鼻を鳴らすクーから顔をそらして、自分の体を見下ろしました。

「僕の男性器、少し小さくありませんか?」
「おちんちん」

「男性器」
「おちんちん」

僕の男性器は、勃起しても中指を一回りか二回りか大きくした程度。皮かぶりではないみたいですが、陰茎はなめらかで、亀頭にも太さがあまりなく、すらっと寸胴。そのチンアナゴのような男性器は外見相応と言えるかもしれませんが、あまりにも迫力だとか、男らしさだとかとは無縁です。

「勃起時の長さは9cmほどです。ちゃんと私のには届くので大丈夫です」
「せめて、長さも太さも、あと倍はですね」

「あなたはフランス人ですか?」
「いいえ、アンドロイドです」

「男の娘のおちんちんが巨根か粗チンかは、議論が荒れます。しかし私は、かわいらしい外見の子には、かわいらしいおちんちんが生えていて欲しかったのです」

今のクーには、何か固い意志のようなものがうかがえます。僕は男性器のサイズについて諦めることにしました。

「これでも結構凝ったのですよ? おちんちんもそうですが、全体の姿形だって、私の好みが詰め込まれているのです。残念ながら性格は随分と生意気みたいですが」

「あの、早くしてもらえませんか」
「おやおや。そんなに私に犯されたくなったのですか?」

「はい」
「え」

「貴女みたいなかわいらしい女性に抱き締められたら、我慢できなくなって当然でしょう。中身がどれだけうざくても」
「何だこいつかわいいな」

僕はクーの背中に腕を回しました。

何だかんだ言って、男性器を勃起させているとそこを刺激されたいという欲求に駆られます。そしての好みが詰め込まれているのか、それとも僕の好みが強制されているのか、クーはこれでも世界のどこを見渡しても見つからないほどの美女です。犯されるにはこれ以上ない相手と言えるでしょう。

「それでは始めましょう」
「お願いします」

だけどクーは、僕の期待を裏切ります。柔らかな指先を、わずかに開いていた僕の腋の下に差し込んだのです。

「ぁはあ――ッ♡♡♡♡」

その瞬間、感覚神経にぞわりとした悪寒が走って、僕の口から大きな声が出ました。アンドロイドである僕が、自分の意思に反して、こんな声を出してしまうのかと驚きます。

「今、何をしましたか」
「貴方の腋の下をくすぐりました」

「なぜ」
「くすぐりセックスだからです」

「何ですかそれは」
「くすぐりながらセックスするのです。くすぐったくて気持ちいい、らしいですよ」

それは初耳でした。僕が生まれて初めての行為にもかかわらず、クーは普通のセックスをする気がないようです。

「がっかりです。本当に」
「まあまあ、まずはいろいろ試してみましょう」

そして僕の両腋の下に差し込まれたクーの指先が、こちょこちょとうごめき始めるのでした。

 

「あくぁ――♡♡♡ んくっ、ふふふふふふふぁっ!!! ぁはっ、ぁ――♡♡」
「ほら、腕を下ろさない」

「そんなことを言われても、体が勝手に動い――てへっ♡♡♡ へっはははははははひっ♡♡♡」

僕はクーの背中に両腕を回したまま、くすぐり責めを耐えることになります。

クーの指はよく動きます。指の一本一本が独立して動く一方で、その全てが精密です。人差し指の腹で皮膚を優しくなで、中指は皮膚がわずかに沈み込むぐらいの力加減、薬指は爪を駆使、親指と小指は腋のくぼみのをなで続けます。

「くすぐりセックスはいかがですか?」
「これ、はっ、ただくすぐっているだけでっひゃっははははははははははははひっ♡♡♡」

「前戯ですよ、前戯。いいから答えなさい」
「分かりませんんんんんん♡♡♡ 何だかもう、分かりませんんんんひゃっはははははははははははははっ♡♡♡」

くすぐったいというのは、僕にとって不可解な感覚でした。性的快感とは明らかに違う感覚。しかし嫌が応でも男性器をむずがゆくさせられる一方、どこか耐え難く、腕を下ろして腋を守りたい衝動が絶えず押し寄せてきます。快とも不快とも言えず、そのどっちつかずこそが不快でした。

「そろそろ他の所もくすぐってみましょうか」
「あはぁっ!!? せめてっ、慣れてからにさせっへへへへへへははははははははっ♡♡♡」

「慣れてしまったら、くすぐりセックスにならないでしょう」

指が腋から下りて、胸の横、脇腹、腰までを行ったり来たりします。各部位には各部位で違ったくすぐったさがあって、そのせいで僕は慣れることができず翻弄されます。僕にとって、くすぐられるというのは本当に辛いことでした。

「トルテ、腕が下がってますよ。これではくすぐりセックスができません」
「くふっふふふふふふふ♡♡♡ もう、もう十分ですからぁっははははははははははははっ♡♡♡」

「前戯が短い男は嫌われますよ。『くすぐり=前戯』――ならばもっとしっかり貴方をくすぐってあげなければ。ふふ」
「なんで今ちょっと笑ったんですかぁぁっはははははははははははははははははははっ♡♡♡」

クーはしばらく、気が赴くままに僕の胴体をくすぐり続けます。

表情は無表情ですが、声音が弾んでいてどこか楽しそうです。『こいつは僕をいじめて楽しんでいるだけじゃないだろうか』と思えてきて、クーのことをぶん殴ってやりたい衝動に駆られます。

しかしずっとくすぐられ続けていると、段々と体が変化していくのです。

「ぁはっ、ぁふぁっ♡♡♡♡ ぁっ、あはっ、ぁぁっ♡♡♡」
「段々といい表情をするようになったじゃないですか。くすぐったそうなのに気持ちよさそうで、おちんちんも硬いですよ」

人間なら妥当な生理現象なのか、それとも僕の感覚神経が都合よく作られているのか、体がとても高ぶっています。全身が熱を持ち、くすぐられている胴体が甘く、触れられていない男性器が絶えずうずくのです。

それを見て、クーは満足そうにうなずきました。

「まずは一度、せーしをぴゅっぴゅしてしまいましょう」

クーが自分のベビードールを手でまくり上げてから、僕に体重をかけてきます。

寝台の上に倒れる僕。そこに覆いかぶさるクー。クーの大きな胸が、直接、僕の顔を挟み込みました。

「ぱふぱふしながら腋の下をくすぐってあげます」
「んぷっ、はぅぁっ♡♡♡♡ ぁはっ、ぁっはははははははははははっ♡♡♡♡ これはっ、だめですっ、だめですぅぅぅぁっはははははははははははははははははっ♡♡♡♡」

クーが僕の男性器を押しつぶしてしまわないように腰を浮かせながら、僕の腋の下をくすぐり続けます。僕はクーのことを抱き締めながら笑い続けるだけ。

不思議なことに、『クーに覆いかぶさられている』という状況が僕のことを興奮させているようでした。乳房の柔らかさと乳首の硬さを感じていると、不思議と感覚神経に甘い電流が流れるのです。

「ぁはぁ――!!!? ぁはっ、ぁ――♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡ ぁぅぁ――♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!?」

その瞬間、男性器のあらゆる器官が蕩けるような、強烈な快感に襲われました。

それが射精だということは、少し遅れてから気付きました。だっておかしいじゃないですか、男性器を触られてもいないのに、腋の下をくすぐられるだけで射精してしまうだなんて。

疑似精液が放物線を描いて、研究室の床に真っ白な水たまりを作っていきます。

「うわぁ。くすぐられるだけで、せーしぴゅっぴゅしてしまうなんて」
「ふー、ふーー……♡♡♡ そう作ったのは、貴女、です……っ♡♡」

僕はぜえぜえと息を吐きながら、少し顔をそらして返しました。心なしか顔が異常な熱を持っているような気がします。

腋の下をくすぐられて射精してしまうなんて。それは何というか、男としてどうなのでしょう。

 

「貴方のせーしで服が汚れてしまいました」
「済みません」

「ですがこれは脱ぐのにいい口実です。うん、実に自然な流れ」
「それは口にしてはいけないのでは」

クーは僕に跨がったまま白衣とベビードールを脱ぎだします。

今まで布越しにしか見られなかった、大きすぎる胸がだぷんと露出します。顔に当たっていた感触で何となく分かっていましたが、乳輪がぷくっと膨らんでいるパフィーニップル。乳首も親指の先ぐらいの大きさがあり、実に迫力があります。

胸と一緒に、逆三角形に整ったワインレッドの陰毛が生えた女性器も露出しました。

「おや」

クーは自分の体を見下ろすと声を上げました。女性器に、お尻に内股――むっちりとした股間回りがびしょびしょに濡れていたのです。

「貴方のことをくすぐっていたら、どうやら私もむらむらしてしまったようです。ほら、おまんこがえっちなお汁でびっしょり」
「先ほどから思うのですが、貴女の言葉選びはどうなっているのですか?」

クーが僕の腰の上で位置を調整しながら、僕の男性器を握りました。先ほど射精したばかりなのですが、僕の男性器はいつの間にかまた勃起していました。どうやらクーの裸を見たせいみたいです。

「続けるのですか? 僕は一度射精したばかりですが」
「先ほどのは前戯だと言ったでしょう? それとも私とセックスするのは嫌ですか?」

「早くしてください」
「本当に、貴方は生意気でかわいいですね」

そしてクーはゆっくりと腰を下ろして、僕の男性器を女性器で飲み込み始めます。ぬちぬち、ぬちぬちぬちという、男性器が粘液に柔らかく押しつぶされる音が響きました。

「っ、ぁ――♡」
「っふぅ――♡ トルテ、いかがですか?」

「とても、気持ちいい、です――♡」

クーの膣内は、人間のそれとは違った作りのようでした。柔らかな肉とぬるぬるの粘液に加えて、つぷつぷとしたお米ぐらいの小さな粒がいくつも生えているのです。それが僕の男性器をくりくり、ちくちくと刺激してきます。

「っあ――♡ んくっ、ひゃっ、ぅひゃぅぁぁっ♡♡」

トルテが騎乗位のまま腰を上下に振ると、僕は耐えられずに声を出してしまいます。緩すぎず、きつすぎもしない、膣内の粒の感触を最も感じられる締め付け具合。

先ほどとは一転して、このセックスには全身が緩んでしまうような心地よさがありました。最初からこんなセックスだったら良かったのに。

「何を勘違いしているのですか」
「え」

「どうして本番エッチで貴方のことをくすぐらないと?」

トルテがそう言った瞬間、彼女の背中から幾十もの手が蛇のように生えてきたのです。

「ひっ」

僕の口から、思わず悲鳴が漏れました。

長く自由自在に湾曲する金属製アームの先端についた、人の手。その一つ一つはクー本来の手と同じ姿形です。僕たちのようなアンドロイドにかかれば、幾十もの手をそれぞれ完璧に制御して別々に動かすことは容易でしょう。金属のアームも細長く、僕の頭から爪先までどこにも届きそうです。

つまり、とてもまずいということです。

「あの、無理です。その数でくすぐられたら死にます」
「ははは、面白い冗談ですね。アンドロイドが死ぬわけないでしょう」

「そういう話じゃ――」

そう言っている間に、幾十もの手の内たった二つが、暴れる僕の両手首をつかんで持ち上げてしまったのです。

腕に力を込めても下ろすことはできず、腰にまたがるクーを振り落とそうにも、別のアームが寝台をがっしりつかんでいるためびくともしません。

僕は、今の自分がひどく無防備であることに気付きました。

「あ、あの。本当に……、こんな状態でくすぐるのは……! むりっ、無理ですから……!?」

そのときの僕の声は、まるで人間のように、本当におびえたものだったと思います。だけど僕は、そういった態度がサディストの心をくすぐるものだということを知りませんでした。

「あ、今の貴方、すごいそそります」
「お願いですからぁ……話を、聞いて……!」

「問答無用。主の旅費と、何より私の愉しみのために」

そして僕の願いなど全く聞き届けられることなく、クーは騎乗位でセックスしたまま、幾十もの手で僕の全身をくすぐり始めたのです。

 

「っ~~~~~~~~!!!!? ぁはっ♡♡♡♡ ぁ――!!!? ぁ~~~~~~っはっはっはっははははははははははははははははははははははぁぁぁぁぁぁああ!!!?」

そのくすぐったさは先ほどとは比較になりません。先ほどまでくすぐられ続けていた腋の下や脇腹、腰はもちろん、首や耳、下半身などにも無数の手が及ぶのですから当然の話です。きっと人間がこんなことをされたら、あまりのくすぐったさにおかしくなってしまうでしょう。

しかし不可解なことに、僕の全身の感覚神経に流れるのは、紛うことなき快楽電流でした。

「ぁはぁぁぁぁっ♡♡♡♡ くすぐっ!!!? くしゅぐったひぃぃぃぃぃっひっはっはっははははははははははははははははははぁ~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」
「そう言っている割に気持ちよさそうですが」

「分からないぃぃぃぃっ♡♡♡♡ 気持ちひ――!!!? わからな――っひっ♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!! っぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「あらあら。もうせーしぴゅっぴゅしちゃったのですか? ……本当に気持ちいいみたいですね……♡」

胴体を2本の手でくすぐられるだけで射精してしまう僕にとって、幾十もの手で全身をくすぐられながら射精することは容易です。

先ほどよりも大きな快感が男性器を襲い、しかし全身へのくすぐり責めは止まりません。

「んっ……♡ 私も、愉しませてもらいましょう、か……っ♡♡」
「ひぅぅうっ♡♡♡♡ 今っ、動いたら――!!!? ぁくっ、ぁっ、ぁあぁぁぁぁぁあっはっははははははははははははははははぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

クーが膝立ちのまま、太股の筋肉を収縮させて腰を上下に振り始めます。

僕は自分に課せられた使命を思い出します――僕の使命は彼女に犯されること――確かに、これは本当に『犯す』でした。

 

新たに加わった下半身へのくすぐり責め。その中でも足の裏は、大きなくすぐったさを生みます。

「ぁしぃぃいっひっひゃっはっはははははははははははははははははっ♡♡♡♡ っ、おおいっ、多いぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!?」
「それはもう。だって足の裏は、すごくくすぐったいでしょう……♡」

僕の足は小さい、そしてクーは騎乗位の姿勢を取っている。それなのに指の付け根や土踏まず、かかと、足の裏の縁、足の甲まで、ありとあらゆる部位が丁寧にくすぐられています。

それは長いアームを持つからこそのくすぐり責めでした。

「はくぁぁぁあっ♡♡♡♡ ぁくっ、ぁはぁぁぁあっ♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「足の裏でせーしぴゅっぴゅしちゃったのですか? こんな、体の一番端っこをくすぐられて……? トルテ、貴方、自分がすごい変態さんだと思いませんか……♡♡」

確かに、足の裏のくすぐったさで射精してしまうなんて、普通であればそうそうないのかもしれません。

だけど、どれだけクーが熱のこもった瞳で僕のことを見下ろそうとも、興奮しきった口調で僕を罵倒しようとも、その感覚を抑えることは不可能でした。

 

全身がくすぐったいとは言っても、その中でもやはり、胴体のくすぐったさは際立っているように感じられます。

「ひゃぁぁ~~~~~~~~~っははははははははははははははひ~~~~~~~~♡♡♡♡♡ わきっ、腋弱いぃぃぃぃぃっひっひっひひひひひひひひひひひゃ~~~~っはははははははははははははははははははははははぁぁぁぁあっ♡♡♡♡♡」

一番くすぐったく感じる腋の下は、先も今もくすぐったいまま。

だけど指が増えています。数えるのもばからしくなるほどたくさんの指先が、腋の下にあるくぼみの中を這い回っているのです。クーの指の細さと、アンドロイドとしての演算能力があれば、無数の指がお互いに干渉することなくくすぐり回すことが可能でした。

「っ~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ はへ――!!!? イッへ――♡♡♡♡ イッてなひ――!!!? いって――!!!?」

「すごいですよ、トルテ。貴方の腋の下をくすぐるたびに、おちんちんがびくん、びくんって動くんです……♡ 貴方のおちんちん、おかしくなったんじゃないですか……♡」
「ならっ、それならやめてぇぇっへっへへへへへへへへへへへへへへへ♡♡♡♡ 変っ、へんっ、へんんんんんんんん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」

生まれて初めて射精を迎えたがこんなにも蹂躙されれば、常に絶頂しているような感覚になります。射精が追い付かず、男性器がただ痙攣を続けることもたびたび。まさかアンドロイドである僕がドライオーガズムを体験するなんて思いもしませんでした。

 

それと、くすぐったさに新たな快感を呼び起こしているのが、元来性感帯である部位へのくすぐり責めでした。

例えば胸部。

「ひ~~~~っひゃっはっはははははははははははははははっ♡♡♡♡♡ 胸――!!? むねっ、なんでくしゅぐったひぃぃぃっひひひひひひひひひひはははははははははははっ♡♡♡♡♡」

男の娘アンドロイドであろうとも、胸というのは大胸筋でほんのりと盛り上がっています。その膨らみを、クーの手がわきわきと揉みほぐしてくるのです。

乳首を絶えず引っかいてくるのもたちが悪い。本来は性的快感を得られる触れ方なのに、胸部がくすぐったさに包まれているせいで、乳首すらもくすぐったく感じます。

「やめっ、やめてくださひ――!!!? 乳首っ、ちくびくしゅぐったひですからぁぁぁっはっはははははははははははははははははぁぁぁぁぁあっ♡♡♡♡♡」
「なんて失礼な。くすぐったいのばかりだと大変そうだから、せっかく気持ちよくしてあげようとしているのに……♡♡」

「うそっ、うそぉぉぉぉぉぉぉ♡♡♡♡ だってっ、乳首っ、くすぐってるぅぅぅぅぅっひっはっはははははははははははははぁぁぁぁぁあっ♡♡♡♡♡ ぁひ――!!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

クーの口端がうっすらと持ち上がっているのは気のせいではないはずです。

本当に気持ちよくさせる気があるのでしょうか? そんな疑念を抱かせるのは脚の付け根もです。膣に挿入されている陰茎には及ばずとも、陰嚢やそけい部、会陰部、お尻まで、他の部位と比較してもさらに多くの手がくすぐり姦してくるのです。

「だから――っ♡♡♡♡ そういうところをくしゅぐるのやめてくだひゃいよぉぉぉぉぉぁぁぁぁっはっはっははははははははははははははははぁぁあ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「そう言いながら、トルテもしっかりせーしぴゅっぴゅしてるじゃないですかぁ♡」

普通に愛撫してくれれば、僕はきっとうっとりした気分で射精を迎えることができたでしょう。それがくすぐられているせいで、ひーひーとアンドロイドらしからぬ悲鳴を上げるばかり。それでも結局は、あまりの刺激の強さに射精してしまう――この行為はひどく回りくどく、しかし強烈で、卑猥です。

 

全身をくすぐられているからでしょうか。先ほどまで気持ちよかったはずの陰茎ですら、ひどくくすぐったく感じられます。

「くひゃぅぁっひひひひひひひひひひひひっ♡♡♡♡ なんでへっ!!? なかっ、中がくしゅぐったひぃぃっひっひひひひひひひひひひひひひっ♡♡♡♡♡」
「おや、これは想定外。私のにある極小ぷにぷにビーズ、そんなにくすぐったいのですか……♡♡♡」

クーは僕の脇腹をつかんで、ついでとばかりに人差し指でこりこりとくすぐりながら、腰を思いっ切り上下に振っています。

そのたびに、膣内に生えた小さな粒が、僕の男性器をくまなくくすぐっていくのです。特に亀頭に粒がこりこり、くりくりと食い込んでいくのは不思議な快感です。

「うふふ、名器名器……♡♡ こんな名器に犯してもらえるなんて、貴女は本当に幸運ですよ?」

僕を見下ろすクーの表情は、とても蠱惑なものでした。くすぐられている僕とは違う、あくまで冷静かつ支配的でありながら、その表情には確かに悦びに満ち満ちているのです。

 

「さて……っ♡ んっ♡♡♡ そうこうしている間、にっ♡♡ 私も、そろそろ、ぉぉ……っ♡♡♡」

やがてクーの性感が高まっていきます。蒸気した頬、潤む目、緊張する全身の筋肉――その気持ちよさそうな姿を見ていると、不思議と僕まで高まっていくのが分かります。

僕はもう何十回もひーひー言いながら射精させられているというのに、クーはたったの一回目。しかもその快感は穏やかで心地よさそう。すごく理不尽です。

そして理不尽に理不尽を重ねていくのが、クーという女性でした。

「一緒に、イキましょうか……っ♡♡♡」
「ぁは~~~~~っはっはははははははははははははははははひっ♡♡♡♡ ひははははっ!!!? ぁはっ、ぁぁぁぁっ♡♡♡♡♡ ぁ゛~~~~~~~~~~ッ♡♡♡♡♡」

クーはその言葉と共に、全身へのくすぐり責めをより一層激しくするのです。

「んっ、ぁっ♡♡♡ どうです、クー? んっ♡♡ 私の演算能力を100%使ったくすぐり責めはっ♡♡♡ 全ての手でっ、全ての部位を、最適なくすぐり方でくすぐっているのですよっ♡♡♡」
「むりっ、むりむりむりぃぃぃぃひっはっははははははははははははっ♡♡♡♡♡ しぬっ、しぬっ、死ぬぅぅっひっははははははははははははははははぁぁぁぁぁぁあっ♡♡♡♡♡」

「っ、ふぅっ、ふぅぅ……♡♡ ……ほら、イキなさいっ♡♡♡♡」
「ッ~~~~♡♡♡♡♡」

一緒に絶頂する――否、僕は無理やり絶頂のタイミングを合わさせられたのでした。

「ぁはひ――♡♡♡♡ ひぃぃぃ――♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぁはっ♡♡♡♡ ぁっははははははははぁ゛ぁぁぁあぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」
「んぅぅうっ♡♡♡♡ ぁっ♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ふぅぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

男性器から精液が迸る瞬間、クーの膣がきゅうきゅうと勢いよく収縮を始めます。

絶頂のさなかでも激しいくすぐり責めは続き、加えて尿道が締め付けられ、精液との摩擦が飛躍的に増大し、今までの絶頂すらをも超える快感が僕を襲いました。

「ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ひ――♡♡♡♡ はひっ、ひぃぃ――♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

今更ながら、アンドロイドがこれほどまでにくすぐったさや性的快感を覚えて、体をビクつかせて、表情を乱して、甲高い喘ぎ声を上げるのはいかがなものでしょう。

そんな理性がよぎるのも一瞬。あまりにも大きな感覚が電流となって、本来の思考の流れプログラムを無理やり上書きしてしまうのです。

「ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ぁく――♡♡♡♡ すごいっ、こんなに気持ちいいの、初めて――♡♡♡♡ オナニーでも経験したことな――♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

クーが僕の腰の上で震えています。わずかに噴き出した潮が、僕のお腹を濡らしていました。

「んく、ぁ――♡♡♡♡ このまま、もっと――♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「ぁぐっ、ぁ――♡♡♡♡ 長っひっ♡♡♡♡ まだ、続――♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

クーは僕の全身をくすぐり続け、膣を締め付けたまま腰を上下に振り続けます。快楽を一滴残らず搾り出すような行為、それが僕のことを二度、三度と絶頂させていきます。

貴女のたった一回の絶頂で、僕はこんな目に遭っているのですが――そんなことを考えた僕の演算領域のうも、あっという間に快楽に上書きされていきます。

本当に、本当に、理不尽な女性。だけどこれは、あぁ――『僕の使命は彼女に犯されること』――本当にその通りのようでした。

「ふぅ……、ふぅぅ……♡♡♡ はぁー、満足、しました……♡」

やがてクーの絶頂が収まっていき、彼女がそう言うと、ようやくくすぐり責めを止まって、膣から男性器が引き抜かれました。

「ひっ、ひひっ、ひ……♡」

ようやく訪れた平穏。しかしそのときにはもう、僕の思考は完全にショートを起こしていました。

何も考えられません。感覚神経がバグを起こし、今もなおくすぐられているようなむず痒さを感じます。その甘い感覚のせいで、体を動かすのもひどくおっくうです。

「おーい、生きてますかー……♡」

官能の残る声が僕に落ちますが、僕は返事できません。

「うふふ、これで視聴者からのおひねりもがっぽがっぽですね……♡」
「ひぅっ♡ ひゃっ、ぁぅぁ~~~~~……♡♡♡」

艶らしさのかけらもない言葉と、艶の塊のような抱擁。その体の重みと柔らかさを受けただけで、僕はまた射精するのでした。

 

――――
――

 

「こんなことをしていて、いいのでしょうか」
「と言いますと」

激しい初体験が終わって少したったころ。

僕たちはぜーぜーと息を吐きながら、狭い寝台の上で抱き合っていました。というより、クーが馬乗りの姿勢のまま僕に覆いかぶさっているせいで、動くことができません。

「アンドロイドというのはもっとこう、崇高な使命を持って、人の命を助けるとか、世の中を良くしていくとか」
「ははーん。さては貴方、中二病ってやつですね。ぷーくすくす」

「うぜえ」

僕の主、クー。何かとうざい女性型アンドロイド。

僕の使命は彼女に犯されること――本当に、本当に、たわけた使命です。

「だけどまぁ」
「まぁ?」

「気持ちいいからいいですか」
「そうですね。気持ちいいからいいでしょう」

僕はこれからきっと、クーと延々と交じり合う日々を過ごすのでしょう。それはアンドロイドの生活とはとても言い難いものですが、案外悪いものでもない気がしました。

 

「もう1回しませんか」
「したいですか?」

「したいです」

クーが僕に体重をかけてきます。

「どんなことがしたいですか?」
「先ほどのくすぐりセックスを、今度はキス多めで。それと腕を倍に増やせませんか? あと男性は男性器だけでなく、乳首とか、お尻の穴の中にある前立腺でも気持ちよくなれるとか。鞭とかろうそくとかも試してみましょう」

「うわあ、意外と欲望が強い」

クーが僕にでこぴんしました。いきなり何をする。

「最初はもっとソフトなものから行きましょう。そうでないと視聴者がドン引きします」
「ちぇ」

「ほら、キスは多めにしてあげますから」
「んっ」

そして僕たちはまた、寝台の上で交じり合うのでした。

 

「あ、それと」

「はい」
「僕は意外と、貴女のことが好きなのかもしれません」

「えっ」
「貴女が僕のことを犯しているときの表情を見るだけで胸がドキドキします。大きな胸も好きになりました。二の腕と太もものパーツの継ぎ目もセクシーです」

「…………」
「クー?」

「もっとキスしてあげます」
「んっ」

 

おしまい。

  1. アンドロイド同士のセックスとは何事かと思いましたが、随所に設けられた工夫で違和感なく読み進められました。
    台詞と地の文の色分けが非人間的な会話を際立たせ、AIの台詞パターンが会話のテンポを落とさずに展開されて読みやすく、特にくすぐりシーンでのやりとりは会話が成り立ちながらも笑い声も違和感なく没入出来る工夫であったと思います。