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エロ小説

幽霊によるおねショタ集団逆レイプ。痴女ばかりが集う幽霊屋敷にて

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◆あらすじ
争いの絶えない時代。幼い少年『フィ』が命からがら逃げ出した先は、住む者の居なくなった屋敷でした。しかしそこはたくさんの美女の霊たちが集う幽霊屋敷であり、非力なフィは彼女たちに犯されてしまいます。幽霊たちは折り重なることで、1度に何人、何十人もの美女とセックスするような快感を与えることができるのです。

 

傷痕の時代。

帝国が全世界に宣戦布告を起こしたのは数十年前、そして終戦を迎えたのはほんの1年ほど前のこと。長らく見ることのなかった平和を前に浮かれて飲み明かした者たちも、自身に深く刻まれた傷痕に気付き始める頃でした。

崩れ落ちた城塞、統率を失った町々、焦土と化した畑。どこの国でも衣食住の慢性的な不足によって略奪行為が横行し、国の庇護を受けられない村落は次々と地図からその名前を消し去る日々。大きな町に居ても平和とは言えず、一部の強者になれなければ財を搾り尽くされて果てるのみ。完全なる復興には、戦乱の時代より数倍の時間がかかることでしょう。

辺境の国のとある町から少し離れたところに、そんな時代より生まれた1つの娼館がありました。人知を超える快楽によって多くの男たちを虜にし、何十年、何百年と続いてゆくお店。

その娼館にはたくさんの美女と、1人の『主』が住んでいます。は死なず、老いず、常に幼い。非力ながらも、を傷付けることは能わず。

これはそんなの、始まりの物語。

永遠に続く幽霊娼館ができる、1日前のお話

夕方、フィは鬱蒼とした林の中を歩きます。

フィは幼い少年でした。小さく華奢な体躯。紺色の髪は首と耳を隠してしまう長さ。時折目にかかった前髪を手で払わなければ、前が見えず危険です。髪を切ってしまえば良いのに――それは無理な話。だって髪を切る鋏もなければ、時間だってないのですから。

前髪の隙間では、まん丸の目が涙に沈んで揺れています。フィは一度、未練がましく後ろを振り返りました。木々の隙間からは、遠くのほうに石レンガの建物群が見えます。彼は向こうにある町から逃げ出した直後でした。

戦争孤児だったフィには何もありませんでした。戦うことはできず、学もなく、特異な才能もない。そんな彼にとって、あの町は地獄のようでした。全ての区域が無法地帯と化し、今もなお恐喝や強盗、殺人が当たり前のように行われています。自分と同年代の子供たちですらも、です。

故にフィは手に握ってあった最後の干し肉を齧りながら、町から伸びる瓦礫の道を当てもなく歩き続けることを決めたのです。

 

日が沈み、足下が暗く見えなくなり、食糧が全てなくなって、不安と共に足の感覚がなくなりかけた頃のことでした。

「……建物?」

フィがか細い声で呟きます。瓦礫道の終端、目の前に大きな建物がそびえ立っていたのです。

黒いタイルの屋根、褐色のレンガの壁。領主か何かの屋敷でしょうか? しかし窓の向こうはどこも灯りが点いておらず、人が住んでいる気配もありません。

もしも誰も居ないとしたら、雨風を凌げる場所としては破格でした。フィは屋敷の玄関まで近づき、極めて慎重に、ドアにそっと手をかけます。そして大きな扉がほんのわずかにギシリと鳴いた瞬間のことでした。

「――わっ!」
「ひゃぁっ!?」

背後から突然出される大声。フィは悲鳴を上げた後、前のめりになって屋敷の中に倒れ込んでしまったのです。

「あははは、すっごい反応!」

楽しそうな女性の声が聞こえます。

フィは床に顔面を打つ痛みに唸りながらも、慌てて後ろを振り返りました。ボサッとしていたら殺されてしまう恐れだってあるのです。

しかし結局のところ、彼が突然襲いかかられることはありません。背後には殺意などとはまるで無縁な女性が立っていたのです。そう、女性が立っていた……のですが。

「ごめんなさいね。そんなにビックリするだなんて思わなくて」

長い黒髪の女性。その髪は腰までまっすぐに伸びていて、絹糸のように美しい。切れ長の目。鋭いものの威圧感を覚えさせない、どこか優しい眼差し。その中心にある瞳はルビー色。若いが、フィよりは明らかに年上、20歳ぐらいでしょうか。真っ黒なドレスに包まれた体は、女性としてはやや高く、しかし細い。

誰が見ても美しいと感じるであろう、その女性――しかしフィが彼女に見蕩れることは万が一にもありませんでした。

「か、かか体、す、すすす透けて……っ!?」
「ん? あぁそうね。私、だから」

だって女性は顔も、体も、衣服も、全てが透けていたのですから。その姿の向こう側には鬱蒼と生い茂る木々と美しい夜空が見えるのです。よく見ると、足下も大地には接してはおらずふわふわと浮いています。

彼女が自身で言うとおり、『幽霊』と呼ばれる存在でした。

「うわ、ぁ、ぁあぁぁぁぁぁっ!?」
「落ち着きなさいな」

幽霊の女性は呆れ顔でため息を付きます。

しかし少年の反応は無理もありません。幽霊なんて――教会の僧侶などが『死者の迷える魂がー』なんてご高説を垂れてはいますが――見たことのある者は極めて少なく、本当に存在するのか疑問視されているものです。

そんな未知なるものに恐怖するのは、人として当たり前のこと。それが力も度胸もない少年であればなおさらのことでした。

目の前の幽霊だけでも一杯一杯のフィ。しかし彼は背後に『クスクスクス』という笑い声を聞いてしまいます。彼が思わず尻餅を付いたまま振り返って屋敷の中を見渡してみると、今度はたくさんの幽霊の女性たちが玄関ホールの中を飛び交っていたのでした。

「あら、お客さんが来たわ」
「お客さんなんて珍しいわね」
「前にお客さんが来たのは何ヶ月前のことかしら」

「さぁ、皆でお迎えしましょう」
「急いで灯りを点けましょう」
「今日はきっと素敵な日になるわ」

ぽつ、ぽつ、ぽつ――屋敷の中の燭台が灯されてゆきます。フィはもうあんぐりと口を開けるばかりで、悲鳴を上げることもできません。

 

最初にフィのことを驚かせた幽霊の女性は、そんな彼の様子に苦笑しながら屋敷の中に入りました。

「会話をしても良いかしら」

フィは腰が抜けていて立てそうになかったので、床に座り込んだまま彼女を見上げました。

「まずはようこそ。私たちの住処へ」
「す、住処……?」

そう聞き返すフィの声音は、相も変わらずか細いものです。

「そう、住処。それ以上でもそれ以下でもないわ。ここも元々は生きた人間がたくさん居たみたいだけど、今じゃあ見る影もないわね」
「その。ここの、人……? たちはどうしてここに……」

「さぁ? 昔死んで、気が付いたらここに居て、だけど何もやることがないから、何となくここに居るだけよ」

少しずつ恐怖心が解れてきたフィは、なけなしの思考を加速させます。彼女の言っていることは、分かるような分からないような。つまるところ、ここは幽霊屋敷ということ――分かったのはそれぐらいでした。

次に女性がフィに問います。

「それで? あなたこそ、この屋敷に何の用かしら?」
「ぼ、僕は、その」

「戦争の影響で無法地帯と化した町に居られなくなって、当てもなく歩き回っていたら、ここに辿り着いた?」
「…………」

「ま、何となく分かるわよ。こんなご時世だものね。のほとんども戦争で死んだらしいわ」

女性はそう言って、フィを屋敷の中に招き入れてくれたのでした。『あぁそうそう、私のことはサキと呼べば良いわ』――と、ちょっと不敵な笑みを浮かべながら。

 

その頃にはもう、フィは自分の脚で立って歩くことができるぐらいには落ち着いていました。彼はサキの背中を追うように屋敷の中を歩きます。

辺りを見渡してみると、生きた人間が居ないにも関わらず、屋敷の中は意外ときれいでした。どうやら幽霊たちが毎日掃除しているようで、今もハタキを持って壁だとか天井だとかをパタパタとはたいています。どうやら彼女たちは透けてはいても物に触れられるようです。

しかしそんな彼女たちが次々と『いらっしゃい』と話しかけてくるのが、フィにとっては何だか落ち着きません。

「そんなに怖いかしら。別に何もしていないじゃない」

サキが振り向かずに言いました。

「臆病ね。おどおどしているくせに、悲鳴だけは大きい。町じゃあ、あなたの居場所なんてなかったでしょう」
「っ……」

図星でした。どうやらサキという人物は随分と物事をはっきり言う性格のようです。『ま、いいわ』――彼女はそう言いながら、1つの部屋に通じる扉を開きました。

「私が見る限り、この屋敷で1番良い部屋よ」
「わぁ……」

そこはかつて屋敷の持ち主が使っていた私室でした。

真っ赤な絨毯、白い壁と天井。革張りのアームチェアと、意匠を凝らされたテーブルと、天蓋付きのベッドと、たくさんの調度品。

所々古びてはいますが、それでも十分豪華。むしろ豪華過ぎて落ち着かないぐらいです。

「その、い、いいの? こんな部屋……」
「どうせ誰も使ってないもの。構わないわ」

『ただし食糧は禄にないわよ』――サキはそう付け加えますが、それでも雨風を凌ぐ場としては十二分に破格。それどころか、幽霊たちは暇を持て余しているのでしょうか、とても世話好きなのです。

「湯浴みの準備ができたわ」
「まずは汚れた体をきれいにしなくちゃ」
「疲れているでしょうから、このお部屋で入っちゃいましょう」

『よいしょ、よいしょ』というかけ声と共に、部屋の中に大きな木桶が運ばれてきます。大人が2、3人ぐらいなら入れそうな、湯浴みに使う木桶。部屋のドアを通すのが大変そうです。

そして今度は1人で抱えられるぐらいの瓶がいくつも運ばれてきて、木桶にバシャリ、バシャリとお湯が注がれてゆきます。

この屋敷には一体何人の幽霊がいるのだろう? ――フィは彼女たちを数えようとして、20ぐらいまでは数えて、それでもまだたくさんいたので諦めました。とにもかくも、時間がかかりそうな湯浴みの準備だって、幽霊たちの数にかかれば何ともスムーズなものです。

お湯に浸かれるなんていつぶりだろう? ――フィはもうそれすら思い出せません。町ではお風呂屋に行くお金も、自分で湯を沸かす薪も手に入りません。それで川に入ろうものなら服を脱いでいる間に追い剥ぎに遭うのは明らかです。時折降る雨は彼にとってまさに天の恵みでした。

しかしフィがそんな風に内心ウキウキしていたら、サキが突然彼の衣服を掴むのです。

「さて、それじゃあ脱がせてあげようかしら」
「え……」

するすると持ち上げられてゆくぼろ切れの裾。フィはほとんど反射的に自分の衣服を押さえます。

「あら、どうしたのかしら?」
「じ、自分で脱げる、から……!」

「遠慮しなくて良いわよ?」
「い、いいってぇ……!?」

きれいな女性に衣服を脱がされるというのは、幼い少年にとってとても恥ずかしいことでした。自分が子供扱いされているような気がして情けなく思う一方で、幼いなりにもそれ以外のを察知して、言い知れぬ背徳感を覚えるのです。

だけどフィが抵抗すればするほど、サキの行動はどんどん増長してゆきます。体を密着させてゆき、ほとんど抱き付くような形になってゆきます。彼女は幽霊のはずなのに、不思議とがあります。体温というものを感じさせない、室温と同じ空虚な冷たさ。しかし柔らかくてスベスベとした肌の感触は、まさに女性のもの。

「……仕方ないわねぇ♪」

サキが引き下がる様子はまったくありません。それどころか彼女が楽しそうに呟いた瞬間、周りの幽霊たちが一斉に動き出すのです。

「私たちも手伝ってあげる。ほら、手上げて」
「恥ずかしがらないで大丈夫よ? これはきっと普通のことよ?」
「そうよそうよ。きっとお貴族様たちだって同じことしてるわ」

「ぁわっ!? わっ、ぁ、ぁぁ……っ!?」

あくまでも幽霊たちの声は優しく、力も優しい。しかしそれが何人、何十人分にもなると、まるで濁流に呑み込まれたようなもの。

たくさんの手に衣服を掴まれて、引っ張られて、とうとう素っ裸にされてしまったフィは、突き落とされるようにお湯の溜まった木桶に入れられてしまいました。

「ぷはっ、ぁ……っ」

恥ずかしさと疲労、それと少しお湯を飲んでしまったせいで、視界がグルグルします。だけど何とか息を整えてゆくと、温かさが体に染みこんでゆくのを感じました。

「どう? 気持ちいいかしら」
「……うん」

フィはサキから顔を背けたまま答えました。

少々強引な部分はありましたが、やはりお湯に浸かれる機会というのは貴重でした。散々歩き通したせいで溜まった疲労が、お湯に溶け出してゆくような心地がします。

しかし彼がそんなゆっくり湯浴みを堪能することはできません。またもやサキが突然、今度は黒いドレスを脱ぎ始めたのです。

「それじゃあ、お邪魔するわよ」
「え」

サキが着ている衣服は不思議でした。幽霊である彼女と同じく透けていて、脱いだ後に手から離すとフッとどこかに消えてしまうのです。

それは紛れもなく超常的な何か。しかしフィの視線は、衣服などにはまるで向きません。

「あら、私の体は見蕩れる程かしら? そう誇れるものではないのだけど」
「っ~~~~!?」

サキがにやーっと笑います。フィは彼女にそう言われて初めて、自分が彼女の裸体をジッと見つめていたことに気付きました。

フィは慌てて顔を逸らしますが、網膜にはサキの裸体が焼き付いたまま――背は高いものの全体的に細身で、胸やお尻もやや控えめ。サキが『誇れるものではない』と言う通り、確かには少々欠けるかもしれません。それでも女性的な丸みは十分にあり、素肌は幽霊でなくてもきっと透き通るように美しい――その均整の取れた体はそのものであり、幼い少年にとっては十分刺激的なものでした。

そしてそんな美しい女性が、自分と同じ湯船に、を手に持ちながら入ってくるのです。背を向ける以外の何ができるでしょうか。

……? ――フィは一度背を向けた後、嫌な予感がして、顔だけを彼女のほうに向けました。

「洗ってあげるわ」

サキが手に持っていたのは、油と灰を混ぜて作られた石けんでした。

彼女はにやけた表情のまま木桶の中でペタンと女の子座りして、手のひらにたくさんの泡を作って、体を後ろに向けていたフィの背中を洗い始めたのです。

「んくぅっ!?」

か細くも明確な悲鳴。柔らかな指先が触れた瞬間、フィの背中がビクンと跳ねました。彼の背中には多少のすり傷があって、石けんが触れると少しピリピリします。

だけどサキはフィの背中を撫で続けます。するとピリピリとした痛み以上に、ゾワゾワとしたくすぐったさを感じるようになります。

「あらあら。どうしたのかしら、そんなにプルプルして。もっと力を抜いて良いのよ?」
「そっ、そんなこと、言われて、もぉ……っ!」

サキはそう笑いますが、きれいな女性に体を洗われるなんて生まれて初めての経験ですから、恥ずかしがらないほうが不思議でした。

「んくっ、ぁ……!? こ、これ……、本当に、洗って……!?」

それに、彼女の手付きはとても『洗う』なんて言えたものではありません。タオルもブラシも使わず、手で直接。しかもほんのちょっと指を立てて、だけど爪が当たらないように、指先で背中をソリソリと撫でてゆくのです。幼い少年であっても、『洗う』以上の悪意を感じます。

そうしてフィが背を丸ませてぷるぷると震えていると、側に浮いていたたくさんの幽霊たちがまたクスクスと笑い始めるのです。

「こんなにゆっくり洗っていたら、この子湯冷めしてしまうわ」
「それじゃあ私たちも洗ってあげましょう」
「全身の隅から隅まで、みーんなで洗ってあげる」

『そんなまさか』――フィがその言葉を発する間もなく、たくさんの幽霊たちの手がフィの全身に殺到しました。

「ふぇっ!? ぅあっ、ひゃっ、ぁあぁぁぁっ!?」

フィはどうすれば良いのか分からず、ただ悲鳴を上げるだけ。そんなことをしても何の甲斐もなく、全身がどんどん得体の知れない感覚に浸食されてゆきます。

幽霊たちの手はどれもしなやかで、滑らかで、美しく、しかし体温をまるで感じさせません。そんな手が、背中を、お腹を、腕を、脚を、首筋を、体の至るところを撫で回してゆきます。全身がゾクゾクして鳥肌立ってゆきます。

たくさんの美女に全身を洗われる――そんな事態に遭って、幼い少年であれどするのは当然のことでした。

「みんな見て! この子、おちんちん大きくしちゃってるわ♡」
「あらあら、ちょっと小さくない? それにまだが被ってるわ」
「何言ってるのよ。この年じゃあ普通よ普通。可愛くて良いじゃない♡」

「っ、ぅぅ……!?」

泡の隙間から覗く、そそり立つ、だけど小さな皮被りのおちんちんを見て、幽霊たちが色めき立ち始めます。フィはただただ恥ずかしくて、顔を伏せるばかりです。

フィは色事とは無縁な少年でした。町に『娼館』と呼ばれる建物が存在することは知っていましたが、そこで何をするのかまでは知りません。セックスなんてもちろん知りませんし、勃起したおちんちんの慰め方すら知りません。生きるか死ぬかの生活において、下半身を露出させてゆっくりとシコシコする暇なんてないのです。

サキが背後からフィを抱き締めながら笑います。その腕は優しいながらも、どこか艶めかしい。

「安心なさい。みんなあなたを馬鹿にしている訳ではないから。……むしろ、愉しみにしているのよ?」
「そんな、何……っ? 何っ、これ、どうして……!?」

フィにとって、彼女たちの行動は不可解でした。

悪意から逃げる――それは無力な少年が生き延びるための平凡な行動原理です。しかし彼女たちが無理やり与えてくるは、果たして善意なのか悪意なのか分かりません。無性に恥ずかしいのに、痛みだとか苦しみだとかはなくて、おまけにどこか気持ちいいのです。

するとサキが彼の疑問に答えます。

「私はこれでも、元々良いトコのお嬢さまでね。結構厳しくて、感謝はしているのだけれど、やっぱり我慢しなければならないこともあって……」

それは彼女の一生。

生前、サキはとある貴族の令嬢でした。父は厳格で、娘を愛しつつも甘やかすことはありませんでした。知性のある佇まいや言動はそのとき由来のものです。しかし彼女は先の戦争で、若くして命を落としてしまいます。この世界においては珍しくとも何ともない話です。

「だけどそれもなくなって、我慢する必要もなくなって。幽霊になったら、どんどん我慢もできなくなって……」

フィを抱き締める腕の力が強くなります。その表情はうつろで、言葉も要領を得ません。『会話』と呼ぶには程遠く、どこか夢の中の出来事を独りで振り返っているようにも感じられます。

だけど彼女は一度顔を伏せると、次には獲物を前にした獣のような表情で嗤うのです。

「――私、男の人を犯したくて犯したくて堪らないのよ……♡」
「ひ――っ!?」

サキのその言葉を皮切りに、屋敷を飛び交っていた幽霊たちが口々に話し始めました。

「私は幽霊になる前もたくさんエッチしてきたわ。もう何人とシたか数え切れないぐらい!」
「君みたいな可愛い子大好き♡ 村に住む男の子たちはみーんな私が食べちゃった♡」
「だけど、まだね、みんなみんな、ぜーんぜん足りないの……♡」

「ぅぁ、ぁ、ぁぁぁ……!?」

あらゆる方向から聞こえるおぞましい言葉の雨。館そのものがザワついているようにも思えます。

フィは温かなお湯に浸かったまま、幽霊から発せられる特有のを感じ取りました。彼女たちは死してなお、の衝動に駆られているのです。

 

幼い少年のフィはもちろん、教養深いサキですらも知らない事実がありました。

大気、地脈、魔力――さまざまな要因が絡み合うものですが、この世界には『死者の魂が集まりやすい場所』というものが存在します。それは流れ続ける河の中で形成される淀みにも似ています。

そして死者の魂は、その性質で以て引き合うことがありました。

例えば町々の荒れた墓地には、理性を失った不浄な霊が集う。例えば王国の海辺に位置する洞窟の奥には、海で無念の死を遂げた漁師たちの霊が集う。例えば帝国より北に位置する霊峰には、死してなお戦いを求め続ける戦士たちの霊が集う。

つまるところ、この屋敷は必然的にたくさんの霊が――それも色気違いの美女の霊ばかりが集う場所だったということです。

サキが笑みを深くして囁きます。

「ここには欲求不満な幽霊が居るのよ。……そんなところにあなたみたいな可愛い男の子が来てしまったら、ねぇ?」

……本来であれば、極めて限定的な条件であるが故、霊の数も少なければ『引き合う力』も弱かったのですが。しかし数十年もの間続いた戦争で失われた命はどれほどのものでしょう? その中に、を満たす死者というのはどれほど居たことでしょう?

爆発的に増えた霊、そして増大する『引き合う力』。今やこの屋敷は世界中から美女の霊を引き寄せてしまう程、その力を増してしまったのです。

 

フィは得体の知れない恐怖を感じ、悲鳴を上げ、裸のまま桶を飛び出して部屋から逃げ出そうとします。

「な……! 扉っ、どうして、開かな……っ!?」

だけど不思議なことに扉が開きません。

ドアノブを捻っても、非力なこぶしを叩き付けても、最初からそこに蝶番ちょうつがいなんて存在しないかのようにビクともしないのです。

次にフィは窓へ駆け寄りますが、やっぱり開きません。ガラスに手を叩き付けても割れません。怪我することを覚悟した、久しく勇気のある行動だったのに、あんまりな結果です。

「逃がさないわよ……♡」
「ひ……っ!?」

サキがフィの肩をそっと掴みます。逃げ惑う彼に対して、あまりに優しく、艶めかしい力加減です。

また幽霊たちが口々に囁き始めます。

「数ヶ月前に来たお客さんは、せっかくしたのに、すぐに逃げちゃったの」
「彼はすごく痛そうだったわ。ここは2階なのに窓から飛び出して、ガラスは刺さるし、地面に打ち付けられるし。その後すぐに死んじゃったみたい」
「だから私たち、たーくさん練習したのよ。男の人が死なない方法を。逃がさない方法を……♪」

彼女たちが楽しそうに語るは、明らかに人の能を超えた何かでした。

これもまたサキですら知らない事実ですが、霊というのは肉体という枷を取り払った分だけ、強大な魔力を集めて扱うことができます。時には『神』と呼ばれる類に匹敵するレベルに到達する程。それでは、果たして先の大戦で集められた魔力はどれほどのものでしょう?

概念をねじ曲げる程の、『幽霊』と呼ぶにはあまりに逸脱した力――その核となるのが目の前にいる彼女、サキでした。

「ま、そういうことだから諦めて犯されて頂戴♡」
「な、かっ、体……!? ぁあぁぁぁぁぁっ!!」

サキが軽く人差し指を振るうと、フィの体が浮き上がります。そして投げ飛ばされるように放物線を描いて、すっぽりベッドの上に。フィが柔らかい衝撃に呻き顔を上げた頃には、無数の幽霊たちがにじりよってきているのです。

「怖がってるのにおちんちんは硬くしたままね♡」
「だけどもう怖がらなくて良いのよ?」
「たくさん、たーくさん、気持ちよくしてあげるだけだから♡」

「ぁ、ぁぁぁ、ぁぁぁぁぁ……!?」

神格級の力を持ったサキと、彼女に属する無数の幽霊たち――これほど安全な悪霊というのもいないでしょう。彼女たちはただ、屋敷に訪れた男を犯したいだけなのですから。

「さ、始めましょう♡」

サキの言葉を合図に、無数の幽霊たちの手がフィの全身に這い回り始めました。

 

「ぅ……っ!? な、何、これ……! ひっ、ひゃっ、ぁっ、ぁあぁぁぁぁぁぁ……!」

フィの全身を不可解な感覚が包み込みます。

幽霊たちの手付きは明らかに『洗う』ためではなく、『愛する』ためのものでした。揉む、撫でる、突く、くすぐる――さまざまな動きで以て、少年の敏感な神経を逆立ててゆき、ついでのように体に残った水気を拭い取ってゆきます。胸やお尻、おちんちんにも遠慮なく手が這い回ります。

「どう、すごく気持ちいいでしょう?」
「そんなっ、分かんない、分かんないよぉ……っ! なんだかっ、体っ、変んん……!?」

短い人生の中、全身をエッチに撫で回されることなんてありませんでした。おまけに1人1人の手付きは極めて情熱的。時には少年の肌の感触を堪能するように、時には少年の反応を引き出すように。惰性で撫で回す時なんて一瞬たりともありません。

くすぐったくて身をよじってしまうのに、心臓がドキドキして、力が緩んでしまう心地。セックスのハウツーなんて知らない幼い少年が体験したら、一発で性的嗜好フェチシズムになってしまうであろう甘美な感覚です。

だけどがおかしい。

「んぅぅ……っ!? なっ、――!? っ、てっ、手ぇぇ……!?」

そう。全身を撫で回す手があまりに。人の体積だとか、空間だとか、そういったものを無視して、あまりにたくさんの手が少年の体を撫で回しているのです。それこそ、体の表面が全て手で埋め尽くされてしまうぐらい。

「私たちは幽霊よ? 何に、何になんて自由に決まっているじゃない」

サキの言葉でフィも理解します。幽霊たちの手がいるのです。

手のひらで撫で回されているところに、指先でくすぐる動きと突く動きが差し込まれて、さらに揉み込む動きまで覆い被さっていて……。そんな風に、ただの一箇所にさまざまな刺激が折り重なっているのです。

幽霊たちの体も重なっています。狭い空間であってもお互いの体を押しのけ合うこともなく、当然のように重なり合って、小さな少年の体に夢中で手を伸ばしています。それどころか、ベッドの下から手を伸ばして、シーツと接しているはずの背中ですら撫で回してきます。

幽霊でなければなし得ない、『重なる快感』。それが全身で行われているのですから、どんな娼館でどれだけお金を叩いても実現できない気持ちよさでしょう。

「おちんちん、すっごく硬ぁい♡ やっぱり子供って良いわ♡」
「だけど皮を被ったままなんて男としてみっともないわよ。私が剥き剥きしてあげる♡」
が縮こまっちゃってる。モミモミしてほぐしてあげなきゃ♡」

「ひっ、ひゃっ、ぁぁっ!? なにっ、これっ、そんな、ところ!? ぁっ、あっぁっぁっぁぁぁぁっ!?」

そんな幽霊たちの愛撫が特に強烈なのがおちんちんでした。

何人もの幽霊たちが、好き勝手にフィの小さなおちんちんを手コキしています。上下にしごかれ、振り子のように左右に傾けられ、ぎゅっと握られ。皮を剥かれた亀頭、ツルツルの睾丸も優しく愛撫され続けるのです。

全部の刺激がごちゃ混ぜになって、無数の透明な手の向こうでそそり立ったおちんちんがビクビク震えているのが見えました。

「なに――!? 何かっ、変んん――!? ッ~~~~~~~~~~~~~~! ぅぁぅ!? ぅ~~~~~~~~~~~~~~!?」

大の男でも耐えられなさそうな快感に、フィはあっという間に射精してしまいます。

彼とて、夢精したことは今までにもあったかもしれません。しかし起きたまま射精を意識したのは生まれて初めてでした。それはうっとりとした心地良さでありながら、どこか情けない悲鳴を上げざるを得ないような、もったりとしたがありました。全身に纏わり付く快感が、幼い少年の感度を引き上げているのです。

「うわー♡ すっごい量の精子ね、さすが男の子♡」
「あー、どんどん溢れてきちゃう。何だかもったいないわ」
「大丈夫よ。これだけ元気なら、もたくさん射精るはずだから♡」

夥しい量の精液がたくさんの幽霊たちの手に受け止められて、それでも受け止めきれなくて、飛び散ってゆきます。

 

「はー……っ! は……! ひっ、ひっ、ひぃ……!」

一瞬の休憩時間、フィは息を整えます。

一体どうしてこんなことに? 自分はどうすれば良いのだろう? ――いつの間にか『逃げる』という選択肢が消えていることに、彼自身は気付きません。幽霊たちが無理やり齎してくる快感が、彼の貧相な頭脳を更に鈍らせているのです。

故にフィは彼女たちにされるがまま。するといつの間にかサキが自分の腰に跨がっていることに気付きました。

「終わった気になってるんじゃないわよ? 愉しいのはこれからなのだから……♡」
「っ、っ……!?」

年上の美女が自分の腰の上で膝立ちになって、おまんこを人差し指と中指でぱっくり開いている――それは幼い少年にとって、世界の真理を覗くような刺激的な光景です。

男の子には存在しない割れ目から愛液が零れ、陰毛を濡らし、一筋の糸になってフィの下腹部に垂れてゆきます。愛液に熱はないはずのに、触れたところが無性に熱くなってゆく心地がします。

性知識のないフィには、彼女が何をしようとしているのかは分かりません。だけど何かとんでもないことが始まることを予期して、おちんちんを再び硬く勃起させるだけでした。

「さ、行くわよぉ……っ♡」

サキがフィのおちんちんを掴んで、ゆっくりと腰を下ろしてゆきます。

クチリ。おちんちんの先とおまんこの入り口が触れあって、フィの腰がビクンと跳ねます。クチリクチリ、先端と入り口がこすれ合って、フィは鳥肌が立つ心地がします。

そして次の瞬間、サキはを定めたのでしょうか、『もう待ちきれない』と言わんばかりに一気に腰を下ろしたのです。

グチグチグチ!

「ッ~~~~!? ぅくっ、ぁっ、ぁぁぁぁぁっ!?」

未知の快楽が幼い少年のおちんちんを包み込みました。

幸いにも、フィには幽霊で童貞を卒業することに対する無念はありません。その代わりに、何が何だか分かりませんでした。

自分のおちんちんが彼女の割れ目に呑み込まれている。これは何? 自分は何をしている? とにかく気持ちいいのはどうして? ――フィは頭の中にたくさんの『ハテナ』を浮かばせながら、を見つめ続けます。幽霊の膣内に温もりはなく、程良い締め付けの中、内壁のヒダヒダと粘液のヌルヌルだけを感じます。

「何が何だか分からないって顔してるわね……っ♡ 教えてあげるわ、これが『エッチしてる』って言うの、よっ!」
「っ、ぅぅぅぅぅっ!? い゛!? だめっ、うごかっ、動かないでぇぇぇぇっ!?」

「んっ、ぁ、ふ……♡ ふふ、あなたも愉しんだほうが得よ?」

きれいな女性が、両足の裏をシーツにべったり付けて、がに股で腰を振っている――それは不思議な光景でした。

サキは確かに幽霊ではありますが、理性を失った訳ではありません。もしも彼女が獣のように豹変したのであれば、こんな行為もただ恐怖をまき散らすだけだったでしょう。

しかし彼女は激しく下品に腰を振りながらも、相も変わらず姿は美しく、表情は優しく、声音は理知的で、だけどその全てが艶めかしい。そのせいで少年の恐怖は薄く、ただ背徳と興奮が高められてゆくのです。

幼い少年のおちんちんは敏感で、溜め込まれた精力は十二分。先ほど1回射精したというのに、もうまた射精してしまいそうになります。

「ふっ、ぅぅっ!? ふーっ! ぅっ、ぅぅぅぅぅぅ!」
「あら、我慢する気? まぁ良いわ、愉しみ方は人それぞれだもの、ねっ!」
「っぁ、ぅぅぅぅっ!?」

フィは呼吸を荒立たせて快感を我慢しようとします。あまりに唐突で激しい感覚に対する、極めて率直で本能的な行動です。

しかし周りの幽霊たちの行動は、そんな彼に『さっさと快楽に溺れてしまえ』と言っているかのようでした。

「うーん。私、もう我慢できないわ♡」
「そうね、順番待ちなんてしていたら夜が明けちゃうわよ!」
「もうエッチしちゃいましょう♡」

「ぇ――!? ぁっ、ぅあぁぁぁぁぁっ!?」

フィは思わず目を見開きました。

サキがフィの腰に跨がって腰を振っている真っ最中だというのに、周りの幽霊たちが次々と彼の腰に跨がってゆくのです。たくさんの手が愛撫してきた時と同じように、セックスですら彼女たちにかかればことができたのです。

「それじゃあ、いっただきまーす♡」
「あぁぅぅっ!?」

「私も私もー♡」
「ひゃぁぁぁっ!?」

「ちょっと、みんな腰動かしすぎ! 私が挿れにくいじゃない!」
「ひぅうぅぅぅっ!?」

つぷり、ぐちゅり、ぬぷり――幽霊たちの膣が次々とフィのおちんちんを呑み込んでゆきます。

しかも膣の締め付け具合だとか、内壁の感触だとか、挿入する速さだとかが1人1人違うのです。まさに何人ものとのセックスを、たった1度に凝縮した感覚です。

「もっ、だめっ、だめぇ――!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~!! ぅぁぅっ!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」
「んぁんっ♡♡ まったく、もう射精ちゃったのかしら? まぁ良いわ、すぐ次に行きましょう♡」

挿入がまだ終わっていないというのに、フィはとうとう我慢できなくなって射精してしまいます。子宮口を精液でくすぐられて、サキが喘ぎ声を上げました。

だけどピストン運動が止まることはありません。そして挿入も止まりません。もう10人を超えるであろう幽霊に跨がられているはずなのに、まだ周囲にはたくさんの幽霊たちがいて、異質な情事をフンフンと見届けています。一体この屋敷にはどれだけの数の幽霊がいるのでしょうか。

やがて幽霊たちの挿入が落ち着きますが、彼女たちは一斉にピストン運動を始めます。セックスの本番は挿入ではなく、であることは言うまでもありませんでした。

「んー♡ 久々のおちんちん気持ちいいー♡」
「んっ、ぁっ、んっ♡ だけど、やっぱりちょっと小さくないかしら?」
「こうすると気持ちいいわよぉ♡ こうやってー、先っぽをお腹に擦り付けるみたいにっ。んっ、んっ、んんん~♡」

「ひぐっ!! ひっ、ひぃぃぃっ!!? ぅあっ、ぁっ、ぁぅ、ぁっあっぁぁぁっ!!?」

ひたすら上下にピストン運動する者もいれば、円を描くようにグラインドする者もいて、奥深くに挿入したまま膣をぎゅっと締め付ける者もいる――おちんちんを快感で滅茶苦茶にされるような気分です。

「もっ、だめっ、でてるっ、でてるからぁぁぁぁっ!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~!! ひ――ッ!! ぁ゛~~~~~~~~~~、っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」

フィは事あるごとに射精しますが、不幸にも幼い少年のおちんちんは相変わらず元気なまま。この異質な情事はまだまだ続くのです。

 

「ねぇ、私のことちゃんとてよぉ♡」
「ただ上で腰を振られてるだけなんてダメ。があなたを犯しているのか、ちゃんとなきゃ」
「それでちゃんと私たちのこと、ちょうだい♡」

彼女たちとのセックスは不思議でした。

フィは何十人もの幽霊たちに跨がられているはず。そんなにたくさんの幽霊たちが重なっていたらもはや視認すら怪しいはずなのに……。意識を傾けるごとに、セックスをしている相手の姿と声、それと気持ちよさがよく分かるようになるのです。

「っ、ぁ、ふぅ……っ♡ 本当に君、すっごく敏感で可愛いね~♡」

艶やかな声に反応して、フィの意識が傾きます。

フィは自分とセックスしている何十人もの幽霊の内1人が、サキよりももう少し年上の女性であることに気付きました。

ウェーブを描いた茶色の髪、おっとりとした表情、目尻にホクロ、そしてサキよりもずっと豊満な肉体で、まさにというものを煮詰めたような女性。そんな彼女が、フィの頬を優しく掴んでうれしそうに笑うのです。

「やっと私のことくれたぁ♡ それじゃあ、お礼にたっぷりサービスしてあ、げ、るっ♡」
「っひぃっ!? なにっ、これっ! なかっ、ぐにぐに動いてぇぇぇぇっ!!?」

「うふふふ、すごいでしょう? 私、おまんこでおちんちんをできるんだよぉ♡」

彼女の膣は柔らかくて、もったりとした液体の中におちんちんを入れているよう。そして彼女が腰を艶めかしく動かすと、ぐにゅんぐにゅんという濁流がおちんちんを蕩かせてゆくのです。

「んぁぅっ、ぁあぁっ!? ひ――!? ッ~~~~~~~~~! っ~~~~~~~~~~~~~~~~!!?」
「んぅぅ~、イッちゃったねぇ♡ お顔も蕩けちゃって、ほんと可愛いなぁ~♡」

フィのことを撫でる手も、柔らかなおまんこの感触も、声も。全てが優しく、心底愛でるようで甘い。彼女とのセックスは身も心もドロドロにされて、思わず甘えたくなるような心地がしました。

 

「――いい加減私のこと、なさい、よっ!」
「んぐぅ!?」

おちんちんを強く締め付けられる快感に、フィの意識が傾きました。

今度は数多くいる幽霊の中ではかなり若い、それでもフィよりはほんのちょっと年上ぐらいの少女をします。

くすんだ金の長髪、可愛らしくも強気そうな表情。胸もお尻も年相応に小さいのですが、それでも仄かに香る女性的な曲線美は、フィを興奮させるに十分なものです。

「はー。なーんで屋敷に迷い込んだのがこんな子供なのかしら。もっとガッシリした大人の人が良かったのに」
「き、君だって、子供じゃ……」

「……ぁん?」
「ひ――!」

息をゼエゼエと鳴らしながら思ったことをそのまま口にしてしまったフィのことを、少女はキツくにらみ付けました。

「私が本当に子供か、これを喰らってから言ってみなさい、よ!」
「んぁ゛ぁぅっ!? なにっ、きつ――!? ぅぁぁぁぁぁ!?」

少女は腰を上下に振り続けたまま、膣をぎゅっと強く締め付けます。特筆すべきはその膣の締め付けであり、手で握りつぶされるような圧迫感。そこに愛液のぬるぬるとピストン運動が加わるのですから、まさに『搾り取られる』という言葉が相応しい責めです。

「んぅ゛ぁぁっ!!? だめっ、だめぇぇ!!? ッ~~~~~~~~~~~~!! ッ~~~~~~~~~~~~~~~~!!?」
「あはっ、ふふふふっ♡ 何よ、生意気なこと言ってもうイッてるの? ほら、『ごめんなさい』は?」

「ごめんなさっ!? もっ、止め――!? ごめんなさいぃぃぃっ!!」
「っ~♡ だめ、まだ赦してあげない。私が満足するまで、犯されなさいっ♡」

まるで罰を与えるかのような厳しさを感じさせるセックス。しかし少女は不満を漏らしながらも、彼とのセックスを心底愉しんでいるようでした。もっとも、その分だけフィは気持ちよくて気持ちよくて仕方ないのですが。

 

「ふ……っ♡ ぁ……♡ んっ、くっ、ぁっ、ぁぁ……♡♡」

控えめな喘ぎ声が微かに聞こえてきて、またフィの意識が傾きます。

目の前で鮮明化するのは、先の2人の中間ぐらいの年齢で、少女と呼ぶべきかどうか悩むぐらいの女性。目を引くのは深い青色の髪。後ろ髪は首ほどの長さしかないのに、前髪が長くてフィと同じように目が隠れてしまっています。

しかし揺れる前髪から時折見える容姿は、素朴ではありますがまさに美少女と呼んで差し支えありません。何より小柄な体格には不釣り合いな、少々肉付きの良すぎる胸やお尻が、フィの目を引きました。

「はっ、はぁ……♡ はっ、はぁ、はぁはっ、はっはっはっはっ……♡♡」
「ぅぁぁぁっ!!? だめっ、止め――!? 強すぎっ、強すぎるってぇぇぇっ!!?」

彼女はフィにされたことを知りながらも、会話を交わすことなく一心不乱に腰を振り続けます。腰を打ち付ける音がバチンバチンと響いて、まるで平手で打たれているような痛みすら微かに覚える程。

そしてそんな痛みよりも遙かに大きな快感が、おちんちんを蹂躙してゆきます。

「はぁっ、はぁっ……♡ ごめんね、我慢できない……♡♡」
「ぅぁぁぁぁぁっ!!? もっ、だめっ、だめ――!!? ッ~~~~~~~~~~!!! ッ~~~~~~~~~~~~~!!?」

「んひぅっ♡ はーっ、はー♡ んっ、は……、はっ、はっはっはっはっはっ……♡」
「だめっ、止めてっ……!? 変にっ、変になるからぁぁぁぁっ!!?」

フィが射精しても腰の動きを止めることなく、むしろますます速める彼女。とても大人しそうな女性が、一体どれほどの情欲を溜め込んでいるのでしょう。物理的な快感もさることながら、彼女の外面と内面のギャップに、フィは幼いながらも言い知れぬ興奮を覚えるのでした。

 

「他の子たちとのエッチは愉しかったかしら?」

そしてまた意識が傾くと、腰を振り続けているサキの姿が鮮明化します。

「だけどたまには、私のことをくれても良いわよ、ねぇっ♡」
「ぃひゃっ!? ぅっ! ぁっ!? ぁっ、ぁっあっぁっあっ!?」

生前にセックスをする機会が少なかったからでしょうか、サキの腰付きはいろいろなやり方を試すようでした。上下にピストン運動してみたり、グラインドしてみたり、リズミカルに膣を締め付けてみたり。

経験こそ浅いサキですが、けっして下手という訳ではありません。むしろその熱意と学習能力で以て、腰付きがどんどん洗練されてゆきます。フィの反応を見て、動きを最適化しているのです。

「ねぇ、こういうのはどうかしら? ほら、裏側を念入りに……っ♡」
「んぁ、ぁ、ぁぁぁっ!? ひゃわっ、ひゃぁぁぁ……っ!?」

サキは自分の体を反らせて、膣壁でおちんちんの裏筋を擦るように動きます。フィは甘い感覚に翻弄されて上ずった声を上げ始めます。

「それじゃあ、次はこ、れっ。やっぱり先っぽは弱いかしら♡」
「ひっ、ひぃぃぃぃっ!!? やめてっ、それやめへぇぇぇぇっ!!?」

次にサキは膣を締め付けます。内壁がと蠢く様は、まるで咀嚼しているかのよう。皮を剥かれたばかりのフィにとっては、亀頭が変になってしまったみたいで、居ても立ってもいられない快感です。

「もっ、だめっ、我慢、でき――ッ~~~~~~~~~~~~~~~~!!? ぁぅっ!!? っ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」
「情けない子、本当に早漏ねぇ。私としては愉しくて仕方ないのだけれど♡」

「も、体、変に……! もう、無理ぃ……っ」
「だーめ♡ まだまだ満足していないわよ?」

頬を撫でる手付きや声音は甘いのに、言葉は厳しく、動きはただただ激しい――フィにとってサキとのセックスは心がかき乱される心地がしました。甘えれば良いのか、反発すれば良いのか、懇願すれば良いのか、何をどうすれば良いのか分からないのです。ただ一つ確かなのは、どうあっても『逆らえない』と感じることでした。

 

何十人もの幽霊たちとのセックスは続きます。

幽霊であることに関係はあるのでしょうか、1人1人の精力は無尽蔵と言わんばかり。しかも1人がフィの腰から下りても、周りで見ていた2人が跨がって腰を振り始めるのです。

彼女たちが幼い少年を犯すことに飽きる様子はなく、それどころかどんどん没入してゆきます。

「ん~♡ 久々のエッチは最高ね。もっともっと愉しませて頂戴♡」
「本当にこの子、犯しがいがあるわ。元気で、敏感で、よく見ると女の子みたいに可愛い子ね♡」
「うふふふ。私、この子のこと好きになっちゃいそう♡」

人が恋人や伴侶となる異性を選ぶように、幽霊だってエッチをする相手を選ぶのは当たり前のことでした。どれだけ衝動に駆られていたとしても、犯して楽しい男性もいれば、犯してもっと楽しい男性だっているのです。

その点、フィという少年は『犯したい』という願望を満たす相手としては実に適任でした。

男にしては随分と頼りなく、おちんちんが小さいのは玉に瑕。しかし精力は旺盛で、勃起も硬いのはうれしい限りです。それに若々しい肌や敏感な神経を快感で苛めてあげるのは嗜虐心をくすぐりますし、控えめな幼い少年が女の子のように可愛らしく喘ぐ姿はそれはそれで新たな性癖が目覚めそうです。幽霊たちにとって彼を犯すのは、瑞々しい果物を頬張るような清涼感がありました。

 

しかしどれだけ精力を溜め込んだ少年でも、こうも長い時間犯されていれば消耗するのは当然のことでした。

「んぁぅ……! ひ……。もっ、だめっ……、も、死んじゃ……」

今もなおたくさんの幽霊たちが腰に跨がってはいるものの、肝心のおちんちんは半勃ちの状態。射精の量も少なく、彼自身も小さく呻くばかりで反応すらなくなりかけています。

犯されながら意識を失うというのは不思議な心地がします。自分の中から命が吸い取られているような気がして、『もしかしたら自分は死んでしまうかも』とすら思えます。死への恐怖はあって当然ですが、それに対してどこか安らぎすら感じました。

このまま死んでしまうのも良いかもしれない――フィの意識が眠るように閉じようとします。しかし次の瞬間のこと、サキが彼の頬を掴んで勢い良く口付けをしたのです。

「――んむぅっ!? むぐっ、んぅぅ~~っ!?」
「ちゅっ、れろっ、んっ、ちゅぅ……!」

フィも『キス』という行為は知っていましたが、まさか舌を入れられて自分の口内を舐られるなんて思いもしませんでした。舌先で上顎だとか、舌だとかをなぞられるとゾクゾクとくすぐったくなります。

そしてそれだけではありません。が、自分の中に流れ込んできている気がするのです。

「んむ――! ぷはっ、な、何……!? か、体、変に……!? ――ぅあぅ!? やめっ、止め――!!? っ~~~~~~~~~~~~~~~~!!!? ッ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!」

その瞬間、フィは射精します。あれだけ消耗していたはずなのに、夥しい量の精液がたくさんの幽霊たちの膣に注がれてゆきます。

射精だけではありません。おちんちんが再び硬く勃起し、そのおちんちんを蕩かされる感覚すら鮮明化しています。あれだけ消耗していた自分の体が、まるで三日三晩寝た後のように快活になっていたのです。

「なるほど、何となくやってみたけれど。すれば男の人は元気になるのね……♡」

サキが深い笑みを零します。フィは、彼女が行ったのが単なるキスではないことを悟りました。

魔力とは全ての根源。故に命に直接魔力を流し込めば何よりも効く霊薬となります。膨大な魔力を持つ彼女たちにとって、幼い少年の精力を取り戻すなんて造作もないことです。

「おちんちんがまたすっごく元気になったわ!」
「これなら、またたくさんエッチできるわね♡」
「元気がなくなっても、キスをしてあげればまだまだたくさんエッチできるってことね♡」

「ぅぁっ、ぁ、ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!?」

フィは悲鳴を上げました。

最初は幽霊という存在に対して恐怖していたフィ。しかし今、彼はセックスという行為そのものに対して恐怖するようになりました。確かに気持ちいいはずなのに、自分の中の大切な何かがこそげ落ちてゆくような気がするのです。

「おねが――!!? もっ、止めて!! 止めてよぉぉぉぉ!!?」

フィは暴れようとしますが、たくさんの幽霊たちに跨がられていたらそれすらも叶いません。逃げ出す好機はとっくの昔に失われているのです。

「あら、今更どうして逃げようとするのかしら♡」
「こんなにも気持ちいいのに、逃げる必要なんてないでしょう?」
「大丈夫よ。疲れてしまったら、また元気を注いであげるから♡」

体に跨がられ、おちんちんを挿入させられ、腰を振られ、膣を締め付けられ、射精させられる。そして気絶しそうになるとキスで以て精力を注がれる――そんな情事はずっと続きます。

「ひ――っ!? ぅあぅっ! どうしてっ、どうしてぇぇぇぇっ!!? ひゃっ、ぁあぁぁぁぁぁっ!! ッ~~~~~~~~~~!! ッ~~~~~~~~~~~~~~!!!」
「『どうして』? 気持ちいいことをしたい――それ以上に理由なんてあるかしら?」

フィは泣き叫びながら犯され続けます。長い前髪は涙に濡れておでこにピッタリ貼り付き、まん丸の目が露出しています。女の子のような可愛らしい顔立ちに、周囲の幽霊たちは熱狂し、また彼を激しく犯すようになるのです。

体は常に快活。おまけに幽霊たちは数え切れない程いて、相手が都度変わります。一夜の間に何十人、何百人もの女性に犯されるのですから、神経が飽くこともありません。

フィは途中から、まるで酔っ払いのように意識をもうろうとさせてしまいます。体が元気でも、心が消耗してしまうのです。

「ぅあっ、ひ……♡ ひゃっ! ぉっ、ぉー……♡ っ~~~~~~~~! ッ~~~~~~~~~~~~~~~~♡♡」
「この子、すっごくトロトロしちゃって、可愛い~っ♡♡♡」

「ねぇっ、私のおっぱい、吸ってみて♡♡」
「んちゅっ、れろ……♡ ちゅっ、ちゅぅっ……♡」
「んぁぁー♡♡♡ すごい素直ー、最っ高ー♡♡」

「あー、それずるいわ! 私もー!」
「ねえねえ。私は指でおまんこ弄って欲しいわ♡ んぁっ♡♡♡ そうっ、それっ、イイぃ~♡♡♡」

フィが虚ろな表情を浮かべ始めても、相も変わらず犯され続けます。それどころか幽霊たちは腰の上に跨がるだけでは飽き足らず、自分のおっぱいを吸わせたり、おまんこを指で弄らせたりするのです。

「うふふふっ♡ すごく愉しいわ」
「そうね。すごく愉しくて、この子が愛おしいわ♡」
「この子とこんなエッチが、ずーっとできれば良いのにね♡」

「……なるほど。『ずっと』、ねぇ♡」

幽霊たちが愉しそうに、そしてうれしそうに笑い合い、その中心でサキが一層深い笑みを浮かべています。

そんな情事は、彼女たちが満足するまで続くのでした。

 

――――
――

 

朝。フィは天蓋付きのベッドの上で目を覚まします。

今朝は最高の寝心地でした。シーツやブランケットは少しすり切れているけれど、元の質が良いだけあって依然として柔らかく温かい。壁や天井のおかげで風雨とも無縁、路地裏の地面で眠るのとはまるで違います。それこそ、このまま二度寝してしまいたい程。

「やっと起きたのね。もう昼よ?」
「っ!?」

しかし不意に聞こえたその声で、フィは現実に引き戻されました。

ベッドの側に居たのは女性の幽霊――サキ。フィはその美しい顔を見るなり、昨晩何があったのかを思い出したのです。

「うわ、ぁ、ぁあぁぁぁぁぁっ!!?」
「本当に悲鳴が好きね。あなた」

その悲鳴は、まるで初めて彼女と出会ったときの焼き増しでした。

だけどサキは『もう慣れた』と言わんばかりに苦笑します。そして恐怖の表情を浮かべるフィの両頬を掴んで、それはもう楽しそうな表情で囁くのです。

「あなた、?」
「ヒ――!?」

「ねぇ、?」

それは魔力の籠もった言葉でした。フィはその問い掛けに慎重に答えなければなりません。

この屋敷に居れば、毎日のように幽霊たちに精を搾り取られることになるのは明らかでした。それは何も知らない男たちからすれば、何て羨ましいことでしょう。しかしフィは、それが苦痛であることを知っています。確かに気持ちいいことであるはずなのに、同時に酷く苦しいのです。

 

脳裏に浮かぶ光景は甘い地獄――フィは考えるまでもなくベッドから下りて、走って逃げようとします。その瞬間のことでした。

「あなた、行く当てなんてないでしょう?」

サキの言葉で、フィの足がピタリと止まりました。

「そんな身一つで外に出て、どうするつもり? 町に戻る? 道なき道を行く? それであなたは何ができるの?」
「それは……」

彼女の言う通りでした。フィには力も知恵も、特殊な能力もありません。そんな彼がここを出たところで、どこかで惨めに野垂れ死ぬしかないのです。

「私たちが護ってあげるわ」

サキが言います。そして幽霊たちが追うように言葉を紡いでゆきます。四方八方から響く美しい女性たちの声は唄のようでもあり、呪文のようでもありました。

「白く煌めく剣から、闇夜を貫く鏃から、あらゆる厄災からあなたを護ってあげる」
「あなたを害する者はみーんな苦しめて殺してしまいましょう」
「何なら犯してしまいましょう。犯して、犯して、犯して、犯して苦しめて殺してしまうの」

「お腹が空くのもどうにかしなきゃならないわ」
「お屋敷のお外に畑でも作ろうかしら。馬鈴薯に、リーキに、人参キャロットに」
「お洋服も欲しいわ。こんなボロボロの布きれじゃ冬に凍えてしまうわよ」

「それならお金を稼ぎましょう。お金があれば何でも買えるもの!」
「そうだ、娼館が良いわ! 私たちで男の人たちを犯してあげるの♡」
「あら素敵! 私たち、きっと人気になるわよ。だって、あーんなに気持ちいいんですもの♡」

彼女たちが紡ぐ言葉はまるで蜜のようでした。

傷痕の時代――崩れ落ちた城塞、統率を失った町々、焦土と化した畑。どこの国でも衣食住の慢性的な不足によって略奪行為が横行し、国の庇護を受けられない村落は次々と地図からその名前を消し去る日々。大きな町に居ても平和とは言えず、一部の強者になれなければ財を搾り尽くされて果てるのみ。

そんな時代において、大きなお屋敷で飽食暖衣して安穏に暮らせることが、どれほど恵まれたことかは言うまでもありません。フィは、自分の心がガラガラと崩れてゆくのを感じました。

ただしこの蜜には毒が含まれているのです。

「だから私たちにあなたを犯させて♡」
「あなたを犯すのはとても愉しかったから。終わりなんて来て欲しくないわ」
「だからずっとずっとあなたを犯させて♡ 1年後も、10年後も、100年後も、1000年後も♡」

「あなたはずっと生きたまま。あなたはずっと幼いまま。あなたはずっと元気なまま」
「死なないで、老いないで、狂わないで」
「そうすれば、私たちはずっとあなたを犯せるわ♡」

蜜と毒を混ぜ合わせた味は、ただただ甘く、酷く苦しく、それ以上に甘く、ひたすらに甘い。

サキはフィの頬を掴んだまま、そっと口づけをしてから囁きました。

「これからよろしくね……♡」
「…………」

フィは何も言いません。は必ずしも言葉である必要はないのです。

『取り憑かれる』とはこういうことを言うのでしょう。それも相手は神に比類する力を持つ強大な霊。そのつながりはそう易々と断てるものではありません。

無力で幼い少年はただその場に立ち尽くしたまま、涙をポロポロと零し続けるのでした。

 

――――
――

 

傷痕の時代より続く幽霊娼館――一度に何人、何十人もの美女と交わるような快楽を得られることから多くの男たちを虜にしたお店。

幽霊しか居ないはずの館には、1人の『主』が住んでいました。見たことのある者は少なく、噂の絶えない人物です。

――は死なず、老いず、常に幼く、少女のような可憐さを持つ少年である。しかし非力ながらも、彼を傷付けることは能わず。彼に害を為そうとする者は幸福と苦痛の狭間で死に絶えるだろう――と。

力も知恵も持たず運良く見初められてしまっただけのフィは、世界中から集められた幽霊たちの受け皿として、永遠の安穏を代償に、彼女たちに全てを捧げ続けるのでした。