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エロ小説

絶頂ボタンが突然現れたら。不可解な機械で強制連続絶頂させられる少女。

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◆あらすじ

ある日、少女『綾瀬 真』の目の前に『押すとイッちゃうボタン』が現れました。それは押すだけで、まるでクリトリスを甘く潰されるような絶頂感が走るという、極めて不可解なボタンでした。そんな恐ろしい機械をクローゼットの奥に封印することにした綾瀬。しかし後日、自宅に招いた(少しレズっ気のある)クラスメイトの『あまね』に見つかって……。

 

家に帰ったら机の上に何かあった。

「『押すと綾瀬 真がイっちゃうボタン』……?」

 

さて、これは一体どういうことだろう――私、綾瀬あやせ まことは困惑した。

そもそも私は至極平凡な女だ。普通の家庭で生まれて、普通の容姿で、普通の体型で、普通の成績で、普通の運動神経。ついでに一人っ子。

そんな私が学校から帰って来たら、机の上に謎の機械が置いてあるのだ。手のひらに収まる立方体に、赤丸の大きなボタンが1つ。そしてその下には『押すと綾瀬 真がイっちゃうボタン』というラベル。こんなに単純化された機械というのはそうあるまい。

平凡な私にはこんなボタン心当たりないし、こんな悪戯をするようなな知り合いもいない。ストーカーか何か? いやいや、そんな馬鹿な。

 

だからこれはきっと、何かの間違いなのだろう。通販で買ったものが間違って届いたとか、私がラベルの文字を読み間違えているとか。

……人というのは、たびたび考えるよりも先に体が動くことがある。私は何も考えず、制服を着替えるよりも先に、そのボタンを人差し指でポチリと押してしまったのだ。

「んぁっ!!? ッ~~~~~~~~!! ッ~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

その瞬間、アソコの1番敏感なところをムニュリと優しく潰されるような感触が襲い掛かった。

甘く蕩けるような快感に、私は立ったまま内股になって、自分の股間を両手で押さえ付ける。腰がカクカク前後に振れる。アソコから愛液がジワリと染み出しているのが分かる。

「っ――!? な、ぇ――!?」

私は絶頂の余韻を感じながら目をパチクリさせた。

『押すと綾瀬 真がイっちゃうボタン』――その文章を言語として理解はできていた。『イッちゃう』という言葉も含めて、だ。しかし理解するのと信じるのは、話が別だ。

今、私は、こんなボタンにイカされてしまった……? 私はその事実をどこか信じ切れなくて、また恐る恐るボタンに人差し指を伸ばす。

ポチリ。

「んひゃぅっ♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡」

クリトリスに走る甘い快感。まるで目の前のボタンがクリトリスそのものになってしまったかのように、ストレートに響いてくる。

しかもその感覚は快感。指が擦れるヒリヒリとした痛みはなく、弄り続ける疲労もない。こんなボタンが、独り遊びするよりもずっと気持ちいい。

私は思わず制服のスカートを捲って、アソコを凝視する。しかし、どうしてこんなボタンを押すだけで私がイッてしまうのか――その原理・因果関係はまるで理解できず、ただ下着にじっとりとしたシミができていることに気付くだけだった。

 

「ふーーっ♡ ふーー……♡」

私は2度目の絶頂の余韻に翻弄されながら精一杯思考する。

どうしてこんなものがここに? 一体誰が? いや、そんなことよりも重要なのは、『こいつをどうするか』だろう。

こんなものがこの世に存在して良いはずがない。しかしゴミにでも出して、ゴミ収集車の中でほかのゴミたちに揉まれてポチポチ誤作動を起こしてしまう光景を思い浮かべると、恐ろしくて全身が鳥肌立つ。分解しようにも、この立方体にはネジ1つ見つからない。ハンマーとかで下手に壊そうとして短絡でも起こしたら、私は死んでしまうかもしれない。

結局、私が取りうる最善の方法は『保管』しかない。お菓子の入っていた四角い空き缶にボタンを入れて、クローゼットの奥に押し込むのだ。

「さっきの、凄かったなぁ……」

今まで感じたことのない絶頂を思い出すと少し名残惜しくなるけれど、首をぶんぶんと思いっ切り横に振るのだった。

 

――――
――

 

それから1週間ほど後のこと。

「お、お邪魔しますー」
「いやぁ、すっごい雨だったね。あまねさん」

「は、はい。でも良いんですか、綾瀬さん? 上がらせてもらっちゃって」
「良いって良いって。雨宿りしないと風邪引いちゃうでしょ」

私はクラスメイトのあまねさんを家に上げる。

あまねさんは私なんかと違って美人さんだ。長くきれいな黒髪に、優しそうな顔立ち。私と背は変わらないけど、あまねさんのほうがスタイルが良い。品行方正で成績も優秀。

私とあまねさんは特別仲が良いという訳ではないけど、最近よく話し掛けられて、それに応じるようになった。今日もあまねさんのほうから『一緒に帰らないか』と誘われたのだけど、途中で夕立に遭い、『家が近いから』と雨宿りがてら招くことになったのだ。

「そこの左のドアが私の部屋。何か温かい飲み物淹れて来るから入ってて」
「え、い、良いんですか?」

「うん。あと、クローゼットにタオルと服あるから。適当に見繕って着替えちゃって」
「そ、そんなことまで!?」

「ん? うん」

私は、あまねさんが部屋に入るのを見届けてから、大急ぎでミルクを温め始める。

……ここから先は、私が知り及ばなかった部分だ。

 

「ここが、綾瀬さんの部屋……」

部屋に入ってからどこか恍惚とした表情を浮かべるあまねさんは、しばらくその場でぼうっとした後、首を横に振ってクローゼットを開ける。

「綾瀬さんの私服……♡」

クローゼットの中を隅から隅まで眺めるあまねさん。その視線は着る服を見繕うの意図を感じさせる。

そんな見方をしていれば、の存在に気付くのは必然だったのかもしれない。

「……? 何でしょう、これ……?」

あまねさんはクローゼットの奥に置かれていたに、手を伸ばすのだ。

 

――――
――

 

「お待たせ。今日家族出かけてるみたいだから、好きに寛い――ヒぇ!!?」

マグカップの乗ったお盆を手に持ち、自分の部屋の扉を行儀悪く足で開けて、机の上に置きながらあまねさんのほうを見た瞬間、私は全身を引き攣らせて喉から変な声を漏らした。

床には空の四角い缶、ふたは開いている。そして部屋の真ん中で立ち尽くすあまねさんの手のひらには、ボタンがあって、あまねさんがそれを無表情で見つめている。

「あ、あの、あまねさん、それは……!」

何か言おうとするけど、大した言葉が出てこない。

『違うんだ、それは誤解なんだ』『それは洋服じゃないよ』『本当にそれ何なの』――いろいろな言葉が浮かんでは消えてゆくけど、今とにかく大切なのは、どうにかして彼女の手から取り返さなければならないということだった。

「あの、あまねさん、それ、渡してくれるかな……」

私はゆっくりとあまねさんに近付く。まるで公園で小石を啄んでいるハトに忍び寄る時のような足取りだ。そして射程範囲に入り、おずおずと右手を伸ばした時のことだった。

ポチリ――あまねさんは何の前触れもなく『押すと綾瀬 真がイっちゃうボタン』を押したのだ。

「んぉぅぅっ!!? んぐ――♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」

クリトリスをムニュリと潰されるような、強烈な快感が走る。

思わず内股になり、左手でスカートごとアソコを押さえ、伸ばされた右手がそのままの状態でガクガクと震える。下着が濡れてゆくのが分かる。あぁ、そこはまだ雨であまり濡れてなかったのに――そんなくだらないことを頭の隅でぼんやり考えた。

「ぁぐっ、ぁぁ……♡」

絶頂が落ち着いてゆき、体をふらふらさせながら私が思ったのは、『うわぁ、すっごい気まずい』だった。クラスメイトの前で絶頂を晒すなんて恥ずかしくて死にそうになるし、見せられたほうだってどうすれば良いのか分からないだろうに。

無難な所だと、せいぜい笑って誤魔化すぐらいだろうか。ああでも、真面目なあまねさんなら『ごめんなさい』って思いっ切り謝ってきそうだなぁ――なんて思う。

だけどあまねさんの反応は、私の予想とは大分違っていたのだ。

「……うわぁ♡」

頬を朱色に染めた恍惚の表情。ぽかんと開かれた口から漏れ出る熱い吐息。

私が状況を理解するよりも早く、あまねさんが再びボタンを押す。

「んひぅっ♡♡♡ んぁぇ――!!? っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」

再び襲い掛かる甘い快感。2度目の絶頂で耐えられなくなって、私はその場に膝から崩れ落ちた。床を這いながら、腰をカクカクと前後に揺らす。我ながらみっともない姿だと思う。

そんな私のことを、あまねさんが見下ろしていた。

「綾瀬さん、本当にイッちゃったんですか……♡」

それは今まで私が見たことのない表情だった。頬を赤くして、目をギラギラと輝かせて、吐息を荒くして……。

そんなあまねさんがしゃがみ込んで、私の制服を突然掴んでくる。私は反射的に逃げたくなったけど、イッた直後の体は弛緩していた。

「ぅぁ、ぁぁ……!?」
「綾瀬さん、濡れた制服のままだと、風邪を引いちゃいますよ……♡」

確かにそうだけど……。

その言葉を言うには、あまねさんの手付きはどこか艶めかし過ぎる。

動きはゆっくりで、シャツのボタンを外したり、袖から腕を抜くたびに、あまねさんの手のひらや指がわざとらしく私の肌に触れてゆく。私たちの肌は雨水でべったりしているけれど、それでもあまねさんの手は温かくて滑らかだ。

それに、濡れているからと言って、ブラやパンツまで脱がせるのはどう考えたって行き過ぎているのではないだろうか。

「はぁ……♡ ぁ、はぁぁ……♡」
「ぁ、あまねさん、ま、待……!?」

あまねさん、すっごい息が荒くなってるし。

そして私は裸に剥かれて、風邪を引く云々とか言った癖に、新しい服を出してくれるとかはなく、そのままベッドの上に寝転がらされた。

 

あまねさんが私を見下ろすようにして膝立ちになる。

「綾瀬さん、凄くきれいですよ……♡」
「あ、あの、あまねさん……?」

私だっていい加減気付いている。この状況は明らかにまずい。

ボタンの正体だとか、あまねさんの趣味だとか、いろいろ話したいことはあるけど、今の私に必要なのはとにかくこの状況を脱することだ。

イッて弛緩していた体も、段々と落ち着いてきた。私はあまねさんを突き飛ばして、『きゃっ』と悲鳴を上げるのに脇目も振らず、素っ裸のままベッドを這って逃げ出そうとした。

だけど、ポチリ。

「あひゅぁぁっ♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」

あまねさんが『押すと綾瀬 真がイっちゃうボタン』を押すだけで、私はあまりに気持ちよくて、あっという間にベッドの上に倒れて動けなくなってしまう。

3度目の絶頂。相変わらず肉体の抵抗とか限界とかを無視するような問答無用の快感だけど、今回は今までとは違うことに気付く。

「なひ――!!? な、――!!? いぎ、止まら、にゃ――!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」

絶頂が終わらないのだ。

普通、絶頂というのは最初が1番気持ちよくて、後は段々と波が引くように落ち着いてゆくもののはず。だけど今は、その『最初の1番気持ちいい状態』が、延々と続く。それはもう、頭がドロドロに蕩ける程の気持ちよさだ。

私は訳が分からなくてただベッドの上で体を痙攣させながらもがくだけ。そしたら不意に背後から声が上がった。

「だめじゃないですか、綾瀬さん。いきなり突き飛ばすなんて……♡」
「ぁが、な――♡ そ、ぇぇ~~~~~~!!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」

あまねさんがボタンを押しっぱなしにしている。

信じられないことだけど、らしい。そのボタンは、押しっぱなしにすると絶頂がずぅっと続くのだ。

「このボタン本当にすごいですね。こんなに可愛らしくてエッチな綾瀬さんが、たーくさん見られるなんて……♡」
「ぁぐっ♡♡♡ おねが――!!? ぼたん、指、はなしへ――!!?」

「人を突然突き飛ばすなんて、いけないことをする綾瀬さんには……お、仕、置、き、です♡」
「ご、ごめん――!!? ごめ、ごめんなさいったらぁぁぁ――ぁぐぁっ♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」

あまねさんの指先のちょっとした動きで、私は全身をビクビク痙攣させながら懇願しなければならない。何だかあまねさんに支配されているようだ。

あまりに長く絶頂が続いたせいで、うつ伏せになった私のアソコから潮が噴き出た。

「このボタン、他にどんな機能があるんですかぁ?」
「ひーーっ♡ ひっ、ひっ、ひっ、ひっ、ひーーーーっ♡」

「教えてくれないなら、自分で試しちゃいますよぉ……♡」

声音にたっぷりのハートを乗せながら恐ろしいことを言うあまねさんだけど、快感が全身を渦巻いている最中の私は口を開けない。そもそもそんなの私も知らないのだから、答えようがない。

それからのあまねさんは有言実行、ボタンを使って私をイカせまくる。たった1つの大きなボタンにも関わらず、そのボタンのを変えるだけで、絶頂の仕方が変わるのだ。

 

あまねさんがボタンを親指で、指をグリグリと円を描くように押し込んでゆく。

するとクリトリスを指でグリグリ潰されるような快感がやってくる。

「ぉ゛ぉぉぉぉぉっ♡♡♡♡ ぁっ、これっ、すごっ♡♡♡♡ ぉぁ゛、ぁぁぁぁっ♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」

クリトリスを圧迫されるというのは、どうしてか凄く心地いい。まるで温かくて柔らかい体に抱き締められるように、幸福感が押し寄せてくるのだ。

私はうつ伏せのまま弛緩させて、シーツに顔を押し付けたまま呻き声を上げた。

 

あまねさんは次に人差し指を立てて、ボタンを押し込みながら指先でこちょこちょと引っ掻いてゆく。

するとクリトリスを指先でこちょこちょくすぐられるような快感がやってくる。

「んひひひひぃぃっ!!? これっ、くしゅぐったっ♡♡♡♡ ひんっ♡♡♡♡ んひっ、っひゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」

先ほどとは打って変わって、落ち着かない気持ちよさで、体がひとりでにビクビク跳ねてしまう。だけどそれが何だか癖になりそうだ。

私はあまねさんの指の動きに従って、ベッドの上で悲鳴を上げながら転げ回った。

 

それからあまねさんは、ボタンをちょんちょんと小刻みに押してくる。

するとクリトリスをちょんちょんと触れるような、すごく焦れったい快感がやってくる。

「んくっ♡♡♡♡ ひっ!! ッ~~~~~~♡♡♡♡ ぁひっ、それやめっ!! ッ~~~~~~♡♡♡♡」

軽い絶頂が連続してやってくる。だけどどれも軽くて、イッているはずなのに焦れったい。まるで神経に薄いフィルムが貼られているかのよう。

あまりの焦れったさにいつの間にか私は、脚を開いたまま両足の裏をべったりシーツに付けて、腰を持ち上げて、ドロドロになったアソコをあまねさんに思いっ切り見せ付けていた。

 

そんなみっともない姿に興奮でもしたのか、あまねさんは一心不乱にボタンを連続で押し始める。

「ぉぐぁっ♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~♡♡♡ ひゃぐっ♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

大小さまざまな快感が連続してやってくる。

こんなに高速でボタンを押すものなんて、数を数える時に使うカウンターか、ゲームのコントローラーぐらいしか思い浮かばない。

「んぎ――♡♡♡♡ ひゃめ、止め――!!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡ これっ、じぬっ、死ぬぅぅぅ!!!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「ふーーーっ♡♡♡ ふすーーーーっ♡♡♡」

私は突っ張った肺を酷使して必死に制止を呼びかける。だけど目が据わっていて、鼻息は荒くさせたあまねさんの耳には、どうやっても届きそうにない。

何とかしてボタンを奪い取ろうと何度も手を伸ばそうとしたけど、ボタンを押される度に全身がのけ反って動けなくなる。あまりの気持ちよさに、神経を通る電気信号が滅茶苦茶になってしまったみたいだ。

「ぁぐ、ぁ……♡ ひ……♡」

そうこうしている内に、段々と意識が遠のいてゆく。全身がだるくて、視界が暗く、かすれた声しか出ない。

こんなに何回もイカされていたら当然の結果。むしろ今までよく無事でいられたものだと関心してしまう。

「おねが、も、やめ……♡」

私は虚ろな意識のまま、か細い声で懇願する。

だけどそんな小さな声、当然あまねさんの耳には届かなかったらしい。

「私も、気持ちよさそうな綾瀬さんを見てるだけで、もう少しで、イケそうなんです……♡♡♡」

ボソッと呟くような、あまねさんの声。

ぼやけた視界で見えたのは、あまねさんがボタンにめがけて右手を大きく振り上げる姿。ちょ、それはシャレにならな――。

バチン! まるで叩き付けるような押下。だけど見た目に反して痛みはなく、やって来たのは強い快感だけだった。

「ッ――――――――♡♡♡♡♡ かは――――♡♡♡♡♡ ひゅ――――――――ッ♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

まるで釣り上げられた魚のように、全身がベッドの上でみっともなく跳ねる。大きく海老反りになり、その頂点にあるアソコから潮が弧を描いて噴き出す。

脳は危険な麻薬物質で満たされて、何も考えられなくなる。

(ッ――――――――♡♡♡♡♡ ッ――――――――♡♡♡♡♡)

そして長い。絶頂が終わらない。潮が全て排出された後も体は海老反りを続け、アソコをひくひくと痙攣させ続ける。

最後の叩き付けるような押下は、一体私にどれほどの快感をもたらしたのだろう。

「ぁが――♡♡♡♡ かは――♡♡♡」

結局、絶頂は数分あまり続く。

全身から力が抜けてベッドにバタンと倒れ込んだ時には、もう私はグロッキーだった。全身に力が入らず、もう目を開けてもいられない。

意識の隅で、あまねさんの声が聞こえるような気がする。

「ッ~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡ はふっ♡♡♡ ふーーっ♡♡♡ すご、こんな、見てるだけで気持ちいいなんて――♡♡♡♡ ぁくぅ――♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
「んぁぅ……♡ ひ、ひぃ……♡」

そんな声を聞きながら、私は意識を閉じる。

体には霧散し切れなかった快楽が残り続けて、甘い甘い眠り心地を生み続けるのだった。

 

――――
――

 

意識をトばしていた私は、ベッドの上で目を覚ます。

肌の感触で裸だと分かるけど、寒くはない。体には毛布やら布団やらが丁寧……というよりは厳重過ぎるまでに巻き付けられていた。これでは簀巻きだ。

私が目を開けた瞬間、悲鳴のような声が耳を貫いた。

「ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさいぃぃぃ!!」

ベッドの側では、あまねさんが泣きながら何度も頭を下げていた。

先ほどの獣のような様子とはまるで違う。我に返ったということか。だけどこんなに目をグルグルさせながら狼狽える様子は、どのみち学校では見たことがない。

何だか今日はもういろいろと衝撃が多すぎて、何も考えられなくて、もう怒る気になれなかった。外を見たらもう晴れていたから、あまねさんには帰ってもらうことにする。あまねさんは最後までパニック状態で謝り倒していた。

その翌日、あまねさんは風邪を引いて学校を休んだ。ずっと雨でびしょ濡れの制服を着ていたのだから当然だろうか。私が放課後に家までお見舞いに行ったら、あまねさんはまた嗚咽を上げながら泣き出すのだった。

 

――――
――

 

それから私は再び、例の『押すと綾瀬 真がイっちゃうボタン』の封印を決意する。

梱包材のぷちぷちでくるんだ後、お菓子の空き缶に入れて、ガムテープでグルグル巻きにして、ゴミ袋に何重にも入れて、押し入れの1番奥に突っ込んでやろうと思った。

だけどそう思った矢先、例のボタンが見つからない。『なくした!?』『まさかあまねさんが持って帰ったんじゃ!?』とか考えて冷や汗がダラダラ止まらなくなったけど、それから先何の前触れもなくイッてしまうなんてことは起きず、何日経っても平穏そのもの。

ある日突然現れたものだし、ある日突然消えるのも当然かもしれない――やがて私の中でそんな風に納得するのだった。

 

それと何の因果か、私とあまねさんは以前よりも仲良くなった。

お互いに、他人にはなかなか晒せない恥ずかしい部分を見せてしまったからだろうか。私は体的な意味で、あまねさんは嗜好的な意味で。

だけどあの機械が仲良しのきっかけだと思うと、何だか釈然としない。それとあまねさんの嗜好にかどうかは、また別の話だ。

 

私は久しぶりに、あまねさんのことを家に招く。何となく『家で遊ぼう』となったのだ。

「あまねさんってゲームとかってするの?」
「うーん。あまり、かなぁ。家にゲーム機はあるし、有名なのはやってると思うんですけどね」

私の部屋でそんな会話をしながら取り出したのは、人気のゲーム機の、そこそこ有名な作品。

「あ、これならやったことあります」
「へぇ、ボードゲーム? ちょっとあまねさんっぽいかも」

「こういうゆっくり考えられるゲームって良いですよね。私、速く操作するの得意じゃないですから」
「ふーん。よし、じゃあ勝負だ」

「はいっ」

テレビを点けて、ベッドの縁に2人並んで腰掛けて、ゲームを起動して、2人プレイを選択。

そしてあまねさんが、2Pのコントローラーのボタンを押した瞬間のことだった。

「ぉぐぅっ♡♡♡ ぁぇ――!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」

突然クリトリスに走る甘い快感に、私は1Pのコントローラーを握ったまま、膝をガクガク震わせながら絶頂した。

「ぁぐ――♡ ぇ、な――!!?」

デジャブ。この摩擦も疲労もない、純然たる快感には覚えがある。忘れられるはずもない。

どうやらゲームのコントローラーのボタンが『押すと綾瀬 真がイっちゃうボタン』になってしまったようだ。まったくもって信じがたいけど、それを否定するには体があまりに気持ちよすぎる。一体どんな怪奇現象だよ!?

だけどすぐに原因だとかを追及している場合ではないことに気付く。からまるで殺気のような、尋常ではない気配を感じたから。

「あ、あまねさん……?」
「…………」

何の感情も読み取れない無表情な顔。

その顔は、かつてあのボタンを手のひらに収めて見つめていた時と同じだった。

「あ、あの、あまねさん……? やっぱり、今日はゲームするの止めな――」
「――えいっ」

「ひきぃぃっ♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡」

2度目の絶頂。今度は背筋を思いっ切りのけ反らせた姿勢で絶頂した。

もうゲームどころではない。それなのにあまねさんは、それはもう嬉しそうな表情で笑うのだ。

「さ、対戦しましょうか。綾瀬さん……♡」
「何、これぇぇっ!!? 全部のボタンでイ――♡♡♡ アナログスティックまでぇぇぇっ!!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」

ああもう。教訓も発展もない、あまりに雑でどストレートなこの機械が恨めしい。

私はそれから、たっぷりゲームでして、あまねさんに恥ずかしい姿を晒し続けるのだった。

「あまねさっ、あまねしゃんんんんっ♡♡♡♡ 操作、はやすぎっ、速すぎっ!!? というかこれボードゲームっ!!? そういうゲームじゃにゃ――っ!!! っていうかやめてよぉぉぉぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ♡♡♡♡♡」