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◆あらすじ
『筆』を愛する大人たちの社交場にて、まだ幼さの残る『えり』がある女性に筆責めをしてもらいます。アソコを筆で撫でてもらいながら、焦らされたり、我慢させられたり、ちょっと意地悪なことをされると、ちょっとMなえりはつい悦びながら思いっきり絶頂してしまうのです。
パーティーを開けそうな広く煌びやかな部屋。その中にいくつも点在する、真っ白な壁で仕切られた個室のブース。その中からは何人もの人々の喘ぎ声が聞こえる。
ここはある趣味を持った人々をつなげる、紳士淑女の社交場。
そんな場所に初めて赴いた、『私』のお話。
私――青木 絵里。
幼さの抜けきれない顔立ち。『精一杯大人っぽい格好を』と思って着た花柄のワンピースだって、なんだか子供っぽく感じてしまう。髪は腰近くまであって、かなり長いほう。薄い体が髪に隠れてしまいそうなのも、何だかこぢんまりとした印象を与えていけないのでしょうか。
私は大きな広間の入り口に置かれた、真っ黒な革張りのソファに座って待っていたのですが、辺りを見渡しても、私と同じぐらいの年齢の人はいません。どこを見ても私よりもずっと大人っぽい人ばかり。自分が酷く場違いな人間なのではないかと不安になってしまいます。
私が落ち着かない様子できょろきょろしていたら、スーツを着たスタッフの女性が、私のほうに歩いてきました。
「青木様、お待たせしました」
「は、はいっ!」
女性の背後には、もうひとり女性がいました。その人は私に向かって笑顔で手を振っています。ふわふわのパーマの、大人っぽい女性です。
「この人はいかがでしょうか? 彼女は夕夏さんと言います。青木様と年齢が近いですし、ここの常連ですので、青木様のご希望にも合わせられるかと」
「は、はい! ええと、それで」
私はもう、スタッフの女性に言われるがまま。その紹介を無碍にするほどの度胸なんて持ち合わせていませんでした。
「それでは、個室にご案内いたします」
「あ、いいよー。私行くから」
「そう? じゃあお願いしますね。これ鍵」
「はーい」
ゆうかさん……と言ったでしょうか。常連だからか、スタッフの女性とも仲が良さそうです。
髪色はブラウン。長さは胸元まで。身長は私よりは大きいですが、そこまで長身という訳でもなさそうです。ワンピースを着ているのは私と同じなのに、どうしてこんなにも大人っぽいのでしょうか。落ち着いたベージュの服だから? 私よりもずっと胸やお尻が大きいから?
私はゆうかさんの背を追うように、大きな広間の中をゆっくり歩き始めます。
「それにしてもー」
少し歩くと、ゆうかさんは振り返って私に話しかけてきました。ほんわかとした口調です。大人っぽい印象こそ受けますが、顔立ちを見るとそこまで年齢を感じさせるものではなくて、むしろ可愛らしいとすら思える程。
「そんなに若いのに、よくこんなところ見つけられたねー」
「あ、あの。ネットで調べて」
「それで、相手が欲しくなっちゃった……と」
ゆうかさんが『ふんふん』と頷きながら視線を落とします。
視線の先、彼女が手に持っていたのは1枚の紙。あれは――背筋がギクリとするとは、まさにこういうことなのでしょう。私はその紙の存在を確認するだけで、ドッと冷や汗を掻き出した気がしました。
「『筆』、好きなんだぁ♡」
「……はい」
『筆』――私たちの言うそれは、比喩か何かではありません。『筆』は筆。習字や絵描きに使う、あれです。棒の先っぽにいやらしい無数の毛を束ねた道具。
……私のその認識に間違いはないはずです。だってあのふさふさの毛で体を撫でられたら、どれだけゾクゾクして気持ちがいいことか。性の目覚めは小さい頃、習字の授業で使う筆でつい自分の首筋をくすぐってしまったことが原因でした。
しかも素敵なのが、そんなエッチな道具が簡単に手に入るということ。本物の大人のおもちゃと違って、画材屋や百円ショップに行けば色とりどりの筆が並んでいますし、私のような女性でも何食わぬ顔で買えるのです。エッチなのにお手軽な道具。しかしそれが故に、どうしても理解されがたい性的嗜好。
――ここはそんな筆に魅了されてしまった人たちが集まる、大人の社交場。お酒を飲んで語らいながら、筆でエッチなことをするのです。
ここに初めて来たら、まずはいろいろな質問に答えます。普段、筆でどんなことをしている? ここではどんなことをしたい? パートナーの好みは? など。
そしたらスタッフがその条件に合った人を、同じ来訪者の中から見つけて紹介してくれる……。そして広間でお酒を飲みながら語らって、遊ぶ人はこうして個室へ。
あれは私が書いた問診票……のようなものでした。
「ふむふむ、『毎晩、筆でアソコをこちょこちょしています。だけどひとりエッチだけだと寂しいです。誰かに気持ちよくしてもらえたらと思っています』……ねぇ♡」
「よっ、読まないでくださ――!?」
「あはは、ごめんごめん。……だけど、書いてあることがマイルドだなぁ」
「そ、それで、ですか?」
「これで、だよ。ここには、もーっとすごいことしてる人たちがたーくさんいるんだから」
周囲の個室から漏れ出る声が、嫌に耳に入ります。
『んぁっ、ぁっ、ぁぁ……♡ もっとぉっ♡ もっと、おっぱい筆でくすぐってぇ……っ♡♡』
『なひっ、ぁっひぃぃぃっ♡♡ こんなにゾクゾクするのっ、初めてかもぉぉっ♡♡』
「すごそうな声、聞こえるでしょ?」
「……はい」
こんな声を出している人たちは、一体筆でどんなすごいことをしているのでしょう? 私はこれから起きることを期待して、早くもアソコが濡れ出しているのを感じるのでした。
――――
――
そうこうして、私とゆうかさんは個室に到着します。
……個室? 大広間の中に、扉付きのパーティションを置いて区切っただけの空間。中には大きなベッドと小さな棚だけがあって、ひとまず何かをするには事足りそうではありますが。
問題は気密性です。パーティション同士に隙間はないものの、薄くてどこか頼りない印象を受けますし、それ以前に天井が空いているのです。これでは周りのエッチな声が相変わらず聞こえていますし、つまりは私の声だって周りに聞かれてしまうということでした。
「みんな、やってること一緒だから。そんなに気にしないで大丈夫だよー」
「ぅ……」
ゆうかさんはそう言います。
確かに、これだけたくさんの喘ぎ声が響き続ける大広間ですから、『今更私の声が加わったところで』というのも分かります。しかし私としてはそもそも喘ぎ声を聞かれること自体が恥ずかしい。それでも『恥ずかしいから』という理由でこんなまたとないチャンスを逃すのはそれこそあり得ない。だけど、それでも、しかし……。
私がうんうん唸っていると、ゆうかさんが背後から私の肩に手を置きます。たったそれだけで私の思考がドキリと止まってしまいます。
「最初、脱ぐ?」
「ひ、いえ、最初は、着たままで……っ」
「下着、濡れちゃうよ?」
「だ、だ、大丈夫、です……」
「そ♡」
ゆうかさんに優しく背中を押されて、私はベッドの上に倒れ込みます。
「体の力抜いて、足はこうして、腕は、そう」
「あ、あわ、あわわわ……」
姿勢を変えさせられます。正座したまま上半身を前に倒して、お尻を背後に突き出すように。土下座にも似た姿勢です。
背後、突き出されたお尻のすぐ側にゆうかさんの気配があります。この格好はすごく恥ずかしくて、すごく楽しみです。
「それじゃあ、始めよっか」
「は、はぃぃ……っ」
ワンピースの裾がぺろんと捲られて、腰に乗せられます。背後でカチャカチャという音が聞こえます。
とうとう始まるんだ――そう思うと、私の心臓はもう爆発する寸前です。土下座のような姿勢のまま、真っ赤な顔ではぁはぁと息を荒立てている私の姿は、何てみっともないのでしょう。
そしてカチャカチャという音が止んだ後、私の両足の間にすっと何かが入り込んだのです。
「ふぅ、んぅぅ……っ!?」
それは、本当にほんのちょっとの刺激でした。下着の向こうからアソコに感じる、ほのかなむず痒さ。だけどそれだけで私の腰はビクンと跳ね上がります。
土下座のような姿勢を取っていると、ゆうかさんが背後で何をしているのか見えませんが、それでも感触で何をしているのかは分かります。
ゆうかさんは筆で、私のアソコを撫でたのです。
「これは、お絵かき用の筆だよぉ♡」
「っぁっ、ひっ、ぁぁぁ……!」
一口に筆と言っても、その種類、その気持ちよさはさまざまでした。
どうやらこの個室、ベッドの側に置かれた棚に、さまざまな筆が置かれているようで。ゆうかさんが使い始めたその筆は、毛先のまとまりが良いのが特徴でした。
柔らかくもつんと尖った先っぽが、私のアソコをこちょこちょしているのです。いくつもの線維がまとまった毛先は、柔らかくも確かな存在感を覚えさせます。
「あっ♡ んくっ、ひゃっ、ぁぁぁ~~……っ♡」
「……うん♡ すっごく気持ちよさそうだねー」
「は、はいぃ。気持ちいいですぅ……♡」
長年の夢である『他人に筆で気持ちよくしてもらう』ことがようやく叶って、私は早くも歓喜の吐息を漏らし始めます。
独りで遊ぶことは今までに何度もあったのですが……。動きの予測が付かないからでしょうか、自分で撫でるよりもずっと刺激が強く感じられます。自分で手を動かす必要もなく、ただ寝そべって快楽に打ち震えているだけ――それは思っていた以上に心地良いものです。
「ぁっ、ぁぁぁ……! そんな、ずっと、下着の上から、なんてぇ~~……!」
「嫌?」
「っ、ぅぅぅ……♡ 好き、ですぅ……」
「だよねー♡」
ゆうかさんは、徹底して下着の上から私のアソコをくすぐり続けます。下着を捲ることも、布に覆われていない部分に触れることもありません。
筆というのは、指と違ってただでさえ軽い感触です。それなのに下着越しに撫でられたらさらに軽くなって、もう焦れったくて仕方ありません。
だけど、あぁ、それが気持ちいいのです。こんなに柔らかな気持ちよさすらしっかり感じ取ろうとして、自分の体がどんどん敏感になってゆくのを感じます。私はお尻を振りながら、間抜けな声を上げるばかりです。
「ねぇえりちゃん」
ゆうかさんが背後で筆を動かしながら囁きます。
「ここの人たちが、どんなことやってるか知ってる?」
「ここの、んふ……っ♡ 人たち、ですかぁ……っ?」
「そ。言ったよね? ここの人たちはもっとすごいことやってるって」
そうは言いますが、私にはまったく想像できません。ただアソコを撫でられるだけでこんなにも十分気持ちいいと言うのに、これ以上何を望むと言うのでしょうか?
「例えば、筆にお薬を付けたり……。すっごくスースーして、アソコなんかに塗ったら敏感になって大変なことになっちゃうんだよ♡」
「おくす、り……♡」
私はその様子を想像します。自分の体が敏感になって、筆の一挙一動にびくびくさせられてしまって。……想像だけでも凄そうです。お薬を体に塗られるという行為自体も酷く背徳的です。
「後はぁ、もっと大勢で全身を筆でこちょこちょしたり? くすぐったくてケタケタ笑っちゃうんだけど、あれはあれで癖になっちゃうんだよねぇ♡」
「こちょこちょ……っ♡」
私はまたその様子を想像します。全身と言うと、腋の下とか、お腹とか、足の裏とかでしょうか? 確かにそんなところを筆でくすぐられたらくすぐったそうですが。どうして私の体はこんなにソワソワし出してしまうのでしょうか?
「ふっ、ぅぅ……♡ ふーっ、ふー……」
筆で行われる数々の情事。それらを想像するだけで、私のアソコはきゅんきゅんと疼いて仕方ありません。筆というのは感触こそ軽いけれど、それはもう、濃厚で激しいエッチを可能とするのです。
「えりちゃん、アソコがひくひくしてるー♡」
「ぅぁ……っ♡」
私の興奮はゆうかさんにも伝わってしまったみたいで。だけどそのことを指摘されると、凄く恥ずかしい一方でどこか満たされる心地がします。
「えりちゃんって、もしかして結構Mっぽい?」
どうだろう? ――自分がSかMかなんて、考えたこともないのです。
そしたら、ゆうかさんが私の耳元で囁きました。
「ねぇ、ちょっとゲームしない?」
「ゲーム、ですかぁ……っ?」
「そ。私の筆責めに耐えられたらえりちゃんの勝ち。もしも耐えられなかったらぁ……罰ゲーム♡」
曖昧で一方的なルール。そして『罰ゲーム』という言葉。私は思わず、お尻を浮き上がらせてアソコをきゅっと締め付けてしまいます。
「やっぱりえりちゃん、Mの素質あるよぉ」
ゆうかさんはクスクスと笑いました。
どうやらそれは、Mな人なら無条件で興奮してしまう言葉だったみたいです。
『それじゃあ、始めよっか』――その言葉と一緒に、私はゆうかさんに抱きかかえられ、ベッドから下ろされます。ベッドのすぐ側で、脚を肩幅程度に開いて立たされます。
私の足下にゆうかさんがしゃがみ込んだところで、私は胸がドキンと鳴る心地がしました。
「えりちゃん、ワンピースの裾、自分で持って」
「ぅ……。こ、こう、ですか……?」
「そ。ふふ、すごいエッチな格好だぁ♡」
「~♡」
その言葉でもっとドキドキします。両手でワンピースを持ち上げて下着を露出していると、自分が能動的に、すごくエッチなことをしている自覚が沸々と湧いてしまうのです。
そしてゲームの始まり。私の両脚の間に、ゆっくりと筆が差し込まれました。
「んぅぅっ!? そ、それ、それぇぇぇ……っ!?」
「これはハケ、多分日曜大工用かなぁ。さっきと違う気持ちよさでしょ?」
筆……というよりは刷毛と言ったほうが正しいでしょうか。木材とかをペンキで塗るときに使うもの。絵筆なんかよりもずっと大きくて、先が平べったい。
そんなハケが、私の下着の上で無造作に前後しています。まるで大きな舌がぺろんぺろんと私のアソコを舐めているようです。
「っふ、ぅぅぅ……――んひゃんっ!? ぁっ、毛が、引っかかってぇ……っ♡」
「これ、たぶん100円の安いハケだね。だけど逆にチクチクする感じが、癖になっちゃうんだよねー♡」
ハケは線維の1本1本が非常に柔らかくて、下着越しではほとんど感じることができません。断面を押し付けられて、ようやくふんわりとした柔らかさを感じられる程です。
だけどハケの中には時折硬い線維が混じっていて、それがカリッと私のアソコを引っ掻くのです。
これが本当に意地悪でした。いっそのことアソコを責められていることを忘れられる柔らかい刺激のはずが、時折不意に襲いかかる硬い刺激のせいで忘れることができないのです。こんなに焦れったい責めは生まれて初めてでした。
あまりに焦れったくて私が首をイヤイヤと振っていると、ゆうかさんは今度下着の脇を撫で始めます。
「んやぅぅっ♡ やっ、そこっ、下着じゃないですぅぅっ!?」
「ん~♡ 『下着の上からしか触らない』なんて言ったっけ?」
「んぅぅぅっ! い、言ってないぃぃぃっ♡」
布地で守られていない内股やそけい部は、ハケの柔らかな線維の感触もしっかり感じ取れます。それこそ全身が鳥肌立つ程。下着の上からでは分からなかったけれど、このハケってこんなにゾクゾクする感触だったなんて。
だけど、あぁ、違うんです。そこじゃないんです。
「えりちゃん、気持ちいい?」
「き、気持ちいいっ! 気持ちいいけど、ち、違うぅぅぅっ♡」
「えー? でも内股、すごくイイよねぇ♡」
「い、いいんですけどぉぉぉ!? アソコっ、気持ちよくなりたいのにぃぃぃ♡」
私はすごく胸が切なくなる心地がしました。
内股をハケでくすぐられるのは、確かに気持ちいい。だけど私が本当に気持ちよくなりたいのはアソコ。この気持ちよさを、アソコにして欲しい。だけどハケが下着の上に戻ると、ゾクゾクした感触が一気になくなってしまいます。
私はどうにかして気持ちよくなろうと、無意識の内に腰を前後に振り始めてしまいます。大きく脚を開いて、がに股になって、ゆうかさんに自分のアソコを突き出すようにして。自分でも凄くみっともなくて恥ずかしいと分かっているのに、どうしても止められません。
「ふっ、ぅぅぅ……♡ 腰っ、勝手に動いてぇぇっ♡」
「ふふふふっ♡」
私のことを見上げるゆうかさんは、なんてエッチな表情をしているのでしょう。優しい微笑みなのだけど、頬が薄ら赤みがかっていて、私に意地悪するのが心底楽しそうです。
そしてそんな表情を見ると、私は自分が興奮しているのを自覚します。意地悪されることが、こんなに甘いことだなんて知りませんでした。あぁ、私は本当に、Mなのかもしれません。
「もっ、だめ……!? だめ、ですぅぅ……!!」
ゲームが始まってほんの数分のこと。耐えられなくなった私は、とうとう床に座り込んでしまいます。
「だめだったねー」
「はぁ、はーっ、はぁぁ……!」
「それじゃあ、言った通り罰ゲームだね……♡」
「っ、はぁぁ……♡」
ゆうかさんの嬉しそうな声が聞こえます。
ゲームに負けたというのに、私は内心とても嬉しそうでした。罰ゲーム――その内容は明かされていませんが、こういう場に疎い私でも、その言葉がどんな意味を指すのかは簡単に察せます。
体がぼうぼうに熱い。アソコはずっときゅんきゅんと疼いていて、内股は今でもゾワゾワする。……もしもこんな状態で、罰ゲームを受けてしまったら、私はどうなってしまうのでしょう?
「それじゃあ、またベッドに上がって。……だけど、今度は下を脱いでね♡」
罰ゲームの時間が始まります。ベッドの上に連れて行かれて、また土下座をするような、さっきと同じ姿勢。
だけど今度は下着を脱がされてしまっています。
「えりちゃん、すっごい濡れてる……♡ 期待しちゃったのかな?」
「だ、だってぇ……♡」
私のアソコは自分で確認しなくても分かるぐらい愛液でトロトロになっています。あまり毛が生えていなくて、子供っぽくて、だけどしっかりエッチになっていて……。こんなのを見られて恥ずかしくない訳がありません。
「それじゃあ、罰ゲームスタートぉ♡」
「――ぅぁあぁあぁあぁぁぁっ!!?」
筆が私のアソコの割れ目に触れた瞬間、腰がゾゾゾゾと浮き上がる心地がしました。
今まで絵筆、ハケと来て、今度はお習字の筆。毛先がツンとまとまっていて、それがこちょこちょ、チクチクと私のアソコの敏感なところをくすぐってゆきます。
「えりちゃん、気持ちいい? ……って、聞くまでもないかぁ♡」
「ぁっ、あっぁっぁっぁぁぁぁぁっ♡♡ これっ、すごひっ、すごいぃぃぃぃ♡♡」
私は大きな喘ぎ声を上げ始めます。
下着に阻まれていないだけで、何という気持ちよさなのでしょう。自分でシているときも、こんなに感じたことはありません。
きっと、私が筆好きだからというだけではありません。筆好きの私が、散々焦らされて、筆の扱いが上手なゆうかさんに苛められているからこそ、こんなに気持ちいいのです。
「それじゃあ、こんなのはどうかなぁ?」
「んひゃぁんっ!!? ひゃっ、なひぃぃぃぃぃっ♡♡」
筆1本でも一杯一杯なのに、新たな気持ちよさがやってきました。
背後に突き出したお尻の割れ目の上から下までを、ザワザワしたものが包み込むような快感。大きなハケが私のお尻を撫でたのです。
「んくひっ、これっ、くすぐたひひひっ、ひぃぃぃぃぃぃっ♡♡」
お尻を筆責めされるというのは、むず痒くて、くすぐったくて、居ても立ってもいられないのに、癖になってしまうような感覚です。
私は自分のお尻がヒククククっと疼いたのに気付きます。それが何だかすごく恥ずかしくて、お尻の穴をきゅっと締め付けるのですが、ゆうかさんがしつこくお尻をくすぐるから、またふにゃんと弛緩してしまいます。
右手にお習字用の筆を持ってアソコを、左手にハケを持ってお尻を。まるで股間全体が大好きな筆に囲まれてしまったような心地。あまりに気持ちよくて、私はお尻をずっとフリフリと振り続けてしまいます。
やがて、筆は私の汗や愛液を多分に吸って、毛先がまとまってきます。
するとサワサワという柔らかい刺激だったのが、チュルチュルという細くて硬い刺激に変わりました。
「ふぁあぁぁぁぁぁぁっ♡♡♡ ふでっ、ちゅるちゅるしてっ、ちゅるちゅるしてぇぇぇぇっ♡♡♡」
「ホントだぁ。えりちゃんのエッチなお汁、たーくさん吸い込んじゃったんだねー♡」
オオアリクイの舌のような細いものが、私の割れ目をほじくってきます。気持ちよさも然る事ながら、自分がどれだけ濡れているのかを自覚してしまって、本当に恥ずかしい気分。
そんなことされたら――私は自分に限界が近付いてくるのを感じました。
するとゆうかさんはダメ押しと言わんばかりに、そのチュルチュルした筆先で、私の1番敏感なクリトリスをくすぐり始めたのです。
「筆がこうなると、ここがすーっごく気持ちよくなっちゃうんだよねー♡」
「ふひゃぁあぁぁぁぁぁっ♡♡♡ そこっ、そこぉぉぉぉぉぉぉっ♡♡♡」
チュルチュル、チュルチュルチュル。
筆先がクリトリスの先を突き、根元をほじくり、側面を撫で回してゆく――もう快感を愉しむ余裕すらありませんでした。
「もっ、だめっ♡♡♡ ッ――!!! ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」
私は土下座のような姿勢のまま絶頂を迎えました。
全身がビクビク痙攣している最中でも、太ももを愛液がドロリと伝ってゆくのが分かります。筆という優しい刺激なのに、絶頂感はとても強い。まるで快楽をゆっくり溜めに溜め込んで、いっきに解き放つようです。
「ふぁ、へ、ひぃ……♡」
私は姿勢を崩して、ベッドの上に横たわろうとします。
イクというのは少なからず疲れるものですし、体を縮こまらせた姿勢というのは、喘ぐには少し呼吸が苦しいのです。
だけど私の膝がちょっとだけ伸びた瞬間、腰をガシッと掴まれます。『え?』なんて思っている間に姿勢を戻され、次の瞬間、アソコに筆を這わせられます。
「んひゅぅぁっ!!? ぁひっ、なっ、なんでぇぇっ!!?」
愛液を多分に含んだ筆先がちゅるんとクリトリスを撫でた瞬間、ゾゾゾゾゾという寒気が背骨を駆け上がるようです。私は思わずゆうかさんに向かって叫びました。
そしたらゆうかさんはすごくねっとりした声で囁くのです。
「言ったでしょ? 罰ゲームだって……♡」
まさか、もう1回イッたのに、このまま……? 私は自分の子宮がぎゅうぎゅうとおかしくなるぐらい疼くのを感じました。
そこから先は『筆責め』とは思えないぐらい、激しい情事が始まります。
「も――!!? むりっ、むりぃぃぃぃ――♡♡♡」
私は反射的に、這うようにして逃げ出そうとしていました。
しかしいつの間にかゆうかさんはベッドの上に乗って、私のふくらはぎの上であぐらをかくようにして、私の太ももを押さえ付けていました。そのせいで、私は四つん這いの姿勢のまま、逃げ出すことができません。
そのままクリトリスを筆でくりくりこちょこちょしながら、ハケでアソコの割れ目をざわざわ。
「ぅあぅぉ゛ぉぉぉぉっ♡♡♡ ひッ!!? ひゃっ、ぁぅぁぁぁぁぁぁっ♡♡♡」
「すごいでしょぉ? イッたすぐ後の筆責め、私もされるの大好きぃ……♡」
私は筆責めの恐ろしさを知ることになります。
相も変わらずソフトタッチ。だけどイッた直後は体が敏感で、そんな優しい愛撫でも神経を直接撫でられるような心地がします。まるで毛の1本1本まで鮮明に感じ取れるよう。
だけどあくまでも、どこまで行ってもそれは筆でした。
「ぁぅ゛ぅぅぅぅっ♡♡♡ なひっ、これっ、イケないっ!!? きもちいのに、イケないよぉぉぉぉっ♡♡♡」
こんなにも刺激が激しいのに、一方で柔らかすぎてイクことができないのです。もしも指や舌でぐりぐり圧迫してくれれば、私はあっという間にイケたかもしれないのに。
イクことができなければ、私はただヒーヒー言いながら悶えるだけです。自分でも分かるぐらい、濁った喘ぎ声が出続けます。
「そりゃ筆だもん♡ きっと、さっきと同じぐらい筆で気持ちよくならなきゃイケないんじゃないかなぁ?」
「ひっ、ぁっ、ぁ゛ぁぁ――♡♡♡ さ、さっき――!!?」
「そ♡ さっきは何十分かかったっけなぁ……♡」
それは何て恐ろしい言葉なのでしょう。この散々敏感になった体で、先ほどと同じだけの筆責めを受けなければならないと言っているのです。
その言葉を聞いて、私は愛液の量がどっと増えるのを感じました。
「えりちゃんのドMぅ♡」
「っ~~~~♡♡♡」
こんなにも惨い責め苦なのに、どうして私は悦んでいるのでしょう?
イッた直後から筆責めが続きます。
私は最初こそベッドの上でジタバタと暴れていたのですが、やがて体力が尽き、筆の動きに従って敏感な反応を示すだけになりました。
「んぉ゛ぉぉっ♡♡ ぉっ♡ ぁっ♡♡ ひっ、ぉーー♡♡」
いつまでこんな状況が続くのだろう――そう何度も思いましたが、それでも自分の喘ぎ声が段々と切羽詰まってゆくのを感じました。気付けば、自分のアソコには絶頂するに足る快感が溜まって甘い熱を宿しています。やっと、やっと、という気分です。
「ぁ゛っ、ぉっ、ぉ゛ぉぉぉ――!!? もっ、いくっ、イク、い――♡♡♡」
「それじゃあ最後は、思いっきりイカせてあげる♡」
するとゆうかさんに抱きかかえられて、私の体勢が変わります。仰向けに寝て、足を大きく開いた体勢です。一瞬だけ冷めかけた熱。私はほんの少しだけ『今更体勢を変えなくても』と思いました。
しかしそれは必要なことでした。ゆうかさんは、散々筆でくすぐり続けてきた私のクリトリスを、唇でちゅうっと吸い上げたのです。
「っ~~~~!!!? んぉぎぃぃぃぃぃぃぃぃっ♡♡♡♡」
まるで隕石が落ちるかのような衝撃でした。
私は筆で撫でられる感触が大好きです。柔らかくて、くすぐったくて、撫でられるとゾクゾクする心地良さがあります。
だけど指や舌で触るのが嫌いという訳ではありませんでした。それはそれで気持ちいい。それにどんなに筆が好きだとしても、イクのに適したのは指や舌のほうです。本来、イクにはある程度の圧迫感が必要なのです。
散々筆で優しく撫でられた後に、唇で圧迫するように吸う――それは水をたっぷり含んだスポンジをぎゅっと搾るような快感です。
「ッ~~~~~~~~~~~~~~!!!? ぅぁ゛ぁあああああっ♡♡♡♡ っぁ゛~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡」
私は悲鳴を上げながら絶頂しました。ここが頼りないパーティションに区切られただけであることなんてとうに忘れていましたが、きっと私の声は大広間中に響き渡っていることでしょう。そんなことをまったく気にしないぐらいの気持ちよさでした。
そして私が人生最高の絶頂を味わっている、その最中のことです。
「口と筆で、一緒にイッちゃえっ♡」
「ぅあぅぉぅあひぃぃぃぃぃぃぃっ♡♡♡♡ ぅあぇ!!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!? ひひひひひひひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ♡♡♡♡♡」
ゆうかさんが私のクリトリスから口を離したかと思うと、また筆でこちょこちょチュルチュル。ゾゾゾゾっと背筋がのけ反ったところで、また口でペロペロちゅうっ。割れ目はずっとハケでざわざわ。口と筆の合わせ技。
そんな、イッてる時にまだ責められるなんて、これは、おかしくなっちゃう。
「ぁかっ、ひ――♡♡♡♡ なにっ、これっ!!!? イクの、止まらにゃひ――♡♡♡♡ っひ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡ ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」
クリトリスを筆と口で交互に責められ、割れ目をずっとハケで苛められ、たった1回の絶頂が驚く程引き延ばされます。
私はもう声を出せないぐらい肺が突っ張っていて、体の痙攣と一緒に不自然な呼吸をするだけ。アソコはもうドロドロに蕩けきっていて、訳が分かりません。
思考が溶けてゆきます。『どうしてこんなに気持ちいいの?』『いつまで続くの?』『ゆうかさんもこうされるのが好きなのかな?』――頭の中をぐるぐると廻っていたいろいろな考えが、沼に沈んでなくなってゆきます。
(~♡)
もう何も考えられない。頭の中の全てがピンク色に染まったとき、ようやく筆責めが終わるのです。
――――
――
「――はッ!!!? ひ――♡♡♡ はっ、ぁ、ぁぁ……♡♡♡」
私はバタンと音を立ててベッドに倒れ込みます。最初は土下座の姿勢を取っていたはずなのに、いつの間にか大きくえび反りになっていたみたいです。今もまだアソコを筆で責められているような気がします。筆というのは後を引く快感があるのです。
私がヒューヒュー息を鳴らしていると、ゆうかさんが隣に添い寝してきました。
「うふふふ。頑張ったねー♡」
「ぁぅ、ぁ、ぁぁ……♡」
私のことを抱き締めてくれるゆうかさん。2人共ワンピースを着たままでしたから、汗で肌に貼り付いていますし、少しごわごわします。だけど温かい。
私は今もまだ夢見心地。このまま眠ってしまったら、良い夢を見られそうです。
だけど私がうとうととしていたら、不意に耳と首筋にゾクゾクとした刺激がやってきました。
「んぁぅっ♡ ぁっ、耳、そんなに撫でたら……♡ 首、もぉ……っ♡」
「次はどんなことしよっか♡」
あんなにすごいイキ方をしたのに、もう次をするのでしょうか?
ゆうかさんが先に話していたことを思い出します。筆にスースーするお薬を使ったり、笑い転げてしまうぐらい全身を筆でくすぐったり。
どれもこれも、すごく気持ちよさそう。体が熱い、アソコからまた愛液が染み出す――私の体がもう次の準備を始めています。
「次は――」
私は上目遣いでゆうかさんにおねだりしながら、ますます筆の魅力にハマってしまっているのを自覚するのでした。